ISO第3世代 145.存在意義5

24.02.15

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。


ISO 3Gとは

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翌週、定例の課内ミーティングである。なぜか今日は山内が顔を出しており、そしてリモートワークの増子も出勤している。増子に定期的に出てこいとは言っていない。だが彼女は、たまに会社に来ないと皆に忘れられそうだからと言う。
打合せ場 確かにあとひと月半で転勤になるわけで、長期間顔を出さないのも好まなかったのだろう。

ルーティンの磯原課長代行の話、それから各員からの業務報告と問題の相談、それに対する意見交換をする。

通常の報連相が終わると坂本が手を挙げた。
磯原がどうぞと言うと、坂本はかなりの厚さに綴じた資料を、皆に渡してほしいと両隣の人に手渡す。資料は両方向に順送りされる。とはいえ7名しかいないのだから数秒しかかからない。
受け取った者はすぐにパラパラと中身を眺める。

坂本 「ええと先週、皆とチャットしていて、工場のISO認証を今後どうするべきかという話が出ました(第144話)。そのとき私はキー入力が遅いので自分の考えをまとめて話したいと言った。だいぶ遅くなったけど、わしの考えをまとめてみた。

私が国内、海外で何度か携わったISO認証の体験を基に、考えたことを書いたものです。一部ISO9001がありますが、9割方はISO14001に関することです。

いろいろな体験をしてきましたが、それをどう生かしたらよいのか、あるいはそんなこと考えることもないのか、そういうことにも迷っています。
ただ私の体験が無為に失われてしまうのも惜しいと思いまして書き綴りました。

章立てとかまとめ方はよく考えていないのですが、言いたいことはほぼ書き込んだつもりです。稚拙な文でありますが皆さんに読んでほしい。そして特にISOの担当の岡山さんの参考にしてほしいと思います。
お読みになられたら、ぜひともご批判、ご意見を賜りたいと思います」

田中 「普通の人は自分の勤めている工場とか会社での認証や審査の体験しかないが、坂本さんは国内の関係会社や海外の生産工場での認証体験が豊富だから、いろいろな体験をされたでしょう。期待します」

山内 「オイオイ、全部で50ページもある。『ISO認証の問題についての私見』とはすごい大論文だね。
じっくりと読ませてもらうよ」

定例ミーティングは解散した。


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磯原は自席に戻って坂本の書いたものを斜め読みする。
「ISO認証の問題」と題しているが、問題は多種多様である。坂本はそれをカテゴリー分けしている。

磯原は考える。自分自身はISO認証に関わってまだ数年である。しかし自分が担当した本社・支社だけでも、ISO審査ではいろいろな問題があったと振り返る。

なんだか審査員の力量題と運用上の問題が多いように思う。
だがそうでもないか……
省エネ目標を自分が望むように上方修正させて、翌年から捏造数字を書かせていた審査員がいた。あれはいろいろな問題が複合していた。審査員は指導者だという勘違い、ISO認証は改善をさせることという勘違い、本社の指示など無視するという横暴さ、まあ、とんでもない審査員だった。
目標は1年目的は3年でなければならないと書かれた所見報告書も見たことがある。ISO規格でなく、自分の主義とか思い込みで審査しているのは困ったものだ。
おっと、それは運用の問題ではなく単なる審査員の無知という問題か。


坂本は体験した豊富な不具合を基に問題を類型化している。

まずは規格の立ち位置である。
坂本はそもそもISO14001規格が、信頼できるものかどうかを疑っている。そして語っているのは規格要求は持続可能の必要条件でも十分条件でもない。多様なEMSがあり得ること(1996年版 初版にその記述がある)ISO14001が唯一でも最善でもない。
坂本さんは体験から、ISO14001がおかしい、理屈に合わないと感じていたのだろう。


次にJIS翻訳の問題があると述べている。

坂本は学校で学んだわけではないが、海外勤務が長く、かつ工場立ち上げなどで定形的でない仕事をしてきたので英語をはじめ現地語が使える。
そういったことから翻訳が基の意味を正しく伝えていないと感じている。


認証制度の問題

制度設計のミス
そもそも認証とはなんなのか?
お金の対価として提供する認証サービスにはどんな価値があるのか。現実を見ればサービスと対価は釣り合っていない。保険とかULと違い、そもそもギブアンドテイクが成り立たっていない。本来ならビジネスとして成り立たないはずだ。

生命保険は本来賭けであったが、現在では半分は貯蓄である。だが半分は賭けであることは間違いない。 ベット(賭ける) だが仕組みは公明正大だ。胴元(保険会社)の取り分、死亡率、投資の利回りなどがあって、掛け金と配当(支払金)が決まる。生命保険に入る人はそれを知り同意して保険を買っているわけだ。
だが、ISO認証の審査料金に見合う配当は何だろう? 何もないというのが答えのようだ。

それにしても制度設計がいい加減ではないだろうか?
抜き取りだから100%の適合を保証するものではない(ISO17021-1)とありながら、後から受査企業に不適合が見つかると認証停止とか取り消しが平然と行われる。あれを裁判に訴えたらどうなのだろう。

そもそも抜き取りと言いながら消費者危険(認証機関が不適合を見逃すリスク)も生産者危険(適合なのに不適合とされるリスク)も、何パーセントなのか公開されていない。そんな大事なことを決めずに、契約を結ぶ会社が存在するだろうか。いや本当を言えばIAFもJABもそんな高尚なことを考えてはいないだろう。

保険会社には保険数理人(注1)がいて、数理的知識や経験を駆使し、生命保険商品や損害保険商品などの金融商品を設計する。積立金が高いとか言われたらリスクなどの理由を説明してくれる。
だがISO審査における抜き取りと見逃しのリスクを説明できる人はいないだろう。だって現在の審査が統計的抜取に設計されているとは思えない。

そもそも抜き取りだから100%適合を保証しないというのだから、事故が起きようと違反があろうと、規格適合とは直接的な関係はないのではないか?事故や違反があると問題だというのはなぜだ?
多くの人が勘違いしているがISO認証の立ち位置は、法で定められている検査とか、ULのように適合でないと売れないというものではない。あってもなくても大勢に影響はない。
ISO認証してもなんもメリットがないならどうでもいいのではないか。いやいや認証する意味がないのではないか。
制度設計の問題と書いたが、制度を作ったことが問題なのではないだろうか?


それと審査のスタンスもおかしいのではないか?
審査して認証した企業で不祥事があったり違法が発覚したりすると、認証制度は決まって「騙された」と語る。企業が故意に嘘をついたなら倫理上は不適切だろう。商取引なら信義則(民法第1条)に反する。だがそれが法に触れるのかといえばちょっと違う。


注:信義則を持ち出すこと自体、法的には手がないということだ。


容疑者や被告人が取り調べで嘘をついて、それが発覚すれば心証を悪くするだろう。しかしそれが直接罪になるわけがない。嘘をついたことが罪(偽証罪)になるのは、宣誓した証人だけだ。騙された検察や判事は能がないとみられるだけだ。
言い換えると犯罪者は常にうそをつくことを前提に、証拠裁判主義でなければならないということだ。


注:誇大広告(景品表示法)とか詐欺罪はここでいう意味のうそ(偽証)をつく範疇とは違う。


審査で真に騙されたとしても、「騙された」と語ることは私は無能だということと同義である。審査も証言とか見せられたものを見るのではなく、証拠を探す、見せられたものでなく現場にあるものを見るという姿勢で審査員は真実を見極めなければならない。
品質あるいはその他のマネジメントシステムの審査では審査以外のマネジメントシステムの要素は見ないとおっしゃるか?
当然だ。だから審査すること以外で問題が起きても、審査員に責任があるはずがない。

ISO9001認証しているのに水質事故を起こしたと言われたなら、ISO9001とは無関係だと言えばよい。それが言えないのはなぜだ? たぶん、ISO認証は企業を良くするとか誇大広告をしているからではないのか?

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運用の問題


注:私は認定審査員が構内に立ち入るならば、事前に申し出て守秘契約をしてもらわないとならないと認証機関と認定機関(JAB)に異議を唱えた。
異議あり すると認定機関を信用できないのかとお叱りを受けた。冗談じゃない。外為法もあり顧客との契約もある。警察だって令状がなければ立ち入りできない。認定審査員は国家権力より上位なのか?
入場させるには最低限、その認定審査員がいかなる人物、所属、国籍、住所などの提出を受けて、企業が審査しなければ、法律的に入場を認めることはできない。
そういう話をしたら相手は驚いていた。そんなことも知らなかったのか?
私の抗議だけではないとは思うが、今現在は認定審査員の立ち入りの際の守秘義務、国籍、住所などについて審査契約に記載されるようになったはずだ。(全ての認証機関を調べたわけではない)
審査員の住所が問題なのかと疑問ある方は、外為法をお読みください。


審査員の問題


審査員講習も現状でよいのか?
満足に審査できない審査員が多々存在するのだから、良いわけはない。
プロセスアプローチもできず、いやいや規格の理解をしていない審査員をどうする?
それに審査の現場で癇癪を起こす審査員はリジェクトしてもらわないと困る。
苦情を受けた審査員を企業側がデータベースを作って排除しているのはおかしい。認証機関は忌避された審査員の取り扱いを考えるべきだ。

ISO19011:2019の「7.2.2個人の行動」に「倫理的であること」以下、審査員・監査員に求められる特質として13項目挙げられている。
これを満たせば「先生と呼ばれなければ返事をしない」とか「企業の人を坊やと呼ぶ」とか「書類を出すのが遅いと怒鳴る(最近は不機嫌になっても怒鳴る人はいないようだ)」なんて審査員はリジェクトされるはずだ。
審査員登録機関は何を見ているのか?

審査員は社会人として並レベルの社交性が必要だ。
認証機関もサービス業であることを認識すべきだ。まず審査員の態度、デパートの店員並みの言葉使い、応対できなくちゃならないだろう。デパートの店員よりは給料は良いんだろう?

美容院 注:ご存じと思うが、経産省の業種分類によれば、ISO審査員はしっかりサービス業に入っている。自分がサービス業と自覚している認証機関、審査員が何割なのかは知らない。

私は弁護士に相談したり、依頼したりしたことが数回ある。どの弁護士も腰は低く、私を客として遇した。ISO審査員が弁護士より社会的地位が高いとは思わない。
医師あるいは歯科医師もしかり。


審査で企業側が審査員に疑義を唱えると不機嫌になるというのはどうしてなの?
幸い21世紀になってから怒鳴る、机を蹴るという審査員に会ったことはない。遅遅とではあるが改善はしているようだ。

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山内は半日かけて2回読んだ。そして磯原、坂本、岡山、田中を呼んだ。

山内 「坂本さん、じっくりと読ませてもらいました。すばらしい問題提起だ。問題提起であって解決策があるものとないものがあるのが今一ですが……」

坂本 「そこまでは考え付きませんでした」

山内 「いや責めているわけじゃないです。ただもったいないなと
それで提案ですが、単に環境管理課内の参考資料としてだけではもったいない。とりあえずスラッシュ電機技報に載せようと思う」


注:「技報」とは企業や研究所などが、研究開発成果や新製品・新技術を顧客、投資家、大学、研究機関に広報する論文誌である。企業により、○○技報、○○評論、○○論文誌などと称している。もちろん論文全文ではなく多くは1件数ページの概要である。

発行頻度は月刊誌、季刊誌などいろいろであるが、一流企業ならどこでも発行している。製本したものは有償で販売しているが、最近はネットでpdfを見るのは無料のところもある。


坂本 「技報!それほどのものじゃありません」

山内 「いや、それほどのものだ。
ただ坂本さんには悪いが論文とするには少し体裁が合わないのと、章立ても再検討したほうがいい。ということで岡山はそのへんを手伝って見直せ。引用などの記述を論文流にしてほしい。
坂本さんと田中さんは、出典の再確認と内容の検証をしてほしい。
必要なら増子、石川に支援を頼むこと。
記載者は坂本さんを筆頭に関わった人の連名にしろ。広報にはわしから話しておく。来月号は無理だろうし、毎回テーマを決めているから管理技術か環境関連のテーマ回に載せてもらおう。おっと、それは磯原が動いてくれ」

磯原 「承知しました。どうせなら増子さん、石川さんにも協力してもらい名前を載せたほうがよろしいかと思いますが」

山内 「真に貢献したなら良いが、同じ職場だからというだけではダメだ」

磯原 「承知しました」

山内 「では岡山、お前はスケジュールを立てて、中心になって推進しろ」


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自席に戻って磯原は石川に声をかける。

磯原 「ええと今ISO認証の問題ということで岡山さんが中心となって論文をまとめている。それで廃棄物関係で過去に社内や関連会社のISO審査で問題となったこと……問題というのは審査員と会社側がもめたと見解が合わなかったということだよ……そういう事例を集めてほしい。そしてその内容分析して原因や処置状況をまとめてほしい。増子さんにも連絡して二人して実施してほしい。

二人だけで突っ走るのでなく、まずは調査事項や日程について岡山さんと相談してほしい。同意を得たら進めてほしい。ページ数やフォームなど詳細は岡山さんと相談のこと」

石川 「分かりました。まずは岡山さんとお話をします」


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坂本の論文()にないのは改善策というか問題の解決策だ。
岡山、田中は坂本と問題を分析して考える。
ISO規格が不十分あるいは未完成なら解説本が必要だ。それも世にあふれている審査員やコンサルの書いた怪しげなものでなく、真に組織論とか教育論から考えた、いやなぜ問題が起きているのかということから考えたものでなければならない。

ひとつには単語の意味が分からないのではないか。もちろんJIS訳の問題もあるし、日本語の単語の意味さえ理解していないのではないだろうか。
「認識(awareness)」「考慮する(consider)」「決定する(determine)」「周知する(communicate)」などなど。
かって目的と目標の問題は大きかった。2015年版でtargetがないのにJIS訳で目的目標があるのは謎だ。そうだ規格に使われている語句すべての辞書を作るべきだろう。


考えてみれば英単語ひとつひとつの語義を考えなければならない。学校で習ったとか、いつも使っている意味で理解することは危険だ。
「トップマネジメントは、環境方針を確立し、実施し、維持しなければならない」とある(ISO14001:2015 5.2)。英文では「Top management shall establish, implement and maintain an environmental policy(後略)」である。

ではtop managementとはなんだ? establishとは? implementとは? maintainとは?
このうち規格で定義されているのはtop managementだけだ。
establishは確立すると訳されているが、原語の意味はどうなのだろう? そういうことに疑問を持たないとならない。あいまいなままにしては環境方針に関わる要求事項を満たすことはできないよ。


金のかかることではない。アメリカのGoogleで「what means establish」とインプットしてリターンキーを叩けばよい。ちゃんとグーグル叔父さんは答えてくれる。
Establishとはset up (an organization, system, or set of rules) on a firm or permanent basis.だそうだ。つまり、決まりや合意を文書化とか法の制定により恒久的なものにすることである。
現行の訳と同じじゃないかと言ってはならない。方針を確立するための仕組みはどうなのか、まさか○○マニュアルの中に一文「工場長は○○方針を定める」とあるだけではないでしょうね。担当者や工場長が変わると方針を作る手順が変わるかもしれないよ。

ISO規格では手順を文書化しろとは書いてないと言うかもしれない。
恒久的に確立したと立証できれば良いだろう。ということは立証できなければならないことでもある。
私は看板でも見本でも広義の文書化は必要だと思います。

同じく、implementとは? maintainとは?と裏を取らなければならない。いずれも簡単に確立、実施、維持などと言い換えられるものではない。じゃあ長たらしく表現するのかと問われれば、そうしなくても日本語訳文の末尾にでも和訳した語句の原語の意味を記しておくなどの方法があるだろう。
大変だというかもしれないが、establish、 Implement、 maintainのように多用されている単語は50語くらいしかない。それらを辞書で調べておけば間に合う。


翻訳ではないが「判読しにくい(Legible)」を「分かりにくい文章」と誤解している審査員は多い。そのように解説している書籍もあるのだ。およそ本を書こうとする者なら英英辞典で確認くらいしてほしい。 判読しやすい Legibleとは「clear enough to read」つまり「鮮明で読めること」なのだ。どこに「分かりやすい」という意味あるいはニュアンスがあるのか?

ちなみにJIS訳は「読みやすさ」と正しく訳しています。正しく訳されているのに、わざわざ間違いを教える本は不要です。

なぜ鮮明で読みやすいことを要求するのかというのは、現場での文書の状態を知っていれば理解できるだろう。油汚れ、コピーを繰り返す、退色する、設計者が来て図面を朱記訂正をした、そういうことが現実だからだ。


それと著しい環境側面を決定するなど想像もつかないわけで、まっとうな具体例を示す必要がある。
昔々ISO9001の公式な解説本()として「中小企業のためのISO9000(注2)という本があった。ああいうものが必要だ。
ISOTC委員が書くものは、規格の文章をなぞっただけで具体性がなく、認証機関は審査員が書いたものは、およそ信用ならない。
「分かりにくい文章」では不適合ですなんて書いた本が売られているのだ。だれもおかしいと指摘しないのだろうか。苦情を言うのは私だけなのか?


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一月後、岡山の指揮と環境管理課のメンバーの努力によって「ISO認証の問題」は完成し「スラッシュ電機技報」2021年4月号に掲載された。そんな短期間でできるのかと思うかもしれないが、3名を1か月投じれば、一人が三月かけたのと同じだ。三橋貴明や倉山満は年平均6冊くらい本を書いている。
もちろん技報に載ったのは全文ではない。全文載せようとしたら技報一冊になってしまう。社内教育用に完成したテキストの抜粋と、ISO認証改善への提言の部分である。

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坂本は己の会社人生の最高の出来事と感じている。自分が発端となり形あるものができたからだ。坂本が東南アジアで立ち上げた工場はいくつもあるが、あれから四半世紀が経ち既にその事業の半数は撤退したり売却したりされている。いつまでも残るものは少ない。

岡山にとって作品を読んでもらえても読んでもらえなくても、どちらでもよい。自分がこれから工場や関連会社のISO認証について考え、行動するために参考になることを期待している。
田中は自分が退職する3月末までに完成したことがうれしかった。
増子と石川は、大した仕事をしなかったのに名前を載せてもらえて幸運であったと思った。

磯原はもちろんみんなの成果が残り、社外まで名前が知られたことを喜んだ。
もっとも社内に対して規格の理解を深め認証について考えさせることになるだろうが、社外に対してはまったく影響しないだろうと思う。



うそ800 本日の思い

正直言って2024年の今、何を語っても何をしても、時すでに遅しであろう。
もはや認証件数がピーク時から半減したISO認証制度の蘇生はできません。


注:2024年2月14日時点で、ISO9001はピークの2006年末の52%、ISO14001はピークの2009年初めの61%である。


ISO認証の問題点をもっと体系的に詳細を説明せよとおっしゃるか?
それへの答えは私の「うそ800」を全部読んでほしいということです。あまりにも問題点が多くてひとつのコンテンツには書ききれません。



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注1
保険数理人(Actuary)とは数学、統計、および金融理論を使用して、リスクと不確実性の経済的コストを分析する仕事。元々は保険会社の積立金額とか支払いの計算、企画をしていたが、現代では保険にとどまらず、年金、資産運用など金融の世界全体で活動している。

注2
「中小企業のためのISO9000」ISO編、日本規格協会、1997
30年経っても読む価値がある。
なお同名の続編が2005年にも発行されているが、これは全くの屑で読むに値しない。飯塚大先生もこき下ろしており、私の考えが彼の考えと一致した唯一の例である。




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