第24回 爆笑!スターものまね王座決定戦スペシャル
 
1999年4月8日放送

【司会】 榊原郁恵 薬丸裕英 松本伊代 清水国明 ガダルカナル・タカ

【審査員】

大沢啓二 うつみ美土理 鈴木史朗 奈美悦子 高田万由子
定岡正二 奥菜恵 辺見えみり 森本レオ 針すなお

【ものまねVIP】

小池聰行 黛ジュン ケーシー高峰 西島三重子 宮尾すすむ
鶴田さやか 宮路オサム 相田翔子 佐々木新一 矢吹健

【ものまねサポーター】

杉田恵子 宮澤寿梨 栗栖ゆきな 藤森みゆき 練木有美子
安斎恵吏 笠間あゆみ 吉田美花葉 桂木萌 安めぐみ

 

1回戦・Aブロック 第1組目

つぶやきシロー

山本ヘンダ

沢田研二のまねで 山本リンダのまねで
勝手にしやがれ 狙いうち
●つぶやき、前回と同じく「ものまねの原点」に挑戦。往年の吉村明宏を彷彿とさせるジュリー。
●確か前年の『日本ものまね大賞』で顰蹙をかった(笑)山本リンダのそっくりさん。そっくりさんにありがちな芸名、「山本ヘンダ」で初登場。
つぶやきシロー・95点、山本ヘンダ・99点。

1回戦・Aブロック 第2組目

X−GUN&底ぬけAIR-LINE

ナオミ・グレース

野猿のまねで ライザ・ミネリのまねで
叫び キャバレー
●底ぬけの大きい方の「石橋貴明」の歌声が意外にいけてた。
●ナオミ・グレース、渾身のステージを披露。ミュージカル顔負けのステージだった、といえば言い過ぎか。
X-GUN&底ぬけAIR-LINE・98点、ナオミグレース・100点。

1回戦・Aブロック 第3組目

桑野信義

ジェニーいとう

冠二郎のまねで なすびのまねで
クラリネットをこわしちゃった
●毎回、髪型にこだわった出し物を持ってくる桑野、今回は髪がルーレットのように回る冠二郎。
●ジェニーは『電波少年』で一世を風靡した、懸賞生活の「なすび」に挑戦。CCDカメラの映像から、画面に入るテロップまで、番組を完全にパロディ化した作品。
桑野信義・100点、ジェニーいとう・99点。審査員の結果に会場から大ブーイングが。

1回戦・Aブロック 第4組目

嘉門洋子&来栖あつこ&吉井怜

清水アキラ

キャンディーズのまねで 鶴田浩二のまねで
年下の男の子 傷だらけの人生
●なんと前回の「ものまねサポーター」から、来栖あつこと吉井怜が挑戦者に昇格。まあ声は全然キャンディーズに似ていないのだが。
●鶴田浩二の娘の前で挑戦。清水アキラが割りと昔からやっている、「古い奴だとお思いでしょうが・・・古い奴ほど・・年寄りです」というネタ。
嘉門洋子&来栖あつこ&吉井怜・96点、清水アキラ・99点。

 

1回戦・Bブロック 第1組目

三井ゆり

デンジャラス&U−Turn

ジュディ・オングのまねで シブがき隊岡村隆史のまねで
魅せられて NAI-NAI-16
●初登場の三井ゆり、いきなり「わたし、歌のレベルは伊代ちゃんと同じぐらいなんですけど・・」と司会に挑発的なコメントを発し、会場の顰蹙をかってしまう。
●デンジャラスのノッチが『ボキャブラ天国』でもやっていたナイナイの岡村。その他のメンバーがシブがき。
三井ゆり・89点、デンジャラス&U-Turn・98点。三井、近年には珍しい「8点」を2つ出し、よもやの80点台。

1回戦・Bブロック 第2組目

笑福亭笑瓶

ビジーフォー

キティちゃん桜田淳子のまねで マスカラス兄弟ジグソーのまねで
サンタモニカの風 スカイハイ
●笑瓶、とうとうキティちゃんに手を出してしまった。あの伝説の「ピンクパンサー(第29回オールスター)」以来のシュールネタ。これ往年の玉置浩二ネタのように、『○○といえば、桜田淳子』シリーズで定着すれば面白かったのに。
●筆者は、この頃「いつかビジーフォーは『スカイハイ』に手を出すだろう」と予想していた。曲のみならず、覆面やリングなどの雰囲気まで予想通りだったのがビックリした。
笑福亭笑瓶・95点、ビジーフォー・99点。

1回戦・Bブロック 第3組目

林家ペー・パー子

藤川なお美&海砂利水魚

矢吹健のまねで 大塚文雄のまねで
あなたのブルース 会津磐梯山
●確かナンシー関が「林家ペーが矢吹健のものまねするのを見て、喜ぶ層がどこにいるんだ」というようなことを批評していた。一応、本人の前での出し物。
●藤川&海砂利組は、今回は雰囲気を変えて民謡に挑戦。海砂利の有田がコブシを効かせると、審査員の奈美悦子も大喜び。
林家ペーパー子・99点、藤川なお美&海砂利水魚・99点。海砂利チーム、念願の1回戦突破ならず。

1回戦・Bブロック 第4組目

市原利花

せんだ&末吉&わたる&山田&カール

天童よしみのまねで マイケル・ジャクソンゾンビのまねで
大ちゃん数え唄 スリラー
●市原、『サザエさん』以来のアニメソング系統。『いなかっぺ大将』の主題歌でおなじみのこの歌は、当時「吉田よしみ」名義で、今をときめく天童よしみが歌っていたのだ。そんなことよりも、10年前の『第20回オールスター』でしのざきが真似していた声にそっくりだったのが驚き。しのざき、いい線いってたんだねえ。
●現在はアニメものまね名人でおなじみのカール北川がムリのあるマイケル、その他大勢(という表現がピッタリ)がゾンビでバックダンサー。わたる哲兵も山田健二も、かつてはソロで決勝までいける強豪だったのに・・・(涙)。
市原利花・100点、せんだ&末吉&わたる&山田&カール・99点。せんだチーム、前回に引き続きまたも「針の壁(笑)」にやられる。

 

1回戦・Cブロック 第1組目

伊藤なつ・かな

岡本夏生

シャンプーのまねで 松坂慶子のまねで
トラブル 愛の水中花
●なんと年齢差「20歳(!)」の対決。14歳の伊藤なつ・かな、3度目の登場。番組にも慣れ、ようやくハジけてきたか。
●果たして34歳なのかどうかも怪しい岡本夏生は、ベタなところで『愛の水中花』。そうだよなぁ、絶対いつかはやるよなぁ。
伊藤なつかな・96点、岡本夏生・99点。まあ間違いなく大沢親分はシャンプーを知らないのだが。

1回戦・Cブロック 第2組目

三原じゅん子

栗田貫一

桜田淳子のまねで 佐々木新一のまねで
しあわせ芝居 あの娘たずねて
●前対戦とは打って変わって、落ち着いた雰囲気の2人。前回は準決勝まで進んだ三原は、優れた歌唱力で桜田淳子の名曲をそつなく。
●栗貫はご本人の前で佐々木新一の懐メロを熱唱。なんとなく、むかし栗貫が尾形大作のものまねをしていた頃の雰囲気に似ていた。下手をすれば細川たかしになってしまうところ、コブシをよく抑えて微妙な特徴をつかんでいた(と思う)。
三原じゅん子・97点、栗田貫一・100点。

1回戦・Cブロック 第3組目

布施辰徳

工藤兄弟&松村和子&大石円

山崎まさよしのまねで B.B.クイーンズのまねで
僕はここにいる おどるポンポコリン
●1回戦屈指の名勝負がここ。布施は久々にスゴイ出し物を持ってきた。これだけ長く番組に出ていて、ネタをやり尽くしてきて、ここまで完成度の高い新ネタを持ってくるのは本当に凄いこと。リアルタイムで見ていたとき、第一声を聞いて心底「スゲェ〜〜!」と思った。
●対するは昨年の「爆笑スター」を制した工藤兄弟チーム。1回戦は洋楽を持ってくるイメージがあるが、今回は雰囲気をガラッと変えて、懐かしい『ちびまる子ちゃん』のテーマソングを。一発屋のヒット曲とは思えないほど、華やかなステージだった。工藤兄弟の近藤房之助(「ベイベェェ〜〜」の声)が完璧!当時「今大会でいちばん似ていたものまねは?」を友達と話したとき、2人とも意見が一致した。それがこの近藤房之助だだった(笑)。
布施辰徳・100点、工藤兄弟&松村和子&大石円・100点。この両者満点は納得の結果。

1回戦・Cブロック 第4組目

星奈々

俵山栄子

浜崎あゆみのまねで 朝丘雪路のまねで
Depend on you 雨がやんだら
ここも名対戦。まずは星奈々の新ネタ。浜崎あゆみはなんとなく「人工的なアイドル」という匂いがするが、それをさらに人工的に真似していた感じ。歌い方から振付けまで、実に機械的に捉えていた。
●俵山は珍しい朝丘雪路のものまね。どうやって真似るんだろう?と思っていたら、割と特徴的な歌い方をする人だったのね。実は俵山、1回戦は「もんたよしのり」をやりたかったのだが、スタッフに制止されてのこの出し物にしたのだ。それがいい方に転がったよう。
星奈々・98点、俵山栄子・100点。俵山、「もんた」をやらなくてよかった(笑)。グランドチャンピオン大会に引き続いての1回戦敗退は星奈々。今回星が予定していた「安室奈美恵」「松任谷由実」「コニー・フランシス」、ぜひとも聞いてみたかった。

 

1回戦・Dブロック 第1組目

松村邦洋

城之内早苗

大沢啓二のまねで 西島三重子のまねで
浪花恋しぐれ 池上線
●まずは出てきた途端、大沢親分の声で自己紹介。司会のタカに「あんまりやりすぎるなよ、本番なくなっちゃうんだから」と言われ、松村「ぼく6年間、それで失敗してきたんですよ」と。そこでタカの名言「分かってるんだったら、気をつけりゃいいじゃねえか」が飛び出す。本番では、確かにテンションの高い大沢親分という感じだったが、どちらかといえば「坂東英二」に近かった。
●渋めの懐メロを歌わせたら右に出るものはいない城之内。今回はよく明け方の「長距離ドライバー向けAM放送」で流れているフォークの名曲「池上線」をご本人の前で。
松村邦洋・96点、城之内早苗・99点。点数を出す前の、タカの松村に対する仕切りが見事!芸人の扱い方をいちばんよく分かっている司会者がガダルカナル・タカではないだろうか(素人の扱いが日本一上手いのはもちろん原田伸郎である)。

1回戦・Dブロック 第2組目

ピンクの電話

中島マリ

トトロ 鈴木その子のまねで
心凍らせて 透明人間
●ピンクの電話はお約束のぬいぐるみ。ぬいぐるみの中ではベタネタの部類に入るであろうが、途中の「トトロ怒らせて」「なで肩!」などの掛け合いは上手くいっていた。
●中島は旬の素材をいちはやく取り入れた。「白塗り人間、その子ちゃんよ〜。ライトが無ければ、妖怪人間です〜」と、ライトを極めてオーバーめに当てながら(でも実はそれほどオーバーでもないのだが)熱演。いつもの中島のカラーを出した時事ネタ、という感じ。
ピンクの電話・96点、中島マリ・99点。
さすがにピンクの電話に「8点」がひとつも入らないのはマズイだろう。両者に10点を出した審査員、ヤル気あんのか!とか言ってみたりする。

1回戦・Dブロック 第3組目

VENUS

橋本志穂&広川ひかる

『うる星やつら』のラムちゃんのまねで Kiroroのまねで
ラムのラブソング 冬のうた
●なんとVENUSが2度目の登場。生き残ったか〜。まあ32組もいればこういうのも必要悪なのだろう。で、ネタはまあありがちなラムちゃん。5年前に「みるく」が演じていたネタ。どこへいったんだ、みるく。
●今回から橋本志穂は相方を広川ひかるにチェンジ。これぞ「汚れ芸人の妻」コンビ。しかし歌はなかなかの実力派、Kiroroに似ているかと言われれば、正直不透明な部分が残るが、声の透明感は素晴らしかった。
VENUS・97点、橋本志穂&広川ひかる・100点。

1回戦・Dブロック 第4組目

ワンダラーズ

ダチョウ倶楽部

森進一勝俣州和のまねで 鈴木史朗ひとみバァさんジェット浪越
のまねで
おふくろさん ドラえもん
●この番組初登場、マイナーお笑い芸人のワンダラーズ。この番組の事前特番で、ハンディカメラを持ち舞台裏を取材していた2人、ダチョウ倶楽部に密着していた彼らの対戦相手がダチョウとは皮肉な巡り合わせ。音合わせの段階では、そのネタの未完成さにプロデューサーはカンカンだったが、本番では一応ネタの形になっていた。勝俣の真似というのが目新しいといえば目新しいのだが、出オチっぽくなってしまったのが残念。というか、まさかワンダラーズに5行も書くとは思わなかった。
●対するベテラン・ダチョウ倶楽部は、『さんまのからくりTV』「ご長寿早押しクイズ」のパロディ。ご本人の前で、肥後が鈴木史朗に扮する。しっかし、これがまたよく似ているのだ(声のトーンから表情まで)。感心しきり。肥後の志村けん、上島の浪越はいつもどおりの水準。
ワンダラーズ・98点、ダチョウ倶楽部・100点。リハーサルでは散々だったワンダラーズ、意外にも大健闘。

 

 

2回戦・Aブロック 第1組目

山本ヘンダ

ナオミ・グレース

欧陽菲菲のまねで 広瀬香美のまねで
雨の御堂筋 ストロボ
●変な新人、山本ヘンダの2回戦は若干おとなしめの欧陽菲菲。なんだ、普通に歌えって言われたら歌えるんじゃん。
●洋物を得意とするナオミ・グレース、2回戦はガラッと雰囲気を変えて広瀬香美に挑戦。その挑戦する姿勢は素晴らしいが、広瀬香美は過去に星奈々、市原利花(日テレでは西尾由紀)と名人級のものまねが存在するので、比べてしまうとどうしても、うーん、難しいところである。
山本ヘンダ・100点、ナオミグレース・98点。ヘンダ、100点満点に涙を流し、司会陣に「変だ」と言われる(笑)。

2回戦・Aブロック 第2組目

桑野信義

清水アキラ

美輪明宏のまねで 宮路オサムのまねで
犬のおまわりさん なみだの操
●桑野信義は『第10回爆笑スター』の決勝でも披露した美輪明宏に再挑戦。しかし今回は変化球、あの頃にこれをやっていたらビジーフォーを破って優勝していたかも。
●清水アキラも、なぜか『第26回オールスター』で披露した宮路オサムを再び。「おそばに(テンプラ)、おそばに(かきあげ)・・」のネタ部分も一緒だったため、もう一捻りしてほしかった(そしてテロップは余計)。まあご本人が喜んでいたのは良かったが。
桑野信義・98点、清水アキラ・99点。

2回戦・Bブロック 第1組目

デンジャラス&U−Turn

ビジーフォー

映画『踊る大捜査線』のまねで 山崎まさよしのまねで
Love Somebody 僕はここにいる
●デンジャラスのノッチが青島刑事(織田裕二)に扮し、「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ」「ものまねは3時間で撮ってるんじゃない、8時間で撮ってるんだ!」「終わったらすぐに帰れるんじゃない、朝まで焼肉付き合わされるんだ!」など番組の内幕を暴露するネタを。その他のメンバーは柳葉敏郎、深津絵里、いかりや長介でネタをサポート。
●ビジーフォーは冬樹の山崎まさよし。グッチの姿が見えず、冬樹一人で歌うのかと思いきや、『王座』では毎回地味に目に付くバンドコーラスの中にグッチの姿が。3人組コーラスの真ん中の女性をグッチが演じた。長年番組で出ているビジーフォーならではのアイデア。筆者も番組を見ていて「この手があったか!」と驚いた。歌は布施とはまた一味違った、デフォルメ中心のものまね。
デンジャラス&U-Turn・97点、ビジーフォー・100点。

2回戦・Bブロック 第2組目

林家ペー・パー子

市原利花

ニック・ニューサーのまねで 梓みちよのまねで
サチコ 二人でお酒を
●歌い終わったあと、司会のタカが「気のせいなんでしょうか、ペーさんの歌、全部同じに聞こえるんですよ」と核心をついたコメント。確かに前回の一節太郎と何ら変わりない歌声だった(笑)。変わったのはパー子が最後に「チャチャチャチャ〜ン」とコーラス(?)を入れたところ?
●市原は真正面から梓みちよを、ステージであぐらをかいて。本人のカラーそのままであるが、確かに林家ペーパーが相手なら手堅く勝負したくなる気持ちも分かる。
林家ペーパー子・96点、市原利花・100点。司会が進行中なのもお構いなしに写真をパシャパシャ撮りまくるパー子に爆笑。

2回戦・Cブロック 第1組目

岡本夏生

栗田貫一

マドンナのまねで 宮尾すすむのまねで
ヴォーグ フニクリ・フニクラ
●岡本夏生、1回戦に引き続いてベタ系のネタを。ただ特訓の成果はバッチリ。四天王にぶつけたところをみると、今回の勝負ネタだったのだろう。タカも「あら意外とやるわねぇって感じ」と評価していた。
●栗貫の新ネタは、「日本の社長」でおなじみの宮尾すすむ。フニクリフニクラの軽快なメロディに乗せて、「お菓子屋〜おもちゃ屋〜洗濯屋〜、夜鳴きのラーメン立ち食い、なんでもかんでもとにかく社長はスゴイ!素晴らしい日本の社長さん」と。地方の営業で密かに手応えを確かめたネタであるが、終わった後は汗ビッショリの栗貫が印象的。
岡本夏生・98点、栗田貫一・100点。

2回戦・Cブロック 第2組目

布施辰徳

俵山栄子

ジョー山中のまねで 宇多田ヒカルのまねで
『人間の証明』のテーマ Automatic
●布施、難易度の高い選曲だが、歌いだしの「ママァ〜」から客を一気につかんだ。気合十分、布施ならではの力強い熱唱は健在。審査員の奥菜恵もうっとり聞いていた。
●前々回はUA、前回はMisiaと、懐かし系だけに留まらないものまねを披露する俵山だが、今回も、まだ誰も足を踏み入れていない宇多田ヒカルに挑戦。宇多田といえば『First Love』以降に真似する人が急増したが、まだ特徴のつかみ辛いこの頃の宇多田にチャレンジした心意気だけでも評価に値すると思う。ただ今回は相手が悪かった。
布施辰徳・100点、俵山栄子・99点

2回戦・Dブロック 第1組目

城之内早苗

中島マリ

高田みづえのまねで 石川さゆりのまねで
硝子坂 天城越え
●城之内は、この番組ではおなじみの高田みづえの『硝子坂』。過去に松本明子、松居直美らが挑んでいるが、今回のがいちばん分かりやすく聞けた。いつも思うが、彼女の歌は聞いていて本当に耳に心地よい。
●対する中島マリは、1回戦の変化球(鈴木その子)に比べれば正統派、石川さゆりを熱唱。「石川さゆり」のものまねをどうやればいいのか分からない人も、この出し物を見た後では何となくやり方がつかめる、といった「ものまねのお手本」的な出来だった。自然な感じで歌う「石川さゆりものまね」の本家である城之内とは対照的なやり方で、それが審査にどうでるか(とはいっても今回の審査は10点が異常に多く、あまり参考にならないのが残念ではある)。
城之内早苗・98点、中島マリ・100点。

2回戦・Dブロック 第2組目

橋本志穂&広川ひかる

ダチョウ倶楽部

ビューティ・ペアのまねで 映画『リング』のまねで
かけめぐる青春 恋のダイヤル6700
●この番組では初?の夫婦対決。途中、替え歌で「汚れ芸人の妻」であることをアピールしていた。審査員席の上段にゲストの相田翔子がいることから考えると、実はここで「Wink」をやるはずだったのでは?でも相手が広川のダンナの上島、ということでこのネタを持ってきた、と筆者は推理。ここで勝たないと、相田翔子の存在意義が・・・。
●ダチョウはジモンが「真田広之」、上島が「松嶋菜々子」、肥後が「幽霊→鈴木その子」で映画『リング』のパロディを。終始、長い髪で顔を隠す肥後の幽霊、特殊効果をバリバリに使って恐怖心を煽り、強烈なライトが顔に当たった途端、真っ白!という、まあ文字に起こすと興ざめだが、しっかりネタにストーリー性があり、完成度は高かったのではないか。
橋本志穂&広川ひかる・98点、ダチョウ倶楽部・100点。勝利した上島が妻に、「オレたちは10年以上この舞台踏んでんだ!な〜にが『ビューティ、ビューティ〜〜』だ!アホか〜!」と。しかしタカが「おまえ、今回あんまり役割果たしてなかったじゃないか!」

 

準決勝 Aブロック

山本ヘンダ

清水アキラ

辺見マリのまねで ケーシー高峰のまねで
経験 コモエスタ赤坂
●Aブロックの決勝までやってきてしまった山本ヘンダ。完全に顔で勝負の辺見マリ。本人もここまで残るのは意外だったのだろう、まだまだ未完成な感が残った。まさに「やめて〜」といった感じ(笑)、といえば言い過ぎ?審査員席の娘も、終始苦笑いだった(「うちのマリには見せられない」とコメント)。まあ山本は今回の敢闘賞、といったところだろう。
●グラッチェ!でおなじみ、ケーシー高峰のお医者さんネタに挑戦。「廊下現象」「3キン交代」などのネタ(といっても分からない人が多数か)。ご本人も「くりそつ!」とやや時代錯誤的なコメントを残し、さらに「明日代わりに営業行ってください」と。
ナオミグレース・97点、清水アキラ・100点。清水、今日は初の満点に「グラッチェ!」。

準決勝 Bブロック

ビジーフォー

市原利花

ミラクルズのまねで チェリッシュ悦ちゃんのまねで
ラブ・マシーン ひまわりの小径
●ビジーフォーは久々に冬樹の人形ダンサーズが登場。裕三の声もいつも通り(笑)。まさに「ビジーフォー」ここにあり、といった感じ。
●時代を感じさせる衣装で登場の市原は、『ひまわりの小径』と、チェリッシュにしては珍しい選曲。声は相当似ていた(と思う)ので、ここは無難に『白いギター』あたりを歌っておけば、審査員には分かりやすく伝わったかもしれない。難しいところだが。
ビジーフォー・100点、市原利花・98点。

準決勝 Cブロック

栗田貫一

布施辰徳

谷村新司のまねで GLAYのまねで
いい日旅立ち 誘惑
●栗貫は立ち振る舞いが既にそっくりな谷村新司。これまでは清水アキラや岩本恭生が、アリス時代の谷村をオーバーめにやっていたが、今回はその真逆をいく「今の谷村」。物腰の柔らかさ、表情のいやらしさを見事に捉えていた。声はそれほど似ていないが、それを補って余りある表情と物腰。珍しいものまねである。「さあ、一緒に歌おうか」と観客に歌詞を伝えるが、途中「いい日カニ玉」と、今回も(昔の八代亜紀ネタに続き)スポンサーを味方につけたネタを織り交ぜていた。
●今回は秀作を次々と披露している布施、またも自信作と思われるGLAYを熱唱。十分上手いのだが、『ものまね王座』を見慣れてくると、演者の声に聞き慣れてしまうことがあり、今回もどうしても「布施本人の声」「かつてやったことのある声(ハウンドドッグなど)」のイメージが聞いていて拭えなかった。いや、十分上手いのだけれど。
栗田貫一・100点、布施辰徳・99点。両者満点か?との期待をまたも針さんがブロック。針「いや、十分辛いんですけどね。こうなってくるとジャンケンはいかんな、と思いますしね。どこで差を見つけかと言いますとね、栗貫の、静かな中にもちょっと遊び心があるというか、その辺の余裕が(プラスに)見てとれましてね。0.5点くらいの差ではあるんですが」とのコメント。

準決勝 Dブロック

中島マリ

ダチョウ倶楽部

越路吹雪のまねで 美川憲一小池聰行橋田壽賀子のまねで
愛の讃歌 さそり座の女
●なんと中島、4年ぶりの準決勝進出。中島マリ特有の、ホラー色満載の越路吹雪だが、でも全盛期のコーちゃんってこんな感じだったのかもなあ、と思わせる迫力いっぱいの舞台だった。相手がダチョウ倶楽部ということで、多少意識してオーバーに笑いを取りにいったのかもしれない。
●ダチョウ倶楽部。肥後の美川「みんな、お元気〜?あら、挨拶が無いわね。松田聖子と一緒よ!」「芸能界から干すわよ」と登場からネタをやりまくる。上島が橋田、ジモンが故・小池
聰行(オリコンの社長として有名だった)。ジモンの「ダァ〜、Ichiba〜n!」には笑った(ご本人も爆笑していた)。そういえば小池聰行って、四天王が出始めの頃の『王座』の審査員をやっていたんだよなあ。ネタは、美川と橋田が毒舌を吐きまくるといった内容。最後はジモン扮する小池にかみつき、「あんたの顔ってね、『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくる一般市民とおんなじ顔なのよ!」と見事な観察力。最後のオチでバンドのタイミングが悪いところがあったが、それも「バンド、音が遅いわよ、あんた!」と機転を利かし、笑いに変えていた肥後の手腕に拍手。
中島マリ・98点、ダチョウ倶楽部・100点。ダチョウ、今日は1回戦から全く勢いが衰えないのが凄い。

 

決勝戦

清水アキラ

ビジーフォー

花菱アチャコのまねで ゴールデンカップスのまねで
チャコの海岸物語 長い髪の少女

栗田貫一

ダチョウ倶楽部

冠二郎のまねで 篠山紀信加納典明アラーキーのまねで
バイキング カメレオン・アーミー
●清水アキラは懐かしい「エンタツ・アチャコ」の花菱アチャコを。「ムチャクチャでごじゃりまする〜」のフレーズは有名ですね。歌詞が面白いので抜粋しておきましょう。「まああんさん、我々の身体というのは全部お金で出来てま。頭は『頭金』、眼は『元金』、鼻は『お花代』、口は『口座』、耳は『耳を揃えて返せ』、肩は『肩代わり』、へそは『へそくり』、右手は『小切手』、左手は『手切れ金』、ムチャクチャでごじゃりまする〜、お尻は『帳尻が合った』、赤字の人は痔持ち」、ここで音楽に合わせてむりやり「ここっろかっら、好きだよ〜アチャコ」には後ろのモト冬樹も大爆笑。「男と女は違います、男は『前金』、女は『入金』、だからたまに『おろしたり』することもあるんですぅ〜、ムチャクチャでごじゃります〜」でオチ。
●ビジーフォーはお得意のGSで勝負。グッチがデイブ平尾、冬樹がマモル・マヌーに扮して『長い髪の少女』を熱唱。グッチはこの声で「シェケナベイベ〜」と言ったら全ては終わってしまう(笑)。最後は「トゥルル〜、トゥルル〜」で冬樹のカツラを外す、というお約束で締める。
●栗貫は冠二郎に初挑戦。今日の栗貫は宮尾すすむ、谷村新司もそうだったが、とにかく顔が似ている。よくあそこまで作り上げるものだと感心。ただ、いかんせん声が・・という部分もあるが。さらに冠二郎の場合は、1回戦で桑野信義がカツラが回り、火を吹く、という印象的な出し物があったこともあり、ちょっとタイミング悪かったかも。
●今日はノリにノッているダチョウ倶楽部。最後はヤリたい放題に、アラーキー(肥後)、加納典明(ジモン←そっくり!)、篠山(上島)の天才カメラマンがマネキン相手に大騒動を巻き起こす。ゴールデンの時間帯に肥後の「ハメるぞ〜おい!」は良かったのか(笑)。サビの「パシャパシャ撮る、カメラマン。ハメハメ撮る、アラーキー」も面白い。でも、おそらくこのネタを脇の方で撮影していたであろう林家ペーパーを想像すると、もっと面白い。すべてのネタが終わってからの郁恵のコメント「これ、決勝戦??」、ガダルカナル・タカのコメント「4組の中で誰が勝っても、おかしい」。
清水アキラ・96点、ビジーフォー・96点、栗田貫一・98点、ダチョウ倶楽部・99点。四天王を全員一気に破っての優勝というのは初めての快挙。司会のガダルカナル・タカ、後ろの広川ひかる、松村邦洋など、芸人仲間が本当に嬉しそうな顔をしていたのが、とても微笑ましかった。今日の4ネタを総合して考えると、確かにダチョウ倶楽部がいちばん良かったと思う。敢闘賞は布施辰徳、城之内早苗、中島マリ、といったところか。