注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。
注2:タイムスリップISOとは
注3:このお話は何年にも渡るために、分かりにくいかと年表を作りました。
承前、
中山は総務部だが、人事部とは仕事でなにかとつながりがある。だから下山とも親しい。下山は灰皿事件のとき
人事部次長の職階は、本社の部長や工場長と同等である。というのは人事部部長は取締役と決まっている。だから人事業務の実質的なトップは人事部次長なのである。
中山は下山に会ったときの話をする。佐川がまともに思えたが、人事ではどういう評価なのだろう。そこを聞きたかった。
「下山さん、環境部の佐川って人をご存じですか?」
「知っているよ。彼がどうかしたの?」
「最近、いろいろな環境問題が報道されているでしょう。それで昨日、環境部に行って、これから総務部が関わる環境問題としてどんなことが想定されるか聞きに行ったの。安全衛生にも関連すると思うからね。
すると環境部の吉井部長が、その佐川って人を呼んで、彼にいろいろと話をさせたわけ。彼の話は確かに詳しく、面白く、もっともらしいんだけど……ちょっと不思議なことがあってね、あの人が信用できるのかどうか、下山さんに聞きたかったわけ」
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「灰皿事件(第36話)を知っているでしょう?」
「もちろん、当時は私が安全衛生グループのリーダーになる前だったから直接担当してないけど、経過は知っているわ。
そうそう、その灰皿事件の話も出たけど、彼の話はオカルトなのかホラ話なのか、ちょっとおかしいのよ」
「私は、その灰皿事件のとき福島工場に行って、彼と何度も話をした
ただ、性格は企業で働くには向いてない感じは受けた」
「組織で働くには向いてないということですか?」
「端的に言えばそうだね。我が強いというのかな。もちろん私利私欲ではないのだが、正しいと思ったことは妥協しないって感じだった。
それともうひとつ、彼は上司を向いて仕事してない。部下のためを思って仕事をしている。人間としてはまっとうだろうけど、出世しないな。
もっとも環境部の吉井部長は海外勤務が長く、向うではああいった我の強い個性的なのが普通で、それを使うのが当たり前と言っていた。佐川を生技から環境に引っ張ったのは吉井部長だ。我々が井の中の蛙なのかもしれない」
「ああ、そういうことですか。私の感じたおかしいというのは、それと違います。
彼は未来が見えるというのです。それで灰皿事件は私も知っていたから、未来が見えるなら、なぜ灰皿を避けなかったのかと聞いたのです」
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「ほう、それは興味深いですね。どう答えました?」
「若い女性が怪我するのが見えたから、彼女を守ろうとしたというのです」
「あー、そうだったのか」
しばし無言
「下山さん、どうかしました?」
「実はね、その灰皿事件のとき、彼とは何度も話をしたが、確かにおかしいなと感じたのですよ。なんというか未来というか、これから何が起きるか知っていて行動しているような……未来が見えるなら、疑問は解消する」
「彼は自分を予言者と言っていましたね」
「普通予言者を自称するなら重要なイベントを語ると思うけど、彼は身の回りに起きることを細かく知っているようだった。言い換えると、自分の身の回りことしか知らないのかもしれない。
とすると未来を知っているのではなく、二度目の人生をしているのかもしれないな」
「いずれにしても、彼が話した未来は信用できるのかしら?」
「どんなことを言いましたか?」
「環境問題とか廃棄物処理の規制の変化、そしてそれに伴い投資が必要になることとか、今計画していることで無駄になるものとか、漠然とじゃなく詳しく語った。そして環境に留まらず、他部門に関わることもあったわ。
確かに下山さんのおっしゃるように、彼が語ったことは、彼が関わっていた仕事関係ばかりだわね。身の回りのことと言えばその通りだわ。
えっと、本当に未来が見えるなら、彼の話を活用するべきで、投資計画とか開発計画に反映すべきだと思ったの」
「なるほど、中山さんが具体的に使えそうと思ったことは、どんなことですか?」
「いろいろテーマを挙げたので精査しなくちゃならないわ。真実であっても投資効果も考えないとならないしね。
私は彼からもっと情報を引き出して、当社が関係するようなテーマを選び、関係部門から人を集めてプロジェクトを作ったらどうかと思うの。
未来プロジェクト、いい響きでしょ」
「なるほど、その話は中山さんの他に誰が聞いていました?」
「吉井部長と生産技術の高見さん。
偶然でしたけど、高見さんも環境規制が厳しくなるだろうからと、今後の設備投資に環境部の意見を聞きに来たところだったの」
「吉井部長は、未来の話について何か言ってました?」
「吉井部長は佐川と2年間付き合ってきて、彼が未来について語ったことで外れたことはないと言いましたね」
「ほう〜」
「そうそう、1年前アメリカドルが80円を切ったとき、佐川から3年後ドルが130円になると聞いて、500万円をドルに替えたそうよ」
「金持ちだなぁ〜。右から左にすぐ動かせる金が500万もあるのか。今は1ドル110円くらいでしょう。今換金しても180万の儲け。中山さんは悔しそうだね、アハハ
おっと、本題に戻りましょう。
吉井部長と佐川は、未来プロジェクトを進めろと言ったのですか?」
「いえ、むしろ消極的だったわ。佐川は皆さんがよく考えて、やっても無駄にならないと思ったら実行したら良いでしょうって。
ただ語ることに確信はあるようね。でも儲かるかどうかの責任は取れないというか」
「なるほど……未来プロジェクト進めるべきか、否かですか。
儲かりそうなテーマがありましたか?」
「儲かりそうなのは分からないけど、損失を出さないと思われるものでは50億くらいありそうよ」
「50億? 大金ですな」
「売上でなく費用が50億だから大きいわ」
「具体的には何ですか?」
「今どこの工場でもゴミを構内の焼却炉で燃やしているでしょう。2000年頃に、焼却炉でダイオキシンが生成されることから、その恐れのない焼却炉でなければ運転ができなくなるそうなの。
過去から使っていた焼却炉が使えなくなるだけでなく、焼却炉を解体して廃棄する時に、炉内のダイオキシンを無害化しなければ、ならないという話よ。
焼却炉ひとつダイオキシンの処理するのに1億かかるって。当社の工場や施設に焼却炉が50基はあるでしょう。故に50億円」
注:焼却炉と言っても多種多様である。私のイメージしている焼却炉は、当時、工場で使われていたレベルのものだ。
燃やすものの投入は自動化され、吸排気はもちろん温度管理は自動化され、飛灰のフィルター、処理と一式はけっこうなものとなる。
それでもダイオキシン対応はできなかったけどね。
「なるほど、昨今の風潮から、その恐れはありますね。可能性はいかほどですか」
「下山さんもそこを悩むでしょう。信用するか迷うゾーンなのよね。
まったく妄想と思えるならパッと切り捨てちゃうし、様々な資料で説明されれば素直に信じるし、中途半端というか、悩むところね」
「私が佐川と話したのは、灰皿事件のときだから、もう3年前になる。会って話を聞いてみよう」
数日後、佐川は人事の下山次長から、会って話をしたいというメールをもらった。佐川は下山にあまりいい感じを持っていない。露骨に言えば会いたくない。
とはいえ、偉い人から来いと言われれば嫌だとは言えない宮仕え。
言われた日時に人事部に行く。
「やあ、久しぶり、もう3年になるね」
「おかげさまで楽しくやっております」
「総務の中山さんが君と話したそうだね。君の未来予測を信じても良いかと聞かれた」
「なるほど、でどう答えたのですか?」
「どう答えるか、君の話を聞きたいなと思って」
「私の語ったことは、私がそう思うだけで証拠もなにもありません。
ただ中山さんにも言いましたが、私は見える未来を語るだけでなく、それを少しでも良くしたいと思っています。だから私が語ったようにならないこともあります。それは私の予言が誤ったのでなく、私の努力で変えたと考えて欲しいですね。
おっと、私一人に日本の景気を良くするとか戦争を止めるなんて、できるわけありません。私にできるのは、会社の事故防止、問題の発生防止、それに個人的な人生の判断といったレベルです」
「焼却炉とかダイオキシンの話をしたそうだね」
「私を疑っているのでしょう。信じようと信じまいと、ホントのことを言います。
私は今、二度目の人生を送っています。そう言えば満足ですか?」
「なるほど、それじゃ灰皿事件の尾関副工場長とは、前世でどういう関係だったの?」
「流れは前世も今回もまったく同じです。彼が福島工場に転勤してから常にいじめられていました。ISO審査員が灰皿を投げたところまではまったく同じです。
前世も今回と同じく私は審査している部屋にいましたが、正直言いまして灰皿を投げるのを見ても、身動きできませんでした。
今回は勇気を奮って足を踏み出しました。灰皿は腋の下に当たり、肋骨骨折でした。前回のときは、彼女は私より背が低く彼女の顎に当たり、下顎骨骨折と歯もやられました。ひどい跡が残り様々な後遺症がありました。かわいそうな話です。
もちろん刑事事件になりました。そして尾関副工場長は、事件の原因は私にあると言い出しました。もちろん灰皿を投げたのにも、審査員が激高したのにも私は無関係です。目撃者がたくさんいたので、警察も相手にしませんでした。しかし彼はそう信じていたのでしょう。
それからは以前にまして、日々、尾関副工場長にイジメられ針の筵でした。結局ISO14001認証してから退職し、東京に出てきたのが前世です」
「その後は?」
「幸いISO認証の経験を買われて、中堅企業に就職し定年過ぎて嘱託まで勤めて引退しました。
その後、悠々自適
30年間の長い夢だったかもしれませんね。正直言って若返ったのか、夢だったのか判断付きません
下山は唖然とした。そうかもしれないとは思っていた。だが彼が語る事が信じられない。
本人が異常なのか、異常な体験は本当なのか、いずれだろうか。
「稀有な体験をされたようだ」
「中山さんにはその体験を話していません。ただ私の未来予測を活用したいと、中山さんと生技の高見さんに言われました。
でも、私個人の暮らしとか私が関わった仕事は覚えていますが、大局的なこと、例えば日本経済とか為替レートとか大地震などは、ニュース報道で関心をもったことを覚えている程度です。それがビジネスに役立つのかどうか……
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半径2mの男 |
「半径2メートルと半径100メートルにはだいぶ間隔がある。そこの間で会社に役立つこと、例えば新しい技術とか製品情報とか発明発見とかは覚えていませんか?」
「いろいろ覚えてはいます。一例を挙げるとノーベル賞受賞者です。21世紀になると日本人受賞者が続々と現れます。
難しい物理の方々は何をされたかさえ理解できませんでした。興味があったのは、2012年、山中さんがiPS細胞を作ってノーベル賞を受賞したことは覚えています。
2019年吉野さんという方が、リチウムイオンポリマー電池の開発で、これは小型電子機器に限らず産業用、自動車用、潜水艦の動力用まで使われるようになります。
しかし、その道の研究者にそれを伝えても、漠然とした情報では役に立たないでしょう。
忘れてはいけないものもあります。
2011年東日本大震災が起きて、岩手、宮城、福島を中心に死者2万人がでます。そして福島県の原発が水素爆発して放射能を放出します。私が戻る2022年まで原子炉の対策に進展はありませんでした」
「大地震そして原子炉が破壊か……宮城工場、岩手工場、福島工場と、どうなるのだろう? 福島原発は当社と関係はないな……」
「しかし驚きましたね、あれだけの被害を出したのに、東日本大震災によるGDPの減少はなかったのですよ。その後のリーマンショックでは5.4%も減ったのに」
「東日本大震災もリーマンショックも、私はもちろん知りませんが、極めて重要な情報だと思います。役に立たないなんてとんでもない。そういうことだけでも、教えてもらう価値は十二分にあります。
佐川さんは何年から戻ってきたの?」
「2022年から1992年ですね。未来の夢を見たというより、目が覚めたら未来から過去に戻っていたというのが正しいのかもしれませんね。
ともかく、目が覚めてからは、これから何が起き、それをどうすれば、どうなるということは覚えていますから、その結果が好ましくないものは、そうでない選択をしようとしました」
「灰皿事件はその一例か?」
「そうです。勇気を出して灰皿が彼女に当たるのを防ぐことができました。
結果として彼女は怪我をしなくて済んで幸せに、私も自分の名誉が守られて幸せに、尾関副工場長はもっと悪いことをして捕まるよりは幸せだったと思います」
「尾関副工場長は、その後、悪いことをして捕まるの?」
「いえ存じません。私はその後、退職しましたから、この会社のことは知りません。知ろうとしなかったというより、知りたくなかった、愛の反対は無関心ですよ。
それと前世では下山さんにはお会いしませんでした。要するに工場でも本社でも大問題とは考えなかったのです。私以上に女性の怪我は大問題だったでしょうに」
「それじゃ、佐川さんは自分が無実の罪で懲戒処分を受けたことは知らなかったわけ?」
「二度目の人生で、病院で下山さんから言われるまで知りませんでした。ひどい話ですね」
「う〜む」
下山は数分間、黙って考えていた。
「中山さんは未来プロジェクトと呼んでいたが、君のアイデアを基に会社が損を防ぎ、未来を先取りしていくことを実現する活動をしたいそうだ。
君はそういうアイデアをいくつくらい持っている?」
「アイデアなんて持っていませんよ。私が生きた時期に、どんなものがあったかを覚えているだけです。
例えば今、高校生でもポケベルからPHS電話を代わりつつあります
そういう機器を誰でも考えていると思いますし、いつかは実現すると思っているでしょう。でも技術や新素材がないから今は実現できないのです。
現物を見てきたとか使っていた人間がいても実現はできません」
「彼女はダイオキシン規制対応で、焼却炉を前倒しで廃止すれば、50億円無駄なお金を使わなくて済むと言った」
「それは間違いない。でもそのように情報を得るだけで効果があるものは、あまりないと思います。
私にできるのは、これからの25年間に、どんなことが起きるのかを説明することだけです」
「中山さんは関係部門の人を集め、君がアイデアを出せば、なんらかの成果が出ると考えているようだ」
「私も持っている記憶を惜しむ気はありません。有効活用できる人に知らせることは、やぶさかではありません。ただ精神異常者とか言って欲しくはないですね。
未来プロジェクトといっても、恒久的なことじゃないでしょう。私の知っている未来の5年は既に過ぎ去りましたから、残り25年間の、しかも思い出せる記憶だけですから、伝えるにはせいぜいひと月あればお終いです。
「確かに『存在を知れば発明できる』という言葉があるが、それができる人は元々その道の専門家だけだよね。
素人がすごい発明を聞いても、実現できるわけではない。だがその知識だけでも無駄にしたくはない」
「変なことを思い出しました。10年ほど前のこと、血液型なんとかいう社内制度
⟋ | O | ⟍ | |
A | B | ||
⟍ | AB | ⟋ | |
「血液型開発制度か……覚えている。古い話だな。あのアイデアを出したのは私だ」
「そうでしたか。実を言いまして私もメンバー候補だったと、その制度がポシャってから聞きました。
血液型と性格や能力と関連は度々話題になりますが、そういった組織を作り実際に活動した会社は珍しいでしょうね。
この未来プロジェクトも血液型と同じく、大して金がかからないなら、やってみるのも一興です。成果が出ないなら数カ月で止めても良し」
「まあ、あれを思えば、オカルティックなことも許容範囲内か」
佐川はどう話が進んでいくのか見当もつかなかった。しかし1週間もすると社内で、21世紀に向けての新プロジェクトを立ち上げるという噂が広まった。噂ではこれから30年間に起きる様々な事象を想定し、そこから新規ビジネスや投資計画を考えるのだそうだ。
メンバーは10名前後、広く募集して、1年間の期限付き、重要な機密なので、メンバーは守秘義務契約をするそうだ。
噂話だけ聞くとものすごいプロジェクトのように聞こえる。いや、ひょっとすると佐川の件とは別なプロジェクトが動いているのかと思える。まあ、そんなものが同時に二つ進行することはないだろうけど。
その直後、佐川は吉井部長に呼ばれた。
「おい、先日、総務の中山さんが来ただろう。彼女が人事に未来プロジェクトを立ち上げることを進言したそうだ。
それを聞いた人事の下山次長が乗り気になって、関係部門と調整してすぐにプロジェクト立ち上げが決まったそうだ」
「私の情報だけで未来プロジェクトなんておこがましいですよ。物になるのですかね?」
「君の話を聞いた私の場合は、もう利益200万が出た。最終的には2年後に300万儲けだ。ウハウハだよ」
「為替相場は流動的ですから、200万で両替して儲けを確定したほうがよろしいのではないですか。
それに1年で200万ですが、あと2年寝かしても100万しかならないのですから、円に戻して別のものに投資したほうが良さそうですよ」
「今、日本じゃ、2年で100万儲かるものがないよ。
それはともかく、佐川君がいてのプロジェクトだから、君の参加は決定だ。実は下山次長は俺と同期なんだ。彼から人事異動の相談が来た。
山口君はどうする?」
「負荷次第ですが、彼もISO認証支援が一巡した後の仕事を心配しています。
このプロジェクトで二つ三つはものになるでしょう。そう考えると、山口さんは今年と来年はISO14001認証支援とこのプロジェクト兼務。1998年になればISO14001指導を柳田企画に移管して、山口さんをプロジェクト専任、いや新しい事業が立ち上がれば、そこに異動したらいかがですか。
ISO14001が一段落したら、山口さんと私が、ここにいるわけにいかないでしょう」
「お前はどうする?」
「私は……どうしましょうねえ〜、元々はISO審査をまっとうにしたいというのが、願いでした。業界系認証機関の産業環境認証機関は、ほぼこちらの見解でOKになりそうです。であれば当社の工場や関連会社はそこに審査依頼するでしょうから、問題は起きにくいでしょう。
他社の場合は、別の業界団体にも加盟しているところが多く、それ以外の認証機関に依頼するところも多いです。まあ、そこでトラブルが起きても、業界の環境ISO研究会に参加していれば対応するための情報が得られて、理不尽な審査があっても一方的なことは起きないでしょう。
となると私の居場所もなくなりそうですね。
私は過去に問題を体験したものを解決しようとしていますが、それが上手くいけばいくほど私の予言は外れてしまします。これはカサンドラの呪いではなく、佐川の呪いとでも言いましょうか」
「たしかになあ〜、それが予言者の悩みか、アハハハ
まあ、よく考えておけ。プロジェクトがスタートして、ろくなテーマがなければすぐに解散ってこともあるからね、アハハハ」
吉井部長は今日も絶好調のようだ。
本日の思惑
正直、物語の中で新事業を立ち上げようとか金儲けをしようという意図はありません。
しかし近未来の知識を持っているのが確実なら、その人を活用しようというのは自然な流れだと思います。
吉井部長も500万を両替して1年で既に200万くらい儲かったようです。会社だって流行、他社の新製品、災害、政変などを知っていればチャンスを掴めるし、損を防げるでしょう。
ということでそんな風に使われるお話を盛り込んむつもりです。
ところでここ数回は、お話の長さが7,000字前後になっています。実を言って文章を叩くのは簡単なのですが、htmlにする前の、誤字、脱字、数字のチェックなどに時間がかかります。それで文字数を減らそうと思ってのこと。決して読む方が長いと大変だろうと、気を使っているわけではありません。
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注1 |
「悠々自適」と書いて貧しくても使って良いのかと疑問に思った。熟語の意味は、精神的なことで物質的なことではないそうだ。ならば私も佐川も悠々自適だ。![]() | |
注2 |
PHS電話は1995年にサービスが開始された。高校生や大学生がポケベルから乗り換えたのは1997年頃。しかし1998年からPHSから携帯電話への乗り換えが進み、2002年以降は非常に少なくなった。2023年にサービスが終了した。 ・2012年の携帯電話・PHSの国内出荷台数は5.8%減の2796万台…スマホが初の5割超え ![]() | |
注3 |
スマートフォンらしいものは20世紀から多々ある。 最初のスマートフォンは1994年のIBM Simonらしい。タッチスクリーンを持ち、電話、メールの送受信やスケジュール管理などの機能があった。 ![]() ![]() 1996年blackberry(右図)は、ポケベルや電子メール機能から始まり、21世紀になってウェブブラウザー、カメラの機能を持つようになった。 ![]() 同じく1996年ノキアのNokia 9000 Communicatorが「smart phone」という名称を使った最初と言われる。 ![]() 2007年iPhoneが登場してスマートフォンの機能、スタイルのスタンダードとなった。 ![]() | |
注4 |
一般家庭でのパソコン普及率は2016年の79%をピークに下がっている。これは完全にスマホへの移行だろう。 ・インターネットの普及率の推移をさぐる(2020年公開版) ![]() | |
注5 |
100年も前から、血液型と性格の関連があると言われていて、血液型占いというのもある。 1980年代だったと思う、それを開発に活用しようとした会社もあった。なんでもAB型は先取的だとかで、そういう人を集めれば、アイデアが出るとか開発が進むと考えたらしい。その結果、成果が出たという話は聞かない。上手くいかずとも損害もなさそうだ。 ![]() |
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