真の忍法

というのは、そのような(「ドロン、パッ」というような)ものではなく、 「忍辱精神」(恥辱を忍んで、恨みを放じ去る)を養い、「花情和楽」 (花のような情愛をもって平和を楽しむ)の境涯を目差すものです。~中略~
そのため、忍者は忍辱精神を養うとともに、武芸十八般(忍法三十六形)を習得したのです。 その内容としては、精神的教養・骨法体術・剣法・棒術・手裏剣術・鎖鎌術・槍術・薙刀術・騎射術等を表芸とし、これに虚実転換の法等を裏芸とし、最後に肝心要、即ち神心神眼の法を会得するという極めて幅広く奥行きの深いものなのです。~中略~
「術は術に溺れ、道は道に迷い」ますが、「法」は絶対真理ですから、そのようなことはありません。 私のお教えするものは、忍術ではなく、「忍法」なのです。忍法は身・心・識(潜在意識)を守る最高の護身の法であり、武道芸術でもあるのです。
(「玄武館忍法武芸 忍法体術基礎編 Vol.1」 種村匠刀 昭和62年 埼玉 より)