「気候変動問題のホントとウソ」

26.01.29

お断り
このコーナーは「推薦する本」というタイトルであるが、推薦する本にこだわらず、推薦しない本についても駄文を書いている。そして書いているのは本のあらすじとか読書感想文ではなく、私がその本を読んだことによって、何を考えたかとか何をしたとかいうことである。読んだ本はそのきっかけにすぎない。
だからとりあげた本の内容について知りたいという方には不向きだ。よってここで取り上げた本そのものについてのコメントはご遠慮する。
ぜひ私が感じたこと、私が考えたことについてコメントいただきたい。


現役時代最後の20数年は環境とかISOだったので、環境問題には今も関心があり関係する本やウェブサイトを読んでいる。読んでいるというより、探し回っている感じだ。

この本は1年近く前に出版されたが、その直後に蔵書検索したら市図書館になかった。昨年末に昨年発行の未読の環境関連の本を検索したらヒットしたので、年明けに借りて読んだ。


書名 著者 出版社 ISBN 初版 価格
気候変動問題のホントとウソ l杉山大志l l電気書院l l9784485301258l l2025/04/15l l1,600円l

アマゾンなどのこの本の書評は、完全否定と完全賛同の二極化している。そりゃそうだろうな。地球温暖化は、半分だけとかちょっとだけというわけにはいかない。
多数の肯定派はそれを否定されたらレーゾンデートルの崩壊だし、少数の否定派は生存をかけている。

私の見るところ、地球温暖化を主張する多数の人たちは、数を力に権威を示し、信じよ、温暖化を止めよと語る。
地球温暖化は、結局、信じることなのか? 理屈でなく宗教なのか?


彼らの主張に疑問を持つ人はいるだろう。それとも政府やマスコミに洗脳されて絶滅してしまったか?
私は別に地球温暖化に歯向かうものではないが、報道されること、報道でなくても天気予報の際に枕詞として語ることには疑問を持っている。

シロクマ ゴアを筆頭にする地球温暖化派は、たくさんの嘘をついてきた。
例を挙げよう。
シロクマが絶滅すると叫んだのは2007年の映画「不都合な真実」だった。

だが1960年に5,000〜19,000頭だったシロクマは、2007年には20,000〜25,000頭に増えていて、2020年には22,000〜31,000頭と推定されている。まさに人口爆発だ(注1)

2007年に映画を作ったとき、10年前、20年前、30年前の数字を調べなかったのか?
ダメ押しすれば映画の中の、やせこけたシロクマはCGだったらしい。ギャラを節約するためだったのか?


不都合な真実
CO2が見えるはずない
あ、グレタは見えたか
ゴアと聞いても、もう忘れた人も多いだろう。
アメリカで副大統領が次の大統領になる確率は30%だそうだが、彼は大統領になれなかった70%に入った。

彼は「不都合な真実」という本を書き映画を作ったが、後にそれらは「都合の良いウソ」と言われた。

そうそう、ゴアさんのお宅の電気使用量は、平均的なアメリカの家庭の20倍も使っているエコと正反対の方です。日本家庭の平均の50倍ですよ(注2)

一般家庭でもアメリカは日本の2.5倍使っている。だからアメリカのエコ生活本とか省エネ本を読むと、日本人にとって宇宙人のようで理解できない(注3)

日本人は欧州やアメリカ人に比べて、乾いたぞうきんを絞るような省エネ・省資源の暮らしをしている。
とはいえ、シンガポールは日本よりはるかに水を使わない暮らしをしている。水は輸入品だから。またスウェーデンは日本より水を使わないがエネルギーは使う、寒いから。
生活環境も気候も違うから一概には比較できない。


天気予報
気象予報士の話は、検証が必要です。
テレビの天気予報では決まり文句のように「温暖化により気象災害が増えている」「地球温暖化で台風が巨大に強力になっている」と語る。

多くの人は疑うこともなく「そうなんだ」と思っているだろう。
ホントにそうなのか?


細かくはそれぞれネットなりデータブックなりで見てほしいが、発生する台風も上陸する台風も少なくなってきているし、台風の強さ(中心気圧)も犠牲者数も、伊勢湾台風、枕崎台風、室戸台風のような超大型、強力な台風はみな1960年以前だ。ここ30年にはない。

私が調べた実際の自然災害状況を下表に示す。
死者が出るのは地震が多い。いくらなんでも地震は温暖化と関連は少ないだろう。


近年の自然災害状況

台風
発生数
台風
上陸数
地震回数
震度5弱以上
自然災害による死者・不明者数
備考
2010
14
2
5
89
2011
21
3
71
22466
東日本大震災
2012
25
2
16
190
2013
31
2
12
173
2014
23
4
9
283
豪雨による広島市の土砂災害
2015
27
4
10
77
2016
26
6
22
344
熊本地震
2017
27
4
33
136
2018
29
5
8
300
北海道胆振東部地震
2019
29
5
11
159
市原ゴルフ練習場鉄柱倒壊事故
2020
23
0
7
128
台風上陸ゼロは12年ぶり
2021
22
3
10
150
2022
25
3
15
159
2023
17
1
8
80
2024
26
2
28
607
能登半島地震
2025
27
3
15
未確定

注:出典参照のこと(注4)(注5)(注6)
出典により数字がかなり違うことに留意のこと。能登半島地震の死者は703名というのもある。


私は以前から「温暖化で災害が増えているっておかしい」と、このウェブサイトに書いている。この本を読んで気が付いたのではない(笑)(注7)

豪雨豪雨豪雨豪雨
送電線鉄塔
豪雨豪雨豪雨
送電線鉄塔
2019年9月毎週のようにやって来た台風は、送電線の鉄塔を倒すなど千葉県に大きな被害を出した。大規模な長期間の停電が首都圏で起きて大きな問題となった。

それだけ見ると、台風被害が増えているように思えるかもしれない。
だが上表を見れば、それも10年あるいは20年スパンで見れば、揺らぎと思える。

台風の情報、地震の発生、被害などは秘密でも何でもない。あなたのスマホで気象庁のウェブサイトにアクセスして、過去の情報を探せば数分で見ることができる。もちろん無料だ。
ということは・・・そんな誰でもわかることなのに、おかしなことを語る気象予報士は、嘘をついているのだ。

テレビで天気予報士が語ることまで、その真偽を確認しなければならないとは大変だとおっしゃるか?
私は人から聞いた話、テレビで見たこと、なんでもおかしいと思えばすぐに調べる、そういう習慣をつけると電話詐欺に騙されないようになる。
詐欺にかかってお金を失っても良いなら構わないが。

おっと、私がウソをついているかもしれない。だがご安心を、私の書くものはほとんど引用元を記している。文中に記した文末尾の引用先をクリックして調べた方が良い。

私の信念と言うか生き方は、初耳の情報は裏取りする、裏が取れないものはとりあえず信用しない。そして自分が納得できないものは拒否する。


一応、地球温暖化の理屈は知っている。
現役時代の最後の10年間は企業の環境部門で働いた。私は環境法とかISO認証の担当だったが、私の周りは欧州の化学物質規制とか、製品リサイクルあるいは省エネの対応をしていた。
だから環境問題は否が応でも耳に入ってきた。

地球温暖化とは、太陽光が地球に入射するときは波長が短いが出ていくときはエネルギーを失い波長が長くなるので、CO2のバリアで大気圏に閉じ込められ熱が地球にこもってしまう。それを地球温暖化という。

温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)で、「地球温暖化」を次のように定義している。
「「地球温暖化」とは、人の活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガスの濃度を増加させることにより、地球全体として、地表、大気及び海水の温度が追加的に上昇する現象をいう。(温対法 第2条第1項)」

つまり地球温暖化とは「地球が温かくなることではない」ことに注意。エアコンで暖房しても原子力発電所で大量の熱を発生しても、それを地球温暖化とは言わない。
人間が温室効果ガスを大気中に出すとか作ることによって、地表や大気や海水の本土が上がることだ。

牛 牛のゲップはメタンガスを含んでいて、それは温暖化ガスだ。だから牧場で牛を飼っていれば地球温暖化を引き起こすと言って間違いではない。
しかし野生の牛のゲップは人の活動によるものではないから、大気の温度が上昇しても地球温暖化ではない。
おかしいか

おかしくない。野生とは人間が関わらないことであり、人間の活動によらない温度上昇は地球温暖化と言わないのだ、これ重要。

なお温対法の元になった条約は気候変動枠組条約というが、気候変動と地球温暖化はどういう関係になっているのかというと、良く分からない。地球温暖化により気候が変わるからという人もいるし、温暖化だけでなく寒冷化することもあるという人もいる。
真偽はワカラン


地球温暖化はともかく、その影響についての情報というか論も説も、ありすぎて信用できないというか、それ以前のことが多い。
とにかく多様な意見がある。


注:「論」とは物事の筋道を立てて述べる主張で、「説」は説明・説得に重点がある主張
いずれも証拠がなくてもできる。

グレートバリアリーフのサンゴを例に取ってみよう。グレートバリアリーフのサンゴが壊滅的だと言われていた。それは正しいのか、現状はどうなのか、大分時間をかけてググってみた(注8)


注:外部費用の内部化とは、
元々は蒸気機関車が走れば煙も出すし火の粉が飛んで火事にもなった。それは蒸気機関車を走らせた人の責任であり、そうならないようにする責任があるということが起こりだ。

釧路湿原で湿原を破壊して太陽光パネルと設置しているのは、まさに環境破壊というコスト(費用・損出)を、国民と国家に転嫁していると言える。
払ってもらおうじゃないか💢



再エネルギーは高くつくのだ。それは日本だけでなく、欧州では太陽光発電と風力発電が総発電量に占める割合と家庭の電気料金は、ピタリと正の相関がある(p.112)。
太陽光発電は砂漠、風力発電なら風が穏やかで常に一定風力が吹く浅い海でもないと設置してはいけない。
ラムサール条約に登録された釧路湿原を破壊して行うべき事業ではない(注10)

日本が出しているCO2は全世界のCO2の3%に過ぎない(注11)日本国民が苦しんで苦しんで、倹しい暮らしをしてCO2をゼロにしても、年間の気温上昇は0.0005℃少なくなるだけだそうだ(p.125)。
無理することもなさそうだ。


パレスティナ紛争 ウクライナ戦争で発生しているCO2は年間8,000万トン、パレスティナ紛争で2025年に発生したCO2は1億トンだそうだ。いずれも日本が1年間に出すCO2とほぼ同じだ。

ふと思ったが、パレスティナ紛争で発生するCO2の8割(10割かも?)がイスラエルとすると、イスラエルは世界53位から大きく躍進して世界6位になる。こうしなければ実態に合わないのではないか?
もっとも戦闘から発生するCO2を加算すると、アメリカもロシアもその他の戦闘状態にある国はかなり上積みされるから、どうなるだろう。

ともあれ各国はCO2削減などせずに、戦争を止めさせた方が、間違いなく良い結果になる。
そしてその分、産業を活性化したほうが人類のためだ。



うそ800 本日の結論

この本の結論は
「気候変動問題も、国際政治の課題としての優先順位は下がり、やがて消滅するだろう(p.140)」
まさにこれに尽きる。そしてこれは間違いないだろう。

地球温暖化の真偽は分からない。しかしここ数年、温暖化どころではなくなってきた。
欧州は、不景気もあるし、移民問題、エネルギー危機、ウクライナ戦争など難題山積。
日本も中国の武力行使に備えなければならない。北朝鮮も暴走するのかどうなるか、

アメリカは保守と革新の分断、インフレ、違法移民騒ぎもある。
ロシアは不景気どころか経済崩壊、四面楚歌、どこも大変だ。

100年後の地球温暖化より、今日の飯、明日、生きることが喫緊であり重要だ。フランスのイエローベスト運動なんてそのものだと思う。
我々は2勝1敗なら良いと言えるプロ野球をしているのではなく、負ければ終わりの甲子園をしているのだ。
100年後を考えて明日死んでは元も子もない。日々生き残ることを確実にしてから、100年後を考えても間に合うだろう。最悪、間に合わなくてもしょうがない。
100年長生きしたと 諦める 喜ぶべきだろう。

ということを私が考えたのではなく、欧州でもアメリカでも皆が考えるようになったのだと思う。
ぐれたお嬢さん
この人、誰?

青筋を立てて「地球温暖化ガー」とツバ飛ばすの止めようよ、汚いから。






注1 PBSG(The Polar Bear Specialist Group) Population Status

そこにあるグラフを見ると単純増加ではなく、1960年頃から2000年までは増加、それ以降は多少山谷があるがわずかな増加である。理由は単純でシロクマの狩猟が制限されて増加に移り、やがて平衡状態になったのだ。
いずれにしても、温暖化でシロクマが絶滅するという表現は当たらない。

注2 アメリカの家庭の電気使用量は、日本に比べて世帯当たりで約2〜2.5倍、1人当たりでは約1.5〜2倍だ。アメリカの家庭では大型家電(エアコン、冷蔵庫など)や大きな広い住居で照明・冷暖房を使用するため。
日本は世界的に見ても世帯当たり、1人当たりともに電力消費量が少ない国である。

注3 「これってホントにエコなの」、ジョージーナ・ウイルソン=パウエル、東京書籍、2021
著者はアメリカ人でなくイギリス人だけど。

注4 近年の台風状況
気象庁 台風の発生数台風の上陸数

注5 近年の地震状況
・2020年以前 日本気象協会 tenki.jp
・2021年以降 気象庁 震度データベース

注6 2021年以降
 内閣府 防災白書R6年自然災害による死者・行方不明者数
 内閣府 防災白書R7年自然災害による死者・行方不明者数

注7 過去より、おかしなことを提示してきた。花期はその一例である。
田家 康の環境本
地球温暖化その1
SDGsを考える その1
SDGsを考える その2

注8 グレートバリアリーフのサンゴ
Tourism and Events Queensland
・Ocean learning HUB Is the Great Barrier Reef making a comeback? 2025
・その他多数をググった。

注9 アメリカの山火事
・National Interagency Fire Center ナショナル・ファイア・ニュース
・University of Washington college of the emvironment
・その他多数をググった。

注10 環境省 釧路地域における太陽光発電施設の開発について

注11 Global note 世界の二酸化炭素(CO2)排出量 国別ランキング・推移(EI)
日本は1人当たり年1トンと覚えておくと良い。全世界で約350億トン(1年365日と同じ)である。







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