ヤスミン・ライブラリ

もう泣かなくていいよ

(ヤスミンのピアノ弾き語り)

もう大丈夫だから泣かなくていいよ
ここにはミサイルも砲弾も飛んではこないから
もう怖がって泣かなくてもいいよ
細やかな砂の粒子に包まれた静かな夜を
不気味な爆音が切り裂いていった
食卓に残っていたアラブ料理のかおりを
炸裂した火薬の臭気が消し去ってしまった
君たちは幼い眠りを破られ
その意味を問うこともできずに命を奪われた 
だけど

もう大丈夫だから泣かなくていいよ
ここには爆音も火薬の臭いも届きはしないから
もう怖がって泣かなくてもいいよ
君たちがウードの調べで踊っている姿を
世界はもう見ることはできない
君たちが作るはずだった色とりどりの未来を
世界はもう決して受け取ることはない
それが君たちを守ることのできなかった
私たちの悔やんでも消えることのない罪

もう大丈夫だから泣かなくていいよ
ここにはねじまがった世界の足音など聞こえてこないから
もう怖がらないでここでおやすみ
もう怖がらないでここでおやすみ



レイチェル

(ヤスミンのピアノ弾き語り)

レイチェル レイチェル レイチェル
あなたは あなたは いのちさえも
レイチェル レイチェル レイチェル
ささげつくして

兵隊たちに人間としてこんなことを許してはいけないと
レイチェル レイチェル あなたは
イスラエル兵士の前に

心のかぎりに叫び続けこんなことを許してはいけないと
人間たちは心を忘れ あなたの声は瓦礫となって
あなたの叫びはどこへ届くのか
誰があなたを聞こうとするのか

レイチェル レイチェル レイチェル
あなたは命をもやした
家をつぶすブルドーザーに
たちはだかってパレスチナに倒れた
けれど誰が知るというのか あなたの命の叫びの意味を
あなたは瓦礫のひとつとなって
誰があなたを聞こうとするのか

レイチェル レイチェル レイチェル
あなたは命をもやした

誰があなたを聞こうとするか
誰があなたを聞こうとするのか
パレスチナに散った命を


負けはしない

(ヤスミンのピアノ弾き語り)


激しい爆撃が ガザの空を切り裂く
生死のはざまで 人々は逃げ惑う
空から陸から やつらはやってきて
全てを焼き尽くした
でも きこえてくるだろう

負けはしない 殺され続けても
焼き尽くすがいい
でも、殺せない、わたしたちの心は

女も子どもも 見境なく殺された
遠くで指導者たちが おしゃべりしてる間に
爆弾がふりそそぐ  血と涙の中に
でも かすかに  きこえてくるあの声

負けはしない 殺され続けても
焼き尽くすがいい
でも、殺せない、わたしたちの 心は

負けはしない 殺され続けても
焼き尽くすがいい
でも、殺せない、
We will not go down  In Gaza tonight


パレスチナよ 永遠に

(ヤスミンのピアノ弾き語り)


母さん泣かないで、ぼくが死んでも
神さまはいつでもぼくを見てるから
パレスチナ永遠に パレスタイン

空に向かって石を投げたら
ぼくたちはいつも銃で撃たれる
パレスチナ永遠に パレスタイン

母さん、もし奴らが夜おそってきても
神さまが見てるから 心配しないで
どうして彼らは今ぼくたちにするんだろう
昔かれらが受けた むごい過去を
彼らは心をなくしてしまったの?
パレスチナ永遠に パレスタイン

ぼくたちは 生きるために闘う
父さん母さん、僕らは知ってる
神さまはぼくたちと共にある
パレスチナは ぼくたちの魂
だからぼくたちは死ぬ パレスチナのために
パレスチナ永遠に パレスタイン


空を飛ぶ靴

(ヤスミンのピアノ弾き語り)


僕らは靴を通して大地を踏みしめる
祭りで足を踏み鳴らすとき
恋人と抱擁を交わすとき
倒れた友に駆け寄るとき
靴は僕らと同じ距離を歩いてきた

今、靴は体を離れて空を飛ぶ
歩いていては間に合わない場所へ
僕ら自身ではないのに僕らの行く先を決めようとする者へ
砂漠に曳かれたまっすぐな怒りの軌跡を
希望の緑で満たしながら

この世に正義と言うものがあるなら
それは靴だ
飾り立てた言葉の酔いを醒ます
言葉なき靴だ
国家と言う名前を背負った銃に立ち向かう
名もなき無数の靴だ


どうして

(ヤスミンのピアノ弾き語り)


どうして人は 気付かないのだろう 
そばに いるときに その人の価値を
どうして人は 言わないのだろう
いとしく 思う者への その想いを

何時の日か もう遅すぎたと 虚しく悔やみ
おごりは なんにも役立たず ただ1人 残るのみ

どうして愛しきものは どうして苦しみには気付かない
どうしてその日が来なくては 見出せない

間奏

どうして人は けちんぼなのだろう
与えられている 幸せを 分け与えるとき
どうして人は 我慢強くないのだろう
怒りをあらわに するときには

何時の日か もう遅すぎたと 虚しく拒み
怒りは なんにも役立たず ただ1人 残るのみ

どうして人は喜ぶのだろう 勝利を手にしたとき
勝利は なんにも役立たず ただ むなしいのみ

戦争は 何も 生み出さず ただ時を失うのみ


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