注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。
注2:タイムスリップISOとは
注3:このお話は何年にも渡るために、分かりにくいかと年表を作りました。
佐川が若返ってから4年になる。佐川は41から45歳になり、妻の洋子は36歳から40歳になり、長女の直美は14歳から18歳になり、次女の里美は11歳から15歳になった。
若返ってからの佐川の行動は、前世(前回?)とはいろいろ変わったが、佐川以外の家族にとっては前世と変わったかどうかは分からない。
前世と変わったかどうかは分からないが、若返るまでの夫(父親)が、あのときから変わったように感じたのは事実だ。具体的には自信喪失でクヨクヨしていたのが、自信あふれおおらかになった。それは子どもたちにも影響を与えた。
もっとも佐川はそれまでの自分がどうだったかを覚えていないし、そのネガティブな心境の影響が家族に甚大であったとも感じていなかったから、子供たちが変わったのかどうかは思いもしなかった。
今日は土曜日、休日である。前世であれば職を変わっても、休日などなかったように思う。
会社でそれほど働かされていたわけではない。
しかし仕事を失うという恐怖観念から、とにかく働いた。仕事がなければ自分で仕事を作っていた。
会社でいじめられ退職したこと、転職してからの焦燥感というか、あのような状況にはなりたくないと心底思った。それが子供たちに悪影響を与えたのだろうなあ〜
佐川が目を覚ますと、太陽は既に隣のマンションから顔を出している。寝過ごしたと驚いて佐川は布団を飛び出した。
「寝坊しちゃったなあ〜、子どもたちはどこかに行ったの?」
「もう9時過ぎよ。子どもたちはとっくに友達と出かけたわ。今日は夫婦水入らず、アハハハ」
「こんなにのんびりするのは久しぶりどころか、初めてかな?」
「あなたは生まれ変わったと言い出す前から、仕事してないと死んじゃう病気だったから」
「そうかあ〜。自分の居場所を失う恐怖ってのが、身に付いちゃってるんだよなあ〜」
「あなたに限らず1960年頃の人はそういう気持ちはあったわね。1990年代の今は、氷河期なんて言うけど、あの時代とは全く違うよね。少なくても餓死する心配はないわ」
「直美は来年大学だけど、どこに行くの?」
「あのね〜、あなたは、子供がいるなんて忘れてたんじゃないの?
あなたの姿を見ていて、手に職がないとダメだ、夫がいなくても夫が失業しても生きていけるようにならなくちゃと理解したようよ。それで数学科に行くってよ」
「数学? そんなもので食えるのか?」
「なんでも今は金融工学
「里美は留学するのだろう?」
「それがね、あなたがカリカリしたりしょげたりしているのを見て自分磨き、ノリカのような外観でなくて中身を磨こうと留学を思い立ったらしいのよ。
だけど、あなたが生まれ変わってから考えが変わったらしく、今はそんな話は口の端にも出てこないわね」
「どいうこと?」
「親が落ち着いたから、自分の人生に危機感がなくなったのではないの?」
「全ては俺が原因で、ダメオヤジだったってこと?」
「そのようね。良かったじゃない、生まれ変わって。
我が家の中心が落ち着くと一家円満よ」
数日後、未来プロジェクト室に石川が顔を出した。
「浅川さん、お話できますか?」
「おお、さっきの電話の件か?
いいとも、こっち来い」
二人は大きな会議机の隅に寄って、小さな声で話を始めた。
佐川は未来年表を作成しつつ、ここも打ち合わせ場を仕切る必要があるなと考える。
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「聞いて良い話なら、石川さんの相談事は何だったのでしょう?」
「今まで知らなかったのだが、石川さんは広報部で新製品発表を担当しているそうだ。いつも新製品広報の最後に、笑いを取るようなことを話すのが、彼女の売りらしい。
今週末にボールねじの新シリーズの発表会があるので、その最後に有森裕子氏が銅メダルを取ると予言したいという。その了解を取りに来たのだ」
「浅川さんはOKしたのですか?」
「ああ、もちろん未来プロジェクトのことは一切言わないこと、真面目な予言という体はとらないこと、を約束してもらうことでOKした。
問題ないだろう?」
「私が判断する役割ではありません。
ただ……あれですね、他にも同じことを考える人がいるかもしれません。メンバー内にルールとか手続きなどを周知しておいたほうがよろしいと思います」
「そういえば矢吹君だったかな? スポーツ紙に特ダネを売れば金になると言っていたな。そういうことをされたら困るね」
「来週の会合でも間に合うかもしれませんが、通知だけでもしておきましょう」
佐川はパタパタとキーボードを打ってワークフローを書き、浅川はチラッとそれを読んでポンとリターンを押す。
そんな話をしたが、すぐに大騒乱が起きるとは予想もしなかった。
翌週明けの朝、人事部次長の下山が部屋に入ってきた。
「浅川さん、今日の○○スポーツ紙をお読みになりましたか?」
「私はああいうのは読みませんね」
「実はね、ちょっとここではまずいな。隣の小会議室を借りましょう」
下山次長と浅川さんが部屋を出ていく。内緒話なら別の会議室を借りるのだろう、
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30分ほどして、浅川だけが部屋に戻ってきた。
佐川は余計なことを言わず、自分の仕事をしている。好奇心は猫も殺すというから、触らぬ神に祟りなしである。
浅川さんは10分ほど貧乏ゆすりをしていたが、とうとう我慢できなくなったようで、佐川に声をかけた。
「今日の○○スポーツに記事が載っていたそうだ」
「何が載っていたのですか?」
「名前は書いてないが、某大企業で未来予測の研究をしていて、ついにその目鼻がついて、いくつかのトライアル予測を始めたとある」
「まさかウチの流出じゃないでしょうね?」
「その、まさからしい」
「ニュースソースが書いてあるのですか?」
「社名は書いてない。だが紙面に載っていたのは群馬県のパチンコ店内の女児行方不明事件、学校給食からのO157流行、アトランタオリンピックで有森銅メダル、来月安部元学長が逮捕と、君が配った紙の通りだ」
「今月と来月、まもなく起きる事件だけですか」
「そのようだ。すぐに結果が分かるものでないと目を引かいなからね」
「で、どういう手を打つのですか?」
「手を打つ! 対応できる方法なんてないだろう」
「それは異なことを、機密漏洩じゃないですか。誰が漏らしたのか調べて対策しないと」
「誰が漏らしたにせよ、もう手遅れじゃないか」
「じゃあ、何もしないということですか?」
「それしかないだろう」
「冗談じゃない。皆から守秘義務の誓約書を取っているのでしょう。それを根拠に懲戒処分と賠償請求しなくちゃならんでしょう」
「それほどのことなのか?」
「まさか未来プロジェクトのリーダーとして、手を打たないという回答を下山さんにしたわけですか?」
「他にできることがあるのか?」
「お待ちください」
佐川は下山次長に電話をかける。
二言三言話して電話を切り、佐川は部屋を出て人事部に行く。
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5分後、人事部である。4人入れば溢れそうな小さな会議室で、下山次長と佐川が話している。
「浅川さんから話を聞いたのですが、誰かが漏らしたそうですね?」
「犯人の究明を浅川さんに頼んだ」
「浅川さんはもうこのプロジェクトはお終いだから、手を打たないと語っています。
そういうことでよろしいのですか? 私は下山さんが、それを了承したのかどうか確認に来ました」
「なんだって!
まったくよろしくない。まったくそういうことは考えていない。
先ほどプロジェクト室に私が行ったとき、私は漏洩者の究明をするよう指示し、彼はすぐに調べると言っていた。まだ行動に移していないとはどういうこと?
佐川君はどう思う?」
「まず私は自分の持つ情報は、それほど安くないと考えています。まして漏れてしまったからもう終わりなんて簡単に言って欲しくないです。
すず頭に浮かぶのは、漏洩ルートの究明、そして漏らした人、そしてそれを買った人を訴えることです」
「いずれも私が浅川氏に指示したことだ。
訴えることはできるかと思うか?」
「浅川さんの話では、先日私が配った1996年の起きる事件事故の紙に載っていた前半分ということです。ならば、我々以外の情報源ではないでしょう。情報漏洩は守秘契約があろうがなかろうが、罪ですよ」
「新製品情報とか増資とかでなく、世の中の事件一般の予想が該当するか?」
「我々はまさにそれをネタに、ビジネスを始めようとしているわけでしょう。十分営業秘密
「先週、広報部が新しいボールねじの広報発表では、発表の最後に本日の予言なんて言って、有森裕子銅メダルとることと、野茂英雄がノーヒットノーランをするという小話を最後にしていたそうだ。
浅川さんは、それと同じだと言っていたが?」
「私には声がかかりませんでしたが、広報については未来プロジェクトの石川さんが浅川さんに確認に来ていましたね。
その後、どんな理由で来たのかと私が聞くと、広報発表のとき、未来予測を語って笑いを取りたいから、それを話して良いか確認に来たと言っていました」
「それを浅川さんが許可したということか?」
「そうです。私には打ち合わせに声がかかりませんでした。後でそういう決定をしたと聞かされました。
そうそうそのとき、今後、社内で営業などで使うときのルール化をしなければならないという話になりましたね。浅川さんと私の二人の間だけですが。
無断の利用があると困るから、当面、未来予測を使うには、事前に浅川さんに断ってもらうというワークフローを発信しています」
「ワークフローを出した?」
「ええ、石川さんが来たその日、すぐでした。次長にもCCを送っています」
「ちょっと待て、確認する」
下山次長が会議室を出るので一緒に佐川も出る。
下山次長はパソコンを動かしてメールチェックしているようだ。
そして首を上下に振り振り、立ち上がる。
そのまま下山は未来プロジェクトの部屋に歩き出し、佐川はその後に続く。
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下山と佐川は未来プロジェクトの部屋に戻って来る。
「浅川さん、ワークフローを発信していますね、浅川さんの名前で」
「ああ、佐川君が出すべきというので出した」
「じゃ、○○スポーツはルール違反なのだから、しっかり取り締まれるじゃないですか。
先ほどはルールを定めていないから手が打てないと言いましたね」
「だって犯人を捕まえても、情報は拡散してしまったから、手の打ちようはないでしょう」
「そんなことないでしょう。じゃあ、何のために守秘契約をとったの?」
「つまらないことで情報漏洩なんて捕まえても、しょうがないじゃない」
「わけが分かりませんね。会社が金をかけてプロジェクトを立ち上げたことを、大したことないからポシャってもしょうがないのですか」
「じゃあ、どうするんですか?」
「ちょっと失礼」
下山は電話器を取ると電話をする。
「ああ、私だがね。未来プロジェクトの浅川さんと佐川君以外の5名を、人事部に集めてほしい。
それでだが、一人一部屋に入れて隔離してほしい。トイレなど行くときは人事の人が同行して他の人と話をしたり携帯電話で話などしないよう対応してほしい。
そうだ、頼むぞ。
私は30分以内に戻るからそれまで今言ったことを確実にしてほしい。
そうだね、人事に来る前に仲間同士で話をするかもしれない。なんとか人事部から5名集めて、直接5名のところに行って、本人を拘束して電話や話し合いをされないようにしてほしい。
頼む」
「さてと、法務部と……
安達さんですか、人事の下山です。
今日、○○スポーツ紙に当社の未来プロジェクトの話が載っていたようなのです。その話を誰が持ってきたのか問い合わせしてもらえませんか。ええ、弁護士を動かしてください。場合によっては当社から情報を盗み出した者が売り込んだかもしれないと言って……そうそう、問い詰めてほしいです」
下山は電話を切ると、椅子に寄りかかって、さてどうしようかと考える。
「それほどの重大事なのか?」
「それほど重大ではないという理由をお聞きしたいですね。
浅川さんは先ほど私と話したことをしていないようですね。どういうお考えなのかお聞きしたいですね」
「どういう考えとは?」
「私は浅川さんが重大問題と認識して、メンバーを招集して誰か漏らした者はいないか、机上に書類を置き忘れたりしていないか、それを調べてくれているとばかり思っていました。
ところが10分もしないうちに、佐川君が来て浅川さんが何も手を打つ風もないのだが、それで良いのかと言ってきた。私が伝えたことを、浅川さんはどう受け取ったのですか?」
「すぐに動くつもりでしたよ。しかし佐川君がそれを止めようとしたので」
「ほう、私が何を止めようとしたのですかね? 興味がありますので教えてください。
お話次第では、私は浅川さんを、
注:誣告罪とは「人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発などをした罪(刑法172条)」
窃盗などの刑事犯罪ばかりでなく、会社などにおいて問題の責任などの濡れ衣を着せることも誣告罪になる。親告罪ではない。
「とりあえずメンバー5名は集まっただろう。人事に行きましょう。
お二人はご同行願います」
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人事部に戻ると小さな会議室にひとりずつ入れられていた。そして女性には女性、男性には男性の監視役が付いている。
流石、人事は次長が言うと、言われた通りに仕事はするものだと佐川は感心した。浅川さんとは違う。
佐川と浅川氏も会議室にひとりずつ入れられた。佐川は予期していたが、浅川さんは驚いたようだ。
これからひとりずつ下山次長が質問(尋問?)するのだろう。
待つしかない。
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実際には待つほどもなく、10分ほどで佐川の番になった。相手は下山次長ひとりである。
「君はプロジェクト以外の人に、未来のできごとを話したことはあるか?」
「あります。プロジェクトが始まる前ですが、吉井部長、一緒に仕事をしている山口さん、それからこのプロジェクトの発端になった、総務部長と中山さん、生産技術の江本部長と高見さん、それだけですね」
「君は今回の処分は、どれくらいに当たると考える?」
「ふたつあります。
まず漏洩した人物ですね。放置はできません。状況によりますが、もしスポーツ紙に売ってお金をもらっているなら懲戒解雇でしょう。
もうひとつは浅川さんです。一刻を争う問題でありながら逡巡して手を打たないのでは、管理職として資質を疑います。更には私が止めようとしたとは、笑止。
懲戒はともかく更迭があっても驚きません。いや更迭がなければ驚きます」
「それは、厳しすぎないか?」
「広報の石川さんは、広報の仕事でジョークに使って良いかどうか相談に来ました。彼女はプロジェクトに悪影響を与えない事例であっても相談しています。漏らしたのは誰か知りませんが、お金儲けなら許せないですね。
おっと、ワークフローの前なのか後なのかは、考慮する必要がありますね。前なら罪一等を減じ、後なら懲戒解雇です。損害賠償を要求すべきでしょう」
「漏らしたのは営業の矢吹だ。ニュースを売ってお金をもらっている。日時はワークフローの後。正確に言えば、ワークフローを見て売ることを考えたという。
得た金は、とりあえずネタを渡したとき2万もらっている。予言が成就すれば更に10万で、そのときは来月も頼まれていたそうだ」
「なら考えることありませんね。懲戒解雇一択です」
「参考にするよ」
佐川はまた放置されて10分後、下山と浅川が現れた。
「他のメンバーは全員解放した。他のメンバーはそのようなことをしていないという。
彼一人だったようだ」
「彼も若く世の中をよく知らんからだろう。軽い処分を頼むよ」
「浅川さん。彼は営業でどんな仕事をしていたのか存じませんが、バッサリ辞めてもらったほうだ良いですよ。放っておけば、いずれは手形とか契約書とかで問題を起こすでしょう」
「何を語っているんだ、君は。
部下を持ったこともないのだろう。皆家庭に帰れば、夫であり父であって一家を養っているんだ。簡単に首を切るなんて言ってはいけない」
「浅川さん、私が部下を持ったことがなかったようなことを言いますね。浅川さんが何名部下を持ったことがあるのか知りませんが、私は二百数十名の部下を持っていましたよ。思い込みで発言してはいけません」
「200名だって。ふざけんな」
「そういう自分が正しいと思う思い込み、人に押し付ける態度がいけないのです。
浅川さんは、私が部下を持ったことがない証拠でもご存じですか?」
「浅川さん、佐川君は本社に来る前は、正真正銘の現場の課長で、部下に社員200名、パートが数十名いましたよ」
「そう……なのか」
「管理職なんて数字と品質だけじゃありません。
朝、酒臭い息をして出勤して来る人を説得して帰すとか、労災・私傷病のお見舞い、ご家族のお葬式参列、なんて毎月のことです。営業の管理職には思いもつかんでしょう。
私が懲戒解雇を出したことがないとでも思っていたのですか」
「しかし懲戒解雇となると……」
「浅川さんは加害者のことばかり考えているようですね。
被害者のことは考えないのですか?」
「被害者?」
「情報漏洩は被害者なき犯罪じゃありません。具体的な被害者がいます。
被害者には会社もですが、プロジェクトのメンバーも入ります。プロジェクトを立ち上げようとした人もいます。そういった人たちは、次回の事件で査定はマイナスになるでしょうね。
情報漏洩が犯罪であると実感できませんか?
会社の製品を持ち帰って売ったらどうですか、懲戒解雇は当然です。
会社の情報を売ってお金を得たなら、懲戒解雇でしょう。
まだモノになるかどうか定かではありませんが、未来プロジェクトの貴重なリソースである情報を売ってお金を得ていたことは、会社から製品を盗むのと同罪です。
懲戒解雇にできない理由をお聞きしたいですね」
「違いはないかもしれんな」
「私から見て、浅川さんの価値観、行動理念が理解できませんね。
はっきり言って危険人物じゃないですか」
「君は私を危険人物というのか?」
「そう思います。
浅川さんは仕事を甘く考えていませんか?
開発で特許を取ろうとしているとき、関係者がそれを他社に売ったとしましょう。
それを見て、厳しい処分をするなという人がいたら、新製品に命を懸けている研究者や営業が、協力して意欲的に仕事ができますか?
あげくに下山次長から仕事が遅いと責められたら、私に責任転嫁ですか、たまげましたね」
「佐川君、ちょっと頭を冷やして明日再び考えよう。今日は解散だ」
本日の懸念
この物語は簡単に首を切るなんて思われたかしれません。そうでしょうか?
私が最初に勤めたところは、1000人くらいの工場でしたが、懲戒解雇は数年に一人はいましたね。一般の会社はどうなのでしょう。
厚生労働省の出している就業規則雛形
実際に懲戒解雇が出ていないのは、企業が自ら定めた就業規則を厳格に運用していないからでしょう。まさか聖人君子ばかりの会社があるとは思えません。
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注1 |
金融工学(Financial Engineering)という言葉は1970年代から使われていた。ウォール街でデリバティブ商品の開発で使われたのは1980年代以降。![]() | |
注2 |
営業秘密の定義 「この法律において『営業秘密』とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう(不正競争防止法第2条第6項)」 ![]() 営業秘密の3要件 秘密管理性……秘密として管理されていること 有用性 …………事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること 非公知性………公然と知られていないこと ![]() 不正競争防止法における営業秘密に関する規定は、1990年改正で民事規定が追加され、その後、2009年の改正で営業秘密領得罪(刑事罰)が追加され、2015年に重罰化された。 ![]() | |
注3 |
厚生労働省 就業規則(雛形)![]() 就業規則(雛形)第68条第2項 労働者が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第53条に定める普通解雇、前条に定める減給又は出勤停止とすることがある。
![]() 地方公務員法にも国家公務員法にも同等の文章がある。 地方公務員法 第32条 「職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」 ![]() |
おばQさま 過去転生の小説は、簡単なようで難しいのですが、今回もしっかりしたお話ですね。 >家庭の改善 これって基本ですよね、いくら未来予測で金持ちになろうが、家庭が幸せでなければ意味がない。 そういう「当たり前」を大事にされています。 >未来予測 一方で、会社の方は、案の定? 問題発生。 浅川>「それほどの重大事なのか?」 90年代大会社アルアルですね。 こんな危機感の無い管理職がイッパイいたような気がします。 80年代はJapan As No.1、2000年まで日本の未来は(Wow Wow Wow Wow) とか浮かれていましたが、何のことは無い、内部は腐っていた。 というより、二次大戦の帝国陸海軍の時から上になるほど無責任。(例外はいます) 佐川は例外に優秀、下山次長は、まともな管理職。 どんな組織でもダメ管理職はいるから、今回のように問題行動に歯止めが働くかがガバナンスの問題。 外資に入って思ったのは、厳しい処分を躊躇わない点。 それは、個人の存在と、雇用契約は別ものだと考えているから。仕事を離れれば一人の人間で会社と無関係。 なぜ日本型組織がガバガバ・ガバナンスなのかは、人と雇用を一体だと思い込んでいるからかもしれません。 だから「皆家庭に帰れば、夫であり父であって一家を養っているんだ。」なんて言葉が出てくるのでしょう。 雇用契約は雇用契約、家庭は家庭であり、それを守りたければ違反はしてはいけないし、家庭がある事を理由にしたら、独身社員と差をつける事の矛盾に気付かない。 規則は社員に同様に適用すべき。 |
外資社員様 毎度ありがとうございます。 21世紀の今はセクハラ、パワハラが取りざたされていますが、1990年代までは当たり前という時代でしたね。 それが良かったとは言いませんが、それに負けない強い気持ちを持つことも必要かと思います。 私の部下でウツになった人がいましたが、正確に言えば他の職場でウツになり、それを隠して私の職場に厄介払いされたのでした。私もだいぶ気を使って定期的に自宅訪問とかしましたが、前の職場の課長はおばQのせいでウツになったと社内で言いふらし、本人は自宅で高級オーディオで音楽を楽しみ、数か月で休職期間が切れる前に1週間くらい顔を出しと、いいようにされました。踏んだり蹴ったりですね。 池井戸潤とか弘兼憲史の描くサラリーマン世界は、ウソというか、どこか異世界のお話にしか思えません。 本格的にサラリーマン物語を書こうかって気もしますが、あまりドロドロ描くと後から刺されそうです。 まあすまじきものは宮仕え、叱られるのも給料の内と諦めましょう。 |
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