劣化ウラン兵器を廃絶させましょう:Stop DU(Depleted Uranium Tipped Shells)

劣化ウラン弾(米国防省HPより)
【参考資料】
  • 藤田祐幸さんの「イラク支援法案」を審議する衆議院特別委員会での参考人意見陳述(2003年7月1日)
  • アメリカのイラクでの劣化ウラン使用に関する証言
  • 森住卓(もりずみ たかし)ホームページ
  • 劣化ウラン弾 被曝深刻 (2000.4.4〜7.7)中国新聞特集記事
  • 劣化ウラン研究会
  • 核時代負の遺産(2001.9.16〜2002.7.7)中国新聞特集記事
  • Depleted Uranium Watch
  • World Depleted/Uranium Weapons Conference
  • Nuclear Policy Research Institute

    劣化ウラン弾とは何?(Depleted Uranium Tipped Shells)
    • 戦車や建築物、また地中深くある構造物などを効果的に破壊するために使われている兵器です。1991年の湾岸戦争、1999年コソボ、2001年アフガニスタン等で大量に使用されました。

    • (米国防省HPより)
      装甲に当たり、タングステンは潰れて止まってしまうのに比較して、劣化ウラン弾は、鉄を熔かし、自ら研ぎ澄まして貫通し中を焼き尽くす。

    • 金属ウランは、鉛より1.7倍も重く、また硬い金属です。これを弾頭の芯に使うと、戦車などの分厚い装甲や壁をたやすく貫通します。(図参照)


    • 戦車の装甲に着弾すると、この劣化ウランの芯は摂氏3000度の高温を発し、鉄鋼版をバターのように溶かして貫通し、ウラン粒子は粉塵となり中を3000度で焼き尽くします。 また、微粒子となったウランは浮遊して広範囲に風に流され、地にまみれ、水にとけ込みます。


    • 核爆弾や核燃料を作るためには天然ウランからこれに0.7%含まれる核連鎖反応を起こすウラン235を抽出(濃縮工程)します。ここで不用となる99.3%はウラン238という物質で、核燃料や核爆弾に役立たないことからこれは劣化ウランと呼ばれています。不用となって大量に残されるこのウランは、これまで何十万トンと膨大な量が蓄積されており、有害物質であるがゆえに、厳重に保管しなければならない手のかかる核産業の廃棄物です。


    • 劣化ウランは廃物ですし、弾頭に鉛や高価なタングステンを使う必要がありません。廃物が貫通力を倍増したスーパー兵器に転用できることから、アメリカは次のこれに代わる兵器が発明されるまでは、これを使い続ける方針をとっています。


    • 水俣病が水銀汚染で引き起こされているように、ウランは重金属特有の、人体に強い化学的毒性を持つといわれます。これが呼吸や飲食、あるいは傷口などから体内に入ると臓器を侵します。


    • 劣化ウランは放射線被害を引き起こします。酸化ウランの粉塵を吸い込むと肺などの臓器に沈着され、体内被曝を受けます。これは、放射線としては大きいダメージを引き起こすアルファ線によるもので、ガンや白血病を起こす可能性が高くなります。特に細胞分裂の盛んな部位に対する影響は甚大で、生殖、子供に対する影響がとりわけ大きくなります。この影響を受けた人から生まれてくる嬰児たちの中には死産や目や耳の無い先天的欠陥などが多く見られます。


    • イラクにおいて、特に劣化ウランを多用された南部のバスラ地域を中心に、湾岸戦争後の12年間でガンの発生率が5倍〜10倍と増加していたことが報告されています。 1998年時点でのユニセフの統計では、子供達だけで50万人死亡したと発表されています。これに経済制裁輪が輪をかけて、医薬品や生活インフラの整備不足などで、軽微な病気すら治療できずに悪化し死亡することが常態化し、湾岸戦争後の12年間で150万人が死亡したといわれています。


    • 湾岸戦争で使用された劣化ウランの量は、米国防総省によれば320トンです。この物質の半減期は実に45億年です。そして、アフガニスタンに対しても650トン以上使用されたと想定されています。今回2003年のイラク攻撃には2200トンが使われたと言われます。バンカーバスターにも使用されました。バンカーバスターには数トンのウランが弾頭に使われ、何層ものコンクリート壁を打ち抜き、深く到達してから効果的に爆発させることができます。アフガニスタンにおける調査では、爆撃のあったところでは例外なく人々は病気になっているということです。2003年のイラク攻撃では、米軍大佐の証言によれば、都市部に対する攻撃にも、健康被害の認識はありながらも、破壊効果のみで使用の判断をしたということです。事実、バグダッドの街角に劣化ウラン弾がたくさん転がっていたという報告が多くなされています。絶大な破壊力を持つこの兵器は、スーパー兵器として湾岸戦争以降兵器市場で注目の的になりました。


    • イラクなどで使用された対戦車砲などの弾丸は、着弾したものは気化して酸化ウランとなって広がり、また地中に染み込みます。目標から外れた多くの砲弾は、地に落ちたり、地中深く潜り込んでしまします。バグダッドなどの都市部でもこれらはゴロゴロ落ちていると報告されています。ウラン金属は水に溶けますので、これが地下水を汚染します。半減期が45億年ですから、これらは事実上永遠の循環を続け、この周辺に住む人々を殺し続けることになります。戦車の残骸ではとりわけ放射能が強く、何も知らない子ども達が残骸の内外で遊んでいる写真を良く見かけます。彼らには今後障害の起こる可能性が非常に高いといえます。大量破壊兵器を持っていると理由付けして始めたこの戦争で米英は結局それを見つけることはできなかったわけですが、イラクを大量破壊し大量殺戮を続けるこの劣化ウランの海にしたのは、他ならぬ侵略側ということになります。当然これらを使用した国々はこれを速やかに回収撤去する責任があるでしょう。


    • アメリカは湾岸戦争でこれを初めて実戦に使用したということになっています。この兵器を使用すればどうなるかという影響については、アメリカ国防省は当然認識はしていましたが、前線の兵士たちには殆どこの事実を知らせていませんでした。イラクに侵攻した連合軍兵士たちや埃にまみれた兵士たちは、何にもしらずこれに汚染されました。そして後に問題になったわけですが、これが湾岸戦争症候群として有名になったものです。直接戦争中に死んだ米軍兵士は同士討ちなどで300名弱でしたが、2003年のイラク攻撃までの12年間に、湾岸戦争の復員兵の死傷率は40%近くの26万人に達したということです。信じがたい数字ですが、屈強な若者であった彼らの1万人が死亡したと言うことです。これが、湾岸戦争が第二の核戦争であったことの証であり、この兵器のビッグショーの結果です。 そして、第2、第3、第4の核戦争を続けているのです。使用された量や場所を考慮すると、2003年のイラク攻撃の結果として生起するこれからの惨状は想像するに余りあるものがあります。イラクやアフガニスタンは目に見える破壊や殺戮だけでなく半永久的にウランの毒性と放射線にさらされ続けることになるのです。もちろんウランの粉塵に国境はありませんから、薄く広く世界中に広がって世界的にも癌の発生率は上がっていくことでしょう。


    • このように、核廃棄物のゴミを転用することによって、卓越した貫通力、衝撃による高温燃焼、重金属毒性、発ガン性、永久持続性を持ち、これらが使用された場所に居る人々を殺傷し、長期間にわたって住民を疲弊させる効果などがある劣化ウラン弾ですが、それゆえ、使用する国々としては、その使用に障害になるような情報を公表したり認めたりすることができない理由ともなっているのです。


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