タイムスリップ167 新しい地平4

26.05.11

注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。
ご注意ですが、法令は物語の時点を記しており、その後、改正があって現時点と異なるものがあります。

注2:タイムスリップISOとは

注3:このお話は何年にも渡るために、分かりにくいかと年表を作りました。





本日の主たる登場人物
大泉首相 奥山総務相 森官房長官 安部幹事長 山田危機管理監 伊藤事務官 佐川
大泉首相 奥山総務相 森官房長官 安部(やすべ)幹事長 山田危機管理監 伊藤事務官 佐川真一
一番偉い人 防災担当
大臣
総理大臣の
秘書役
次期総理
らしい
災害担当の
偉い人
山田氏の
子分
未来を
知る人
政治家 公務員 会社員

注:名前が似ていると思われた方、それって勘違いですから




2002年6月某日 首相官邸である。
佐川の実力というか実態を把握するために、先日、首相に指名されたメンバーとそのブレイン合わせて約15名が集まった。
まずは佐川に未来の話をさせて、それが施政に役に立つのかどうか見ようというわけだ。

佐川
挑戦を受けよう
その趣旨は山田危機管理監から佐川に伝わっている。それを聞いた佐川には「勝手にすれば」という気持ちもあるが、日本が良い国になって欲しいという気持ちもある。そのために自分の持つ情報を伝えたい気持ちは大いにある。使って欲しいのだ。

1990年からの失われた〇年は、時と共に10年・20年・25年と、どんどん伸びている。今の時点、10年で止めることができるなら、ぜひそうしたい。そのために最善を尽くそうと思う。


まずは森官房長官からの挨拶である。


森官房長官 「まず前提として未来を知っている人物を得た。未来を知っていると言うと疑惑を持たれるのは分かるが、彼の語った未来は今まですべて事実となっている。その事実をアプリオリと理解してもらいたい。

その未来の知識を政策に反映したいというのが、このプロジェクトの目的だ。信じられないと思うのも分かるが、まずは話を聞いてもらう。
では佐川さん頼みます」

佐川真一 「佐川と申します。私は単なる普通のサラリーマンです。予言者とか占い師ではありません。
私は1949年に生まれて定年まで働き、73歳まで年金生活をしていました。
そう聞くと年月がおかしいと思うでしょう。引退した私が、ある日昼寝をして目が覚めたら1993年に戻っていたのです。

時を戻ったのでなく、未来の夢を見ていたのかもしれません。ともかく元の時代に戻った私は、その日から当時の暮らしを始めたわけで、当時勤めていた会社で仕事をしました。
すると経験した記憶のある出来事が、次から次と全く同じく発生しました。人生は失敗と後悔の積み重ねです。二度目の人生なら、失敗しないように後悔しないように生きようと思いました。

会社の不祥事やケガ人が出るのを知っていましたから、大事(おおごと)になる前に内部告発するとか、怪我する前に事故が起きないように手を打ちました。
また会社が損を出さないように提言し、正直言って数百億の効果を出しました」


男女女男 「数百億ですって!

佐川真一 「皆さんご存じと思いますが、4年前から地震予知をしている今村博士、2年前からさまざまな予言をしているドクター・マジックをご存じでしょう。彼らの語る予言の元ネタはすべて私から出ています。
私が語っても知名度がありませんから、彼らに広報してもらっているのです。

そして私の予言は、1年前から政府にも情報提供しています。北朝鮮の工作船、芸予地震、また大事件になるのを防いだ行田小事件、明石歩道橋などもあります。


ということで官房長官から話がありましたが、信じる・信じないはともかく、これからの20年・・・申しましたように私は2023年に未来から過去に帰ってきていますから、それ以降の未来は知らないのです・・・これからの20年の大要をお話しします。

本日は私の予知を採用するかしないかの口頭試問らしいので、私の話を聞いて決めてください。
これからの20年は災害、経済恐慌、政変が続きます。それをうまく乗り越えて私の体験した未来より良くなってほしいと心から願っています」


佐川はスクリーンの前に移動し、パワーポイントを映し出す。


プレゼンテーション
聴講者
聴講者

佐川真一 「それではこれからの10年のあらすじをお話しします。
今年、2002年9月、ここにいらっしゃる大泉首相が北朝鮮を訪問し、拉致被害者5名が戻ってきます。
首相が既に決断しているのか、これから検討するのかは存じません」


男男女男女

「北朝鮮は拉致を認めたの?」「えっ、本当!」と声が上がる。

大泉首相大泉首相は何も言わず、あごをなでている。


佐川真一 「2003年はあまり大きな出来事はありません。
とはいえ7月に九州で集中豪雨のため多くの人が亡くなります。また同じ頃、宮城県で大きな地震があります。


2004年には大きな出来事が続きます。
中国人が尖閣諸島に上陸し、中国の領土だと騒ぎます。
このとき日本政府は上陸した中国人を捕らえて中国に帰しました。中国は日本の対応が甘いと受け止めたのでしょう、同様のことが繰り返されます。

10月に新潟南部で大地震が起きます。後に中越地震と命名されます。大きな山が崩れ、木々が生えたまま移動したと言われるような震災でした。


2005年にはインドネシア・スマトラ沖地震が起きます。マグニチュード9.1で地震のエネルギーの大きさでは1900年以降のビッグスリーに入るそうです。

サンゴ礁 この地震でインド洋の周囲の、インド、スリランカなど、ソマリアやアフリカ沿岸、マダガスカル、モルディブなどの島々、東南アジアのタイ、マレーシアまで津波が襲いました。

この地震の死者は30万と言われます。オーストラリアにも津波が襲いましたが、死者はいませんでした。
日本は直接の被害はありませんが、被災地で観光客など40名が亡くなりました」


男男女男
「えっ---」


佐川真一 「2007年頃から中国の尖閣諸島へのちょっかいが激しくなります。中国政府は公式に領有権を主張します。

また消えた年金問題というのが起きます。情報システム移行時のミスや管理の目が届かなかったりして5,000万件もの記録が分からなくなるという大問題でした。


2008年からが苦難続きになります。
アメリカのリーマン・ブラザースという投資銀行が64兆円という負債を抱えて破綻します。2008年の日本の一般会計が83兆円、GDPは545兆円でした(注1)日本の国家予算の8割、GDPの1割が一企業の負債ですよ。驚きます。

当然アメリカは大変なことになり、この影響で日本だけでなく世界中が不景気になります。翌年3月には日経平均株価が8,000円になりました。日本のGDPは10%減となります。
このリーマン・ブラザースの倒産から始まった恐慌を、日本ではリーマンショックと呼びます」


男 「冗談言うな!


佐川真一 「冗談なら良かったですね。日本経済は大変な状態になります。そして先ほど申しました社会保険庁だけでなく、省庁のミスとか国会議員のお金の問題で国会は大揉めになります。そんなことで自由党は支持を失い2009年夏に解散総選挙となります。
その結果、民衆党308議席、自由党119議席という結果になります」


男男
「なんだって! そんなバカな!」

佐川真一 「リーマンショックを乗り越えようと諸外国では金融出動する中、新しい烏山(からすやま)政権は、対応が消極的で腰が重く、円は上がる一方で11月には1ドル86円となります。


日本のGDP推移

他国と同様に大胆な金融緩和と、大規模な為替介入をセットで行っていれば、輸出産業の空洞化や株価の低迷を防げた可能性があります。
この時の「円高放置」が、後にバブル崩壊後の不景気を長引かせた批判されます。私も事実だと思います。

そんなことで日経平均は下がる一方、日本経済は壊滅寸前です。
カラスは頭が良いと言われますが、総理大臣の烏山はそうでなかったようです。能天気でその場その場で言うことが変わるので、外交も内政も破綻寸前になります。

カラス カア カア

そんなわけで1年も持たず早々に退場し、2010年に(かんな)が首相になります」

奥山総務相 「薬害エイズの鉋か・・・・口先男、いや口だけ男だったな」

佐川真一 「この頃から中国の尖閣諸島を自国領土だという動きが激しくなります。日本の内政が混乱しているこの機会にということもあるでしょうし、政権与党が親中派ということもあったのでしょう。
明日にも尖閣諸島は中国にとられそうでした。いや鉋首相が、尖閣諸島を中国に差し上げるんじゃないかとさえ思えたのです」

大泉首相 「それはどうなったの?」

佐川真一 「それ以降、今に至るまで中国は尖閣諸島は中国領土と言い、領海侵入を繰り返しています。
私の言いたいことは、2004年に中国がおかしなことを言い出したとき、はっきり『毛沢東は尖閣諸島を日本領と認めていた』と、突っぱねれば良かったのです。

現実は、今では日常的に中国の公船、すなわちコーストガードが尖閣諸島を巡航しているのです。
曖昧が長く続けば、日本の領土という主張は弱まるのが見えてます。70年も続けば竹島と同じく相手の領土になるでしょう。


話を戻しますと、民衆党政権の外交も内政もグダグダ、めちゃめちゃなとき、東日本大震災が起きます。
3月11日お昼、三陸沖を震源にマグニチュード9.0という大地震でした。関東大震災がマグニチュード7.9、阪神淡路大震災が7.3です。マグニチュードが1違うと、エネルギーは32倍だそうです。
ちなみにこのみっつだけが大震災と呼ばれます。

地震そのものより、津波の被害が大きい。青森から岩手、宮城、福島、茨城、千葉に至るまで津波の被害を受けます。死者・不明者20,000人という被害が出ます。
そして福島県にある東電の原子力発電所が地震と津波で破壊され、地震の翌日、水素爆発に至ります」


男男女男男女
っ---」


安部幹事長 「それでどうなりました?」


佐川はパワーポイントで状況を説明する。
皆は声もなく話を聞いている


佐川真一 「まあ、今から10年間は、このようなに災害、経済恐慌、政変など、日本人が皆ジェットコースターに乗ったように翻弄されます。
こんな未来は皆さん望んではいないでしょう。皆さんだけでなく国民も」

男 「どうしたらいいんだ?」

佐川真一 「それは一国民がどうこう言えることでなく、言ったところでどうにもなりません。
国家を考えるのは政治家です。皆さんが有能な政治家であるところを見せて欲しいです」

森官房長官 「少し休憩しましょう。再開は、15分後、よろしくお願いします」



トイレに行く者と佐川を取り囲む者に分かれた。

女 「地震対策なんてどうするのよ!」

佐川真一 「一般家庭でも非常時に備えて、非常持出しリュックとか飲料水の備蓄などをしています。
自治体がすることもあるでしょう。例えば町内会の再編成もあるかもしれない。学校や町内会で、避難訓練を毎年行うのもある。炊き出しの訓練もある。
最悪に備えて、兵士が付けるドッグタグ着用を国民の義務にすることもありかもしれない」


注:ドッグタグとは、元々は兵士が首にかけているチェーンの付いた金属板で、氏名、血液型などを刻印したもの。戦死したときの確認のためである。


佐川真一 「国がしなければならないこともあるはずです。大規模災害時の各省庁の統一的動き、警察・消防などの有機的な運用とか
いやすべて例えばの話ですよ。そういうことから考えるべきでしょうね」

女 「そんなこと起きるはずないわ、バカバカしい!」

佐川真一 「バカバカしいと言えるのは、まだ起きてないからです。
阪神淡路大震災のときクレジットカードが使えないから、最低10万は現金を常備すべきだと言われました。そういう教訓を大事にしたいですね」

男 「佐川さんは、個人がしている対策を行政にしてほしいのですか?」

佐川真一 「思いません。国民は皆、そういう心構えと準備をすべきでしょう。
政府や自治体のすることは、個人ではできない大局的なことです」

男 「大局的とは?」

佐川真一 「個人は災害時に3日間暮らせる準備をしろと言われています。
自治体は、自衛隊や救助隊が来てくれるまでの一週間、住民が生きる方法を考えなければならないでしょう。そうですね、テントを用意するとか、停電でも浄水場を動かす方法とか、
政府は、それからのことを考えていないといけません」

男 「戦争じゃあるまいし」

佐川真一 「戦争じゃなくても、水も電気も2日3日(ふつかみっか)でなく、例えば半月止まったらどうですか?」

男 「ありえない、そんなこと」

佐川真一 「最善を期待して最悪に備えよと言います。最悪を見ようとしない意気地なしは、政治家を辞めてください」

安部幹事長 「佐川さんのお話をもっとお聞きしたいですね」

佐川真一 「おや、そうおっしゃる方は珍しいですね・・・皆さん臭いものには蓋、見て見ぬ振りですから。
えっ、安部(やすべ)幹事長ではないですか!
気安く声を掛けられるとびっくりします。心臓が止まるところでした」

安部幹事長 「今までのお話は出来事です。佐川さんは、それにどう対応するかというアイデアもお持ちですよね?」

佐川真一 「考えていることはあります。でも、それを話すのは越権行為でしょう。
ご依頼では未来の情報提供を求められただけです。何をすべきかを言ってはいけないと考えています」

安部幹事長 「森官房長官、ちょっとよろしいでしょうか?」

森官房長官 「なんでしょう?」


安部幹事長と森官房長官が数回やり取りして、安部幹事長が佐川に言う。


安部幹事長 「これからの部では佐川さんが思うことを何でも話してください。これから起きることはこの表とパワーポイントの写しを見れば分かります。
あなたの思うことを1時間自由に話してください」

佐川真一 「ありがとうございます。お許しが出たなら、好き勝手なことを話させてもらいます」



森官房長官 「休憩は終わりだ。着席してくれ」

佐川真一 「これからの20年間に、起きる重大なことはお話ししました。あとはお配りしたパワーポイントの写しを見れば十分でしょう。
皆さんが今まで通りに考え判断していれば、そのまま世の中は動いていくことを保証します。投資とかお金儲けをするなら、先ほどの話を信じて行えば決して間違いない。
しかし、そんな社会はダメだ、もっと良い日本を作りたいと思うなら、それに(あらが)わなくてはなりません。

どんな風に動けばよいのか、何をすれば良いのか?
それは神様だけがご存じかもしれませんが、誰だって考えます。私も考えました。それを語って良いとのお許しが出ましたので、思うことを語ります。
もちろん同じ山に登るにも登山道はいくつもあるし、人によって体力も趣向も違う。だからいろいろな案があるでしょう。まあ、その一つとして聞いてください。


考えるべき側面は大きくみっつだと思います。

ひとつ、民衆党への政権移譲をどうするか?
ここにいる誰も政権を渡したいとは考えないでしょう。しかしお配りした紙にも書きましたが長期政権のせいか、それとも公務員が能無しなのか、自由党議員がダメなのか、チョンボが続きます。基本的にはその対策が必要です。

できるなら自浄作用で悪いことをする議員を排除することです。要するに悪評を立てられないようにして、支持率を落とさないことです。

そしてどうしても政権を渡さなければならないこともあるでしょう。それが2009年総選挙ではリーマンショック対応も、東日本大震災の対応も、民衆党の能無しがハンドリングするようになる。
それはまずい。

ならば政権移譲を2006年末くらいに早めて、能無しが顕在化する2年後、リーマンショック時に政権を取り戻すくらいのタイミングにしたい。
そうすれば経済回復に手を打つ時間があり、また東日本大震災が起きたとき、全権を持って被害対策、景気回復に力を注げる」

森官房長官 「政権を早めに渡すってどういうこと?
二つ疑問があるのだが、まず問題がなければ政権を維持できるだろうこと。
それとわざわざ不利なときに解散して選挙するのか?」

佐川真一 「もちろん支持されているなら、野に下ることはありません。ただ不祥事が多発して支持率が下がれば、きっぱりと野に下ったほうが良いということです。
お忘れなきよう、1年半あるいは2年後に政権を取り戻すという前提です。

私の知っている未来は、議員のお金の問題が散発し、マスコミで叩かれたこと。省庁でいろいろな問題、特に2007年の年金問題が大きかった。

もちろん野に下ることは必然ではない。そういう問題が顕在化する前・・・それは今でも良いのですが・・・省庁の監査・・・別に監査と呼ばなくても良いけれど、会計監査、業務監査、品質監査を徹底的に行い、年金問題のような膿を出し切るのです。そして選挙で信を問う。

その結果、支持が得られれば政権を維持できるし、支持されないなら政権を渡すしかありません。
現実に民衆党に政権運営能力はありません。だから長くても2年で国民の支持は離れます。ならば、リーマンショックに間に合うでしょう」

奥山総務相 「膿が我が党の責任なら、首を斬る人数が多くなるだろう」

佐川真一 「議員が多ければ良いわけではありません。媚中派とか北朝鮮派なら退場してもらった方がよろしいです。そういう人には早々に辞めてもらいましょう

次ですが、21世紀は災害の世紀です。これから起きる地震で対応を検討し、東日本大震災においては十分に対策を整えておくことです。

再来年起きる中越地震では、ひとつの村の住民全員をヘリコプターで避難するということをしています。それはその村の村長が自衛隊や行政に頼み込んで実現しました(注2)

そういう事態に対応できるルールを定めておくことも必要です。そもそも避難命令というのは法律にありません。避難要請とか避難指示です。
現状では、緊急事態でも住民は行政に従わない自由があるのです」

奥山総務相 「村ひとつの住民全部を、ヘリで運んだのか? 小さな村だって住民は数千人いるだろう」

佐川真一 「そうです。軍隊なら1個旅団(注3)というところですね。史上最大のヘリボーン作戦(注4)は、ベトナム戦争でのラムソン719作戦と言われ、運用されたヘリは700機、参加兵士1万人だったそうです。


ヘリコプター
ヘリコプター

ヘリコプター
ヘリコプター

ヘリコプター
ヘリコプター

ヘリコプター


ヘリコプター

中越地震ではそれほどではありませんが、避難者3,000人、ヘリコプターは自衛隊、消防、警察、海保が協力したそうです。
伊達や酔狂でヘリを使ったわけではありません。道路が寸断され自衛隊の斥候さえたどり着けない状況でした。建物は破壊されまた余震が続き屋内で休めない、高齢者の多い山村でしかも晩秋です。人命に関わります」

奥山総務相 「よく分かった」

佐川真一 「先ほど述べましたが、東電の福島原発は地震と津波で大きく損壊します。
地震対応として、非常用発電機が配線などを含めて海抜の少しでも高いところへ移動、そして耐震性を上げることが必要です。
そして1つの対策がダメでも、二番手、三番手の用意が欲しい。かっこよく言えばコンティンジェンシー・プランです。

それから津波対策です。現在は津波の高さを5.7mと想定していますが、実際の津波の高さは14~15mでした。当たり前ですが、津波は防潮堤を乗り越えて侵入し、発電設備は4~5m浸水した。
これにより地下にあった非常用ディーゼル発電機や配電盤がダメになり、冷却が止まりメルトダウン(炉心溶融)に至りました。

これに対して経団連は以前から費用を出すから、安全のために防潮堤を16mに補強しようという提案をしています。どうなりましたかね?」

大泉首相 「奥山総務相、ご存じかな?」

奥山総務相 「話を聞いた覚えはあります。その後を聞いておりません」


注:消防だけでなく防災を司る消防庁は総務省の外局である。当然総括は総務大臣である。
総務省は放送、通信、地方自治、選挙、など幅広い仕事をしている。言い換えると権力がある。


安部幹事長 「その工事はいかほど時間がかかるのですか?」

佐川真一 「専門外ですので分かりませんが、3年もあればできると思います」

安部幹事長 「しかし防潮堤を16mしても津波が15mなら大丈夫なのか?
奥山先生、経団連の提案は尊重するとして、高さなどの仕様は要検討ですね」

奥山総務相 「そうですね。とはいえ有識者を集めると船が山に登りますから、16とか17とか、エイヤで決めた方が良さそうです」

安部幹事長 「他の原発はどうだったのでしょう? 青森から千葉の間には、原発がいくつもあると思いますが」

佐川真一 「計画中を含めると下北半島には大間、東通、宮城には女川、福島には水素爆発を起こした福島第一の他に福島第二、茨城県には東海と東海第二ですか・・・都合7カ所です(注5)

安部幹事長 「それらはどうだったのでしょう?」

佐川真一 「完成していたのは東通、女川、福島第一、福島第二、東海第二の5カ所です。
東通は定期点検中で大きな影響はありません。

女川は稼働中でした。津波は13m高さでしたが、ここは敷地が13.8mでかろうじて津波を被りません。そのために近隣住民の避難所になりました。
しかしその後の余震で外部電源を喪失し冷却が一時止まる事態になりました。

福島第二は津波で非常用デーゼル発電が喪失、突貫工事でケーブルを敷き冷却が回復し助かった状況です。
東海第二でも津波によってデーゼル発電機の一部が使えなくなりました」

安部幹事長 「どこも綱渡りだったのですね。いずこも地震より津波か・・・」

大泉首相 「奥村総務相、福島第一だけでなく、すべての原発の津波対策だな。
もちろん第一は、今、話に出た東北地方の太平洋岸の防潮堤対策だ。頼むよ」

奥山総務相 「承知いたしました」

大泉首相 「民衆党はハコ物をあげつらって『コンクリートから人へ』をキャッチフレーズにしているからなあ~、動きにくいよ。
まだ、この話をばらすわけにはいかないし」

佐川真一 「無用なハコ物ならピラミッド、万里の長城、戦艦大和でしょうけど、必要なものは必要です。
『コンクリートから人へ』というのは人命軽視の甘っちょろい考えでしかありません。キャッチフレーズ『人を救うコンクリート』をぶつけてください」

大泉首相 「ハハハ、それは良い。
中越地震をいかに被害を少なく乗り越えるか、東日本大震災のトライアルだな」

佐川真一 「その通りです。こう言っては何ですが、阪神淡路大震災があったから、中越地震に対応できたと言われました。
人は神ではありませんから試行錯誤が必要です。

ただ東日本大震災は阪神淡路や中越地震よりはるかに規模が大きい、文字通り桁が違います。根室半島から伊豆諸島までの東日本の海岸を3m以上の津波が襲います。
東京湾は津波が来ないと言われていますが、木更津市で2.8m、船橋市2.4m、晴海でも1.5mの津波きました」


津波 注:不謹慎と言われるかもしれないが、東日本大震災の後、私は休みのたびに近場の被害を見て歩いた。舞浜駅周辺、新浦安駅から海岸まで、三番瀬、"ららぽーと"の周辺などなど。
海岸から数キロ離れていても液状化したところもある。
そして常に、ここにいて地震が来たら、津波が来たらどうしようと考えた。

地震の2年後に退職して市の老人大学に入ったが、自分は「災害発生時の避難場所の研究」をテーマにした。研究論文じゃない、街のあちこちのところからの最適な避難場所、避難方法を実地で試行してまとめた。

現実には避難場所まで行けない場所は多々ある。高い建物に避難といっても、商店なら逃げ込めるがオートロックのマンションとか会社ならドアから入れない。
仮に"ららぽーと"にいて津波が防潮堤を超えたら、いや三番瀬なら津波が来ただけで祈るしかない。「助かりますように」と祈るのではなく、「天国に行けますように」と祈るのだ。


森官房長官 「とんでもないことだ」

大泉首相 「はっきり言ってどうすりゃいいんだろう?」

佐川真一 「地震を止めることはできません。また青森から千葉まで防潮堤を作るわけにはいきません。
人を避難させるしかありません。避難する山がなければ、命山や避難のための建造物を作るのです。 拡声器

三陸では市役所の職員が、最後まで防災放送で避難を呼びかけて殉職しました。そういう犠牲者を出さないのが政治です。
行政として地震が起きることを明言し、予測日時を示し事前に避難を命令することが最善でしょう」

安部幹事長 「行政が呼びかければ、住民が動いてくれるか? そもそも行政が避難を命令できる法律がない」

佐川真一 「だからそのための法整備をしなければなりません。
東日本大震災のとき、道路上に放置された自動車を移動することができず、津波後の救助や消火に多大な支障がでました。

それについては事後ですが、災害時には公共の場にある車を移動することができるように法律が変わりました。そういうことは今からやっておかないとなりません」

奥山総務相 「なるほど、今でも路駐の車のために、消防車や救急車が通れないという問題がある。
とはいえそれを言い出せば、独裁だ、軍国主義の復活だと騒ぐ者が湧き出てくる。どうなっているのだ、この国は」

大泉首相 「最後の三つめは何ですか?」

佐川真一 「金融出動を機動的に行うことです。リーマンショックのとき、金融出動だけでなく消費税減税は必須でした。
実は2011年秋に、民衆党の三人目の総理、野畠が、ここにいらっしゃる安部幹事長にある意味禅譲するわけですが、そのとき消費税を10%にする約束をさせるわけです。失礼な言い方ですが安部首相はその約束を守り2年後消費税を上げます。

そのとき民衆党はほとんど分裂状態です。野畠について消費税アップを叫ぶものと消費税アップ反対と叫ぶものに分かれます(注6)もはや、まともな政党じゃありません。

どう考えてもリーマンショックと地震でダメージを受けているところに、消費税を上げるのは、真っ当でないどころか反社会的行為でしょう」

大泉首相 「野畠かあ~、千葉のナマズだな。松下塾でもダメなものはダメだ」

安部幹事長 「未来の私に代わって謝ります。佐川さんはどうすれば良かったと思うのですか?」

佐川真一 「野畠の次の首相は安部さん、あなたです。野畠の約束など反故にして、消費税を上げないのでなく下げるべきでした。
事実、欧米では金利を下げる、また融資枠を拡大して経済を・・・国家とか国民と言い換えても良いですが・・・を守ろうとした。

しかし日本は日銀も財務省も動かなかった。いや政治家が動かなかったのです。1ドル86円になっても手を打たないんじゃ存在意義がありません」

安部幹事長 「そのときは日銀・財務省、それと民衆党との柵があったのでしょうね」

男 「86円だって、事前に知っていれば大儲けだな」

女 「これこれ、インサイダー取引ですよ」

佐川真一 「為替取引で儲けた人はいたでしょう。円高なら海外旅行に行く人が増えたかと言えば、伸びませんでした。 観光旅行 一般国民は円高になっても倒産も出る不況で、生活に余裕がなかったのでしょう。
しかし訪日外国人への影響は確実にあり、激減しました(注7)

奥山総務相 「円安誘導は外国から批判を受けないか?」

佐川真一 「円安誘導ではなく円高回避ですよ。現実には、欧米では猛烈な勢いでドルやユーロを市場に流したために、相対的に円が異常に高くなってしまったのです。

日本が行うべき対策は他国より円を安くすることではなく、他国並みに円を供給して『国内需要を確保し円高が行き過ぎないようにすること』だったのです」

奥山総務相 「野畠は、財政健全化を優先したわけだ」

佐川真一 「『手術は成功した。しかし患者は死亡した』ですか。財政健全化という美辞のために日本が死んでしまったら元も子もありません。

それから施策ではありませんが、もう一つ付け加えると自由党の姿勢、スタンスを変えるべきです」

大泉首相 「スタンスを変えるとは? 何をどのように?」

横綱相撲より勝てる相撲だ

佐川真一 「簡単です。横綱相撲を取ろうとなんて思ってはいけません。民衆党と同じレベルになって、けたぐり・殴る・蹴る・猫騙し、あらゆる手を使わないと負けてしまうと、心底理解することが必要です。
相手は政策を語らず、ヤジを飛ばすだけの議員とか、国会で『なぞなぞ』やクイズで遊ぶアホウもいるのです」

奥山総務相 「政治家は礼節を尊び、卑に落ちてはいかん」

佐川真一 「レベルが低いといえばそのとおりですね。だけど政争では相手が使えてこちらが使えないのでは勝負になりません。

相手が議員の不祥事を叩くなら、こちらも相手方の議員の不祥事を叩く、無罪の証拠を出せと悪魔の証明を求めるなら、こちらも相手に悪魔の証明を求める、そういう泥試合を厭うのは間違いです。
相手党に二重国籍議員(注8)がいるなら、辞任するまで追い詰める。それくらいしないと勝負になりません。

なにせ法的に決着がついても、園遊会、桜を見る会、大学設立問題を二年も三年もケチをつけてきます。
相手方には韓国に行って、慰安婦の抗議デモに参加している議員もいるのです」

奥山総務相 「確かに困った女たちだね」

大泉首相 「そういうことが日本の政治を良くするのかね?」

佐川真一 「悪貨は良貨を駆逐すると言います。ルールを守って戦っても、毒ガスを使いダムダム弾を使う相手には勝てません。
綺麗に戦って敗れ去るのは美学(注9)かもしれませんが、政治家のなすべきことは美学でなく国民の命と財産の保全です。国民の負託に応えてください。

みなさんだって毎回の予算委員会で、くだらない質問に辟易しているでしょう?
泥臭い戦いをすれば、予算委員会で正義のヒーローを演じる(やから)は減ると思いますね」

安部幹事長 「アハハハ、佐川さんはよく見ているよ。そう割り切りたいけど、そうもいかないのが現実です」

佐川真一 「幹事長に苦言を呈するなど恐れ多いですが、見栄(みえ)を張って政権を失って良いのですか?
相手と同じ土俵で戦わないと日本を失ってしまいます」

安部幹事長 「日本を失うか・・・よし、私のキャッチフレーズは『日本を取り戻す』だ」

佐川真一 「それ是非お願いします。日本を取り戻してください。
誰かから奪うのではありません。日本古来の文化、精神、価値観、それを取り戻すのです。それこそ政治家の仕事です。
拉致された人々を取り戻すこと、自分の国を貶めることに喜びを感じる議員を排除すること、それが日本を取り戻すことでしょう」



うそ800 本日 の気持ち

「物言わぬは腹ふくるるわざなり」
私の人生も先が見えてきた。このウェブサイトは、私が言いたいことを言うためにあるのだ。言いたい事を書こうと思う。
最後は吉田松陰か、土方歳三の如く散りたいもの。


吉田松陰の辞世の句
29歳没
吉田松陰
身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂
現代語訳
たとえ私の体が武蔵(江戸)で朽ち果てようと、大和魂は後世に伝えたい

辞世の句と言っても、実際は古伝馬町に投獄されて門弟のために遺書と言うべき「留魂録」を書いた。その冒頭に記された句。
安倍晋三元総理は辞世の句を残していないが、高市早苗首相はたびたび、安倍元総理も松陰と同じ思いであったと述べている。


土方歳三の辞世の句
34歳没
土方歳三
よしや身は 蝦夷が島辺に 朽ちぬとも 魂は東の 君やまもらむ
現代語訳
たとえ私の体が蝦夷で朽ち果てようと、私の魂は東(江戸)の君(徳川)を守り続ける

いつ読まれた句かは不明。この他、辞世の句とされているもの多々あり。


おふたりの辞世の句って全く同じなんだよね。いや、悪いってことはないけど



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文末脚注
  1. 国の収入・支出・借金の推移

  2. ・「国会議員村長」、長島忠美、石川拓治、小学館、2007.1.19
    ・当時の崖崩れなどの写真は敷島製パン株式会社のウェブサイトに上がっている。
     新潟県中越地震災害状況

  3. 旅団とは陸軍の構成単位で、司令部を持つ師団より小さく、連隊より大きな2,000~6,000人規模の部隊。

  4. ヘリボーン(Heliborne)とは空中強襲ともいい、ヘリコプターにより部隊を機動・展開させる戦術。パラシュート部隊の発展したもの。
    攻撃ヘリコプターを使う戦術とは違う。

  5. 青森県から茨城県の範囲に過去から現在までに存在した原発の状況は下記の通り
    所在地原発名2011年時点2026年現在
    青森県大間建設工事中適合性審査申請中
    東通稼働済、但し定期点検中停止
    宮城県女川稼働中 ⇒ 自動停止し冷温停止
    敷地高さ13.8mで津波高さ13mで異常なし・付近住民の避難所になる
    24年末まで稼働
    現在テロ対策、非常用電源工事中
    福島県福島第一稼働中
    地震と津波によりメルトダウン
    廃炉に向けて工事中
    福島第二稼働中
    津波により非常用デーゼル発電停止。突貫工事でケーブル接続し冷却が復活
    廃炉に向けて工事中
    茨城県東海廃炉に向けて工事中廃炉に向けて工事中
    東海第二稼働中
    津波によりデーゼル発電機故障
    停止
    再稼働を計画中

  6. 日経「民主57人反対、分裂状態に 元代表は離党近く判断」
    このとき民主党内の投票が、賛成216,反対57と分裂状態になる。

  7. 海外旅行者数の推移

  8. ・蓮舫談「今、日本人でいるのは、それが都合がいいからです。(中略)いずれ台湾籍に戻そうと思っています」
    記事1記事2

  9. 森永卓郎は下記のように語った。
    「私は日本丸腰戦略というのを提唱しています。軍事力をすべて破棄して、非暴力主義を貫くんです。仮に日本が中国に侵略されて国がなくなっても、後世の教科書に『昔、日本という心の美しい民族がいました』と書かれればそれはそれでいいんじゃないかと」
    どう考えても、滅んだ国が教科書に載るわけないだろう!アホ、丸出しだな。
    こういう人は真っ先に殺されて欲しい。私は最後まで戦う。




外資社員様からお便りを頂きました(26.05.12)
おばQさま いつも興味深い読み物を有難うございます。
こうして 細かく出来事を振り返ってみると、災害が多い国だと思うのと、今の経済大凋落を防ぐには少なくとも2002年当時、20年以上前に対応出来ていないとダメだと判ります。
加えて言えば、海外製造への流れは、すでに始まっているから、それまで変えるには1990年代に方向転換するしかない。
全ての産業とは言いません、せめて戦略技術として決めてあるものだけはサプライチェイン全体を抱え込むことを考えるべきでした。

私は90年頃に半導体にかかわったのですが、80年代には80%以上の世界シェアがあったDRAMからの撤退と、それによるSamsungの跳躍。
MPUの国産化は停滞し、マイコンまでも凋落。
当時 ある政治家と官僚が言った言葉は「製造なんて金ばかりかかるから海外でいいじゃないか、日本は製造装置や材料を抑えて海外に売って儲ければ良いのだよ」との事。 現在の状態を見て同じことが言えるのか?
今になって政府は、R社のような民間企業に膨大な投資と2兆円以上の補助金支出をしていますが、当時は民間の事は民間でやれ。 金を貸してさえくれませんでした。

間違いなく、当時より今の方が まともな政治家が増えてきた、振り返れば当時は豊かで、国の蓄積があったから、あんなイイカゲンな政治家たちが、無茶苦茶やれていたのでしょうね。
当時の事の振り返りが出来た事に感謝いたします

外資社員様、毎度ありがとうございます。
いえいえ、感謝なんてしないで、どうすれば良かったかのアイデアをお願いします。

おっしゃる通り、1990年代でしょうね。しかしバブル崩壊したのはバブルが生じたからで、バブルが発生しないようにするにはと遡ると、プラザ合意はとなり、1970年の資本自由化はどうなのか、ドンドンとさかのぼると、軍隊の放棄になるのかなと思います。
アメリカ軍に守ってもらうなんておかしないことでなく、自国の存亡は自分の責任というところに戻らないとダメだと思います。
それから経済がすべてという発想が起きて…となるのかなと。
しかし今の日本は異常ですね。最近驚いたことに、奥田ふみよがあります。もう主義主張というよりも恨み、とか呪いというレベルかと。
「れいわ維新」は「霊は異心」なのかどうか、キチガイはキチガイでないと理解できません。
人生不可解なりです。





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