注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。
ご注意ですが、法令は物語の時点を記しており、その後、改正があって現時点と異なるものがあります。
注2:タイムスリップISOとは
注3:このお話は何年にも渡るために、分かりにくいかと年表を作りました。
2004年4月下旬のある朝、N市の消防本部のヘリポートから陸自のUH-60Jが離陸した。
中には県知事、N市市長、Y村村長が乗っていた。
それだけでなく好奇心なのか、アテンドなのか、M研の議員3名と新潟県選出の
田中議員も添乗している。これからいろいろ関わるという話だ。
飛行機も音が大きいが、ヘリコプターはそれに輪をかけて騒音がスゴイ。皆が大声を出して話をしている。
「やっと雪がなくなりましたね。先月まで山は真っ白でした。N市とほんのわずかしか離れていませんが、山ですから気温が2℃以上違うのですよ。最低気温が氷点下でなくなったのもつい先日です」
「N市の市街地は平野なのに急に山地になっていますね。
たった数キロで海抜30mから400m超の山地ですよ。いかに急峻かということです」
「それも山々が折り重なっていて、すごい山の中ですね。N市から10キロそこそこなのに」
「坂が急なので道路もくねくねしてるでしょう。今は車が通りますが、50年も前は、それこそ馬の背に荷物を積んで運んだものです」
「よくこんな鄙の地に住んでるなあ~。
街に移り住もうという人はいないのかな?」
「住めば都でしょうか。ここは田舎ですが文化があるのです。
それに今ではN市は通勤圏内です。村からN市に通勤・通学する人は多いし、その逆に、村役場に努めているN市住まいの人もいる」
「そこが微妙なバランスなのでしょうね。完全な田舎なら都会に出ようとするかもしれない。でも道路が整備された今は、都会は通勤できるところにある。ここには昔からの家もある。住めば都ではなく、初めから都なのです」
「問題は一旦事あるときの避難です」
「ご覧なさい。見渡す限り山と谷と谷川しかありません。
かなりの急傾斜です。震度7クラスで揺すられたら、山の斜面全体が滑りそうです」
「そういう事例は過去にありますか?」
「あまり聞きませんが、起きるはずがないなんてことはありません。木の根ってあまり深くないのです。大きな喬木でもせいぜい1~2m程度、しかも根の9割は、深さ50センチ以内です
「根っこは以外と浅いのですね。もっとも山の土を1m以上掘れば、もう土でなく岩石ですからねえ~。まさか岩盤まで根がはるはずはない。
というと、万が一のときは、このあたりの山系はみな表層が滑り落ちますね」
宮沢教授のお顔が、西東先生のお話(第162話)に出てきた、渡辺さんだと気づいた人はエライ(謎)
1つの物語で、同じ絵 を複数の人物に使い回すのが良いか悪いか?
刑事ドラマでは、同じ人が何度も犯人として登場する。悪役を演じる人が少ないかららしい。
だから家内はドラマが始まった瞬間に「あの人が犯人」と教えてくれる(?)。
犯人役がスター級の「刑事コロンボ」でも、4回犯人役をした人が1名、3回が二人、「古畑任三郎」では木村拓哉が2回犯人役をした。・・・と考えると、絵の使い回しを批判される心配もなさそうだ。
「この村は塊村
「おっしゃる通りですね。水や日照それから風当りなどから、不規則に家が集まって自然発生的に集落がつくられたのでしょう。中心になる神社とかお寺もなく、またクマなど外敵がいるわけでもない。
日本では最も多いタイプです」
「ああそうなんですか。それぞれの集落の歴史は長いんでしょうねえ」
「平家の落人という言い伝えもありますが、ほぼウソです。厳島、壇ノ浦と西に逃げた平家が、正反対の越の国や東北に逃れたというのはありえないでしょう。
ともあれ、コミュニティの歴史は長く、避難生活でも大事にしたいです」
「被災者住宅などを作るときはそういった配慮が要りますね。阪神淡路大震災では被災者住宅を作るにあたって時と場所の制約が大きく、機械的に割り振って震災前のコミュニティが完全に崩壊したと言います」
「それはどんな影響があったのですか?」
「被災者住宅に知り合いも同郷人おらず、孤独死する人が多かったそうです。
コミュニティは冠婚葬祭の根本ですからね」
「それは・・・いかんですなあ~」
ヘリコプターはY村の廃校の校庭に着陸した。
エンジンは動いており、ローターは回っているが、突然音が小さくなり皆ギョッとした。
校庭には1周200mのトラックがあったようだ。校舎は残っている。校庭は少し雑草が生えているがほぼ原形をとどめている。
廃校は山の斜面の緩やかになったところに所在しており、一方は山を背負って崖になっており、三方は川まで続くかなり急な斜面になっている。上も下も雑木林だ。
よく見れば校庭は水平ではなく、緩やかに傾斜している。こんな地形では水平な土地など存在しないのだろう。
皆ぞろぞろとヘリコプターを降りて、山田危機管理監が片手を上げているところに集まる。
予め着陸する計画だったようだ。校庭の隅に陸上自衛隊の車両が数台停めてあり、10人ほどの自衛隊員がいた。ヘリコプターが降りるときの目標なのだろう、ライン引きで大きな円が描かれている。
一般の人は誰もいない。ヒマ人がいないのか、それとも立ち入り禁止にしているのか?
「ヘリポート以外に着陸するには、事前申請が必要なのでしょう?」
「その通りです。もちろん今回は、山村の災害時対応調査という名目で申請して、許可を得ております。
みなさん、集まりましたか?
この村には集落が約10カ所あります。空から見てお分かりと思いますが、緊急時にはヘリコプター輸送しかありません。
集落の4カ所には、この程度の広場があります。ここの広さは長手が70メートル短手が40メートルです。我々の乗ってきたヘリコプターが安全に離着陸するには、この校庭ほどの広さが要ります。
このヘリコプターはUH-60と言い、陸海空の自衛隊で広く使われています。
長さが20m、ローターが大きいですから、着陸には長さ幅方向共に30mほど必要になります。
実際は50mかける50mの広さがないと安全に離着陸できません。もちろんその外側に高い木々や建物のないことが条件です
「すると全員避難となった場合、すべての村人をその4カ所に集めるのですね?」
「人数の所在状況によりますが、少人数であれば、着陸せずにホバリングしてハーネスで釣り上げることになるでしょう」
「それは年寄りには無理かもしれませんね」
「長田村長、住民のことを思うのも大事です。しかし緊急時の救助を考えていただきたい。
海難事故、飛行機の墜落事故、山岳遭難などで、要救助者を釣り上げるのは普通のことです」
「それは存じております」
「このヘリコプターですと、椅子に座れば8名くらいですが、最大10数名は運べます。ここからN市までですと飛行距離にして15キロ、時速200キロで運行して5分で到着します。
一度に10数名運ぶとして、村民が3,000名ですから200回となります。もちろんヘリコプターは1機じゃありません。仮に10機集められれば20回、一往復15分として150分、2時間半で運べることになります。
実際には乗せるにしても歩いて乗れる人ばかりではなく、老人なら負(お)ぶったり担架だったりするでしょうから、その倍はかかるかもしれませんね。
そしてそれよりもヘリコプターの降りる順序の、管制が難しく時間がかかると思われます」
「向こうのヘリポートもどうするかがも問題です。1か所じゃ間にあいませんね。
それとヘリポートから被災者住宅までの移動もあります」
「どう考えても事前にバスで運んだ方が良さそうだ。
いや、待てよ、避難住宅に移ってからも自家用車は必要だろうから、各家庭の車で移動してもらう一手じゃないのかね。
そもそも地震発生時刻まで分かっていて、なぜ地震が起きてから運ぶんだ?
発想が間違っている。戦略の失敗は戦術では取り返せないというだろう」
「元々、政府側は事前避難を提案しています(第172話)。
しかし長田村長から、自治体首長として地震発生前の避難を説明できないという意見を受けて、地震が起きてからの避難という次善の策になったわけです」
「長田村長、どうなんだね」
「私はヘリコプターによる避難は、もっと簡単に効率的に行えると考えていました」
「十分、効率的なことを考えていただいていると思うがね。
そもそも地震が起きてから避難するのは、無理難題じゃないのか?
先日の会議でも、ことが起きる前にしなければ、被害をなくすことはできないと言われていただろう」
ヘリコプターはそこから自衛隊に直帰するということで、N市市役所のマイクロバスが乗客組の迎えに来ていた。それに乗り込んでN市に戻るとのこと。
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帰路は先ほど上空から見ていた山間をうねうねと進む道路を走る。空から見れば単なる線だが、地面で見れば上り下りを思っただけで嫌になる。普通車がすれ違える道幅はあるが、狭いことに変わりはない。
昔のいろは坂よりも激しい何回も折り返して山を登り、峠を越えるとまた折り返しを繰り返して谷を降り、また昇ってというのを何度か繰り返す。
直線距離なら15キロもないのだが、運転は疲れるだろう。
N市まで15キロと聞いて近いと思ったが、それはヘリの場合だ。つづら折りの道路を測れば倍近いんじゃなかろうか? 通勤通学できると簡単に言うが、簡単じゃない。
地震が起きれば、細いつづら折りの道路はいたるところで寸断されるだろう。
鳥海議員は官僚の子に生まれた。父親は転勤が多く大学に入るまで記憶にあるだけで6回引っ越した。だから故郷など持たないし、故郷への愛着など理解できない。
こういう鄙の地でも住めば都なのだろうと、自分には理解できないことを想像する。
佐藤議員は政治家の家系だ。地元と密接なつながりがあり、地縁がなければ生きていけない・・・は冗談としても政治家としては生きていけないだろう。
谷川のそばを走るマイクロバスの車窓から、はるか高い峰まで続くつづら折りの道路を見上げる。
鳥海議員も同じ方向を見ているので声をかけた。
「観光なら素晴らしいけど生活道路としては最悪だね」
「まったくだ。ここで暮らす人は、これが当たり前なんだろうなあ~
こういうところで暮らす人は、自分の住む土地の利害が直接暮らしに関わるから、議員選びは大イベントになりますね」
佐藤はその通りだとうなずく。
ここで選挙は都会とは異なる論理で動く。それは選挙に限らない。
マイクロバスは市役所に戻るのかと思っていると、市役所を通り過ぎ、河川敷の土手に停まる。
河川敷には草野球や少年野球に使われる野球場が6面ほどある。サッカー場も数面ある。
「とりあえず使える市の管理している土地となると、この土手の外側です。
バブル前に工業団地を計画したそうですが、バブル崩壊でそれっきりです。
Y村ばかりでなく、現在のN市と合併する他町村から出る避難者を1万と仮定しました。合併後の当市の人口は約25万、震央でもあり住む家が損壊する人が2万は出ると思います。ただ自力で対応される方、親類縁者を頼る方などが半数として1万と見積もります。
1家族の人数は本県では2.3名です。1万割る2.3で4,400戸必要です」
「被災者住宅には、広さとかいろいろ法規制があったよね?」
「単身者は19.8平米、2~3人家族で29.7平米です。4人以上は39.6平米ですが、4人以上の割合は15%ですから4,400戸の15%で660戸となります」
「鈴木市長、ここに4,400戸は建たないだろう?」
「おっしゃる通り建ちません。せいぜい1,000戸でしょう。この他にデベロッパーが開発したものの売れ残った宅地の借用とか、廃校になった校庭活用とか考えております。
それで長田村長、疑問がいろいろあるのですが・・・」
「ハイ、なんでしょう?」
「Y村の家屋敷が全壊しても、またそこで暮らしたいという方はいると思いますが、いかがでしょう?」
「多いでしょうね。現在の人口が3,000人ですが、また元の場所又はその近くに暮らしたいという人は、2,000人はいると思います」
「元のところに被災者住宅を建て、そこに住むという発想はどうでしょうか?
もちろん家を建てるのは復旧段階にならないとダメです。というとその期間、避難所に住むのかという問題があります」
「それじゃ、被災者住宅じゃなくて、恒久的な家でしょう。
でも、そういうことが可能ならすごいですね」
「脇から口出してすまないが、そういう方法もありと思います。
最終的な費用処理をどうするのか、法的な扱いがどうか・・・まあ政治的な処理を考えてもらうことになるでしょう」
「えっ、速攻で反対されると思っていました」
「実現するかどうかは長田村長の、意思というか熱意にかかっていますけどね」
「私が強く願えば叶うということですか?」
「そりゃ、願うだけではダメです。
私は先日の会議では、予め地震前に避難してほしいと述べた。しかし長田村長が納得しなかったので、今日は村長の意見を尊重して、地震後にヘリで避難する場合を考えてもらった。
それに対して平田県知事に現実的でないと否定された。
例外はありますが、自衛隊の災害派遣を要請するのは県知事です。平田知事が納得しなければ、緊急派遣を要請しない方法を取れというのは、知事の職務と権限から言って当然です。ましてや地震発生前に避難できるならそれを選択しろというのはまっとうです。
県知事は県民の安全について責任がありますからね。
長田村長がどうしても地震発生後に避難をしたければ、皆を説得する必要があります。
同様に、今の鈴木市長の案も、まだ案にすぎません。そうすることによってどんなメリットがあるのか。Y村の伝統文化が維持できるとか、過疎を防止できるとか、
そして反対する人々と阻害要件を打破しなければなりません。
そしてまた、鈴木市長案は、地震前に被災者住宅を現地に建てることに矛盾します」
「なるほど、どういうストーリーにするか、そうとう検討しないとなりませんね」
「例えば国が被災者向けプレハブ住宅・・・いいえ、建てたりバラしたりできるものを一定量保有して、それを作って住んでもらう。
そして本格的な被災者住宅は、復興時にという方法は取れないでしょうか?」
「そういう案もありますか。今すぐ、決めることもないですが、メリット・デメリット、費用対効果、そういうことを長田村長が考えて欲しいと思います」
「なるほど、予め避難するにしても・しないにしても、いろいろなことを考えなければならないのですね。
とはいえ私は情報も乏しいしブレインもいません」
「長田村長が、自分の故郷を地震後に復興しようという気があるなら、頭を絞って考えてください。
自分だけでは情報が足りない、あるいは力が足りないなら、防災ならこちらの宮沢教授と今日顔合わせしました。地震についてなら先日今村准教授と名刺交換されたでしょう。ヘリコプターのことなら、自衛隊でも消防庁でも聞けばよい。
なによりも村人に情報を公開して、皆さんがどうしたいのかをヒアリングすることでしょう。
法律で決まっているからダメというなら、ここに国会議員が4人もいる。この先生方に特措法
「特措法ですって! そんなことまでするの?」
「国会議員が法律を作らないで何をするの?
国会議員の仕事は法律を作ることと予算を決めることしかない。まさか悪人を捕まえようとか、裁判をしようと思っているの?」
「いえ、おっしゃる通りです。議員を終えるまでに、単に賛否を示すだけでなく、自分が書いた法律を残したいです」
「長田さん、私も力になります、一緒に考えましょう」
本日の不思議
国会議員になっても法律を作ることをせず、対立する党のスキャンダルとか食べものにケチをつけるしか能がない議員がいるのはなぜだろう?
「菅首相が食べる3,000円のパンケーキが高い」と言った立憲民主党議員は・・・やっぱり高い飯を食べていた。他人を批判し、自分は同じことをしても正しいと考えるとは末期症状だ。
元党首が9億円も子供手当をもらっていたから、感覚がマヒしたのだろうか?
自分が働いた金で食いたいものを食う権利は、日本国憲法が保障しているぞ(憲法第13条「幸福追求の権利」)。

身障者を子にもつ猪口大臣に『あなたは障害児を育てている親の気持ちなんか、まったくわからない人です』と言った蓮舫を決して忘れない。
顔がきれいとかじゃない、心が汚いのだ。
2025年10月24日、高市首相が所信表明演説中、声を限りに罵声を浴びせた水沼秀幸には軽蔑しか感じない。ご本人は「礼節を欠いていた」と謝罪したが、そうじゃない、「人間性を欠いている」のだ。
この男、いまだに選挙区の人々に謝罪していない。
実を言って、水沼が高市首相の所信表明にヤジを叫んだ直後、私は彼の事務所宛てに「ヤジを飛ばしたことは選挙区の恥であること。まずは選挙民に謝罪せよ」というメールを送った。
ご想像の通り、なしのつぶてであった。
つい最近の5月のこと、「また頑張りますからご支援お願いします」と船橋市内の卓球クラブを回っていると聞く。家内は卓球女だから、市外でもその関係の情報は速い。
呆れたよ。落選しても反省しないようだ。
およそ選良という言葉の真逆のお方。まさに千葉県の恥だ。
恥を知れ!
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