第9回 爆笑!スターものまね王座決定戦スペシャル
 
1991年4月2日放送

【司会】  研ナオコ 榊原郁恵 清水国明 原田伸郎

【審査員】

鈴木邦彦 生田悦子 淡谷のり子 野口五郎 青江三奈
峰岸徹 大矢明彦 村野武憲 針すなお 保沢紀&鶴岡優希子
&神山三岬

1回戦・Aブロック 第1組目

鈴木末吉

松居直美

アントニオ猪木、稲川淳二のまねで マドンナのまねで
愛は勝つ ヴォーグ
●メイン司会が所&田代から、研ナオコにシフト。1回戦最初に登場は、お馴染み赤いガウンに身をまとった鈴木末吉。久々のアントニオ猪木ネタで、まずは90点を目指す(笑)。案の定、途中でシドロモドロに立往生。ちゃんと練習すればいいネタになりそうなのに。稲川淳二は十八番だが、研ナオコに「あれもずっとやってない?」と痛いところをつかれる。
●前回のジャネット・ジャクソンに続く松居直美の洋物シリーズ・第2弾は「マドンナ」。みっちりダンスを練習してきたあとが窺える。前回も述べたが、これを「ものまね」と捉えるかどうか、難しいところだ。でもまあ相手が末吉なら、何をやっても同じか?
★鈴木末吉・85点、松居直美・97点。特筆すべきは、鈴木末吉に対する青江三奈の「マジ7点」。得点板の中にポツンと斬新な「7点」が光ったのは、後にも先にもここだけ。改めて、末吉さんには感謝したい。

1回戦・Aブロック 第2組目

木村優希

栗田貫一

美空ひばりのまねで 原田真二のまねで
川の流れのように キャンディ
●演歌ものまねといえばこの人、木村優希。前々回は『北の宿から』、前回は『津軽海峡冬景色』と基本的な選曲で攻めてくるが、今回もまたベタなところで『川の流れのように』。この歌を歌うのは相当勇気が必要だろう。みんな一度は挑戦する曲だから、10点への壁は相当高いはず。しかしいざ歌い始めると・・・うーん、微妙。司会には評判が良かったが、素人でも頑張ればこのレベルまでは歌えそう。誰もがやるネタならば、それこそ群を抜いた何か(歌唱力でもパフォーマンスでも)が無いと、勝ち抜くのは至難の業。淡谷先生「あれ、ひばり?」
●対する栗貫は、原田真二。見事に無理なく出せるぴったりの声を見つけてきた感じ。歌い出しの瞬間から審査員の野口五郎が「グー!」の仕草。しかし歌が終わると審査員に「1回戦でこの対戦は勿体無い」と言われる。栗貫の前を、何度このセリフが通り過ぎたことか。
★木村優希・93点、栗田貫一・99点。今回注目の審査員・青江美奈は厳しい!木村に唯一の8点、栗貫に唯一の9点である。結果は、四天王の貫禄か栗貫の圧勝。いよいよ次は鬼門の2回戦。

1回戦・Aブロック 第3組目

城之内早苗

わたる哲兵

石川さゆりのまねで 沢田研二のまねで
能登半島 時の過ぎゆくままに
●もはや城之内早苗の持ち歌といっても過言ではない『能登半島』に久々の挑戦。もうこの歌ならお手の物といったばかりに、余裕すら感じさせる歌いぶり。安心して聞ける出し物の代表。
●前回の「片瀬哲年」から「わたる哲兵」に改名して登場。ところが「ひかる一平」「渋谷哲平」「紀文のハンペン」とか言われ、結局アピール出来ず。歌はジュリーにしては少し幼い感じか。Cブロック右端の岩本とコロッケの名人2人が、一緒に振付けしながら歌っていたのが印象的。研「横から見てたら、ガマガエルみたいだったよ」。
★城之内早苗・97点、わたる哲兵・91点。前回はピンクの電話に負けたわたる、今回もスコアだけ見ればピンクに負けてしまったことになる(下記参照)。

1回戦・Aブロック 第4組目

ピンクの電話

CoCo

熱帯魚のまねで キャンディーズのまねで
淋しい熱帯魚 年下の男の子
●ピンクの電話のかぶりもの第6弾は「熱帯魚」。今までで一番お金が掛かっているらしく、非常に煌びやかな赤と青のラメが施されている。体勢も前屈みで一番辛いらしい。歌はWinkの『淋しい熱帯魚』。振付けが印象的な歌だけに、ハマれば確実に笑いがとれそうな選曲ではある。保沢さんの隣りで審査するものまねチビッコの神山三岬(推定10歳)が、ヘッドホンを当てて真剣に歌を聞いていた。これは自然体で聞いてええんよ。
●初登場のCoCoは、三浦、瀬能、宮前の3人でキャンディーズ。残る2人は応援に回り、ここを勝ち抜けないと出番が無いとのこと。ごくごく普通に『年下の男の子』を歌っていた。そしてものまねチビッコの神山三岬(推定10歳)は、ここでも真剣にヘッドホン。オマエ、絶対キャンディーズ知らんやろ!
★ピンクの電話・95点、CoCo・92点。ん?青江美奈は熱帯魚に10点。さっきまでの厳しさは何処に?

 

1回戦・Bブロック 第1組目

清水アキラ

やや

宇崎竜堂のまねで 欧陽菲菲のまねで
サクセス 雨の御堂筋
●「前回は宇崎竜堂さんで『サクセス』をやったんですけど、今回は、宇崎竜堂さんで、『サクセス』。」ズッこける一同。しかし同じネタは絶対やらないはず、恐る恐る見てみると・・・サビの「待たせたね!」でサングラスを取った瞬間、目の周りにセロテープが!そっくり!今回は目を思い切り吊り上げて、後頭部で留めておくという高等テクニック。本人曰く、堀内孝雄の目を作ろうとしたら宇崎竜堂になってしまったとのこと。
●目を吊り上げた清水に対し、こちらは思い切り切れ上がったスリットが色っぽい、と司会に評判良かったやや。しかし、「やや」を平仮名で本文中に混ぜると不自然だなやや。『雨の御堂筋』、もう普通のことやってたんじゃ勝てないのだ、やや。
★清水アキラ・99点、やや・95点。淡谷先生に「今回はよくちゃんとやりましたね」と言われた清水、いよいよ2回戦で、清水(きよみず)の舞台から飛び降りる。

1回戦・Bブロック 第2組目

篠塚満由美

ケントフリック

中森明菜のまねで ビリー・ジョエルのまねで
飾りじゃないのよ涙は オネスティ
●ソロ出場としては今回が最後となる篠塚満由美。可愛らしい風貌で中森明菜を熱唱。昔の中森ではなく、今の中森を忠実に再現。高音のハスキーな発声も、篠塚にはむしろ出しやすい。
●対するはヘンな外人、ケントフリック。今回はピアノを前に、誰でも知ってるビリー・ジョエルの名曲を。流石は本場の人だけに、ビジーフォーとは一味違った雰囲気を醸し出す。
★篠塚満由美・98点、ケントフリック・97点。ここで勝ち上がってしまった篠塚、2回戦では不利な戦いを強いられる。

1回戦・Bブロック 第3組目

原田ゆかり

松下桂子

八代亜紀のまねで 薬師丸ひろ子のまねで
舟唄 あなたを・もっと・知りたくて
●名人・原田ゆかりは、難しい八代亜紀に挑戦。長年この番組に出ている彼女も、これまでのアイドルらしさが抜けて、十分な貫禄を感じさせる出し物であった。「沖のカモメ〜」からの難しい節回しもしっかりこなして、研ナオコも大喜び。
●前回は決勝まで進むも、あと一歩で清水アキラに敗れた松下桂子。篠塚と同じく、今回でソロ出場は最後。緊張のしすぎか、どこか歯車が狂ったまま最後まで歌い終えてしまった。研「出来は自分ではどうだった?」、松下「いやあ、緊張しすぎて、下手でした」、研「下手だったよねえ(笑)」。すげえな、研。
★原田ゆかり・96点、松下桂子・88点。原田は久々の2回戦。松下は次回から篠塚とともに「しじみとさざえ」を結成する。

1回戦・Bブロック 第4組目

笑福亭笑瓶

ビジーフォー

みつばきウィッキーのまねで ポール・マッカートニースティービー・ワンダー
のまねで
みなしごハッチ エボニー&アイボリー
●3人が登場すると、清水「またコッテリだな、ここは」。笑瓶は往年の出世作ともいえるウィッキーさんを、今回は特別にみつばちバージョンで。名著『ワンポイント英会話』を片手に、所狭しとブンブン動き回る。最後は「ルックルックルック・・・・・まぁんてぇん!」と、出るはずのない満点をアピールし、無事に終了。
●目蓋の上に大きな目を書いた裕三がポール、単なるレゲエのおじさんに見えてしまう冬樹がスティービー。相変わらずの美しいハーモニーに、研「仲が悪いとは思えないね」。対戦相手の出来の良さに嫉妬した笑瓶、「こっち(自分)はこういうタイプですね、そっちは真面目にやるタイプですよ。卑怯者め!」とウィッキー口調で。
★笑福亭笑瓶・91点、ビジーフォー・100点。笑瓶曰く、2回戦は『ボヘミアン』で「コメディアン」をやる予定だったらしいが、結局誰の真似だったのか、誰も分からずじまい。

 

1回戦・Cブロック 第1組目

ダチョウ倶楽部

しのざき美知

ぴんから兄弟、Mr.マリックのまねで 笠置シズ子、小松方正のまねで
女のみち 東京ブギウギ
●またまたとんでもないイロモノ対決。マリックのテーマソングを口ずさみながら登場のダチョウ倶楽部、しかし突然サングラスを外して「ピンカラ兄弟です!」と意表をつく。特に竜ちゃんの表情が絶品。ぴんから兄弟のしわがれ声と、マリックの棒読みのコントラスト、そしてラストは恒例のインチキマジックで幕。
●しのざきはストッキングをかぶって「と、お、きょ、ブギウギ〜」とおもむろに歌い始め、「心ウキウキ、ワクワク〜」の「ク〜」で一気にストッキングを引っ張り、「小松方正です。あたし、人相は悪いですけど、いい人です」。これを2回繰り返す。2回目は「小松方正なんです。みんな評論家っていうけど、俳優なんです」。しのざき以外には考え付けない人選。
★ダチョウ倶楽部・93点、しのざき美知・90点。針はともに「8点」。さすが、こんなことではダマされない。

1回戦・Cブロック 第2組目

桑野信義

松本明子

クリスタルキングのまねで GO-BANG’Sのまねで
大都会 あいにきて I NEED YOU 
●桑野は体を左右に分けてクリキン。意外な声量、声の良さに、司会一同「桑野さんっていい声してるんですねえ」と驚かれる。油断してると、突然いいネタを持ってくるのが彼である。優勝3回は伊達じゃない。
●松本明子は最近のヒット曲から、ゴーバンズを選曲。出だしでインパクトを与えるには絶好の曲であろう。筆者はこれを聞くと、中学時代を鮮明に思い出すのだ。どうでもいいが。
★桑野信義・95点、松本明子・99点。

1回戦・Cブロック 第3組目

斉藤ルミ子

たけし軍団

桜田淳子のまねで 谷村新司のまねで
わたしの青い鳥 帰らざる日々
●毎回2回戦までは頑張る斉藤、今回の新ネタは桜田淳子。相手がたけし軍団ということで少し油断したか、あと一歩の出し物。しかし同じ人は二度とやらないという姿勢は見事(まあ松田聖子は決勝用に取ってあるのかもしれないが)。
●今回も大森、松尾、井手の3人で登場のたけし軍団。松尾が「カエル」、大森が「サル(谷村担当)」、井手が「ヘビ」で、アリスの『カエルサルヘビ』ならぬ『帰らざる日々』。しかし後半からは『ずいずいずっころばし』に変わり、カエルとヘビも手足や舌を出して大喜び。
★斉藤ルミ子・90点、たけし軍団・97点。思わぬ高得点!たけし軍団、今回の台風の目となるか。

1回戦・Cブロック 第4組目

岩本恭生

コロッケ

にしきのあきらのまねで 野口五郎のまねで
空に太陽がある限り 甘い生活
●1回戦最後の目玉カード、チャンピオン同士の対決。毎回その人になりきってしまう岩本、今回も階段を降りてくるところから「にしきのあきらさんでしょ?」と郁恵に見破られる。その完璧なまでの歌に、野口も「もしこれが仮にものまね番組じゃなく、ラジオから流れてきたとしたら、間違いなく皆にしきのあきらさんだと思いますよ」とベタボメ。
●対するコロッケは、若い頃の野口五郎を、彼ならではのアレンジで思いっきり演じる。本人は歌う前から審査を放棄(ヘッドホンをオデコと後頭部で挟むお茶目な野口)。本人の前とはいえ遠慮知らずのコロッケ、お約束、下半身ブルブルも、唇ホワホワも、鼻ホジホジも贅沢に取り入れ、高得点が期待される。野口も「確かに高音は、あんな風だった」と認めてしまった。
★岩本恭生・98点、コロッケ・100点。ここ最近、決勝から遠ざかっているコロッケ、よもやの1回戦敗退かと思われたが、見事に危機を脱する。

 

準々決勝・Aブロック 第1組目

松居直美

栗田貫一

日吉ミミのまねで 山下達郎のまねで
北風ぴゅうぴゅう クリスマスイブ
●いきなり女四天王VS男四天王の対決。おばちゃんっぽい割烹着姿で現れた松居直美。何をやるのか、と聞かれた松居は「サザエでございま〜す」とボケる。意外に似ていたのでビックリ。そのままの勢いでサザエさん(加藤みどり)やればよかったのに。往年のものまね王座ではみんなやっていた日吉ミミに挑戦。この頃『ピップエレキバン』のCMで耳慣れていた曲だったが、そっくり。栗貫、またもや2回戦でピンチだぞ。
●栗貫の新ネタは山下達郎。頭からストッキングをかぶり、目尻を下げ、左手にはクリスマスプレゼントといういでたち。おそらく歌を練習し、ある程度完成が見えてきたところでストッキングのアイデアが出てきたのだろう。細かい語尾の歌い方はよく捉えた。表情もつかんだ。あと残り一歩、というところをストッキングでゴマカシ、いや埋め合わせしようとしたな、というところが筆者には感じられた。鈴木邦彦の評「二人とも地味だったんですよ。でも細かいところまでよく研究していて、非常に内容のあるいい勝負だった」と。
★松居直美・99点、栗田貫一・97点。淡谷先生は二人に9点、栗田に9点は生田と峰岸。僅差とはいえ負けてしまった栗貫、ストッキング姿が哀れだった。栗田は後に「逃げ出したくなるほど恥ずかしかった」と語っている。

準々決勝・Aブロック 第2組目

城之内早苗

ピンクの電話

中島みゆきのまねで かわうそくんのまねで
わかれうた うそよ今夜も
●城之内早苗は正統派の中島みゆき。テレビで歌う姿をあまり見ないため、審査するほうは完全に声だけが頼り。だからこそ相当似ていないと10点まではいかない。逆にいえば、扮装に凝らずに高得点を出せば完成度が高かったのだ、といえる(後期の布施辰徳がこのタイプか)。今回、城之内はどこまでいくか。
●ピンクの電話は吉田戦車の漫画『伝染るんです』のキャラクター、かわうそくんにチャレンジ。これぞ木村プロデューサーがベストネタに挙げた珠玉のネタなのだ(本当かよ)。踊りがバラバラで合わないところがまた可愛らしい。まあ負けるに決まっているのだが、3回戦は「カメレオン」と「耳」で『カメレオンアーミー』だったらしい。耳て。
★城之内早苗・95点、ピンクの電話・88点。ピンクの電話の点数をどーぞ!8点、9点、8点・・・・と続くなか、一人だけ「10点」を出した野口五郎が「しまった!」という顔をしていたのが笑えた。

準々決勝・Bブロック 第1組目

清水アキラ

篠塚満由美

淡谷のり子のまねで 桂銀淑のまねで
別れのブルース 大阪暮色
●清水国明「ちょっとすいませんが、この対戦、休憩させてください!」と司会も逃げ出すほどの冷たい雰囲気(笑)。会場のヒューヒューも心なしが元気がない。真面目に歌うかと思えば、「まどを開けれババァ〜」「メリケン粉〜波止場の〜」で粉を顔にパタパタ。やるなあ、清水。その後は終始マジメに。清水が淡谷のり子をやった、ということだけで騒がれがちだが、あのファルセットで最後まで歌い通すのは技術的にもスゴイことだ。けどそれが伝わってこないものまねというのも、ある意味スゴイことなのだろう。
●やり辛いことこの上ない篠塚は、2年前に栗貫の「男闘呼組」を撃破した得意ネタ・桂銀淑。あのときの喝采が、今回は見られない(なぜ?)。ただ安心して聞ける、それだけといった感じ(なぜだ〜?)。ものまねとしてのレベルは高いのだが、これがトーナメントの妙なのだろう。歌詞の最後、「だまされたアタシが、アホやね〜ん」は彼女の本心だったのかもしれない。いよいよ審査員に感想を。もう淡谷先生に聞く以外はないのだ。淡谷「胸悪くなった」。対する篠塚さんのほうは?淡谷「よく、出来ましたよ」。さすが先生、落とすところを分かっていらっしゃる。そこで鈴木先生が助け舟「アキラは、この歌すっごく歌ってきましたよ。淡谷先生に敬意を表して。だから、そのことは分かっていただきたい」と。
★清水アキラ・98点、篠塚満由美・96点。清水アキラは実質満点(8点をつけたのは言わずもがな)。清水国明「これは淡谷先生に感謝せなあかん。まだ7も6も5も4も3も2もあるわけやから」。いやいや、5点以下のボタンがないことは、今や小学生でも知っているぞ(んなわけない)。対する篠塚には生田が「8点」、峰岸と針が「9点」。しかし8点はないだろう、8点は。勇気だけを評価してどーする。と生田悦子を槍玉にあげて何回目になるだろうか。まあとにかく審査は厳正にお願いしたいところだ。

準々決勝・Bブロック 第2組目

原田ゆかり

ビジーフォー

森高千里のまねで 萩原健一内田裕也のまねで
17才 おろか者よ
●原田ゆかりは1回戦とは打って変わって、アイドル全開の格好。長い足をさらけ出して(この辺オヤジくさい表記ですまぬ)、『17才』の頃の森高千里。一番前で見ていた観客には○○○が見えていたという話もある(何の話だ)。青江三奈曰く「声なんかそっくり。やっぱり、ものまね上手い!」と大絶賛。
●ビジーフォーは冬樹が昔よくやっていたショーケンを久々に(研には「インチキな占い師みたい」と言われていた)。グッチは「応援」と称して、内田裕也をショーケンの周りでゴチャゴチャとやる。冬樹が「お〜ろ〜か〜も〜の〜よ〜」と歌えば、予想通りにグッチが「シェケナベイビナ〜」と。あまりにも予定調和過ぎて、ついつい笑ってしまうのが何だか悔しい。
★原田ゆかり・92点、ビジーフォー・99点。ちょっと待て!青江三奈が原田に「8点」だったぞ!さっきまでの大絶賛は何処に?恐ぇ〜。

準々決勝・Cブロック 第1組目

ダチョウ倶楽部

松本明子

森繁久弥三浦洋一西田敏行
のまねで
庄野真代のまねで
もしもピアノが弾けたなら 飛んでイスタンブール
●2回戦のダチョウ倶楽部は普通の格好。上島「僕らが、この2回戦に立っているということが、何だか・・・ありがとうございました!」と泣き出してしまうお約束(この頃のジモンはまだツッコミが弱い)。肥後が森繁、ジモンは三浦洋一、上島が西田敏行のまね。屋根の上でバイオリンを弾く森繁と、『池中玄太80キロ』の三浦と西田。特に、この番組では初披露となる「竜ちゃんの西田敏行」が秀逸。鈴木先生曰く、「とっても楽しかったんだけど、森繁さんのところが、少し元気良すぎたんではないかと・・・」とのダメ出しに肥後ブルー。
●松本明子は、懐かしいところで庄野真代。八神純子とか久保田早紀とか、この辺のラインを持ってこさせたら上手い。そもそも松本はふつうに歌うと庄野真代の声に似ているのだ。今回は完全に選曲の勝利。
★ダチョウ倶楽部・92点、松本明子・98点。今までは「8点」ばかりだったダチョウ倶楽部。負けたとはいえ「9点」が並ぶ審査員に「あーでもね、ありがとうございます」と一礼するジモンに、合わせて頭を下げる2人。非常に潔くて気持ちよい(このシーンから、筆者のダチョウに対する高感度はアップしたのだ。これ本当)。

準々決勝・Cブロック 第2組目

たけし軍団

コロッケ

西城秀樹武田鉄矢のまねで 堀内孝雄のまねで
ヤングマン 恋唄綴り
●井手が西城秀樹、松尾が武田鉄矢(やった!)、そして大森がクマ。1回戦のカエルの緑色がまだ残っているせいか、今日の武田鉄矢はなぜか元気がない。「コラァ!ジロジロ見るなコラァ!・・・ちょっとすいません」と小さな声で、松尾伴内の声で。しかし歌に入ると、井手の西城秀樹が似てること!はっきりいって、今までの誰よりも(パルよりも岩本恭生よりも)似ていた。途中、大森が「矢」と「目録」を持って「ヤグマ!」「ニヒャクマン!」とボキャブるところも、サビから武田鉄矢が「J・O・D・AN!」と歌を替えるところも良かった。今日のたけし軍団は只者ではない。
●対するコロッケは、昨年レコード大賞を受賞した堀内孝雄を、ハエと一緒に熱唱。語尾に「クッ!」と力が入るとき、ハエも「フッ!」と飛ぶ。先っぽにハエの付いた棒を動かしながら、歌詞を間違えずに歌いきったコロッケに拍手。しかし会場はたけし軍団の出来にうなる。
★たけし軍団・97点、コロッケ・98点。コロッケ、1回戦に引き続きヒヤヒヤの勝利。会場の雰囲気は圧倒的にたけし軍団の勝ちだったため、気を失いそうなほど喜ぶコロッケ(実際倒れるのだが。お約束で。)

 

準決勝 第1組目

松居直美

城之内早苗

五月みどりのまねで 松村和子のまねで
一週間に十日来い 帰ってこいよ
●準決勝、まずは女性名人対決。芸者姿が色っぽいと絶賛の松居直美は、研ナオコに「目が離れてるよ」と言われ、何も言えず。心の中では「おめえもだよ」と思っていたに違いない。番組終了時、針すなおが「あの高音が出そうで出ないところなんかよく捉えていて、実はビックリしました」と総評を述べるほど、特徴をよくつかんでいたと思う。しかも「五月みどり」のものまねは超レアもの。筆者の記憶によれば、このときから現在まで誰もやったことがない。松居の色っぽさにやられた大矢明彦も、「一週間に十日行きたいですね」とオヤジ発言。
●こちらも和服姿の城之内早苗は、趣味で時々弾いているという三味線を手に民謡を熱唱。三味線の音色も高音の響きも完璧で(イントロで三味線のリズムが一瞬狂うが)、一同びっくり。3年振りの決勝進出に期待が高まる。
★松居直美・96点、城之内早苗・100点。得意の「石川さゆり」でも「中島みゆき」でも出なかった満点で、決勝進出を決めた城之内。松居をベタボメした針先生ですら、松居に「9点」だったのだから(これは何とか差をつけたいという先生の姿勢のため)、よほど突出した出来だったのだろう。お見事。

準決勝 第2組目

清水アキラ

ビジーフォー

研ナオコのまねで ブルースブラザーズのまねで
かもめはかもめ ソウルマン
●2回戦の「鬼門」を突破した清水アキラ、同じ「御本人の前」でも今度はやりやすい研ナオコ。しかし曲が『かもめはかもめ』と告げられると、露骨にガッカリする研。「ステージの最後の最後に歌う、一番大切にしている曲なのにー。今度から笑われるー」と。「大丈夫、ちゃんと(マジメに)やります」と清水。しかし歌いだすと「アキラはオレだ〜(あきらめました、の歌詞)」、「ましてや、サルにはなれない(ここでサルのアクション)」、「素直なトドには(ウゥウゥ)はじめからなれない〜」、最後に「マジメになれない〜」で締め。研は諦め。
●対するビジーフォーは、ラスベガスまで研究に言ってきたという(ただし冬樹のみ)ブルースブラザーズ。イントロでいきなりグッチが側転!最後に冬樹がバク転!歌ありパフォーマンスありの、完全なるビジーフォーワールド。四天王がそれぞれのカラーを存分に出し切った、準決勝にふさわしい名勝負だった(第22回を彷彿とさせる)。
★清水アキラ・98点、ビジーフォー・99点。清水の研ナオコ、かつて針に言われた「口を横に開く努力を」を忠実に守っていたのはエライ。声もだんだん研ナオコになってきている。しかししかし、それでもビジーフォーには勝てないのである。

準決勝 第3組目

松本明子

コロッケ

高田みづえのまねで 松山千春のまねで
硝子坂 季節の中で
●ここは因縁の対決。「松本vsコロッケ」の図式は何と4大会連続、さらに準決勝での戦績は全て松本勝利。毎回上位進出ながら、きっちり新ネタを揃えてくる松本は、またも懐かしい高田みづえ。ネタを探す視点がちょっと一定になってきていないか?と変な心配をしてしまったりする。
●今回是が非でも決勝までは残りたいコロッケ。相手には相当な苦手意識があるはず。ここで気合いを入れてぶつけるは、最後の松山千春ネタ。今回は満を持して、ヒモを引っ張ると髪の毛がバサバサと開く特注のズラを用意。め〜ぐる〜めぐる〜季節の中で〜、「あ〜〜」なたは〜何を見つけるだろう〜。この「あ〜〜」で開くのだ。ご丁寧にも、ズラの内側は銀色のラメが施されており、無駄にお金がかかっている。
★松本明子・96点、コロッケ・100点。ここ1年、松本に決勝進出の壁を阻まれ続けたコロッケは、一番納得の行く形で決勝進出を決めた。原田伸郎「これで千春さんも許してくれるでしょう」。研「いや、余計怒ると思うわ(笑)」。

 

決勝

城之内早苗

ビジーフォー コロッケ
日吉ミミのまねで チャールズ・ブロンソン
のまねで
玉置浩二、薬師丸ひろ子
のまねで
北風ぴゅうぴゅう 男の世界 じれったい
●滅多に決勝まで残らない城之内は「自分が楽しんで、みんなに楽しんでもらえるだけで、すごく満足です」と優等生発言。まああまり勝ち負けにこだわらない人みたいで、それはそれでいいことだろう。出し物は、残念ながら既に本日2回目の『北風ぴゅうぴゅう』。やや低音に難ありか。でも本人は思い残すことがないようだ。
●横綱格のビジーフォーは、グッチの分かりにくい「チャールズ・ブロンソン」と、冬樹の分かりやすい「馬」のものまね。最後に馬がウンチをボロボロと落とすが、それぐらいしか記憶に残らない感じ?まあ筆者はブロンソンをよく知らないのでしょうがない。神山三岬(推定10歳)も知っているはずがない(なのに熱心にヘッドホン・・ってもういいか)。
●大トリはコロッケ。今回は玉置と薬師丸の結婚の話題が目に付いたが、その最後の出し物でもある(いま気付いたが、笑瓶はなぜ今回「玉置浩二」をやらなかったのだろう?)。針先生曰く「押しまくっていくような、気合いが感じられ」るものまね。玉置浩二は出しやすい声であるため、難ネタに挑戦すべきプロにとってはえてして「安全地帯」なネタになりがちだが(ウマイ!)、そんな難易度とは関係なく、気迫・根性・矜持が全て入り混じった、迫力ある出し物であった(今日のコロッケは4ネタともそうだったと思う)。
★城之内早苗・94点、ビジーフォー・94点、コロッケ・99点。コロッケ、約3年振りの優勝!あの涙の初優勝から、常に準決勝以上には勝ち進んできたコロッケ。デビューから7回にわたって決勝に進むものの、そのうち優勝は2回。決勝でコロッと負けるから「コロッケ」と揶揄されたこともあっただろう(知らないが)。必死に涙をこらえて感想を述べるコロッケ、しかし清水アキラが「明日、行くのにいいおみやげが出来たな」と口を挟んだ途端、子供のように泣き出してしまう。そう、この収録の翌日は、かつての営業仲間の葬式があった。だから今回、あそこまで「決勝進出」に強烈にこだわったのだ。1回戦では強敵の岩本を、2回戦は今回ノリまくっていたたけし軍団を、準決勝では宿敵の松本明子を、全て僅差で奇跡的に撃破。これだけの難敵を倒してきたコロッケにとって、決勝での勝利はすでに決まっていたのかもしれない。


≪敢闘賞≫ たけし軍団 ダチョウ倶楽部

≪努力賞≫ 松本明子 原田ゆかり

≪熱演賞≫ ケントフリック ピンクの電話 松居直美 篠塚満由美