第20回記念スペシャル!オールスターものまね王座決定戦

1988年4月12日放送

【司会】  所ジョージ 榊原郁恵 田代まさし

【審査員】

藤村俊二 鈴木邦彦 清水国明 生田悦子 淡谷のり子
おすぎとピーコ 峰岸徹 鈴木ヒロミツ 針すなお サンコン&亜仁丸
&保沢紀

1回戦・Aブロック 第1組目

原田ゆかり

鈴木末吉

小林幸子のまねで 水戸黄門
おもいで酒 ああ人生に涙あり
●3回目の出場の原田ゆかりは、地声がよく似ていると言われるらしい小林幸子のものまね。1回戦のトップバッターからこんなに似ているのは、この番組では珍しい。
●所さんに「いつも優勝スレスレまで行って落ちちゃうんだよね?」と言われ「行ってないよ!いつも1回戦だよ!」と情けない返答をした末吉さんは、水戸黄門の格好で『ああ人生に涙あり』に乗せて「どんぐりころころ」を歌いながらラジオ体操。どこかの世界へ行ってしまわれたようです(笑)。そんな末吉も、この年の年末には栗貫を倒し大番狂わせを演じる。そんなことはこのとき、全く誰も知る由がない。
原田ゆかり・97点、鈴木末吉・83点。

1回戦・Aブロック 第2組目

清水アキラ

桑野信義

清水健太郎のまねで カーネル・サンダースチャップリン
涙をふいて ロンリーチャップリン
●今日は久々に淡谷先生がいらっしゃるため、「どうも皆さん今晩は、清水アキラです」と丁重に登場。淡谷先生の機嫌を伺いながら真面目に清水健太郎の真似をするが、先生は「誰の真似したの?ごめんなさいね、知らないのその人」と。アキラガッカリ。所「的を淡谷先生に絞ったまでは良かったんだけど・・・。他の先生方には物足りないと言われ、淡谷先生には知らないと言われ・・・(笑)」。清水、2回戦で巻き返しを図る。
●対するは新生ラッツ&スター。田代は今回から司会へ格上げされたため、桑野信義はえちご純平を引き連れてのチャレンジ。カーネル・サンダースで子門真人を歌う桑野と、チャップリンで世良公則を歌うえちご。2人で下のパートを同時に歌ってしまい、ハーモニーが聞きそびれたのが残念。
清水アキラ・96点、桑野信義・91点。桑野「今度はマクドナルドのドナルドの格好で来ます」。これには所、「欽ちゃんの仮装大賞じゃないんだから」とお約束のツッコミ。

1回戦・Aブロック 第3組目

ヒップアップ

しのざき美知

淡谷のり子のまねで いなかっぺ大将
禁じられた遊び 大ちゃん数え唄
●今回も相変わらずの格好で現れたヒップアップの3人。島崎「さっきアキラさんがやってるとき、恐かったですもん。もうこんな同じネタ何回もやってはいかんね」と心底ビクつきながら後悔していた。前奏のギターをわざと長引かせ、ワンフレーズだけ歌ってすぐ終わらせていた(そして土下座、すぐに引っ込む)。前回の「鬼のいぬ間に『なんてったってアイドル』」とは対照的なネタだった。峰岸、淡谷先生の横で「そっくりでした」と大失言(笑)。
●歌うと意外にいい声しているしのざき美知。前回の『ハクション大魔王』に続くアニメネタは『いなかっぺ大将』のテーマ曲(歌っていたのは天童よしみ)をそっくりにものまね。後に正月恒例の『ものまね紅白歌合戦』ではこの曲でオープニングを務めることになる。
ヒップアップ・90点、しのざき美知・90点。温度の低いジャンケンを制したのはしのざき。

1回戦・Aブロック 第4組目

コロッケ

松本明子

五木ひろしのまねで 美空ひばりのまねで
倖せさがして It’s BAD
●五木ひろしの婚約を記念して、和由布子の等身大写真パネルを横に『幸せさがして』。「小指〜をからめない」「さがしていたんだよ〜」でパネルをいやらしく触りまくり、いつもの五木節を聞かせる。
●正月特番の『ものまね紅白』から仲間入りした松本明子、王座デビュー戦はお約束の美空ひばり。田原俊彦の「雨の日はバァ〜ド」を女王のコブシで歌う。その意外な出来に司会陣もびっくり。2年後には、この美空ネタ(歌は『17才』)で天下を取ることになる。その兆候は・・・まだ残念ながら見られない(笑)。
コロッケ・97点、松本明子・94点。松本、惜しかった!

ここで一旦ブレイク。当時、人気・実力とも四天王並だった司会の田代まさしが、特別にものまねを披露。ネタは「吉幾三のまねで『そんなヒロシに騙されて』」。これには淡谷先生も大満足で、「ウケました。アタシ、機嫌直っちゃった」。ということは今まで機嫌悪かったのね。でもこれにはマーシーも大喜び。お約束の榊原郁恵の「日吉ミミ」、所ジョージ自身の「所ジョージ」を挟んで、戦いはBブロックへ。

1回戦・Bブロック 第1組目

ビジーフォー

井森美幸

さだまさしのまねで 菊池桃子のまねで
防人の詩 もう逢えないかもしれない
●ビジーフォーは1回戦から勝負ネタ、モト冬樹のさだまさしを出してきた。歌は『防人の詩』を、100%ハゲネタで。「生きとしハゲるものの頭に〜毛根が戻るのならば〜わかめも食べました〜マッサージもしています〜血の滲むほど叩きました〜牛にも舐められました〜今は〜これ(ポケットから出した毛髪剤の「101」)に賭けてます〜」と。今回、なぜか審査員席に座っている亜仁丸の後ろには通訳さんがいるのだが、どうやって訳していたんだろう?ところで、牛に舐められると髪の毛が生えてくるの?
●「今やすっかりコメディアン」と言われていたバラドル井森美幸は、真面目に菊池桃子。『第18回』の頃よりは相当成長した後が窺える。でも前回ヒット作を飛ばしてしまったため(安全地帯で『恋の予感』)、今ひとつパッとしない感も残る。
ビジーフォー・100点、井森美幸・91点。冬樹の「100点を呼ぶ頭」は今回も健在だった。

1回戦・Bブロック 第2組目

栗田貫一

やや

いろいろな人のまねで 平山三紀のまねで
メロディ 真夏の出来事
●昨年末の『チャンピオン大会』優勝でノッている栗貫は、桑田佳祐、五木ひろし、尾形大作、工藤静香の4人でサザンの名曲『メロディ』を。『チャンピオン大会』で取り入れたばかりの新作・工藤静香、Bブロックの末席に座っている尾形大作もきっちりハマり、栗貫らしい雰囲気に仕上げていた。
●初登場のややは、顔もそっくりの平山三紀。で、歌い出したらこれがなんと声もそっくり。所も田代も「はっきり言って、おんなじ声だよね」と絶賛。ややが歌っている最中、横で「やべぇ」という顔をしている栗貫の顔がしょっちゅう抜かれていた。
栗田貫一・100点、やや・95点。ややは対戦相手に恵まれなかった。所「相手が鈴木末吉くんだったらバッチリだったのにねぇ〜」。

1回戦・Bブロック 第3組目

城之内早苗

芹沢直美

ややのまねで 藤純子のまねで
夜霧のハウスマヌカン 緋牡丹博徒
●昨年の『第19回オールスター』で初出場&準優勝を果たした城之内早苗が登場。ご本人のいる前で『夜霧のハウスマヌカン』を熱唱。もう少しハスキーさが前面に押し出ていれば、いい点数を押しやすかったかも。前に出て一緒に歌っていた「やや」はいかんせん「平山三紀」の格好なので、いまいちピンと来ず(笑)。
●『ものまね紅白』ではなぜか毎年似てない山口百恵を披露する芹沢直美が王座デビュー。しかし登場するや「タイトル分かんない」とプッツンアイドル並の発言。この辺の態度に呆れたか、審査員席の生田、おすぎ&ピーコは最初からヘッドホンを頭にかけず。歌っている最中もずっと所と郁恵のナレーションが入り(「ちゃんと聞いてくださいよ〜かわいそう〜一生懸命やってるのに〜」と郁恵の声)、画面下には「ものまね名人募集」のテロップが入り、と散々な扱い。出し物がシブすぎるうえ、歌に力がないとこうなってしまうのか。二人が歌い終わり、淡谷先生に意見を聞いてみると・・「そうね、どっちも似てないんじゃない?」の声に全員ぶっ飛んでいた。
城之内早苗・91点、芹沢直美・89点。実力者の新人、城之内もいまいちハジけられず。

1回戦・Bブロック 第4組目

松居直美

尾形大作

都はるみのまねで 岡晴夫のまねで
好きになった人 憧れのハワイ航路
●1回戦のトリは、いかにも『オールスターものまね王座』っぽい若手演歌対決。毎度おなじみのオレンジの衣装で現れた松居直美、これまた安定感抜群の『好きになった人』を熱唱。何度も聞いて耳慣れている松居の歌だが、実はあんまり似てなかったりする(笑)。それでも安心して聞けるというのは、完全にご本人を消化して自分の芸にしてしまっているという証拠だろう。清水アキラの「井上陽水」や、グッチ裕三の「プラターズ」などにも同じことがいえると思う。
●こちらは初出場、「若手演歌の星」尾形大作は、真摯に岡晴夫の懐かしく伸びやかな声を再現。清潔感溢れる好青年の歌、という感じでこれには淡谷先生もニコニコ。後に紅白で披露したときよりもよく雰囲気をつかんでいたと思う。
松居直美・99点、尾形大作・95点。さすが、『第15回』チャンピオンの貫禄か。

 

準々決勝 第1組目

原田ゆかり

清水アキラ

三沢明美のまねで 北島三郎のまねで
恋しくて 与作
●準々決勝のスタート。二人が登場するや清水アキラのメイクにばかり目がいってしまい(「プロゴルファー猿に似てる!」で会場大爆笑)、若干気の毒な原田ゆかりは、三沢明美の『恋しくて』を正統派に熱唱。これぞ原田初期の名作。後半サビの「耐える、忍ぶ、焦る、震える〜」のコブシも決まり、審査員をうならせる。
●対する清水は、後に代表作ともなる新作「北島三郎」を初披露。「与作は〜屁をこく〜、プップップ〜」という自分のフィールドで勝負。サビ前に「ポッ、カッ!」と口つづみ&顔の横叩きを挟むと会場全員が大爆笑(たった一人を除いて)!後ろに座っているコロッケ、ヒップアップ、松本明子も立ち上がって喜んでいた。1回戦と違って伸び伸びと自分のカラーを発揮している様子は見ていて清清しいくらい。
原田ゆかり・99点、清水アキラ・98点。会場的には大ウケだったのに、正統派・原田ゆかりに敗れてしまう。淡谷先生の怨念か・・。

準々決勝 第2組目

しのざき美知

コロッケ

アルプスの少女ハイジ 志村けん、長嶋茂雄、千昌夫のまねで
おしえて ヤーレンソーラン北海道
●いつの間にかアニメネタが十八番となってしまったしのざき、2回戦は迫力の「アルプスの少女ハイジ」。歌い出し(ヨーデルっぽいところ)、間髪入れずにステージを所狭しと動き回り、田代に「お前、瞬発力はすげえな。あなどれねえよ。」、所に「アイドリングとかないんだね。いきなりズワーンだもんね」と言わしめる。でも彼女の歌い方が、92年の『第11回爆笑スター』で披露した「菊池桃子」と全く同じということに筆者は気づいた。
●「2回戦は飛ばします!」と気合十分のコロッケは、テレ朝の子供番組『ピッカピカ音楽館』で当時大人気だった歌に、志村けん、長嶋茂雄、千昌夫を織り込むという爆笑必至のネタ。志村けん「あんたがた、千昌夫って知ってるっしょ?だっけどあれ、金持ちなんだよ?」、長嶋茂雄「うっそでな〜い?ねえ、ビル、ビルディングですか、建てるのは、ケチだからでしょうかね〜、まあ台湾、ハワイ、香港。金髪は立てられなかった、そんなところでしょうか」、千昌夫「あんだけ貯めるのに貯めるのにきついかあ〜、分かるべさ。ヤーレンソーラン千昌夫、ヤーレンソーラン、金持ってんどお〜」。文字にすると分かりづらいことこの上ない(笑)。元歌知らない人にとっては尚のことだろう。しかし長嶋口調で千昌夫の金髪ネタのとき、オスマン・サンコンがゲラゲラ笑っていたが、本当に分かっていて笑っていたのだろうか?

しのざき美知・88点、コロッケ・100点。あまりの嬉しさにコロッケお約束のズッコケ(体からステージに落ちる)。会場は爆笑だったが、淡谷先生は「あんなことしなければいいのに」。これにはコロッケ「あんらぁ、スッぱいスたなぁ」。

準々決勝 第3組目

ビジーフォー

栗田貫一

エルビス・プレスリーのまねで いろいろな人のまねで
この胸のときめきを ドレミの歌
●屈指の好カード。一見すると代々木ゼミナールの佐藤忠志先生(笑)のグッチ裕三は本気の新作、エルビス・プレスリー。マイクパフォーマンスを交えながらの熱唱、なぜか途中で紙テープが飛んでくるが・・・そう、モト冬樹がこっそりステージ前方に回り、紙テープを投げていたのだ。これは珍しい冬樹の特殊効果。途中、安物の金髪のズラをかぶり、エルビスが汗をふくためのハンカチをこっそり手渡ししたシーンには笑った。すごくセンスのいい、大人向けの出し物。おそらく対戦相手を意識しての、渾身の出し物だったのだろう。亜仁丸がすごく嬉しそうに聞いていたのがとても印象的。故郷を思い出したのかも。
●対する栗貫は、カルガリー五輪で話題の黒岩選手よろしくスピードスケートの格好で登場。田代「この格好は関係ないんだね?」、栗田「いや、動きやすい格好をしようと思って・・」、田代「どこがよ!」と懐かしいやりとり。こちらも渾身の出し物は、『ドレミの歌』のメロディに合わせて、「ド・郷ひろみ、レ・五木ひろし、ミ・田原俊彦、ファ・森進一、ソ・沢田研二、ラ・近藤真彦、シ・布川敏和、ド・小林旭」の豪華8人リレー。マイクを8本立てて、「ド、ミ、ミ〜」と音階ごとにマイクを移動するという離れ業を披露。最後、若干バンドの音についていけない部分があったのが残念といえば残念。
ビジーフォー・97点、栗田貫一・95点。栗貫の負けが決定した瞬間、会場から「えぇ〜」の声。しかしこれは甲乙つけがたい名勝負中の名勝負だった。特筆したいのが、この20回記念大会の2回戦は「アキラの下ネタ路線」「コロッケの爆笑路線」「ビジーフォーの洋物路線」「栗貫のアイデア路線」と、四天王がこれ以上ない「らしさ」を発揮し、新作・名作をこれでもか!と披露した。世間に彼ら4組の底力を見せつけ、俄然注目を集めた結果「ものまね四天王」が生まれ、この後空前の大ブームが巻き起こった。その直接的な原動力となったのが、間違いなくこの「第20回大会の2回戦」にあったと、筆者は断言したい。まさにここから、この瞬間から、ものまね史の新しいページは始まったのである。

準々決勝 第4組目

城之内早苗

松居直美

金沢明子のまねで 松田聖子のまねで
与作 ハートのイヤリング
●1回戦では調子の悪かった城之内早苗は、ここぞとばかり得意の金沢明子を持ってきた。しかしタイミングが悪く、選曲は『与作』。数分前に印象深い『与作』が出てしまったからなあ。「ジャジャ、ジャジャ、ジャジャジャジャジャジャジャジャ」の後に、後方で「ポッ、カッ!」をやってしまう清水にまたも爆笑。会場で一番笑っていたのは、おそらくサンコンである。
●初期の松居直美といえば「都はるみ」か「松田聖子」のイメージがあるが、その松田聖子を王座で初めてやったのは実はこの2回戦。松田聖子のアイドルぶり全開の歌い方は後に松居の十八番になるが、「完成まではもう少し」といった部分が今から見れば逆に新鮮に感じられる。
城之内早苗・91点、松居直美・97点。松居、準決勝進出は実に久しぶり。『第15回』で優勝して以来の2回目である。

 

準決勝 第1組目

原田ゆかり

コロッケ

松田聖子のまねで 森進一、玉置浩二、美川憲一のまねで
渚のバルコニー 伊勢佐木町ブルース
●初の準決勝進出を果たした原田ゆかりは、定評ある松田聖子でコロッケと勝負。どうしても原田自身のハスキーな声が混ざってしまうため「おぉ!」とはならないが、上手くまとめあげていたとは思う。この準決勝を最後に、原田は松田聖子のものまねを封印。
●2回戦唯一の100点満点を出し、その勢いを持ち込みたいコロッケは、『伊勢佐木町ブルース』を面白い人たちのものまねで。でもコロッケにしては人選が「やりやすい人」ばかりだったか?森進一にしても安全地帯にしても、コロッケには簡単にこなせてしまうイメージがあるため(実際には顔を変形させたり声を変えたりと大変なんだろうが)、どうしても見る人の偏見で「あ、コロッケ、流してるな」「手抜いてるな」と思われてしまう節があったかもしれない。それでも最後の美川憲一の「ドゥドゥビドゥビドゥビドゥビドゥバ」には爆笑したが。
原田ゆかり・97点、コロッケ・94点。「コロッケの点数をどうぞっ!9点、9点、9点、8点、10点、9点・・・」にコロッケ「しまった!」の顔、観客激しく「えぇ〜」の声。2回戦で『伊勢佐木町ブルース』、準決勝で『ヤーレンソーラン北海道』をやれば、間違いなく決勝に行ってたと思う。このへんのカケヒキが、王座の醍醐味でもあるのだが。

準決勝 第2組目

ビジーフォー

松居直美

ヘドバとダビデのまねで 梓みちよのまねで
ナオミの夢 二人でお酒を
●準決勝続いては、ビジーフォーの『ナオミの夢』。この時代にこの選曲、やはり彼らはタダモノではない(笑)。非常に軽快で聞き易いメロディ、この出し物を見て「ヘドバとダビデ」を知り、さらにこの曲が好きになった視聴者はたくさんいたはずだ。
●最後の強敵を倒しなんとしても決勝に進出したい松居直美は、梓みちよに挑戦。サビからはステージの中央にあぐらをかき、貫禄で歌い上げる。所が「どっちが勝っても『うらみっこなし』」とウマイことを言っていた。
ビジーフォー・99点、松居直美・98点。大激戦。まさにビジーフォーが「直美の夢」を打ち砕いた形になった。

 

決勝

原田ゆかり

ビジーフォー

桜田淳子のまねで 田中星児のまねで
気まぐれヴィーナス ビューティフルサンデー
●ついに決勝。今回勢いのある原田ゆかりは、初挑戦の桜田淳子。1回戦から決勝までの4つの出し物すべてに関して、水準が一切ブレないのは凄いこと。往年の『オールスターものまね王座決定戦』で好成績を修めた「森昌子」「石川さゆり」「五木ひろし」たちと同じジャンルの「ものまねの上手さ」があったと思う。最後の桜田淳子も、唇の動かし方、声の伸ばし方など、いかにも「ものまね!」って感じの出来で、高得点が期待できる。
●原田とは対照的に挑戦的なものまねで勝負のビジーフォー。グッチ裕三が田中星児に扮し、子供番組さながらのバカバカしさを演出する(笑)。「ハー、ハー、ハー、どうした?元気がないぞー」「スバー、スバー、スバー、どうした恥ずかしいのか?恥ずかしいのはボクだよー」「ダー、ダー、ダー、誰も歌ってねえじゃねーか!」とグッチが歌う後ろを、鼻を垂らした子供(冬樹)がスケッチブックをめくりつつ、無駄に元気に走り回る。審査員のピーコ「田中星児が気持ち悪かったんだけど・・どうすればいいの?」、所「だってしょうがないじゃない、田中星児は気持ち悪いんだから」。田中星児と従兄弟の関係にあるグッチもこれには苦笑い。
原田ゆかり・98点、ビジーフォー・96点。この瞬間、新しいチャンピオンが生まれた。優勝賞金の200万円を獲得したのは原田ゆかりだった。清水アキラ、コロッケ、ビジーフォーと強敵を倒して勝ち上がった見事な勝利。この後も『ものまね王座』には城之内早苗とともに本格派の代表として長く出演することになる。ちょうど10年後の『第30回オールスター』では橋本志穂とコンビを組み2度目の優勝。節目の回に強い、という印象を植え付けた(筆者にだけ?)。


≪第20回記念賞≫ 尾形大作 やや

≪審査員特別賞≫ ヒップアップ 桑野信義 井森美幸 城之内早苗

≪努力賞≫ 栗田貫一 清水アキラ

≪敢闘賞≫ 松居直美 コロッケ