タイムスリップISO76 未来プロジェクト4

25.04.28

注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。

注2:タイムスリップISOとは

注3:このお話は何年にも渡るために、分かりにくいかと年表を作りました。



未来プロジェクトの情報をスポーツ新聞に売ったことで、未来プロジェクトの関係者は大騒動になった。社内では誰も気づかなかったようだ。そもそも内外に宣伝するようなものではない。
ついでに言えば、○○スポーツ紙の記事は誰も気を留めなかったようだ。
「ああ、○○スポーツね」とか「またいつものガセか」というのがいつものリアクションだった。

10日もかからず、情報を売った矢吹五郎は懲戒解雇となった。未来プロジェクトのメンバーは当然だと見ていた。考えてみれば当たり前だ。
矢吹五郎
サヨウナラ、たった
一度の登場でした
新製品の情報を競合他社に売ったと同じレベルの問題だ。
異動したとき守秘義務契約をしているし、石川さやかが広報時に未来プロジェクトの情報を使うことを相談に来たこと、そういった事例は必ずプロジェクトの上司に確認することというワークフローが回ってきてからのことだ。
たった2万とか10万で売るようなことではない。むしろ、いかに矢吹がアホだったかというニュアンスでとらえらえた。


管理者である浅川四郎は、さっさと早期退職してしまった。
浅川さん
難しい仕事は嫌いだ
ハンコ押しが良い
浅川も懲戒解雇はないにしても、何らかの懲戒処分を受けるだろうと思った。それなら定年退職扱いの早期退職を選んだ方がましだと考えたのだろう。
浅川はメンバー全員に退職・退任の挨拶メールを送って、それ以降年休を取って出社しなかった。

これまたプロジェクトのメンバーは冷たい。佐川に罪を擦り付けたことが広まってしまったからだ。
戦場で兵士が恐怖を感じるのは負け戦ではなく、上官が無能と気づいたときという話もある。我が身可愛さで部下を悪者にするような上司じゃ、一刻も早く変わってもらったほうがありがたい、そう考えてもおかしくない。

とはいえ、これからどうなるのかなと皆、心配した。まさかプロジェクトがポシャルことはないだろうが……



佐川も含めてこれからどうなるのかという懸念はしたが、予定通り進めろという下山次長の指示で、メンバーは毎週2回集まって、佐川の語る未来史を学んでいた。


7月も末となり、佐川が皆に示した7月分の予言は、次々と現実となっていった。
パチンコ屋で行方不明となった女児は月末まで見つかっていない。たぶん永久に見つからないのだろう。


大阪府堺市の学校給食での集団食中毒は猛威を振るい、佐川の予言通り3名が死亡した。佐川は感染者1万人弱と言ったが、有症状者は1万4千名を超えた。まあ、これは調査方法とか区分によっての差異だろう。 カイワレ大根

このときカイワレ大根が原因と言われたが、後にそうではなかったことが判明し、風評被害にあったカイワレ業者が国を相手取った裁判で勝訴している。
風評被害の恐ろしさ、そして被害者が救済を求めて裁判を起こすという流れが確立した。マスコミも嘘を垂れ流してはいけないと認識して……いないようだ。

風評被害とは昔からある言葉ではない。1990年頃から使われ出した言葉である。
一般に、「正確ではないうわさや偏った情報によって、実際に経済的・社会的な損害を被ること」という意味で使われている。

だが、よく考えればそうではなく、「マスコミの故意・過失による事実と異なる報道によって、実際に経済的・社会的な損害を被ること」が大半である。
風評被害の例を検索すれば、所沢市ダイオキシン、福島第一原発事故による農産物、水産物の放射能汚染、O157のカイワレ大根原因説など多々出てくる。皆マスコミ主導だった。


7月28日 有森裕子はアトランタオリンピックで見事銅メダルに輝いた。そして「自分で自分をほめたい」が流行語になった。

メダル 実際のゴール後のインタビューでの話はもっと長く、含蓄のある言葉である。
「メダルの色は、銅かもしれませんけれども、終わってから、なんでもっと頑張れなかったのかと思うレースはしたくなかったし、今回はそう思っていないし、初めて自分で自分をほめたいと思います」

アトランタオリンピックで日本の得たメダルは、金3個、銀6個、銅5個である。
2021年の東京オリンピックのメダルは金27個、銀14個、銅17個の合計58個である。1996年のメダルは今の何倍もの感動を日本にもたらした。


すると○○スポーツ紙がひと月前くらいに載せた未来予測記事が脚光を集めた。
ほとんどのテレビのワイドショーで、未来予測を研究している会社はどこか? 来月の予測も出るのか? 株の相場は? 為替は? と話題にした。
コメンテーターは脚本があるのだろうが、そういうことをいかにもな調子で語る。
とはいえ、それも1週間ほど全国の話題となっただけで、半月も経つとすっかり忘れられた。

ときどき下山は未来プロジェクトの部屋に来るのだが、数日ワイドショーで話題にならなかったときに、「やっと落ち着いたな」とほっとしたように言った。
未来プロジェクトにとっては、これからが本番だ。形ある成果を出さなければならない。



*****


7月が過ぎた。佐川が7月に起きると語ったことすべてが予言通りだったことは、メンバーの信頼を得るには十分だった。予言には良い話も悪い話もあったが、それは仕方ない。
だから本題である佐川の予測に、どんな利用方法が考えられるかを考える意味は十分に理解された。

だがマネジャー不在で先行きが見えない現状はメンバーにいささか不安を残した。
それじゃ佐川をマネジャーにというのは簡単にはいかない。なにしろ伝統のある大会社()だから、プロジェクトマネジャーは部長級であることが暗黙の約束なのである。

であるのだが、役職がない部長級あるいは役職定年した部長というのが、また掃いて捨てるほどいるのだ。下山が適当な人間を探していることだろう。


プロジェクトマネジャーの不在をいいことに、佐川は総務部に依頼して未来プロジェクトの事務所を若干改造した。
まず入口部分に5坪ほどの小部屋にして、部外者はそこで打ち合わせることとして、その先に入れない。また同様に中に仕切りのある打ち合わせ場を作った。



7月半ば、後任の辞令が出て本人がやってきた。
後任のマネジャーは以前、府中工場のISO9001認証の指導に行ったとき会った佐山課長だった(第51話)。
あれから1年半、佐山課長は部長になったのだろうか。あるいは定年昇進(注1)の類なのだろうか?

佐山吉田
佐山 55歳
元工場の管理者
吉田 32歳
人事部

マネジャーは浅川から佐山に引継ぎ、矢吹の後を人事の吉田が埋めた。人事の吉田は目付というか内部監視なのだろう。伊達は口悪く目付と呼んでいる。

今日はメンバー全員で第1回の報告として、何をどういう形でまとめて提案しようかという議論だ。


伊達伊達隼人
佐山マネジャー佐山
石川石川さやか
相馬次郎 相馬
本宮洋子  本宮
吉田  吉田
佐川真一佐川

佐山 「第1回報告がまとまるのが8月末と考えると、今回取り上げるのは9月から12月までに起きるイベントが対象でしょうね」

相馬次郎 「以前、佐川さんが配ったものでは、9月17日野茂英雄のノーヒットノーランがあったけど、○○スポーツに書かれちゃったから、あれは使えないね」

本宮洋子 「ノーヒットノーランはすごいことなのでしょうけど、ウチのビジネスに関係なさそうね、
野茂がウチのCMキャラクターでもないし」

相馬次郎 「雌阿寒岳の噴火もあったけど、大きな問題にはならないようだし。
年末のペルーの日本大使館占拠ってどうなんだろう?」

伊達隼人 「佐川さんによると、ウチの関係先にテロはなかったけど、危険は一緒だから早めに全海外拠点に対して、テロ対応の点検とかテロ発生時の手順作成とかを指示したらどうですかね?」

佐川 「佐山さんのおっしゃった対象期間より遅いけど、97年11月にエジプトのルクソールでテロ事件があり、各国からの観光客60名以上が殺されます。日本人も10人殺されたはず」

相馬次郎 「海外旅行に行く際は注意喚起だな」

吉田 「とはいえ個人旅行は規制できないし、下手なことをすると問題だなあ〜」

佐山 「一般論としてテロの危険が高まっていると、社内に広報することは問題ないだろう。報告書に盛り込んで注意喚起しよう」

本宮洋子 「年明け早々にナホトカ号からの重油漏洩が大問題になるそうです。
当社としてボランティア支援とかはどうでしょう?」

佐川 「重油漏れは対処が大変で、特に冬季の日本海は悪天候で波が荒く、油の回収作業が大変です。
当社は特に日本海沿岸と事業は関係ありませんから、直接手は出せませんね。企業としてボランティア希望者に有給休暇の取得しやすい体制とか、ボランティア休暇を与えるとかですかね」

伊達隼人 「休暇だけでなく、ボランティア参加者への衣類や器具を支援するとか?」

吉田 「特定の製品の売り上げの何割かを寄付するとか」

石川さやか 「うーん、アイデアではありますが、宣伝効果とか社内へのアッピールとか、効果あります?」

佐山 「佐川君、もう少し対象期間を長めにすれば、どんな事件があるのだろう?」

佐川 「1月10日松田聖子と神田正輝が離婚……これはしょうもないですね。
1月23日セガエンタープライズとバンダイが合併を発表するのですが、5月にはその話はナシになります」

吉田 「バンダイの株価はどうなりますか?」

佐川 「すみません、そこまで分かりません。
次ですが、3月にはいくつもの大手企業が、総会屋に利益供与していたとして、各社の総務部門から逮捕者を出します」


注:株主(投資家)の相手をしたり株主総会を取り仕切るのは、総務部が担当するのが普通である。株式部と部レベルにしてしている会社は聞いたことがない。


吉田 「それは重大なニュースだな。今から当社も内部点検をしておかねばならない。
佐川さん、いくつもの大手企業と言ったけど、社名は分かりますか?」

佐川 「うっすらの記憶ですが、味の○、三○電機、三○地所、○芝、日○などでしたね。10月には松○屋もありました」

佐山 「皆一流というか大手だねえ〜」

吉田 「取り締まりが厳しくなったということでしょう。ほんの10年前までは、総会屋は反社と認識されていませんでしたから。東証一部の社長が大手総会屋と会食なんて普通でしたよ」


注:「反社会的」という言葉が使われるようになったのは、つい最近、2007年に警察庁が出した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(2007)」が始まりだそうだ。それ以降、契約書などに「反社会勢力でないこと」のような記述がされるようになった(法律で記載を求めた)。

と言いつつ廃棄物の契約書に「甲及び乙は、相手方が反社会的勢力である場合又はそれと関係がある場合には、相互に催告することなく、この契約を解除することができる」なんて文章を、いつから記載するようになったか思い出せない。たぶん、全ての廃棄物処理委託契約書を一斉に取り直したはずだが、それを覚えていない。


佐山 「そういうことでしょうね。捕まえるなら大手で一流の方が、手っ取り早いし効果があるだろう。一罰百戒だからね。我々も、人の振り見て我が振り直せだ。
佐川さん、覚えていることだけでも文章化してほしい」

佐川 「了解しました。
97年後半は倒産続出ですね、9月ヤオハン、11月三洋証券、拓殖銀行、山一証券と続きます」

佐山 「バブル崩壊の影響か?」

佐川 「バブル崩壊の象徴と言われました。
おっと、忘れてはいけない、重大問題として7月にアジア通貨危機があります」

吉田 「アジア通貨危機? それは聞き捨てなりませんね」

佐川 「1997年7月タイのバーツ暴落に始まり、アジアの中でもドルペッグ制を採用していたフィリピン・韓国・シンガポール・マレーシア・インドネシアなどに波及します。ヘッジファンドによる被害とも言えますが、そもそもが実力以上に伸びすぎたせいですかね?
これらの国々は、外貨準備不足で、為替下落による「自国通貨で見た対外債務の急激な増加」によるデフォルト(債務不履行)危機に陥りました。日本は韓国救済に大金を使いましたが、韓国は日本に感謝しませんでしたね。
日本は逆に融資の焦げ付きで金融危機になります。そうそう10月上旬、一日二日で円が対ドルで20円も急騰します」

相馬次郎 「以前佐川さんが言った1997年の大変動ですか」

吉田 「それはビジネス上重大な危機ですね。
佐川さん、概要をまとめてください。経理部・財務部で検討してもらいましょう」

佐山 「芸能人のくっついた分かれたはどうでも良いとして、まとめると
ナホトカ号について当社ボランティアの対応
ペルー大使館と海外拠点のテロ対策
総会屋への利益供与問題、社会の目が以前より厳しくなったこと
来年下期に大型倒産多発
アジア通貨危機対策
そんなところで良いかな?」

吉田 「それだけですと毎月の話題が足りないから、スポーツの記録とか、芸能界ニュースなど月1件程度、色を付けるということでいかがですか」

相馬次郎 「テーマ選択はよろしいですが、どういう風に対応すべきかの提案は、具体化しなくて良いのですか?」

佐山 「吉田君のいうスポーツや芸能は色を添えるだけで良いだろう。
メインテーマだけ内容によって対応策、あるいは活用策と効果を提言しよう。
ボランティアの支援は、人事部でまとめられますか?」

吉田 「他社の事例などを探せば、適当にまとめられるでしょう。ある程度、ボランティアを出すような方向で行きますか」

佐川 「あのう〜、ナホトカ号の油回収作業は、冬季で強風の中での作業でした。それでボランティアにも死者が出ます。推奨する方向もなんですね〜」

吉田 「死者が出たのか。あまり煽るのもいけないか」

佐川 「それでその後、ボランティア活動へ参加する人は、ボランティア活動保険などへの加入が推奨されるようになりました。そういった情報提供は会社としてすべきでしょう」

本宮洋子 「ボランティア保険を、会社が掛けてやるというのもありそうですね」

吉田 「これはやはり皆で議論しましょうや」



佐山 「ペルーの日本大使館事件から考えらえるのは、テロ対策を真剣にすることだが、直ぐにどうこうは言えない。
今後の課題だ。これは人事マターで良いのかね?」

吉田 「人事マターではないでしょう。テロ対応部門って、どこになるのですかね?」

本宮洋子 「本来なら危機管理室とかなるんじゃないかな?
ウチではまだそういう部門を作ってませんから、対応するところがなければ総務ですよね。総務の職掌は、他部門がしない仕事ですから、アハハハ」


注:企業で危機管理室とかイクイバレント(似たような部門)を置くようになったのは、2001年のWTCテロ以降らしい。


佐山 「ええと、私の前任者からの遺言なんだけどね、福島第一原発に防波堤を作るのを考えてほしいと言われた。佐川君の話では原発は地震では大丈夫だったが、津波で破壊されたそうだ。

浅川さんは福島原発の近く出身らしい。引退して防波堤を作れという運動をするそうだ」

伊達隼人 「辞めた人に宿題残されてもね〜」

相馬次郎 「個人で堤防を作る運動はともかく、企業で原発を守る堤防を作るのは筋違いですよ」

佐山 「例えばだけど、当社が防波堤を作って東電に寄贈すると宣言したらどうだろう?」

伊達隼人 「それは、また

吉田 「防波堤を作るのに、どれくらいかかるのですか? もちろん地震に耐え、津波を防げるものとして」

佐川 「震災後に行われた調査では、20mの津波を防ぐ防波堤があれば非常用電源は守られたそうです。原発を囲む防波堤は総延長1.5キロくらいで、これを作ると300〜400億という試算があります(注2)

現実に事故が起きた未来での対策費用見積もりは、原子炉のメルトダウン、放射能の放散、除染費用、補償、廃炉費用などで20兆円だそうです。
もっとも私の知る限りまだ対策完了の見通しが立っていません。20兆では済まないでしょうね」

吉田 「400億で20兆円の効果……投資対効果は500倍か、当社の体力でも不可能じゃないような気がする。
ウチが援助しますって話もあるか……」

伊達隼人 「当社の体力とは無関係ですよ。東電と無縁な企業がそんなことします? 定款どころか企業倫理に反しますよ」

吉田 「経団連が出すってのはどうだ?」

石川さやか 「誰が言い出すかより、その理論構築ができるかどうかよ。
現時点、誰も事故も地震も起きるとは思っていないのだから」

佐山 「それこそ、これからみんなで考えるんだ」



*****


1カ月後、人事部である。
下山次長と吉田が、佐山プロジェクトマネジャーから届いた第1回報告書を前にして話している。


下山 「未来が見えても、すぐに現金に換算できる効果が出るわけではないのだな」

吉田 「いえいえ、まず佐川氏が予言したことは、今まですべて当たっています。
メンバーはそれを理解しているから、具体な問題がいつ起きると言われれば、真剣に考えています。
今回のテロ対策、総会屋、それだけでプロジェクト設立から今までのメンバーの人件主費、副費は回収したと思います」

下山 「プロジェクトの費用だけ回収してもしょうがない。企業にいかほど貢献するかだよ」

吉田 「ですから経理や交際状況の一斉点検ですよ。10億売り上げを上げるより、総会屋や暴力団との癒着の方が大問題です」

下山 「確かにまず総会屋対策の総点検だな。談合もあるな……経理部、監査部を集めて内部監査実施の検討会だ。夏までに臨時監査をしないとならない。
それからボランティアはウチだって意識高い若手もいるだろう。制度を整備すること、万が一に備えての意識付けや保険だな。
危ないことするなだけでは時代に遅れてしまう」

吉田 「それこそ人事マターですね」

下山 「吉田はこのプロジェクトは続けるべきと思うか?」

吉田 「思いますね。他社の新製品とか20年後の発明等の情報を基に関連する特許を取っておくのは当然としても、それは未来を知って行うべき最優先事項ではありません。
一番は世の中の流れを先取して、価値観、倫理観をいち早く会社に浸透させることじゃないですかね。
案外、プロジェクトから未来の幹部候補が出るかもしれませんよ」

下山 「その逆の矢吹矢吹五郎の件もあったけどな」

吉田 「まあ、それは仕方ないです。管理者も問題でしたし」

下山 「浅川さんは人選ミスだった。平時に優秀な指揮官が有事に優秀とは限らない」

吉田 「平時でも問題だったんじゃないですか。でなきゃ今頃、関連会社の幹部だったでしょう」

下山 「まあ、そう言うな。俺も今まで仕事で成功したのは半分で、半分は失敗だよ、アハハハ
とはいえあの佐川はまともな判断をしたな。青臭いところが好かんけど」


人事の仕事は人が相手だから責任重大、常に緊張していると思った。
そんなことを人事担当者に聞いたことがある。
その男、カラカラと笑って「新卒採用ですぐに辞めるのが何人も出ると、査定が下がるんだよね」とのこと。それほど真剣でもなさそうだ。



うそ800 本日の愚考

未来を知れば、楽ができるか、金儲けできるか、事故を避けられるか?
ちょっと考えると、そういったことはとんでもなく難しいことが分かる。

馬

一番手っ取り早いのが競馬だろうけど、G1の過去の勝ち馬など知らんわ、
それに万馬券といっても、元手が1万では100万にしかならない。大金を稼ぐのは難しい。
未来が見えても人生は楽ではない。



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注1 定年昇進とはお役所とか旧態然とした会社で、定年直前に階級あるいは職階を上げることである。自衛隊なら現役で二佐になるのは、非常に優秀な人だけらしい。多くは定年直前まで三佐でいて、定年直前に二佐で退役(退官時特別昇任)となる。
同様な制度は公務員全体で見られる。退職時に敬意を表することや待遇を少し上げるという意味があるらしい。

注2 福島第一で東日本大震災のときの津波に対応する防波堤を建設していたら、津波による原発の損壊は免れたという報告はある。
原発所長だった吉田氏の書いたものもあったと思う。

津波の高さ20m、防波堤の長さ1.2キロくらいとして、防波堤本体200〜300億、地盤改良など100億、維持管理に年数億とある。400億かければ防波堤はできるらしい。

400億というと途方もなく思えるが、原発を止めると1日数億から10億かかると言われる。東日本大震災以降、多くの原発が何年も停止していたが、日々それだけのお金がかかっていると思うと、防波堤位しっかり作ってほしいと思う。

なお、福島第一原発の損害額(除染費用、補償、廃炉費など)は20兆円以上にのぼるとされているが、今までの様子では見通しがつかないというのが正解のように思える。






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