タイムスリップISO70 予知能力1

25.04.03

注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。

注2:タイムスリップISOとは

注3:このお話は何年にも渡るために、分かりにくいかと年表を作りました。



研究会が書籍原稿の監修を産業環境認証機関に依頼したのが3月で、4月中旬にはチェックしたと要修正箇所とか誤字などの指摘箇所が返ってきた。そしてFDISが出て研究会で変更点に対応した後に再度チェックするとあった。
基本的な問題はなかった。研究会側もFDISを待つだけだ。

注:DISはISO規格の草案、FDISは最終案


噂では6月にFDISが出るらしい。1996年内にISO規格発行は必達だろう。その前にFDISを出してレビューしなければならないから、逆算するとFDISは6月までには出されるはずだ。
FDISが出たら、その変更に合わせて書籍原稿を修正をして、再度監修を経て8月に発売できると考えている。
他の業界でも関係者が環境ISOの解説本を出すだろうが、内容的に後れを取ることはないだろう。そして業界各社に宣伝すれば、発売してすぐ数千部は売れるとメンバーは見込んでいる。

この時点になると、研究会のリーダーは田中、編集は山口、英文の読みと規格的言い回しの読解は小林と、自然に担当が固定したようだ。佐川はあまり前に出ず見ているだけだ。本音を言えば面倒くさいことに関わりたくない。

小林さん田中さん山口
小林
英語・文章読解
田中
リーダー
山口
編集とりまとめ

研究会そのものは既に初期の目的を果たしたという認識で、メンバーは本来業務、つまり自分の会社でのISO14001認証に向けて、内部で活動している。
月に2回しか会わないと言っても、1年間議論したり飲んだりしてきたから、気心は分かってきて、ISO認証を受けてトラブルが起きたら情報の共有をしよう、共に闘おうと約束している。
そんな雰囲気でFDIS公開を待っている。



*****


佐川はISO研究会に出ることだけが仕事ではない。ISO9001の方は、もう柳田企画だけで回していける。じゃあ何かとなるが、研究会の成果も込めて、社内各工場にISO14001の要求事項の解説と対応方法について定期的に情報を流している。細かな規格解釈まではともかく、必要な文書、記録、法規制の順守状況などの調査、根回しだ。もちろん山口と一緒に進めている。


山口もISO認証に取り掛かって満3年になるから、ISO14001認証指導も1998年一杯で終了してしまうのは分かっている。その後、何を担当していくかは、二人にとって考えるところだ。
21世紀と違い、ISOMS規格が大量生産されているわけではなく、この時代は9001の次に14001が出るものの、その次にまた出るぞという時代ではなかった。逆に14001も9001のように、急成長するだろうという思いでいたのだ。

佐川はできるならグループ企業に対して、ISOのようなシステム監査ではない、遵法や効率などを点検する環境監査をしたいと考えている。現在、吉宗機械では業務監査の中で環境監査を行っているが、その点検項目はISOのシステムだけではないものの、監査員が法規制や技術的なことまでは知識がないので実効性がないと感じている。

考える それを徹底的な遵法点検に切り替えれば、会社のコンプライアンス向上に……早い話が違反や事故防止に貢献すると考えているのだ。吉井部長が納得してくれるなら良いが、そこはまだ話をしていない。
20世紀末から21世紀にかけて、環境事故、違反が多々報道されるようになる。そのとき他社に差別化する重要な要素と思っている。ISO認証が実際には「遵法と汚染の予防」に役に立たないのは分かっている。

山口はISOマネジメントシステムの考えを会社のシステム、つまり組織、役割、手順に反映して効率化が図れないものかと考えている。
佐川は、ISO認証とは会社がISO要求事項を満たしていることを説明することだという。それはひとつの考えかもしれないが、やはりISO規格を基に仕組みを作るのが正しい道ではないかと思う。そうなれば自分の仕事がこれからも続くだろうという願いもあった。
佐川と議論すれば、即否定されてしまうかもしれない。



*****


そんなある日の吉宗機械の環境部、佐川は吉井部長に呼ばれて小会議室に入る。
部長の他に、佐川より年上と思しき男女が二人いる。


吉井 「あっ、こちらは佐川君だ。環境部の大きなホープだよ。
えっと、こちらは総務部の 中山さん、当社の安全衛生の元締めだ。
こちらは生産技術の高見さんだ。高見さんは席が近くだから顔は知っているよね。社外でも有名な公害対策の専門家だ」

佐川佐川机中山さん中山
吉井部長吉井高見さん高見

中山さん 「アハハハ、吉井部長は外国暮らしが長くて、人をほめることが身についてしまったようね」

佐川 「私の場合、吉井部長らしく英語的表現ですね(注1)

吉井 「日本人は貶すことが育てると考えている人が多いが、ほめて育てるほうがまっとうだろう。ほめることは、金もかからず人間関係も良くなる。君たちも他人を褒めろ。佐川君は山口を褒めているか?

本題だ、昨今、環境問題がクローズアップされている。それでお二人は環境問題を先取りして、費用削減とかブランドイメージアップが図れないかと相談に来られたわけだ。実を言ってふたりは無関係で、ここに来て偶然一緒になったのだ。

そこで未来を知っている佐川なら、おふたりのお役に立てると思って呼んだわけ。ISOとは関係ないが、まあ環境マターだから佐川君も無関係じゃない」

佐川 「私が占い師としてやっていけるかの試験ですか、あまり変な噂が広まると、異常者なんてレッテル貼られ、嫌悪されそうです」

中山さん 「佐川さんが予言者かどうかはともかく、ISOの指導で四六時中各工場を回っているのでしょう。世の中で環境の問題とか、これから求められるものなど、知っていることは教えてほしいですね。

私の考えているのは、最近環境ホルモンって流行語になっているでしょ(注2)
それで社内で環境ホルモンが使われていないかどうかの確認と、あれば代替えを進めたいと考えています」

高見さん 煙突 「私は公害規制が厳しくなると思っている。公害と言っても、1970年頃の排水垂れ流しとかばい煙もうもうではなく、規制が厳しくなって排水中の含有物質の許容値の厳格化とかね、

予想されることを考慮して、早めに公害防止施設の更新を計画しておかねばと思っている。とはいえどんなものがどんな規制になるのか知らないかな?」

佐川 「あのう、皆さん時間もないでしょうし、私の予言をお話しましょう。とりあえず、今年、1996年から手を打つべき環境問題ですね。まあ、鰯の頭も信心から程度の気持ちで聞いてください。でも私がまじめなのは本当ですよ。

これから話すことは中山さん向けとか高見さん向けということでなく、総務も生技も環境も皆関わると思ってください。言い換えるとひとつの物事に、一部門しか関係ないなんてことはありません。

PCB ひとつには、PCB規制が強まります。事件発生から30年近くなりますが、カネミ油症事件の治療法も確立せず、被害者の重症化もあります。それに環境ホルモン騒ぎもあり、PCB機器の保管などが厳しくなります。

法律ができるのは4年後ですが、保管しているPCB機器の紛失や漏洩に罰則ができます(注3)ということで早急に現状把握、保管管理体制を整備すべきです」

高見さん 「言っていることは納得できる。今年中に社内と関連会社の点検と対応をしよう」

佐川 「中山さんが、環境ホルモン対策とおっしゃいましたが、これはムードとかイメージで済まず、1999年に大問題になります。
実を言って環境ホルモン説は、2010年頃に存在が否定されます。しかしそれまでの10年間はダイオキシン狂騒曲と言われるほど、日本中大騒ぎになります。ダイオキシンは環境ホルモンの代表選手です」

中山さん 「1999年、ずいぶんと具体的ですね」

佐川 「ことの起こりは1999年にテレビ朝日の『ニュースステーション』で、所沢市の野菜から高濃度のダイオキシンが検出されたという報道をします。
経緯は省きますが、その結果、超特急でダイオキシン特措法が制定され、工場や学校等の施設そして家庭でも、ごみ焼却はできなくなります。

ダイオキシンを発生させないようにするには、高い温度で燃焼させること、冷めるまでの時間の管理などが必要となります。それは従来の焼却炉では困難で、自治体も家庭ごみの焼却炉の更新が必要となります。それは市財政に大きな影響を与え、ひとつの自治体では高額な焼却炉を保有できず、複数の自治体で保有するようになります。
当然、当社のすべての工場で焼却炉が使えなくなります」

高見さん 「予言者の面目面目躍如だね、真偽は分からんが」

中山さん 「健保会館や代理店なども皆禁止ですか?」

佐川 「禁止ではありません。でもダイオキシンが発生しない焼却炉を入れるのはコスト的にできません」

高見さん 家庭用焼却炉 「あのさ、私の住む自治体では市が処理する家庭ごみを減らすため、家庭で燃えるごみを燃やしてもらうおうと、数年前に小さなドラム缶のような焼却炉を各戸に配ったのだけど……」

佐川 「10年ほど前、多くの都市で、ごみの減量のために家庭で焼却させる方向になりました。
しかしダイオキシン騒ぎが起きてから、自治体が家庭での焼却を禁止し、焼却炉を回収することになります」

高見さん 「ほう〜」

吉井 「お二人は納得してしまいそうだが、嘘だとは思わないのか?」

高見さん 「佐川さんの話は、予言ではなく予測と思います。話の理屈はおかしくない。ウソでも思い付きでもないでしょうね」

佐川 「続けます。更なる問題は、従来使っていた焼却炉は解体し処分しなければなりません。しかしレンガや煙突にダイオキシンが付着しているという理由で、専門業者しか解体処分ができず、大金がかかります。
そうならないためには、ダイオキシン特措法ができる前に焼却炉の廃止と、その解体処分をすべきです。

次はリサイクル法の規制強化ですね。
既に昨年『容リ法(注4)が施行されました。今後も1998年に『家電リサイクル法』、2000年に『食品リサイクル法』、これは工場の食堂や健保会館が関わります。あ、関連会社には弁当屋がありますね。『自動車リサイクル法』は2002年だったかな?

コーヒーコーヒー

とにかく家庭では、捨てるのもお金がかかる時代になります。そして製造者は顧客が不用になってからの面倒を見ることが義務になります。
当社でも家電製品がありますから、消極的にはその対応、積極的にはリサイクルビジネスを考えないといけません。

今年ではないですが、来年早々1997年1月2日ロシアのタンカー、ナホトカ号が日本海で座礁して、原油が何千トンも漏れて裏日本の海岸に漂着します。このため海や海岸の汚染と生態系破壊、漁業、生活に支障が出るなどの問題が起きます。
全国各地からボランティアが集まって除去作業するのですが、遅々として進まず……ですよ。

当社は事故には無関係ですが、災害などで企業に努めている人がボランティア活動に参加するようになります。阪神淡路大震災でも組合が派遣する動きはありました。これから企業もそういう扱いを考えないとなりません。

1996年としてはこれくらいかな」

吉井 「たまげたね、お前はすごいな。思い付きとしても立て板に水のように語るとはすごい。
1997年以降についても、どんな問題が起きるか説明できるんだろう?」

佐川 「まあ、信用されるとは思っていません。予言者にはカサンドラの呪いが付いて回るのは世の常です。
皆さんは、信じても信じなくても、やって損にならないことをしてください。ただ吉井部長は、私の今までに語ったことで、外れたものがないことを保証してくれるでしょう」

中山さん 「あなた灰皿事件で大怪我した方でしょう。あの出来事は予知できなかったの?」

佐川 「逆です。若い女性が怪我するのが見えたから、それを防いだのです」

中山さん 「まー、他人を助けるために自分を犠牲にしたの?」

佐川 「そうです。私は中山さんが思うより自己犠牲的な紳士なのですよ、予言より信じられませんか、アハハハ」

吉井 「中山さん、高見さん、お二人が信じようと信じまいと皆さんの勝手ですけど、私が彼と出会ってから2年、彼が未来について語ったことで外したことはありません。
去年かな、1ドル79円だったが、彼は1998年には130円になると言った(第53話)。今109円だ。2年後が楽しみだ」


日本円両替US$
1995100万円
矢印 79円 = 1$矢印
$12,658
3年後矢印
1998164万円
矢印130円 = 1$矢印
$12,658

両替した米ドルには利息が付かないものとする。
日本円は、銀行預金にほとんど利子が付かない。

札束
もちろん両替手数料として、行き帰りで4%ほど取られる。

中山さん 「それってインサイダー取引……じゃないわね、合法だよね」

高見さん 「今108円か、今からじゃ1ドル20円の差では100万円両替しても、2万円、いや20万円か、なら私もチャレンジしようかな」

佐川 「正直言って、私は予言するのが目的じゃなく、不幸な未来をなくしたいのです。だから私の予言が外れたら、それは私の努力が実を結んだと思ってください」

高見さん 「予言が外れるために努力するって、どういうことですか?」

中山さん 「灰皿で怪我した女性が出なかったことが努力の成果なのね」

佐川 「そうです。もちろん幸せな未来を変えるつもりはありません。誰かが不幸になる未来を幸せな未来に変えたい、それが私の望みです」

中山さん 「でも彼女が無事な代わりに自分が怪我したら、差し引きゼロじゃない」

注:「差し引き」は引き算のことではなく、「差す」は足し算で「引く」は引き算なんだそうです。ですから「差し引きゼロ」の意味は「何かから何かを引いても変わらない」ではなく、「何かに足したり引いたりしても結果が変わらない」ことだそうです。


佐川 「若い未婚の女性が怪我する未来と、中年男性が怪我をする未来なら、女性を助けるに一択でしょう。
自己満足でいいじゃないですか、私に恥ずかしい思いをさせないでください」

中山さん 「佐川さんは善人なのね」



吉井 「さて、おふたりさん、これからの方向をどう考えますか」

高見さん 「方向と言いますと?」

吉井 「佐川君がかなりの未来を話してくれた。これで終わりじゃないよね。
だけど公害防止といっても、できる・できないはある。参考にすると言っても右の耳から左の耳ではしょうがない。
見込みのあるもの、効果のあるものを取捨選択して実行せねばならない」


矢印
右耳
■ ■ ■ ■
左耳
矢印

高見さん 「いや、全部対応したいね。もちろん生技マターばかりじゃない。中山さんの関係することもあるだろうし、他部門に聞かせたいこともある」

吉井 「自分一人が何かするなら上司に黙っていてもできるが、他部門を巻き込んでとなると、どうするんだ。何をするにも上の決定と予算がないとできない」

高見さん 「うーん、そうだけど」

中山さん 「各部門から信頼できる人を集めて、未来プロジェクトを作りましょう」

高見さん 「そんなことできますか? 偉い人を納得させないと人を集められないよ」

中山さん 「ちょっと考えます。予言でなくて予測であっても、なるほどと思えるものなら実行すべきよね。もちろん費用対効果だけど」



吉井部長が終了を告げて解散した後、高見氏が佐川の席まで付いてきて、少し話をしたいという。
パントリーの脇にあるテーブルに座る。

高見さん 「焼却炉の話があったね。それについて、もうちょっと詳しい話を聞かせてほしい」

佐川 打ち合わせ 「今すぐの話ではありません。1999年、今から3年後、テレビ朝日の報道番組『ニュースステーション』で久米宏が『所沢市周辺の野菜から高濃度のダイオキシンが検出された』と報道します」

高見さん 「オイオイ、君はそんなに具体的に予想できるのか?」

佐川 「それについては説明不要としてください。
それは大きな問題となり、所沢産の農産物は大きな風評被害を受けます。
その後、テレビ朝日の報道は誤報に近く、農協などの抗議に対してテレビ朝日は謝罪する羽目になります。まあ、あやふやでしたけど」

高見さん 「佐川さんはテレビ朝日が嫌いですか?」

佐川 「嫌いというより軽蔑しますね。マスコミは皆そうなのでしょうけど。割を食うのは報道の被害を受けた農家です。
まあ、それはおいといて……詳細が判明する前、2000年に国会は急いで『ダイオキシン特別措置法(注5)を制定します。
猛毒 なにしろ当時はダイオキシンは地上最強の毒物とか言われていました。その後の研究とか、2004年にウクライナ大統領がダイオキシンを盛られても、20年以上経った今も存命しています。毒ではあるでしょうけど地上最強ではないようです。
まあ、そういうことは、後になって分かってきたことです。

ともかくその結果、今まで使われていた焼却炉がほとんど使えなくなります。
そのとき私が働いていた会社では……」

高見さん 「働いていた会社?
それって君は未来から来たということかね?」

佐川 「あ〜、聞かなかったことにしてください。それは約束ね、
ええと、多くの会社は今までの焼却炉でも条件を管理すれば、ダイオキシン発生をコントロールできると考えて、炉の改良とかして継続して使用する考えでした。
ところが家電の雄P社は報道されてすぐに、焼却炉全廃を広報して、実際に運転するのを止めただけでなく、焼却炉すべてを撤去してしましました」

高見さん 「はあ〜、それが?」

佐川 「その翌年できたダイオキシン特措法では、まずダイオキシンの量的規制が厳しくなり、もはや従来の焼却炉を改善とか運転の工夫では対応できなくなりました。
更に焼却炉解体に際しては炉内のダイオキシン濃度を測定し、基準以上であれば専門業者に委託してダイオキシンを処理しなければならなくなったのです」

高見さん 「ダイオキシンの処理ってどうするのですか?」

佐川 「焼却炉に付着しているダイオキシンを無害化するのです。たぶん高温で分解するのだと思います。
ダイオキシンの測定も、一点10万とか聞きました。何点測定するかですが、へたすると数百万いくでしょう。処理もレンガ一個一個全部ですから、焼却炉ひとつで億でしょうね(注6)

高見さん 「分かりました。法律ができるまえに手を打てということですな」

佐川 「そうです。遡及法は禁止ですから、拙速を尊ぶべきです。
運転を管理してなんて甘く考えていた会社は、焼却炉を止めるしかなくなりました。そのときは既に法施行後ですから、焼却炉の処理費用がとんでもないことになりました。撤去費用が捻出できないところは、厳重に閉鎖して保管するしかありません。まさに負の遺産です。

多くの会社が、逃げ切ったP社を思い出して地団太を踏んだでしょう。私もです。
当社の工場や研究所などにいくつ焼却炉があるか、40や50はありますか。1か所1億としても……」

高見さん 「分かります、分かります。
1999年で間に合うこともありますが、今から対応が必要なものもありますね。最低限、今度、焼却炉を新設は禁止、更新や補修が必要なところは炉を撤去して社内で焼却せずに廃棄物業者に委託させることですな」

佐川 「そう願いたいです。上手い理由を付けて進めてくださいね」

高見さん 「1999年に一挙には無理だから、毎年数カ所ずつ……ブツブツ」



うそ800 本日の突っ込み

「佐川は、予知能力じゃねーだろう、単なる記憶力じゃねーか」という突込みには100%同意します。



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注1 日本ではhopeは「期待される人」とか「有望な新人」などの意味で使われるが、英語ではそういう意味はない。
Hopeを使って期待されている人を表現するなら、He is the great hope of this section.のような表現になる。

注2 環境ホルモンとは日本でのみ通用する言葉で、1996年から広まった。
SPEED'98における取組み 環境省がプロジェクトspeed98で実態究明を図った報告。
・「環境ホルモン」西川洋三、日本評論社、2003、古い本だが参考になる。今回読み直した。

注3 「PCB特別措置法」は2001年に制定された。
それ以前は、PCB機器を不適切に廃棄した場合は、不法投棄とか毒劇物法に関わればその違反、漏洩して問題になれば水濁法に抵触した。ただPCB機器だからと取扱い基準を逸脱した場合の罰則は特になかった。

PCB機器の管理体制対応は、法制定からスタートでも良いのだが、紛失や漏洩などないよう手を打っておくべき。露骨に言えば問題あれば法制定前に処置しておくべき。

注4 法律の名称が長いので略称が使われる。略称も官公庁が使うものとマスコミなどが使うものがある。
「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」が正式名で、通常「容リ法」と呼称されるが官公庁は「容器包装リサイクル法」と呼んでいる。
「特定家庭用機器再商品化法」が正式名で、通常「家電リサイクル法」と略される。
「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」が正式名称で、『食品リサイクル法』と略される。
「使用済自動車の再資源化等に関する法律」が正式名称で、通常『自動車リサイクル法』と略される。

注5 「ダイオキシン類対策特別措置法」が正式名称で、「ダイオキシン特措法」とか「ダイオキシン特別措置法」と略される。

ダイオキシンとPCBはどういう関係なの?と疑問を持つだろう。
いずれも亀の子が2個つながったものだが、ダイオキシンは酸素原子2個でつながって周囲の水素が塩素に代わったもので、PCBは1か所直接つながって周囲の水素が塩素に置き換わったもの。いずれも塩素のつく個数や場所で種類が多々あり、それによって毒性が違い、毒性のないものもある。

PCB
PCB
ダイオキシンPCB

兄弟とも言えないが、他人とも言えない。PCBの一部(コプラナーPCB)は構造がダイオキシンと似ていてダイオキシン様化合物と呼ばれる。

注6 総務省の調査(2013)によると、廃棄物処理施設の平均解体費用は2億3600万とある。






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