注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。
注2:タイムスリップISOとは
注3:このお話は何年にも渡るために、分かりにくいかと年表を作りました。
ISOの
2010年頃、偉大なるISO14001の宣教師である寺田 博さんは、某所の講演会で「有益な環境側面はない」と語った。それで決着したはずだ。しかしそれから15年も経った今も、有益な環境側面と語るISO関係者は存在する
西東先生 | |
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有益な環境側 面はあるのだ ![]() |
ちなみにイギリスでもアメリカでも、「有益な環境側面」なんて熟語は使われていない。嘘だと思うならGoogle叔父さんでもChatgpt叔母さんでも聞いてみて。(検索にはgoogle-US版かUK版を使うこと)
もちろんキーワードはBeneficial environmental aspectsとかPositive environmental aspectsとするのだよ。
ヒットするのは99%が日本文だ。英文もあるにはあるが、そのURLのccTLDは「jp」である
いやいや、寺田さんが否定したのだから、わざわざ調べるまでもない。
第102話の続き
環境ISO研究会で「有益な環境側面」に関する要求が審査に登場し、有害・有益を明確にしないと不適合となる事態となっていると問題提起された。
メンバーからいろいろ意見が出たが、チェアマンの田中から山口に、まず有益な環境側面が必要という主張が間違いであることを説明してほしいと求められた。
山口はホワイトボードの前に立って説明を始める。
「まず言葉についてですが、環境側面と環境影響について再確認しましょう。
環境側面は
「環境と相互に影響しうる、組織の活動、製品又はサービスの要素
Element of an organization's activities, products or services that can interact with the environment.(ISO14001:1996 定義3.3)」と定義されています。
また環境影響は
「有害か有益かを問わず、全体的に又は部分的に組織の活動、製品又はサービスから生じる、環境に対するあらゆる変化
Any change to the environment, whether adverse or beneficial, wholly or partially resulting from an organization's activities, products or services.(ISO14001:1996 定義3.4)」
と定義されています。
ここではっきりさせておかなければならないことがあります。それは環境側面とは原因であり、環境影響は結果です。しかし同時に環境側面は『組織の活動、製品又はサービスの要素』であります。
どういうことかというと、環境影響の原因すべてが環境側面ではない」
「すみません、ちょっと理解が・・・
環境側面は原因ですよね」
「具体的に工場で重油を使っていて、重油タンクから重油漏れて、それが公共河川に流入して農産物や水産物に被害を出したとしましょう。
このとき環境影響は産物や水産物汚染であることは間違いありません。しかしその原因は何か? と言えば、まず順を追っていけば、重油が河川に流入したこと、重油がタンクや配管から漏洩したこと、漏洩した原因としては配管破損、タンクの腐食、操作の誤りかもしれない、さらにさかのぼれば重油を使用していたこととも言えます。
それらはみな重油による農産物や水産物を汚染した原因と言えます」
重油の使用 | ![]() |
重油タンク 重油配管 |
![]() |
配管破損 タンク腐食 操作誤り |
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重油の漏洩 | ![]() |
重油の河川 流入 |
![]() |
農産物や水 産物の被害 |
右記の原因 | 右記の原因 | 右記の原因 | 右記の原因 | |||||||
環境側面 | 環境側面 | 環境影響 |
「風が吹けば桶屋のように、かなりこじつけもあるぞ」
「まあ、たとえ話ですから。
すべて原因があって結果があります。しかし原因となるものはすべて環境側面でしょうか?
重油を使用すること、重油タンクや重油の配管は間違いなく環境側面でしょう。
しかし配管の腐食とか捜査員の訓練とかは環境側面ではない。それは環境側面に対する手順作成や訓練であるわけです。
また漏れた重油が公共河川に流入したとか、重油漏れは環境側面ではありません。それは汚染の直接の原因かもしれませんが、原因によってもたらされた状況であって環境側面ではない」
「分かりました。事故による重油漏れは『組織の活動、製品又はサービスの要素』に該当しないと。
環境影響の原因すべてが環境側面ではないのですね」
「そして環境影響は拡大を防ぎ緩和するしかない。管理はできない。だからその原因である環境側面を管理するのがISO14001の考えです
重油漏洩の対策をするとして、重油タンクが悪ければ修理とか更新、配管なら点検方法の見直し、運転操作なら手順の見直し、担当者の教育訓練などあるでしょうが、漏洩したことは環境側面ではありません。
まずこれを再確認していただいて、では本題に入ります。
有益な環境側面という言葉は、規格本文にも、アネックスにも、ISO14004にもありません。
有益な環境影響という言葉は規格本文にはなく、定義にあるだけです。
『環境影響は有益なものと有害なものがある (ISO14001:1996 定義3.4)』とあります。
この文章からでは、環境側面から有害な環境影響だけ、あるいは有益な環境影響しか出ないのか、それとも有害な影響も有益な影響も出るのかは読み取れません。
その前に、有益とか有害とは、誰の視点で見てのことかという疑問もあります」
「有益とか有害って相対的なものじゃないわよね、絶体的なものよね。
例えば煤塵は誰にとっても有害でしょ。会社にとっても近隣住民にとっても、一般社会から見ても」
「煤塵はともかく、石油の使用は有害なのか有益なのか考えるとどうでしょう?」
「そりゃ採掘における資源枯渇、使用時のCO2発生、硫化水素発生とか、誰にとっても悪いことばかりよね」
「そうでしょうか? 1960年代まで多くの工場では、石炭で蒸気を作ったり暖房したりしていました。
それが輸送も貯蔵も石炭より容易で使用も便利、煤塵が出ない、燃殻が出ない
その後、更に重油から電気への転換が行われたわけです。便利だからです。
ということで重油が有害なものだという発想は視野が狭いです」
「そうか、有益か有害というのは比較の問題なのですね」
「もちろん高橋さんがおっしゃったように、『誰から見て』という観点にもよります。近隣住民なのか、人類全体なのか、人間以外の動植物から見てとか、立場によって異なります」
「それは私も感じている。今、地球温暖化なんて騒いでいるけど、それは現在地球の覇権を握っている人間から見てでしょう。高温が好みの生き物にとっては、生存域の拡大ですからラッキーでしょう。現に南洋の動植物が北上していると報道されている」
注:ヒアリを初めとする害虫や蛇あるいは熱帯の植物の不法入国(?)がよく報道されている。そのうちサソリなども入って来るのだろう。
陸だけでなく、海でも熱帯魚の北上が報道されている。
「そもそも今地球上の生き物のほとんどを占める好気性生物にとって、酸素の存在は超重要です。でも酸素はシアノバクテリアが作り出したものであって、それ以前の嫌気性生物を虐殺したわけだ。
酸素濃度が低くなったら嫌気性生物が再び覇権を握るというだけで、地球にとってはどうでも良いことですね。そうでないと言うなら、シアノバクテリアが活動したとき、ガイヤなる神様がなにかしたはずです」
注:私は環境保護とか地球を守れと騙る人たちが、シアノバクテリアが酸素を作り先達を虐殺したことに思い至らないのが不思議だ。
嫌気性生物が地球の大気を変えようとしたとき、人間はそれと戦うだろう。その戦いは正義の戦いなのか? それとも嫌気性生物との生存競争なのか?
そう考えると、ガイヤ理論などあほらしくて聞くに堪えない。
「となると有益とか有害とは、どういうことなんでしょう?」
「ワシには分からんな」
「有害の原語は『adverse』で英英辞典を引くと、
@目的や効果に不利とか抑制的
A利益や欲求に抗う
B好ましくない
などが出てきます。
日本語の『有害』の意味じゃなく、好ましくないと客観的というより主観に思えます。同様に有益は『beneficial』で『利益を与える、役立つ』という意味です。当然、誰に役立つかが問題ですね。
私は人間基準と受け取りました。
規格の文章では誰にとって『有害か有益』が書いてないけど、単語の意味からは書いた人あるいは読む人、要する人間主体に考えているように思えます。ですからここには生態系ではなく「人間あるいは人間社会」が入ると考える。
理由として、生態系を考えれば、あるものにとって有益なものは他のものにとって有害というのは非常に多い。
有益とか有害というのは、人間がいてはじめて成り立つ概念です。自然界にとって二酸化炭素が増えようが、オゾン層が消えようが、海水面が上昇しようが、どうでもいいことではありませんか。オゾン層そのものはシアノバクテリアが作ったものです。
ISO14001は『遵守と汚染の予防』です。だから著しい環境側面を管理しなければならないということになっている。それに異存はない。
しかしなぜ?といえば、やはり『我々人類にとって良い自然を維持することが目的』であることは言うまでもない」
「あるものに有益なものは、別のものに有害なこともあるとおっしゃいましたけど、ちょっと信じられません。具体例はありますか?」
「そうですね・・・原子力発電所を思い描いてください。原発といっても単に熱エネルギーを電気に変えるだけです。熱効率は高温と低温の差で決まります。低温の方は低い方が良いので川や海の水を使います。
言い方を変えると熱を川や海に放出します。このため河川水や海水の水温が局所的に上昇します。多くの原発ではその温度上昇を7℃以内としていますが、7℃はものすごく大きい
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「それは人間にとって経済的に有害ということか」
「海水温が上がればスパリゾート・ハワイアンズのような屋内でなく、屋外にハワイや沖縄の海が作れますね。そうすれば有益な環境側面間違いなし、アハハ
事業者と観光客にとっては、有益ですね。漁業者から見れば有害でしょうけど」
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「では有益な環境側面があると語っている人たちは、どんなものを有益な環境側面としているか?
ISO関係の書籍、環境雑誌、ウェブサイトで例示されていたものを見てみましょう」
区分 | 事例 |
重油の漏洩 有害化学物質の使用 不法投棄 廃棄物 製品・材料の輸送 |
|
有益な環境側面 |
インバータ・エアコン採用 廃製品のリサイクルシステムの構築 調達距離の短縮 リサイクル材の使用 低騒音・低振動の設備への更新 歩留向上、無駄排除(ゼロエミッションを目指す) グリーン購入推進(環境に配慮したメーカーから購入) 通い箱採用 ESG投資 低公害車への切り替え(ディーゼル車廃止) 環境配慮製品に重点を置いた営業 白熱電球から蛍光灯電球への交換 |
注:上表は2025年8月8日にGoogleで「有益な環境側面」で検索してヒットした中で、意味が分かったものを取り上げた。
有益な環境側面とした例で、
例えば、廃棄物処理委託先の順法性確認(法の義務だ)、不良削減(?)、廃棄するより高価でもリサイクルする(謎)
「オイオイ、ちょっと待てよ。山口さん、この表はホントですか?」
「本当、本当、素面ですよ」
「まず不法投棄が有害な環境側面とは悪い冗談でしょう。不法投棄は犯罪ですよ。論理がハチャメチャ
あり得ないと思いますが、不法投棄を著しい環境側面にしている方、いますか?」
「聞いたことがないな。何よりもかによりも、これは冗談か? ド素人
「それなら法を守って不法投棄しないのは有益な環境側面だよ、廃棄物を出すのが有益な環境側面になってしまう」
「製品輸送が有害な環境側面なら、物を作って消費者に渡すなということか、バカバカしい」
「有害な環境側面にも呆れたが、有益な環境側面にも呆れたぞ。
有益な環境側面としているものはすべて、環境側面ではなく環境改善活動ではないのか」
「ええと、インバーター・エアコン採用、リサイクル・システム構築……すべて環境側面でなく改善活動だね」
「改善活動ならともかく、リサイクル材の使用なんて、真に環境配慮になるのか環境負荷が大きくなるか分からない
そのとき佐川が部屋に入ってきた。
部屋の隅にあった椅子に座って皆の話を聞いている。
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「このリサイクル材の使用にしても環境側面ではないね」
「グリーン購入推進とかESG投資なら、有益な環境側面と言ってよいかしら」
「まずその二つは環境側面なのでしょうか?
グリーン購入とは購買において、評価基準にQCD(品質・コスト・納期)の他にE(環境配慮)を織り込んで購入することです。
調達という機能は環境側面であると言えるでしょう。しかしその評価基準に環境配慮をプラスすることが環境側面かと言えば、違うのではないでしょうか」
「なるほど、調達は環境側面か、ちょっと待てよ、皆さんのところで調達活動を著しい環境側面に取り上げているところはありますか?」
「うーん、ウチでは取り上げていないな」
「調達というのは資材調達部門だけが行うものではないと思います。
設計が仕様を決めたらそれを買うしかない。だから調達品の使用を決める過程において、環境配慮をすれば、環境負荷を下げられるということじゃないですか?
設計を環境側面としていないところはないでしょう。それも設計部門じゃなくて、設計という機能が環境側面でしょう」
「そういう見方もあるかもしれませんが、私は違う観点で説明着くと思う。
各社がグリーン調達を推進すればグリーン調達という言葉は使われなくなりますね。だってそれが
「なるほど、そう言われるとその通りだ。グリーン調達なんて、環境に関心が高まったときの一時的なものなのだね」
「ESG投資なら間違いなく有益な環境側面ですよね」
「ESG投資となると、環境配慮そのものがレーゾンデートルだろうなあ〜」
「佐川さん、どうでしょう、ESG投資は有益な環境側面と言えますか?」
「途中から顔を出して済みません。たまに皆さんの顔を見たいなと思いまして。
ええとESG投資ですか。今は保険会社とか証券会社の研究員とか大学の先生なんかが、どのようなものがESG投資と言えるのか、その評価をどうするか、投資家の賛同が得られるかなんてのを研究しているところですね
私の予言ですが、あと10年は掛け声だけであまり広まらないでしょう。国連がミレニアム開発目標を検討中で、採択は2000年でしょう。その中にESG投資も取り上げられると思います。でもファンドなどが具体的になるのは2010年以降でしょうね」
「それじゃ、2010年頃から環境投資は伸びるということ?」
「伸びますよ。今は環境は流行ですから。投資も環境と付けば受けるでしょう。2020年頃までは倍々ゲームでしょう。
しかし環境にかこつけるビジネスが増えて、グリーンウォッシュ(見せかけの環境保護という意味)と言われるようになります。環境に良いとか環境負荷を下げると称するものが真にそうなのか検証されます。そして多くが見せかけの環境保護と判明し、結果として環境保護もESG投資も下火になってしまうのです」
「まさに未来を見てきたようですね」
「この場のテーマである有益な環境側面もそうですが、世の中で環境配慮とか、環境負荷低減と謳っているものの真実はどうなのかと検証されると面白いでしょうね。
かなりが詐欺、あるいは空理空論とバレるんじゃないですか
「結論としてESG投資はポシャるのですか?」
「そこまではどうですかね、ただもてはやされるのが一時であるのは間違いないです」
「佐川さんの見立てでは、有益な環境側面はないということですか?」
「どんな環境側面だって、有益な環境影響も有害な環境影響も持っています。高橋さんはESG投資なら有益な環境影響しかないと思ってらっしゃるでしょう?」
「有害な環境影響が思い浮かばないわ」
「環境を配慮した投資といっても、それが正義かと問われると、断定できるものではありません。
例えば再生可能エネルギーとして風力発電とか太陽光発電を導入することは、大規模な自然破壊になります。これはもう説明不要でしょう。
自然保全と言っても、いつの自然を保護しようとするのか、考えてみれば正義などありません。里山保全と言いますが、里山という風景は江戸時代にはありません。近世の人間が作った物にすぎません
鳥取砂丘は、放っておくと草原になってしまうので、今は草木が生えないように除去しています。1950年代は農地化しようとしていたのにね。畑にするのが正義なのか、砂原が正義なのか、どっちでしょうか?
お金になるのが正義ですか?
環境ファンドはどこに投資したら良いのか悩みますね。実際には良かれと思って投資したことによって、環境問題が起きて右往左往するのではないですか?
これは皮肉ではありませんよ。
インターネットの貢献で人の移動が減ったかもしれないけど、Google検索では常時300万kW、原発3基分の電力を消費しています。当然地球温暖化の元ですね。
それほどの電力をつかうインターネットの存在をどう考えますか?
言いたいことは、完璧に正しいこともなく、間違いもないと思います」
「でもGoogle社はそのすべてを、再生可能エネルギーで賄っているって発表したわ」
「送電網はみんなつながっていますよ。それって再生可能な電気が、普通の火発より競争力が弱いから寄付している意味でしかないでしょ
「まあまあ、先ほど小林さんだったかな、グリーン調達はすぐに業務の中に取り込まれて、特別なことじゃなくなるというお話がありましたね。
ESG投資も普通の投資の選定条件の一つに取り込まれて、ESG投資なんて呼ばれなくなるでしょうね」
「じゃあ、佐川さんは有益な環境側面はないということですか?」
「今までの話の流れを知りませんから、トンチンカンなことを言ったらごめんなさい。
そもそも有益な環境側面を唱えている人たちが、思い描いているものはいろいろです。明確な定義もありません。
一部の人たちは、有益な環境側面と有害な環境側面があると信じています。私に言わせるとすべての環境側面の環境影響は有益も有害もあると考えています。すべての環境側面は有益と有害の環境影響を出しており、有益な環境影響が捨てがたいというか必要であるから使っているわけです。
一部の人たちは、有害と有益の環境影響を総合して有益が大きければ有益な環境側面としています。今申しましたが、すべての環境側面は有益な環境影響と有害な環境影響を併せ持ち、有益が大きいから採用しているわけです。ですからこの論理は意味がないと言えます。
もうひとつ、これが大多数を占めていますが、環境負荷削減活動を有益な環境側面と考えているということです。
これはISO14001をしっかり読めとしか言いようがありません」
パチパチと拍手する音がする。音の方を見ると田中が拍手している。
「さすが佐川さんは悟りきってますね。
なかなかそう割り切れないものですよ。
話はご理解されたでしょうけど、最近、有益な環境側面が必要という審査員が増えているのです。私たちが認証の虎の巻を作っていたときは、そんな発想を思いもしませんでした。
今、このメンバーの会社や関連会社で、それにまつわるトラブルが起きています。
どうしたものかと・・・」
「一番簡単な方法は、有益な環境側面がないと不適合という認証機関から、くら替えすることです。
幸い、ウチの業界団体の産業環境認証機関は有益な環境側面を必要としていない」
「佐川さんも口が上手いですね。そもそもは佐川さんが、有益な環境側面があるなんて言ったら許さんぞ、と脅迫したからじゃないですか」
「脅迫なんて言わないでください。懇切丁寧に説明しましたよ」
「産業環境認証機関以外でも、外資系の多くは有益な環境側面があるなんて言っていない。そこへ切り替えるかだが、現実には出向者とか出資していたりで簡単ではない」
「有益な環境側面を要求しない認証機関は『有益な環境側面なんてない』と言ってくれたらいいのに」
「そこは大人の事情なんだろう。知らんけど」
「真っ当に対応するなら、有益な環境側面がなくて不適合と言われたら、異議を申し立てて、ここで話したことを説明して納得させることですね」
「能がなくても自尊心だけある審査員が多いから、それが一番困難だな」
「ここにきているメンバーは、皆社内ではISOの権威と思われているのでしょう。頑張りなさいな」
本日のお断り
お断りしておくが、私は有益な環境側面があると語ることを禁じるとか処罰せよという気はさらさらない。日本国憲法は言論の自由を保障しており、私もそれを享受していることは明白な事実である。
このウェブでは、ISOについて語っているのであって、私はISO14001で定義する「環境側面」において、有益な側面はないことを主張していることを明確にしておく。
そして、更に「有益な側面がある」と主張しても、私はそれをもって非難したりはしない。大学の講義の中で、「環境において有益な側面を考えたほうが、企業にとっては有益であろう」と語ることは自由である。その場合、側面という言葉の定義も定かでないので、おかしいと問題提起する根拠はない。
しかし、ISO審査の場において、「有益な側面がないので不適合である」とか「特定された環境側面が有益か有害か区別されていないので不適合」などという報告書を見ると、頭に血が上る。かようなものは断固として許すことができない。
なぜならそれはISO17021に反しているし、審査契約にも反しているからだ。
まさか審査契約書に、「審査に当たって審査員はISO規格に基づかず、個人の主観によって審査を行います」なんて書いてある認証機関はないだろう。
私は有益な側面を信じる審査員や、その雇用者である認証機関に多年にわたり苦しめられてきた。
「そんなことはない」などと、寝ぼけたことを言ってはいけない。
忘れるな、有益な側面は有害なのだ。
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参考文献
弊サイトの過去のコンテンツ
・有益な環境側面は不滅である
・有益な側面は有益である
・自然保護ってなによ、有益な環境影響ってなによ
注1 |
7月8日時点、Googleで「有益な環境側面」で検索すると、0.53秒で177万件ヒットした。![]() | |
注2 |
「ccTLD」とは、Country Code Top Level Domainの略で、URLの末尾の国別トップレベルドメインのこと。 アメリカはインターネット発祥の国なので付けないのが多いが、usと決まっている。州政府などは付けているが、政府関係や民間企業はつけないのが多い。 ![]() | |
注3 |
もちろん重油の使用からも廃棄物は出る。煤塵をバグフィルターでろ過するし、排ガスの中和装置で硫酸カルシウムなどの塩類を始め汚泥が生成される。![]() | |
注4 |
北海道の海水温は夏15〜20℃、冬3〜8℃くらい、沖縄は夏28〜29℃、冬20℃程度である。 原発のそばの海は沖縄の海だ。 ![]() | |
注5 |
まったくISOを関係ないが、ど素人との「ど」は何から来たのか不思議に思った。超弩級とか英語などからかと思ったら、漢語由来でなく純粋な日本語の接頭辞で、「ど真ん中」「ど田舎」「ど阿呆」というように、強調する意味があるそうだ。 こんな文を書いていても勉強になるものだ。 ![]() ついでに言えば、その前にある「何よりもかによりも」とは「大事なことを強調した文学的表現」だそうです。 ![]() | |
注6 |
安井 至や武田邦彦などは20世紀から、リサイクルが必ずしも環境負荷を下げるわけではないと主張している。なお、この二人は犬猿の仲らしい。![]() | |
注7 |
実は私は某保険会社でESG投資の論文を書いてドクターになり、大学教授になった人を知っている。いや何度か会ったことがあるだけだ。 2010年頃はESG投資ならワシに聞けと肩で風を切っていたが、2020年になると大学でもESG投資など過去のもの。肩身が狭いようだ。 ![]() | |
注8 |
ESG投資の最盛期は2020年前後で、2025年の今、流行は既に終わった。 2018〜2019年は欧米でESG投資が急増した。 しかし2020年コロナ流行により浮ついたものではなく企業の持続可能性が重要視される。 ![]() 2022年以降はインフレ・ロシアの天然ガス供給停止などエネルギー危機、ウクライナ戦争によりエネルギー安全保障など旧来の価値観の投資が重要となり、ESG投資は止まった。 ![]() | |
注9 |
個人でも法人でも環境に良いと信じて高い電気を買うのは好きにすれば良い。 しかし毎月の電気代の明細を見てほしい。「再エネ発電賦課金」という項目があり、電気代の11%くらい加算されているはずだ。これは太陽光発電している家庭への配られるお金である。何のことはない、太陽光発電をしてる家庭の設備を我々が援助しているだけだ。 ![]() | |
注10 |
「自然との共生というウソ」、高橋敬一、祥伝社新書、2009![]() |
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