注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。
ご注意ですが、法令は物語の時点を記しており、その後、改正があって現時点と異なるものがあります。
注2:ISO昔話とは
1992年10月初旬
ここは第2話で登場した、東北〇〇県の従業員300名規模の、電子機器組み立て会社である。
先月、欧州向け製品を納めている客先から、EU規制対応でISO9000認証が必要となった。可及的速やかに認証してほしいという要請を受けた。
最初は工場内でISO認証について情報がなく、関係者が集まって、どうしようと騒いだものだ。
少し日が経って、まずは客先に行って情報収集をした。
第3話では入手したISO規格が英文だったので、翻訳を商売にしている人に翻訳してもらった。その後、正式な翻訳されたJIS規格も購入した。
ISO認証専任者として1名選出し、翻訳を頼んだ人を臨時雇いとした。というのは審査員が外国人なら、審査とかやりとりに英語の通訳が必要と考えたからだ。
その二人が今ISO規格をどう社内展開するかを検討している。
今まで行ったことで、ISO規格とは何ものかは把握したものの、ISO認証するために何をするのかは、今も闇の中だ。
何かの会合で会った隣の市にある中堅企業の重役に、名刺を頼りに電話して話を聞くと、たまたま先日、ISOコンサルを名乗る人が、ISO認証するならお手伝いできると訪ねてきたという。
その会社は認証を求められていないので、お帰り願ったという。
それはありがたい情報だ、ぜひ話を聞きたいから、御芳名と連絡先を教えてくれというと名刺をFAXで送るという。
注:このお話では1992年にISOコンサルの売り込みに来たことにしたが、当時はまだISOコンサルを商売にしていた人や会社はなかった。 ISO認証を第一陣で達成した人や企業がコンサル業に進出したのは1994年頃からだ。
送られてきたFAXを見ると、そのコンサルの所在地は仙台市だった。工場のある町からだと電車で2時間くらいか。どうせ指導に来るとしても、月一くらいだろう。遠すぎることはない。
名刺に住所氏名はあるが、会社名も屋号もない。想像だが、その人の勤め先でISO認証したかしようとしていて、内職でその情報を売っているように思える。それとも退職して始めたのか?
まあ副業であったとして後で勤務先と揉めても、単純に故買にはならず
ともかくそのコンサルに会って話を聞いてみたい。とはいえ、自分がすることもないだろう。ISO事務局の内藤に任せよう。
内藤は加藤部長から名刺が写ったFAXを渡されて、早速、竹藤と相談する。
竹藤は会社勤めしたことはないが、個人事業主として何年も仕事をしてきたのでそういうことには詳しい。
「いろんなことにコンサルっているけど、あまり信用できないのよね。契約そのものが目標達成してなんぼじゃなくて、指導するだけでしょう。それに自分の手におえなくなるとドロンということも多いわ。
だから信用できるかどうかね、好き勝手なことを言って、問題に突き当たるとそれっきりだと、丸損よ」
「まずは会って話をしないとダメですね。
隣町の会社に営業に来たというから、こちらに来るのも負担にならないでしょう」
「話するときお願いしたいとは言わないほうが良いわ。検討する程度に言ってよ」
「その辺についてはしっかり決めてから電話しよう」
そんなこんなで一日二日経っていると、加藤部長からまたISOコンサルが見つかったと指名と連絡先を知らされた。
これも会って話を聞きたいが、まずは最初の人の対応だ。
内藤と竹藤が質問すべき事、相手の能力を確認することなどを決めて、話を聞きたいので来社してほしいと連絡する。一方は今週、他方は来週に訪問するということになった。
まずは順調だ。
「弊社もISO9000を認証することになりまして、現在、いろいろ情報収集をしております。その際に隣町の〇〇さんから鈴木さんを紹介いただきましたので、ご足労願いました。
大変失礼ですが、鈴木さんとISO9000の関りを教えていただけますか」
「もちろん私の力量を知らずに、依頼できませんよね。私の元勤めていたところでは、昨年、ISO9002という規格を認証しました。ISO9001から設計・開発を除いたものです
そのときISO認証のプロジェクトを立ち上げまして、その担当に指名されたのが3名おりました。私がリーダーになって審査受けて合格しました。
その後、私はISO認証がこれから広まると考え、コンサルになる決心をしました。それで円満退職をしまして、それからもう半年ほどコンサルを仕事にしております」
「ほう、認証の経験者なのですか」
「認証された会社は何という会社で、認証機関はどこです
「茨城県にある(株)大〇電子と言います。認証機関はイギリスのB〇〇です」
「鈴木さんはISO審査員の資格をお持ちですか?」
「持っていません。まだ日本では審査員の資格制度がありません。現状でISO審査員になるには、イギリスの機関が日本で行っている講習会を受講して試験を受けないとなりません。
いずれも英語ですし、受講料は40万近くかかります。既に何度も講習会は開かれていますが、受講者はこれから日本で立ち上げる認証機関が審査員として採用した人ばかりですね」
「ということはその人たちは、イギリスの審査員資格を取るということですか?」
「そうです。今はイギリスの審査員資格を取り、イギリスの認定機関の認定を受けて認証ビジネスをしているということです。
イギリスの審査員資格をとるのに国籍は関係ないですから。
日本に認定機関ができ、そこが認証機関や審査員研修機関、登録機関を認定すれば、日本の中ですべてが揃うわけですが、まだそこまでいっていません」
「ISO認証を受けるのは大きな会社が多いでしょうけど、私どもは従業員300名なので、なるべく仕組みを簡素なものにしたいのです」
「300名なら認証した組織では大きい方ですよ。私の知っている最小組織は30名くらいでした。多くても百数十名じゃないかな」
「そうなんですか。そうすると300名なら、文書とかいろいろな仕組みも簡単にとはいきませんか?」
「300名ならそれなりの体制になりますね。むしろ小人数の組織では内部監査体制をどうしようとか、それなりの悩みというか問題があります。それほど人数がいれば、組織上困ることはないですね」
この時代はビジネスのためにISO9000の認証するわけで、認証するのは必要な範囲だけということが多かった。なにせ審査料金は認証範囲の従業員数の関数だ。必要ない部門を認証対象外にするのは当然だ。
それで工場の従業員が1,000人いても、登録範囲(イコール審査範囲である)はA製品限定、つまり設計部門も設計者も購買も製造も倉庫もA製品限定ということが多かった。
品質保証という観点から言えば、誠に正統なことだ。だが、その後、一部を除外することを認めないという話になって、工場丸ごとの認証となった。品質保証から品質マネジメントシステムになったからという考えだろうが、単に審査側の金儲けとしか思えない。
マクドナルドでセットメニューとかハッピーセットとか、客単価を少しでも大きくするのと同じである。
「私どもは電子機器という範疇ですが、具体的にはテレビゲームとか家庭用電子楽器です。技術的に高いものではありません。
そんな条件というか状況でISO9000を認証するための、品質システムを構築するための文書とか記録とかの雛形の提供はできますか?」
「もちろんできます。紙もですが、DOS-Vでマイクロソフトのワードとエクセルのソフトで作った電子データをフロッピーディスクで提供します」
「それは規格の4.1~4.20まで全部そろっているのでしょうか?」
「もちろんです。お客様は固有名詞の一括変換で仕事の半分はおしまいです」
「それは良いですね、アハハハ
竹藤さん、どうですか?」
「確認しておきたいことが、いくつかあります。
コンサル期間としてどれくらいかかりますか? 認証するまでという意味でなく、仕組みが出来上がるまでということですが」
「私のお出しする電子データを変換するだけなら1週間でしょう。しかしその内容を社内に説明会をして、実際に運用を始めて、不具合を修正する、そして内部監査をしてとなるとやはり三カ月はかかりますね」
「電子データの名詞を一括変換とおっしゃいますが、職制も違いますし実際の手順も会社によって違うでしょう。
そんな簡単に行きますか?」
「職制が違うってどういうこと?」
「例えば文書管理を、総務でしているか技術管理課でしているのが違うとか・・・」
「だから一括変換するのですよ」
「雛形で総務部となっている仕事を全部、技術管理課に変えるなら簡単でしょうけど、総務部のある仕事は技術管理課、ある仕事は総務部、ある仕事は人事部というのが実態ですから」
「すべてを一括変換でなく、規定ごとにちがうなら規定を一個ずつ変換するとか・・・」
「ひとつの規定の中で違うのですよ。ですからひな形は参考になるでしょうけど、一括変換で済むとは思えないわ。
それと仕事単位だけでなく組織そのものが違う。
例えば、ここに雛形の一部がありますね、『機械付属の計測器の修理は機械保全係が品質保証課計測器室に依頼する』とあります。
当社は機械保全も計測器管理も設備保全課がしています。ですから一括変換などできず、一個一個の仕事をどこがしているかを調べて、文章全体を直さなければなりません」
「まあ、そういう会社さんもありますね。
そもそも会社というものはユニークですから、自動的にできる範囲は限定されます」
「なるほどな、鈴木さんのおっしゃるように簡単ではないですね。電子データを頂いたとしても、会社の組織図を直すわけにいきませんから、仕事の実態を調べていかないとならない」
「とはいえ、伺いや報告や記録などの、種々の様式を考えて作るのも大変でしょう。見本があれば仕事は速いですよ」
「この工場の職制と役割分担を見ると、簡単ではないですね。細かい帳票の流れも、組織が違い、部門名が違いますから、本当に参考程度にしかなりません。
まあ、それは時間だけの問題とも言えます。
このひな形の規定に合わせて作れば、ISO審査で完全に適合判定になりますか?」
「100%と言われると、それはかなり難しいですね。
ご存じと思いますが、ISO審査は認証機関により、また審査員によってバラツキがあるのです。ですからA審査員がOKしたからB審査員でもOKになるかというと、確率的には高いですが、100%など言えません」
「へえ、そうするとどうすれば良いのでしょう」
「現実的な解は、相手に合わせることです。もちろん、その前に認証機関を選ぶとき、あまりめんどくさいことを言わないところにする。審査員が選べるなら評判を聞いて、これまためんどくさいことを言わない人にする。
認証機関が決まっているなら、その認証機関の癖をそれまでに審査を受けた会社にヒアリングして、先方の解釈に合わせるとかですね」
「鈴木さんのところは、その辺は調査するまでもなく、情報を持っているわけですか?」
「まだ審査の件数が少なく、バラツキがあるのは知れ渡っていますが、どのように違うかの情報は蓄積されていません」
「弊社が審査を受けるとなると、今からでは来年夏頃でしょう。その頃になればいかがでしょうか?」
「大分情報は集まると思いますよ。
ところで来年の夏と言っても、あと半年少々しかありません」
「急いで準備に入らないといけませんか?」
「それよりも認証機関と交渉して審査契約を結ばねばなりません。
今、日本ではISO認証したいという企業が湧き出ているので、認証機関が対応できない状況です」
「とはいえ、今の鈴木さんのお話では相当事前調査をしないと、ババを引く羽目になりそうですね。
認証の期限は、はっきりしていませんが、来年末くらいでよいらしいのです」
「来年末というと1993年末ですか。その頃になれば日本の認証機関もいくつか立ち上がるでしょう」
「そうなれば、売り手市場から買い手市場に替わりますか?
「いえいえ、今の予約待ち10カ月が半年になる程度かと思います」
「そうなのですか、そう言われても社内的にもいろいろ検討しなければなりませんし、直ぐに走り出すわけにはいきません」
「鈴木さん、大事な話ですが、コンサル料はいくらくらいになりますか?」
「ピンからキリまでですね。お宅を訪問して規格解説だけから、文書の雛形提供、会社の実態調査と最適解の提案、審査での不適合対策など、いろいろなレベルもバリエーションもあります」
「審査に陪席してもらえますか?」
「それね、ダメなんですよ。ルールではコンサルが会社の代わりに審査を受けるのはダメなんだけど、陪席は禁止されていません。
しかし認証機関が審査テクニックが漏れるのを嫌って陪席を認めません。
それから皆さんも審査で録音とか録画は禁止です。実際には隠れてやっているところは多いと思いますよ」
「そうなんですか」
「それじゃ見積書ですね。条件はここに私どもの希望を書いてますので、これで出してもらえますか?」
「拝見します。なるほど規格解説、雛形提供、会社の実態を見て最善策の提案と・・・
詳細は戻ってから算出しますが、システム構築に6か月として、その間半月に1回訪問となりますか
見積は1週間くらいで出しましょう」
「あのう、鈴木さんの御名刺には会社名も屋号もないのですが、個人事業者なのですか?」
「個人事業者です」
鈴木氏は約2時間の滞在の後、次の約束があると去っていった。
二人は鈴木氏を建物の玄関で見送る。
「どう、内藤さんの印象は?」
「コンサルなんて会ったことないから、なんとも・・・雛形の提供なんてうれしいね。迷うことが半減しそうだ」
「そうだと良いけど」
竹藤は内心、内藤さんでは軽く騙されそうだと心配する。
二人が職場に戻ると、竹藤は鈴木氏が勤めていたという会社に電話する。
まずこちらは、東北にある中堅企業で現在ISO9000認証活動をしていると自己紹介する。
御社に勤務してISO認証を主導したという鈴木さんが、コンサルの売り込みに来た。鈴木さんのお話を聞いてコンサルを依頼しようかと考えているのだが、ISO認証の際どのような活躍をしたのか、実力はどうなのか、教えてもらえるなら状況を教えてもらいたい。
この当時、個人情報なんて考えはなかった。従業員募集に応募した人の前職に問い合わせるのは常識だ
先方は関係部門から回答するので時間を頂きたいという。
ならば待つしかない。
だが待つことなく電話が来た。
回答者はISO事務局の管理者と名乗った。
回答の要旨は、鈴木氏はISO認証のリーダーだったわけではない。ISO認証プロジェクトの一員だったことは間違いないが、特段活躍したわけではない。
あるとき、会社で作成した資料や規定類を、他社に売っていることが判明して退職した。その後もその時の資料を他社に販売していたが、地元では相手にされなくなって姿を消した。
彼にコンサルを頼むと、認証にたどり着けるかどうか危ぶまれるし、お宅の内部資料を他社に売られる恐れもあると言われた。
竹藤は情報提供にお礼をいい電話を切る。
脇で電話の漏れる音を聞いていた内藤は要旨をメモしていた。
「これほど言われたんじゃ、円満退職でなかったことは間違いないわ。電話の向こうの話がウソだとしても、ケンカ別れでしょう」
「そうだね、話を進める前にあと一人と会ってから考えよう」
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名刺交換してよくよく見ると、XXX認証機関 主任審査員 小林基弘とある。
「審査員の方がコンサルをしても良いのですか?」
「客観性がないと言われるかもしれませんね。でも規制はありません」
ISO認証が始まった頃、審査員がコンサルすることの規制はなかった。
だから初期には、自分が審査する組織のコンサルをして不適合を出さずに認証するケースがいくらでもあった。
似たようなものだが、反対に自分が審査する工場を事前に何度も訪ねて指導してパーフェクトにした審査員も知っている。当時はそういう審査員をスバラシイと言っていた。
その後、それはまずいだろうと、自分がコンサルをした組織は審査できなくなった。とはいえ、同じ認証機関の審査員が指導したところに、別の審査員が不適合を出すわけにはいかないから、そういう場合で不適合が出たのを聞いたことがない。
ということで、それもまずいと同じ認証機関の人がコンサルしたらその認証機関の審査員は審査できないことになった。
だが、人間はどんどん考えて工夫を凝らす。審査員がコンサルしたら、他の認証機関の審査員と話を付けて・・・と実行したのを知っている。
その後もいろいろあったのだろうが、21世紀に入ると認証件数減少により、売り手市場から買い手市場になり、審査員もつまらないケチを付けなくなり、コンサルそのものも先細りになったようだ。
まあ、人間が考えることに限界はないから、10年ほど前から、認証するためのコンサルから、認証の維持を請け負うビジネスへの展開を図っている。
私が現役だったとき、審査員も契約審査員、審査を受ける会社側も代理人なら、一体何のための審査なのかと同僚と笑った。
わざわざ審査するまでもなく、一人が審査した作文を書いて報告書を仕上げれば、大いに効率化できる。
いや、人間でなくロボットでも間に合うじゃないか・・・改善にはきりも限りもない。
「言い換えると小林さんにコンサルを頼み、お勤め先の認証機関に審査を依頼すればミスなく認証できるのかしら?」
「そう露骨に言われるとなんですが、理屈から言って、そうでなければ私どもの商売が成り立ちません」
「今からコンサルをしてもらうとして、システム構築にどれくらいの時間がかかりますか?」
「御社の実態が分かりませんが、ISO対応だけなら3カ月でしょうか。
ただ認証機関によって、そのシステムが運用された期間が何カ月以上という規定があります。最初はどこでも半年とかいいますが、最低3カ月あれば良いでしょう」
「というと、今から準備すれば3か月後に審査を受けられるということですか?」
「いや、そうじゃありません。不足分をルール化するのに3か月かかるとします。
それから新しい方式で仕事をすることになり、いろいろな記録が作られるわけですが、その記録の蓄積期間が3カ月必要ということで、合わせると半年になります。
もちろん仮定の話です。運用してから修正が続けば、3カ月が半年になるかもしれません。そうなれば9カ月かかることになります」
「ああ、なるほど、よく分かりました。
そのふたつの期間は短くできないのでしょうか?」
「いろいろ方法はあります。例えば今から頭を絞り様々な記録の様式を決めて走り出すわけです。
その後、ISOの要求事項をお宅に会社に合わせてルール化を始める。そうすると記録作成をフライングした日数だけ短縮できます」
その後、小林氏にコンサルとしてしてほしいことを書面で示し、その見積もりを依頼する。
小林氏を見送った後、ISO事務局の部屋で二人が話し合っている。
「鈴木さんより小林さんの方が信頼できるね。コンサルと審査員が同じ認証機関なら問題が起きることはないでしょう」
「審査員がコンサルして問題ないのか確認が必要ね」
「それと見積もり次第だな。あまり高くては・・・」
「とはいえ、認証が必須ならそれが一番安全よ。
そうでなくても仕事が多々あるのだから早めに決めて走り出さなくちゃ」
「まあ、お値段次第だ。べらぼうな金額じゃ、話にならない。
いずれ見積もりが来てから加藤部長と話合いだ」
本日の懸念
本日の文章を読んで、そんなことないとか苦情を言ってくる人がいるかもしれない。
審査員のコンサル業の規制は時と共に厳しくなってきたが、言い換えると初期的には野放しもいいところだった。
当時、審査員はお殿様だった。審査員が前泊したホテルにタクシーでお迎えに行くと、ハイヤーでないのかとお叱りを受けたこともある。
遠い昔である。いやたった30年前ですけど。
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