タイムスリップISO72 FIDS(最終ドラフト)

25.04.14

注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。

注2:タイムスリップISOとは

注3:このお話は何年にも渡るために、分かりにくいかと年表を作りました。



1996年6月、環境ISO研究会が急遽招集された。といっても騒ぐほどのことはない。予期していたISO14001のFIDSが出たからだ。


注:DISはISO規格の草案、FDISは最終案
FDISの次はIS(ISO規格)である。


議題は、FDIS対応の作業の確認と実施事項の周知だ。
FDISが出て対応しなければならないことは、DISとの差を調べて、その翻訳の見直し、そして解説の修正だけだ。

業界団体のISO研究会メンバー
吉本吉本さん 須藤さん須藤
金子金子さん
机
佐川佐川
田中田中さん 山口山口
高橋高橋さん 鈴木さん鈴木
小林小林さん 中村さん中村

皆がそれぞれ読んで見解を出し合い、次回議論して結論をまとめ、代表つまり田中、小林、山口がチョイチョイと修正作業をして、次々回の研究会で再確認して、業界系の認証機関である産業環境認証機関に、再監修を頼むという流れは変わりようがない。
いずれにしても、大した仕事ではない。


テーマは30分で終了した。だがすぐ解散ではない。
それからはお互いの情報交換だ。新製品開発とか特許とかしのぎを削っている分野ではないから、結構助け合うのである。

法律の解釈とか、暑くなってきたので排水処理の反応が早まるだろうとか、廃棄物処理費用がどうとか、どこぞの廃棄物処理屋が捕まったとか、10社もいれば誰かが情報をもっているものだ。
メンバーは環境担当者ばかりだから、次の会合ではこれを聞いて来ようと、皆、質問を持ってくるのだ。

地方の工場なら近くの工場に行って相談もできるが、本社では他社の本社に聞くのはちょっと(はばか)られる。
コーヒーコーヒー
研究会は、担当者間でざっくばらんに言い合える良い機会なのだ。

話していると、誰かが皆に紙コップのコーヒーを配る。
そんな雰囲気で2時間ほど過ごして解散だ。



*****


佐川の今日の仕事は、社内の各工場と関連会社に対して、ISO認証のための情報周知だ。
いままでも月一で「ISO14001情報」という名称で、規格制定状況とかドラフトの解説などをまとめて、各工場/関連会社の環境部門の長宛に発信している。

今回はまず、規格解説のテキストとして、業界の研究会作成の書籍を各一部配付することの通知。余分に必要なときは出版後に必要数を本社環境部宛に連絡すること。市価より2割引きで販売すること。
佐川でも山口でも、著者割引(注1)を使えば20%引きで買えるから、下手に資料を作成して配付するより、出版された本を購入して配ったほうが安い。それに何よりも箔が付いてありがたみがある。

私の経験では、A4ホチキス止めの資料なら半年後にごみに出され、仮製本なら1年後に捨てられ、書籍となると10年間は保管される。

それから9月頃からISO14001規格解説や認証の説明の講習会を東京、大阪、福岡で行うことの通知。
これだけ通知しておけば、どこも慌てることはないだろう。


これからしなければならないことは、今現在社内の工場と関連会社のISO9001を認証している認証機関に、規格解釈をインタビューして確認しておくことだ。
おかしな見解なら、十分話し合いをするつもりだし、対応策を考える。依頼しないという選択もある。

目的はどの工場や関連会社が認証機関に審査を依頼しても、トラブルのないように指導できるようにすることだ。
認証機関はこれから集約していかなければならないから、特別な事情がなければ新たなところに依頼することはない。現在、グループ企業が審査依頼している認証機関は7社であるのを確認している。最低それだけ確認しておけば良いだろう。

顎に手
こんなところか

とはいえFIDSが出たところだから、今すぐ訪問しても向こうも解釈が確立していないかもしれない。とりあえず規格解釈についてお尋ねしたい旨連絡して、先方の都合の良いときお邪魔しよう。
お手紙(といってもemailだが)には、「貴認証機関の見解をグループ企業へ周知する」旨書いておいたから、けんもほろろということはなかろう。いや、ケンホロならそこに審査を依頼しないよう指導するだけだ。


事前にそのようなことをして、おかしな理解を排除し、またつまらないことで揉めるのを防ぎたい。
そういう布石を打っておけば、ISO14001の審査が始まってから、規格にない要求を出すとか、おかしな解釈を言われることはないはずだ。それでも問題が起きたなら、事前に取り交わした同意書を出せばけりが付く。

それだけ手を打っておけば、審査員と会社側の見解が異なっても、対等の立場で議論して、泣き寝入りとか審査員に強弁されることはないだろう。
なんとなれば、良い審査、あるべき審査は、審査員と受査側が協力して作り上げるものであり、企業側も半分の権利と責任があるのだ。

前世でISO審査が劣化するばかりだったのは、審査員の責任ばかりではない。審査員の間違いに気づかないとか、泣く子と審査員には勝てないと諦めた、受査側にも責任はあるのだ。もちろん人の話を聞かない耳なし芳一審査員が多いのが最大の原因だが。


そして当面は佐川たち環境部が、ISO14001認証の社内の工場への指導をするにしても、1997年末から漸次、柳田企画へ業務を移管していく。
これも柳田企画がISO9001認証指導の経験を積んでいることと、前世でトラブルになったことはほぼ対策したから、大きな問題になることもなかろう。


パソコン作業 そこまでいけばもう佐川の仕事はない。佐川がおらずとも佐川が考えたように進んでいくだろう。そうなると自分の存在意義がなくなるわけだが、それは当然でもある。
そもそも佐川が時間逆行したとき考えたのは、ISO14001審査をまっとうにすれば、ISO認証が落日を迎えることはないだろうこと、そして自分がそれを成し遂げようと考えたのだった。
なんとしても、その本懐を遂げたい。


そもそもISO14001の意図は「遵法と汚染の予防」である。ISO規格は目的のための手段である。認証は目的でないのはもちろん、手段でさえない。
更に言えば、ISO14001がその手段として最適最善なのかどうかは定かではない。佐川は過去25年の経験から、それが最適最善どころか、有効でさえなかったように思う。

とにかくISO14001規格要求をまっとうに履行すれば環境事故も違反も減るのかどうかの証明を見たこともないのだ。またISO14001認証企業と非認証企業の事故率、違反率の有意差があるのかどうかの統計も論文も見たこともないのだから。

要検討事項はたくさんありそうだ。だがそれを考える、検証することに意味があるのかどうか?
佐川は、ものごとを成すには、高尚な理屈以前に、泥臭いことの積み重ねしかないと考えている。タグチメソッドの田口博士が半導体の品質対策をした話は有名だが、世の中の問題はそんなテクニック以前に、日々の5Mの変化を把握することで十分対応できる。
工程能力がない状況で理屈をこねてもしょうがない。最低限の技術・技能の確保である。

遵法と汚染の予防の実現なら、ISO14001ではなく昔からの公害防止の徹底と遵法の徹底であると思う。まあ渡世の義理だからISO認証も滞りなくするのはしかたない。


佐川は吉宗機械に足りないと考えている、環境遵法を確実にするための内部監査制度を確立することが次の仕事と考えている。
それで佐川は今、グループ内の環境遵法点検の案をまとめて、来月でも吉井部長に提案するつもりだ。



*****


佐川は吉宗機械の全工場に対して公文メールを書く。


TO:工場長各位
CC:環境担当部長/環境担当課長


本社 環境部長
担当 佐川

ISO14001認証の件

6月〇日 ISO14001の最終ドラフトが公開された。
最終ドラフトであるから、今後、規格発行までの変更はほとんどないと思われる。
よって今回のFDISを基に認証準備を進めて頂きたい。

正式な審査は規格が発行される12月以降開始と思われるが、事前にFIDSで仮審査が始まる模様である。
FIDSで審査して適合とされた工場には仮審査登録証が発行され、正式規格発行時に正式な審査登録証(認証証)が発行される見込みである。

認証を急ぐことなく各工場において有効で効果的、かつ手間のかからない方法で計画を策定するよう要請する。
認証スケジュールを立てたなら、本社環境部に写を送付願う。
本社は認証計画に合せて認証指導を行う予定である。

以上


ワークフローを送って一件落着である。



*****


そのあと、佐川は吉井部長に時間を取ってもらう。


吉井 「なんだ、身の振り方の相談か?」

佐川 「早い話がそうです。ISO14001規格の最終ドラフトが今月出ました。
何事もなければ、今年中に正式に規格が発行されます。そして審査はドラフトで始まるでしょう」

吉井 「仮の規格で審査しても意味がないだろう?」

佐川 「なんでも商売ですよ。魚心あれば水心、認証が欲しければ審査します。そして何か月後に正式に規格が発行されれば、ドラフトとの差分だけ追加審査してOKなら正式に認証です」

吉井 「それほど急ぐ必要があるのかね?」

佐川 「それを言ったら100m競走でコンマ何秒の差は意味ありませんよ。
それで、ISO認証指導も夏以降には開始しようと考えています。ワークフローを出しましたから決裁お願いします。

それで、社内の認証指導は、来年1997年一杯でおしまいです。それ迄に認証していない工場と関連会社の指導は柳田企画に移管しましょう。引継ぎはうまくします。

問題となるのは山口さんと私の使い道です。私も安くもない賃金を頂いていますので、用がなければトレードに出すしかないでしょう。
環境問題としては温暖化、環境ホルモンなどの化学物質規制、欧州の鉛はんだ規制、省エネ法の強化、まあ、たくさんありますが、私が担当できるようなものはなさそうです。

ただこれもまた予言ですが、ISO14001認証が広まっても環境事故、つまり化学物質を河川に流出させるとかですね、そういったものを予防できるかと言えばまず効果はないでしょう。また環境法違反を減らすことも期待できません」

吉井 「おいおい、ISO認証の意図は遵法と汚染の予防ではなかったのか?」

佐川 「ISO14001規格の意図は、遵法と汚染の予防であることは間違いありません。でも意図を実現したかどうかはまた別です。はっきり言ってISO14001規格にそれほどの効果はありません。それにISO14001認証の意図は金もうけです。

それに遵法と汚染の予防にはISO14001でなくても実現できるはずですし、ISO認証せずとも効果は変わりません。実際にドラフトの序文にも書いてあります(注2)

吉井 「では何のために認証するのだ?」

佐川 「金儲け……あっ、いや、ISO規格を使った認証というビジネスモデルを作ったからでしょう。

ISO9001の認証が始まって満3年になりますが、認証した企業で品質コストが下がったという話を部長お聞きしたことありますか? 私は聞いたことがありません。
聞いたことがあるのは『ISO9001認証して良くなったのは文書管理だけ』と多くの人が語っていますね、冗談ではなく」

吉井 「まあ、認証するのは、付き合いもあるし他社より遅れを取らないためか」

説明

佐川 「ISO9001は主に製造工場だけでした。しかしISO14001はそれに加えて、本社、支社、営業所も認証するようになります。当社の場合、毎年の審査費用は……当社だけで1億は行くでしょう。それを正当化する成果があるかどうかということですね。
費用が毎年1億ですから売り上げは30億くらい上げないと元が取れません」

吉井 「出た金は出向者で回収するだろう?」

佐川 「流出費用のいくらかは回収できるかもしれません。でも工場やオフィスの直作率低下(注3)認証の準備や審査対応の時間は回収できません。全体を見れば元が取れるはずありません」

吉井 「聞くところによると工場にある焼却炉を早めに処分すれば、50億節約できるというじゃないか。ISO審査費用50年分が浮くぞ」

佐川 「それは別にISO規格やISO認証とは無縁で、単に法改正を知って先取りしただけです。
それに数字が正しくありません。ダイオキシン規制が厳しくなれば、焼却炉は使えなくなり撤去しなければなりません。そのときの撤去費用とダイオキシン処理費用を合わせて1億です。
ダイオキシンを除去しなくても撤去しなければならず、それには1カ所2000万や3000万かかるでしょう。
ですから法規制ができる前に撤去しても50億丸々儲けるわけでなく、節約になるのはその差の35とか40億節約になるだけです」

吉井 「なるほど、それはそうだ。
ともかく佐川はISO認証の効果を期待してないようだね?」

佐川 「先ほどISO9001で『良くなったのは文書管理だけ』と言われるように、ISO14001では『良くなったのはゴミの分別だけ』と言われるのが関の山でしょう。

打ち合わせ マネジメントシステムと言っても、世の中の企業が過去からしてきたことの集大成にすぎません。我々がしてきたことが、世界最高峰でなかったとしても、麓じゃないでしょう。7合目や8合目ではあったでしょう。

となればISO規格で示すものとそんなに変わらないはずで、良くなると期待するのが間違いですよ。
言い換えると、どうしようもない環境管理をしていた会社なら、ISO規格に合った仕組みにすれば世間並みになるということです」

吉井 「まあ、佐川から何度も聞かされたことではあるな。世間並みにするために認証するだけか。まあ認証準備で欠陥に気付けば、儲けものということか」

佐川 「ええと本題に入りたいのですが」

吉井 「ああ、そうだったな。佐川の提案は何だ?」

佐川 「環境問題はこれから多岐に渡り、いずれも重要なことになっていきます。
それでISO14001認証の効果が期待できないことを鑑みて、自主的な管理向上策を取っていくということです。
まとめた案はこれです」


佐川はA3サイズ1枚の資料を吉井部長に渡す。


吉井 「全社いやグループ全体を対象とする担当者育成制度の創生、遵法と事故防止の監査の新設、情報の共有化の仕組み整備と……

ちょっと待てよ、お前に初めて会ったとき(第45話)言われたのを覚えている。環境部というのはアドホックのもので、すぐにCSR部とかサスティナビリティ部になると言ったはずだ」

佐川 「そうです。しかし公害防止がなくなるわけではなく、省エネ活動が終わるわけもありません。そして欧州の規制も鉛はんだ廃止(注4)で終わるわけではなく、含有化学物質規制(注5)というものに発展していきます」

吉井 「それも予言か。それとCSR部とはどう関係するのだ?」

佐川 「これから規制強化というよりも社会的要求が現れて、それに対応するものがCSRとかサスティナビリティという部門に集約するというのがひとつ、公害防止活動も従来よりも厳しくなり対応する部門が残るということです」

吉井 「あのときお前は、公害防止は発展的解消になると言ったと記憶している」

佐川 「組織としてはそうなると考えます。しかし仕事はなくなりません」

吉井 「この企画書をみると、対象は公害対策だけか?」

佐川 「公害対策オンリーというより、法対応オンリーと考えてください」

吉井 「良く分からんが?」

佐川 「これも予言です、2000年代に入って、排水測定データやばい煙のデータの改ざんが多々見つかります。また廃棄物処理に関する法違反も増加します。ホントを言えば法規制の強化よりも取り締まり強化もあるのですが、当社でも無きにしもあらずと思います。
そういった場合、ISO14001認証の取消とか軽くても認証停止が多発します。

そういうことのないように、監査体制は2000年には確立したいです。
そしてその予防処理として、現在の従事者から環境業務の教育訓練をする制度を作りたいのです」

吉井 「ええと、なんだ、法違反があると認証停止になるから、法違反しないような体制を作るというのは……矛盾だよな。
ISO認証はどういう立ち位置になるんだ?
ISO認証は無意味ですから、自主的な遵法と汚染の予防体制を作りますってことだよな?」

佐川 「まあ、本音はISO14001など止めたいですね。金の無駄、時間の無駄」

吉井 「分かった、読ませてもらう。その後、もう一度説明を頼む。
ええと、人事の下山次長から未来プロジェクトについて打ち合わせしたいという。
ワシと君で話を聞く。今日の午後4時からだ」



うそ800 本日は短文であった。

本日のコンテンツは6,700字しかない。過去にないほど短い。
数日前ネット小説を読んでいて、末尾に「1話の文字数が3,500字を超えたら、分割することにしている」と書かれていた。
ーーー じゃあ、この短いコンテンツも2話に、普通はだいたい9,000字だから3話に、ちょっと長めだと16,000字はあるから、それは5話に分けなくちゃならないの!

文末脚注(この下にある注記)だけで1,500字あるものもあるのだよ。(今回は600文字)


注:文末脚注は文字数に入りません。



<<前の話 次の話>>目次



注1 書籍 著者は自分の書いた本を安く買える著者購入制度(著者割引)がある。
割引率は出版社、本の分類(学術書・小説など)で違うが、交渉で印税の代わりに何冊受け取るという契約もできる。

注2 ISO14001:1966の序文第二文節に、「見直しと監査でも十分目的を果たすかもしれない」と書いてある。これはISO規格通りでなくても同等のパフォーマンスを出すかもしれないという意味。
また適用範囲で規格の使い方として5種類あげているが、第三者認証はその4番目である。

注3 直作率とは直接作業率のことで、在場時間を分母にして、売上を生み出す作業に費やされた時間の割合である。現場でもオフィスでも直作率を一定水準に維持しなければならない。

直接作業以外には何があるかというと、朝礼、行事、運搬、手待時間(待機時間)、指導、用達などがある。もちろんそういうものはゼロにはできないから目標は100%にはならない。朝礼を10分しただけで97.5%になる(7.5時間勤務とする)。

注4 RoHS規制(ローズ規制)とは、電子・電気機器に含まれる特定の有害物質の使用を制限するための、EU(欧州連合)による環境規制。1995年頃から検討され、2006年施行された。その後、改正を重ねてRoHS2/RoHS3などとなっている。
規制された代表的有害物質として、鉛、水銀、カドミウム、6価クロムなどがある。

注5 REACH規制(リーチ規制)は、含有化学物質を規制したEUの法律で2007年施行。使用禁止というよりも含有化学物質を把握して公開することの義務。





外資社員様からお便りを頂きました(2025.04.15)
おばQさま いつも有難うございます。

佐川の簡にして要を得た答え
>遵法と汚染の予防にはISO14001でなくても実現できるはずですし、ISO認証せずとも効果は変わりません

(何のための認証か?)
>ISO規格を使った認証というビジネスモデルを作ったからでしょう。

改めて振り返ると、その通りですね。
今のトランプ関税と同じで、突然 思いもかけない事が起きて世界中が混乱していると、「こうすれば良い」という人が出てきて、藁をもすがる気で受け入れてしまう。今の混乱から当時の雰囲気が思い出せます。
 (後で冷静になると、トランプ自身が儲ける為で、究極のインサイダー取引だったりしてw)

その後も、メセナ活動、CSRだぁと似たようなことが出てきたが、結局は「コンサルと付随のビジネス」を作って設けたり、天下り先を作った人がいたのでしょうね。
そうした無駄な金が使えたのは、当時の日本企業は余裕があった。
でも、その金を未来への投資に使っていれば...後知恵なら誰でも名人でした。

外資社員様 いつもコメントありがとうございます。
ISO9001は多種多様どころか契約ごとに品質保証要求事項が異なるという状況で、標準化しようという発想で作られたわけです。
それを見て、直接の利害関係にない第三者が代わって審査してやるという発想が銭儲けそのものです。加速させたのはEU統合において域内を自由に移動できるのはISO9001認証の工場製品に限るという方針ですね。
金儲けの臭いがプンプンします。

しかし当時の企業に余裕があったとは言えないような気がします。当時はバブル崩壊直後でした。逆に低迷して陰鬱な空気の会社をISOで前を向かせるとか、現状打破の切り札になると思ったからではないでしょうか?
欧州への輸出企業以外が認証したのは、そういう期待(誤解)だったのではないでしょうか?

トランプ騒動もどこまでいくのか困ったものです。
しかしネットの主張を見ていると「トランプ好きだったのにどうしたの?」「プーチンもどうにかしちゃったの?」という意見(?)が多々見られます。大統領選挙前には「トランプに入れない運動をしよう」なんて人もいました。
日本に住まいの人が、トランプ反対の運動をしてどうなるの?
そういう思い込みとかでなく、外国の政策が変わったなら日本はどうすべきかということを考えるべきです。
せめてトランプに対抗できる人を選ぼう位発言すべきです。




うそ800の目次に戻る
タイムスリップISOの目次に戻る

アクセスカウンター