第7回 爆笑!スターものまね王座決定戦スペシャル
 
1990年4月3日放送

【司会】  所ジョージ 田代まさし 榊原郁恵

【審査員】

あのねのね 鈴木邦彦 生田悦子 淡谷のり子 峰岸徹
浅田美代子 野口五郎 大矢明彦 針すなお 保沢紀

1回戦・Aブロック 第1組目

ケントフリック

笑福亭笑瓶

ミック・ジャガーのまねで 中森明菜のまねで
サティスファクション TATTOO
●90年代最初のものまね王座。初っ端に登場のケントフリックは、来日して東京ドームでコンサートを行ったローリング・ストーンズのタイムリーなものまね。清水国明「いやあ、私も武道館行きましたよ。」と無責任な発言。
●対するケツカッチンの笑瓶は、今回はネズミ男でもよしこちゃんでもなく、何と初の本格ものまね「中森明菜」。仕事の都合とはいえ、今回用意した珠玉の1ネタが、これである・・。とはいえ会場は盛り上がったし、番組序盤の出し物としてはOKか。
★ケントフリック・95点、笑福亭笑瓶・88点。審査員の点数が「9点・8点・8点・・・」と読み上げられたとき、会場から「えぇ〜?」の声。彼はこのあと仕事なのだ、しょうがない。

1回戦・Aブロック 第2組目

清水アキラ

ポップコーン

青江三奈のまねで オルゴール風・宮地オサムのまねで
伊勢佐木町ブルース なみだの操
●いきなり四天王の一角・清水アキラが登場。とかく新ネタを期待される四天王は今回その期待に応えられるのか、というのも今日の見所のひとつ。清水、1回戦は青江三奈に挑戦。あのハスキーボイスを大袈裟に表現するが、やればやるほど森進一に聞こえてしまう・・。1ヶ月かけて練り上げてきたネタだけに、何とか結果を出したいところ。前回ダチョウ倶楽部にまさかの1回戦負けを喫した清水であるが、今回はどうなるか。 ●ポップコーンは懐かしい殿様キングスの宮路オサムを、双子の利点を生かしたアイデアで熱唱。鈴木邦彦「アキラはずっと勝ち抜いていくと4つ違うことやらなきゃいけない、となると、多分一番不得意なものを先に持ってきたんだよね。アキラは上手いんだという先入観を外して考えると、ポップコーンのアイデアもよかったし、結構いい勝負になりそう」。
★清水アキラ・91点、ポップコーン・89点。自分の点数が出た瞬間、思わず顔をゆがめる清水。筆者はプロの見せるこういう一瞬の素顔が殊の外好きである。対するポップコーンは、何と3戦連続、清水アキラに負けてしまうことになった(第3回はリンリンランランで、第4回は尾形大作で)。そして今日の出演を最後に、ものまね王座からは姿を消してしまうことになる。風雲たけし城、フォーエヴァー。

1回戦・Aブロック 第3組目

しのざき美知

森口博子

松本伊代のまねで 山本リンダのまねで
センチメンタル・ジャーニー どうにもとまらない
●昨年末に誕生した「ものまね女四天王」の一人、しのざき美知(後、「お笑い四天王」誕生と同時に脱退、代わりに斉藤ルミ子が入った)、今回は松本伊代。鼻にティッシュを詰めての熱演に司会陣も呆れ顔。
●前回は栗貫を1回戦で撃破した森口博子は、この番組では久々の山本リンダの真似。峰岸「まだこの番組始まったばかりですが、初めて安心して聞けました」。
★しのざき美知・88点、森口博子・97点。実は森口に山本リンダの歌唱法を伝授していたというしのざきに、田代「人の心配より自分の心配しろ」。

1回戦・Aブロック 第4組目

ピンクの電話

おぼんこぼん

ラッコのまねで 森繁久弥のまねで
ひみつのアッコちゃん 知床旅情
●前回の「サル」に続くぬいぐるみ芸第2弾、「ラッコ」に挑戦するはピンクの電話。毎回「テレビの前のチビッコは大喜び」とか言われるが、これを喜ぶ子供が本当にいるのかどうかは疑問だったりする。
●今回も1回戦はおぼんのみ。いつもの植木等ではなく、ベテランならではの森繁久弥。オーソドックスな、いかにも「ものまね」といった感じの出し物ではあった。やはり安心して聞けるのは強い。
★ピンクの電話・89点、おぼんこぼん・92点。ラッコが悔しがっているのが少し可愛らしかった。

 

1回戦・Bブロック 第1組目

広川ひかる

ビジーフォー

荻野目洋子のまねで ピーター・ポール&マリーのまねで
六本木純情派 虹と共に消えた恋
●登場2回目の広川ひかる(現・上島竜兵夫人)、今回は荻野目洋子一本で勝負。対戦相手が強敵なだけに、緊張も一入。ていうか、このビジーフォー相手に勝つには、ちょっとやそっとの出し物では絶対に無理。クジ運がなかったと諦めるしかないのかもしれない。
●そのビジーフォー、秘密兵器である「紅一点」を引き連れて、p.p.m.のものまね。3人の澄み切ったハーモニー、曲の懐かしさ、音楽性ともに完璧。しかし「似てるか」と言われれば・・よく分からない。ギターを持ったグッチの左手に注目すると、指が1秒ごとに動いている!明らかに弾いていない!そのことを所にツッこまれると「いやあ、随分勉強しました」。
★広川ひかる・88点、ビジーフォー・99点。横綱、余裕の2回戦進出。

1回戦・Bブロック 第2組目

内藤やす子

栗田貫一

ベッド・ミドラーのまねで 牛若丸三郎太、目玉オヤジ、ネズミ男
のまねで
ローズのテーマ 勇気のしるし
●この番組では珍しい本格派の一人、内藤やす子は、またまた自分の地声を生かしたものまね。普通に歌えばものまねになる、それはそれで素晴らしいことかも。清水国明「そのベッド・ミモラーはね、武道館を思い出すね」。
●対するは栗貫、『リゲイン』のCMで話題となった時任三郎扮する牛若丸三郎太の『勇気のしるし』を選択(榊原郁恵はイントロ紹介で「牛若丸三太郎」と言ってしまう)。曲間に『ゲゲゲの鬼太郎』の目玉オヤジとネズミ男のしゃべりネタを挟み、ダジャレで落とす。鈴木「栗田くんは、全く新しい工夫で、今日は楽勝といった感じかもしれませんね」。
★内藤やす子・97点、栗田貫一・98点。栗貫、楽勝どころかヒヤヒヤの勝利で2回戦へ。所「たった1点差だからジャンケンにしない?」。次の相手は強敵・ビジーフォー、栗貫3年ぶりの準決勝進出なるか。

1回戦・Bブロック 第3組目

松村邦洋

松居直美

ビートたけしのまねで 大月みやこのまねで
THE TAKECHANマン 女の港
●『発表!日本ものまね大賞』から2年、この番組初登場の松村は、自分の出世作でもあるビートたけしで、『タケちゃんマンのテーマ』。ご本人を意識してわざと音程を外して歌うが、ものまねとして見れば水準は高かったと思う。見た目・歌の上手さだけを評価基準としてしまう審査員の存在がブレーキとなるか。
●「女四天王」のリーダー格・松居直美は、女性演歌歌手の中でも最も難しいといわれる大月みやこに挑戦。その素晴らしい完成度に、大月と同じアパートに16年間住んでいたとい生田悦子も絶賛。淡谷「同じものまねでも、上手に真似してくれると気持ちいいですね。大月みやこさん、とっても良かったですよ。・・・ビートたけしさんはね、あんまり、感心しませんね(笑)」。
★松村邦洋・89点、松居直美・99点。10点差と大差に終わってしまったが、針すなおは、松村に10点、松居に9点。見てる人は見ているものだ。

1回戦・Bブロック 第4組目

ダチョウ倶楽部

やや

清水アキラ、保沢紀、淡谷のり子のまねで 弘田三枝子のまねで
浪花節だよ人生は 人形の家
●前回は清水アキラを1回戦で破ったダチョウ倶楽部。今回は審査員の保沢さん(肥後)と淡谷先生(上島)の前で『浪花節だよ人生は』を下品に歌う清水アキラ(寺門)、という番組そのものを真似たネタ。保沢さんの「アヤヨヨヤヨヨヤネ」と何を言っているか分からない口ぶりや、清水アキラの「ん!2番知らない!」といった村田先生口調の真似など、秀逸ネタのオンパレード。ものまね王座の晩年には毎回優勝を狙える位置に登りつめたダチョウ倶楽部であるが、そのネタの作り方の原点が、この出し物にあったような気がする。
●この当時『ランバダ』を歌って話題のやや、懐かしの弘田三枝子に挑戦。元々の声も似ているのか、そっくり。上手い。しかし先の3組目の対戦もそうだが、こういう「色物vs正統派」の対戦は、どうしても色物の方が単なる「賑やかし」に見えてしまい、デフォルメが大きければ大きいほど得点に反映しないという不利な状況が生まれてしまう。松村やダチョウ倶楽部に時代が追いつくのは、まだまだ先のことのようだ。
★ダチョウ倶楽部・89点、やや・95点。

 

1回戦・Cブロック 第1組目

コロッケ

桑野信義

浅田美代子のまねで 高島忠夫のまねで
赤い風船 ワンサカ娘’78
●四天王4人目はコロッケ。前々回の桜田淳子に伊藤咲子、前回の山口百恵に続く女性ネタ、今回のターゲットは浅田美代子。審査員席にいる本人の前で、音を外しまくって懐かしの『赤い風船』を熱唱。同じく審査員の野口五郎は「また一人犠牲者が増えることが個人的にはうれしい。ちょっと残念だったのは、美代子ちゃんより少し歌が上手かったかな」、隣りの浅田がツッこむ。
●迎え撃つは、これまた懐かしい『クイズドレミファドン』の真赤なスーツを着こなす桑野信義が「イェーイ、イェーイ」を連発。新しいキャラクターの発掘である。
★コロッケ・95点、桑野信義・93点。意外と接戦になったこの対戦、コロッケの勝因は浅田美代子本人の「10点」か。4組とも新ネタで勝負した四天王、全員無事に1回戦を突破。

1回戦・Cブロック 第2組目

篠塚満由美

パル

笠置シズ子のまねで 長渕剛のまねで
東京ブギウギ しょっぱい三日月の夜
●女四天王の一人、篠塚は舞台狭しと動き回る往年のブギの女王、笠置シズ子の真似。およそ50年前の歌であるだけに、会場の若い世代はついていけなかったもよう。大矢「周りに明るさをふりまく雰囲気が、当時のまま」、保沢「本人のほうがもっと背は小さかったんだけど、動き方などかなり似ている」と高評価。
●そして四天王をおびやかす勢いのパルは正統派の長渕剛。パンチの効いた歌い方で、司会・審査員をうならせる。新しいネタ同士の対戦、実に見応えのある勝負が続く。
★篠塚満由美・98点、パル・98点。今回初のジャンケン、勝者はパル。本人は「初めての2回戦進出なんです」と言っていたが、『第4回』(ジュリーの真似)のときピンクの電話に勝利していることを、彼は忘れている。

1回戦・Cブロック 第3組目

岩本恭生

原田ゆかり

世良公則のまねで 山口百恵のまねで
燃えろいい女 プレーバックPart2
●チャンピオン経験者の対決。岩本は登場するやいなや司会陣に「似てる!」、毎回顔が似てしまう岩本の今回の出し物は世良公則。声は言うに及ばず、歌い方や派手なアクションなど、全く文句なし。
●対する実力派・原田ゆかりは、山口百恵に初挑戦。途中早口な歌詞の歌い方は似ていたが、全体的にあと一歩な雰囲気。しかし優勝経験者のオーラは十分であった。
★岩本恭生・99点、原田ゆかり・92点。参考までに、岩本に唯一「9点」をつけたのは浅田美代子だったことを付け加えておく。

1回戦・Cブロック 第4組目

たけし軍団

松本明子

甲本ヒロト、武田鉄矢、アントニオ猪木
のまねで
榊原郁恵のまねで
リンダリンダ 夏のお嬢さん
●たけし軍団の松尾伴内は、前回と同じく武田鉄矢で登場、またも所におちょくられる。所「アンタ誰なの?」松尾「コラァ!目上の人を敬えと前回あれほど言っただろうが!」、所「だから、アンタ誰なの?」松尾「武田鉄矢だって言ってんだろが!」。もう、松尾にはこのキャラで毎回出てきてほしいものである。大森うたえもん扮する甲本ヒロトにのせて、金八先生と、「スポーツ平和党」のタスキをかけた井手のアントニオ猪木が歌う。
●思わぬ飛び道具とあたってしまった前回のチャンピオン・松本明子は、本人を目の前に『夏のお嬢さん』。高い声がそっくり。歌い終わったあとは、お約束のイントロ。郁恵も「イヤだイヤだ」と言いながら曲が始まれば「チュー、チューチュチュ・・」。しかしそれよりも、郁恵と松本が仲良く歌う横で、手拍子をしている金八先生がたまらない。
★たけし軍団・90点、松本明子・99点。今大会も名場面が誕生、所「それでは、たけし軍団の点数をどうぞ!9点、9点、9点、8点・・・・・、合計21点!」松尾「コラァ!」

 

準々決勝・Aブロック 第1組目

ケントフリック

清水アキラ

ジョン・レノンのまねで 井上陽水のまねで
スタンド・バイ・ミー 心もよう
●準々決勝の舞台に立つケントフリックは、長髪に丸眼鏡の姿でジョン・レノンの名曲を。もともと本場の人でもあるし、得意なフィールドで勝負。
●1回戦を辛くも勝ち抜いた清水は、今回の自信作であろう井上陽水を披露。セロテープで鼻を下につぶし、サングラスをかければ陽水に変身。後ろ向きで登場した清水が前を振り向くやいなや、会場が大騒ぎ。この瞬間こそ、ものまね芸人冥利に尽きるのであろう。セロテープで口がふさがれている状態ではあるが、歌のほうも上手くクリアしていた。
★ケントフリック・96点、清水アキラ・100点。本日最初の満点は清水アキラ。1年前の研ナオコ以来の満点に、再び涙ぐむ。

準々決勝・Aブロック 第2組目

森口博子

おぼんこぼん

小泉今日子のまねで 前川清のまねで
学園天国 恋唄
●ここのところ好調の森口、2回戦も新ネタの小泉今日子。甘ったるい歌い方はいいが、もうひとつ「カラオケ感」がぬぐえなかったのは筆者だけであろうか。若さと勢いでベテランにぶつかる。
●そのベテラン・おぼんこぼんは、1回戦に続いてまたしてもおぼんのみ。今回、こぼんにギャラは出たのだろうか。そっちのほうが気になる。出し物のほうは、マイクの持ち方から発声まで、細かいところまでよく研究しているのがうかがえた。その昔スナック廻りをしていた頃から研究を重ねたレパートリーなのだろう。
★森口博子・98点、おぼんこぼん・93点。

準々決勝・Bブロック 第1組目

ビジーフォー

栗田貫一

トム・ジョーンズのまねで 長渕剛のまねで
ラブ・ミー・トゥナイト しょっぱい三日月の夜
●本日のハイライト。ビジーフォーは練習に練習を重ねたトム・ジョーンズ。汗だくで歌うグッチの後ろを、人形ダンサーズを引き連れて踊りまくる冬樹。冬樹の十八番となる人形ダンスの元祖となるのが、このネタである。会場を支配する迫力のステージを披露。終わったあとヘトヘトのグッチが印象的。
●今回またしても序盤での四天王対決に巻き込まれた栗田、早くも決勝戦でやるはずだった長渕剛をビジーフォーにぶつける。1回戦でパルも披露した歌であるが、四天王として格の違いを見せ付けた。もうこれ以上は負けられないという気迫が伝わってくる。ジャンケンにならなければよいが・・・
★ビジーフォー・100点、栗田貫一・100点。この番組史上、満点で同点というのは初めてではないだろうか(違ったらゴメン)。栗貫、3戦連続でジャンケンを経験(『第21回』では篠塚満由美と、『第6回』では森口博子と)。グッチ裕三と栗田貫一が向かい合い、いよいよジャンケンへ。盛り上がる会場に、所「いいなあ。なんか大相撲春場所みたい」。結果は、まさかの栗貫3連敗。またもビジーフォーの前に崩れ落ちる。栗貫が準決・決勝用に準備していたのは「サザンで『フリフリ'76』」と「井上陽水で『最後のニュース』」。これらが王座で披露されることは、結局なかった。

準々決勝・Bブロック 第2組目

松居直美

やや

荻野目洋子のまねで 藤圭子のまねで
ダンシングヒーロー 圭子の夢は夜ひらく
●松居直美が2回戦に持ってきたのは荻野目洋子。地の声が似ているため、よくぞ発見したという感じ。今後の松居の十八番になりそう。
●対するやや、ストレートのカツラに厚化粧のためか、田代に「分かった、ツタンカーメン!」と言われる始末。とはいえ藤圭子はなかなかの出し物。隠れた名作ではなかろうか。
★松居直美・99点、やや・96点。新ネタに次ぐ新ネタで、名勝負が続く。

準々決勝・Cブロック 第1組目

コロッケ

パル

志村けん、千昌夫のまねで 世良公則、郷ひろみのまねで
勇気のしるし 燃えろいい女
●2回戦四天王は100点を連続させているが、コロッケもそれに続けるか。コロッケは『勇気のしるし』を替え歌で『昌夫のしるし』。ビジネスマンをテーマとしたこの歌と千昌夫が結びつくのは、コロッケにとって当たり前のことだったのだろう。志村けんがアタッシュケースを開いたら、中にホクロがビッシリ、というのは笑えた。
●前回に続いてコロッケとあたったパルは、好評・世良公則の続編。今回は途中で郷ひろみに変身する。グラサンを外すとまぶたの上に大きな青い目が描いてあり、「ジャパーン」を連発。郷ひろみで「ジャパン!」は若干月並みか。
★コロッケ・99点、パル・96点。コロッケは余裕の2回戦突破。またしても、四天王で栗貫のみが準決勝進出ならず。いまだ辛抱の時は続く。

準々決勝・Cブロック 第2組目

岩本恭生

松本明子

チョー・ヨンピルのまねで 石川ひとみのまねで
想いで迷子 まちぶせ
●準々決勝最後も名勝負。好調・岩本も2連続で新ネタ披露。前評判の高いチョー・ヨンピルのネタを。カラオケでよくこの歌を歌うという原田伸郎も「そっくり!」と大絶賛。
●もはや美空ひばりばかりやっていた頃の面影が無い女四天王・松本、2回戦も懐かしいところで石川ひとみ。荒井由実も後に自分でカバーした名曲を歌う。原田「選曲がいい。懐かしいな、こんな感じやったな、そして似てるな、と思わせる。作戦勝ちですね」と。
★岩本恭生・97点、松本明子・98点。松本、僅差で逃げ切る。

 

準決勝 第1組目

清水アキラ

森口博子

谷村新司のまねで 工藤静香のまねで
NAI−NAI−16 くちびるから媚薬
●今回の準決勝はすべて「四天王vs女性名人(うち二人が女四天王)」という構図。大波乱が予想される。Aブロックの代表決定戦は清水アキラvs森口博子。3回戦は清水らしいネタが登場。所「これはハゲた研ナオコさんですか?」。シブガキ隊のヒット曲を、「無い無い無い、ティッシュが無い」などの下ネタで。やはり谷村新司にHな歌詞はマッチしてしまう。
●森口は、清水と対戦するためにとっておいた十八番・工藤静香で勝負。前回も四天王を破ったネタだけに自信満々か。今回は顔のみならず声もよく似ていた。
★清水アキラ・94点、森口博子・99点。決勝一番乗りは、最近絶好調の森口博子だった。清水、決勝用に用意していた「北島三郎で『石狩挽歌』」は幻となってしまった。

準決勝 第2組目

ビジーフォー

松居直美

スタイリスティックスのまねで 小泉今日子のまねで
誓い 学園天国
●Bブロック代表決定戦、まずはビジーフォーの絶品・スタイリスティックス。まさにビジーフォーに真似されるためにあるような歌。音楽性はバツグン。しかし、新ネタとは言いながらデビュー当時からディスコなどで歌っていたに違いない。
●準決勝進出は久々の松居直美、今日3つ目の新ネタ。キョンキョンの『学園天国』を歌うが、2回戦で森口に歌われているだけに、少し新鮮味に欠けてしまう。今日の大会は、やけに真似する曲や人物が他人とかぶってしまう回だった。小泉の『学園天国』だけでなく、長渕の『しょっぱい三日月の夜』、世良の『燃えろいい女』、殿キンの『なみだの操』など(パルにいたっては2曲ともかぶっている)。他人に先にやられてしまうとどうしても審査が厳しくなってしまうため、自信がなければ先にやるのが賢明なようだ。
★ビジーフォー・97点、松居直美・99点。松居は「名人」と言われながら、これまで2回戦で姿を消すことが多かった。約5年ぶり(?)の決勝進出を果たす。

準決勝 第3組目

コロッケ

松本明子

宮路オサム、野口五郎、美川憲一のまねで 岩崎宏美のまねで
なみだの操 聖母たちのララバイ
●四天王、残るはコロッケのみ。予定では宮路オサムと美川憲一の2人で『なみだの操』だったが、審査員に野口五郎がいることを知ったコロッケは、急遽ネタを変更。それがどのように出るか。
●本日絶好調の松本は、ここで渾身の岩崎宏美をぶつける。その素晴らしい完成度に審査員も全員感心。野口「個人的にはコロッケに頑張ってほしいと表面上思っているんですが(笑)、岩崎宏美をあそこまで似せるというのには驚きましたね。」、淡谷「宏美さん良かったですよ。そっくりね。コロッケさんどうしたの?少し遠慮したの?」。
★コロッケ・94点、松本明子・100点。四天王がまさかの総崩れ。コロッケは決勝用に取っておいた「松山千春」を松本にぶつければ、勝負がまぎれたかも。松本には新たなヒット作が誕生、この雰囲気は岩本が布施明を披露したときの衝撃に似ている。ぐんぐん力をつけている松本、一体どこまで伸びるのか。
決勝は、森口、松居、松本の友人同士が鎬を削ることになった。

 

決勝

森口博子

松居直美 松本明子
松田聖子のまねで 梓みちよのまねで ちあきなおみのまねで
天使のウィンク 桃色吐息 喝采
●いよいよ決勝。清水アキラに勝った森口、ビジーフォーに勝った松居、コロッケに勝った松本による三つ巴。森口は小さい頃からの憧れであった松田聖子で大勝負に出る。今日一日の勢いを考えると、確かに光って見える。がしかし、筆者にはどうしても「カラオケ」にしか聞こえないのであるが・・・。でも鈴木邦彦は「3曲とも目をつぶって声だけを聞いていた。結果、一人(もちろん森口のこと)抜群だなというのが見えてきた」と評価。
●松居直美は得意の梓みちよで。あの胡坐をかいて歌うスタイルを真似て堂々たるステージぶり。もう少し大人っぽい雰囲気が加味されればもっと良かった。
●そして大トリは松本、本番前にコロッケに教えを受けたちあきなおみを初披露。今日4つの出し物全てを考慮に入れて3人を審査すると、筆者ならば松本に10点。今日は4回戦とも文句なしの出来、そして優勝した前回(『第6回』)より、格段に成長した跡も見られた。

★森口博子・100点、松居直美・92点、松本明子・94点。成長著しい女性対決を制したのは森口博子だった。前回の松本明子同様、勢いでチャンピオンまで登りつめた典型。今後の課題は工藤静香から脱却していかに新しい一面を見せ、ものまねの実力を上げていくかだろう。今回、審査員一同が口にしていたのは、従来のものまね王座よりもレベルが上がっており、点数をつけるのが難しかったということ。そして、ものまねで多くの感動を味わったということ。ものまね界は、これまでの「爆笑」路線から「感動」路線に移行しようとしている。ここ数回優勝から遠ざかっている四天王、台頭し始めた女四天王、その脇を固める岩本やパルなどの実力派、ダチョウや笑瓶らのお笑い陣。まさに誰が勝ってもおかしくない戦国時代、ますます目が離せない。


≪審査員特別賞≫ ビジーフォー 栗田貫一

≪熱演賞≫ ピンクの電話 内藤やす子 やや ケント・フリック

≪努力賞≫ 岩本恭生 パル

≪敢闘賞≫ 篠塚満由美 ダチョウ倶楽部