トルコのカーヌーン

 カーヌーンをご紹介します。

sample play: Nihavend By Taqsim(790KB:mp3)


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カーヌーンは東ヨーロッパのチターや、中国の琴、朝鮮のカヤグム、日本の琴などの源流と思われる弦楽器です。写真はトルコのカーヌーンですが、弦は26コースあって、低いほうの3コースは2本、あとのコースは3本のナイロン弦が張ってあります。ひとつのコースに張る弦は同じ音程にします。

微分音を調節するコマ
この楽器自体芸術品といえますが、特筆すべきは微分音と呼ぶ微妙な音の高低が調節できることです。ご覧のように、弦の長さを調節するためのコマが一つのコースの端に10個から12個設置してあり、下のコースまでの音程をコマの数だけ細かく分けて音を設定することができるのです。つまり、5分の1音上げるとか、半音より低めにといった設定ができます。これによって、無数といってよい音の組み合わせで音階が作られるのです。演奏者は演奏の前に設定するだけでなく、演奏中もこまめに音を変えながら演奏できます。
他のアラブ諸国にあるカーヌーンはもう少し大ぶりで写真のような装飾はありません。弦もスチールで音質も少し金属的になります。また、コマの操作には力が必要で演奏中に自由に変えられるようなものではありません。

アラブ音楽のページの写真にギターとウードとサズのぶら下がっている写真を載せました。ギターやサズには棹に音階を刻むフレットがついていますので音程は決まってしまうわけですが、ギターやリュートの祖先のようなウードという楽器の棹にはフレットがついていないので、バイオリンと同じように自由な音程を出すことができます。

美しい彫刻


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