注1:この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。
ご注意ですが、法令は物語の時点を記しており、その後、改正があって現時点と異なるものがあります。
注2:ISO昔話とは
毎度々々、従業員何名の企業とか書いているとアホらしいので、会社の名前を付けることにした。
| 会社/工場名 | 企業の概要 | 認証範囲 | 主要メンバー | |||
| 凸凹電子(株) アルファ工場 |
東証一部の電子機器 メーカーの工場 |
工場従業員 約1,500名 |
||||
| 品証課長 | 品管課長 | 営業課長 | 設計課長 | |||
| ベータ製作所(株) | 東北〇〇県の電子機器 アッセンブリー会社 |
約300名 | ||||
| 加藤部長 | 内藤 | 竹藤 | ||||
| 佐藤マシニング(有) | 埼玉県、機械加工の 町工場 |
32名 | ||||
| 社長 | 工場長 | 吉永 | 山田 | |||
会社名がいい加減だと?、難しく考えず次に行こう。
1992年11月中旬
アルファ工場である。イギリスから
オリバーが指導に来て二十日になる。最初は1週間ほど講習したら帰るという話だった。しかし工場から見るとオリバーはいろいろと便利なので、ISO認証できる体制を作るまでいてくれという話になった。
またオリバーが日本語をかなり話せることが分かり、通訳として来ていた松井は帰国した。元々松井は久しぶりに日本に帰省したかっただけで、もう十分とさっさとイギリスに戻った。
認証のためにすることやISO規格の解釈などの教育は既に終わった。これからは各要求事項について、アルファ工場が規格をみたしていることぉ審査員にいかに説明するかの作業に入る。
現状の仕組みで十分規格要求を満たしているなら終わりだし、不十分ならどのようにするか考えて実際に文書記録を作ることだ。
まずは品質方針である。
「この工場の品質方針ってありますか? なけりゃ全社の方針でも良いですけど」
「工場の品質方針はあります。
ただ規格を読むと『品質に対する方針及び目標並びに品質についての責務を明確にし、かつ文書化する』とあります。これを見るといわゆる方針だけでなく、目標と責務を明確にするとありますから、かなり具体的なものでないと要求を満たさないかと思います」
「モットーとかスローガンでは不十分ですね。とはいえ、全く新しく作るのもなんですから」
「なんですからとは、なんですか?」
「だって、たかがISOのために、方針を作るとか悔しいでしょう」
「いやあ、我々の気持ちを分かってくれてうれしいよ」
「実を言って向こうの会社でも方針というのはあったのですが、方針の部分だけだったので、いちゃもん付くと嫌だった。
それで社長がいつも語っている、言葉というか思いを盛り込みました」
「どんな言葉でしょうか?」
「英国一の品質を目指すとか、もし悪いものを作っても門番が外に出さない
オリバーはかなりジャパナイズされているようだ。
「英国の工場と同じでも良いならそれを頂いたら面倒はないですね。だって英国の審査でOKになったコンバットプルーフ
「でもね、こちらの工場長の思いとかあるじゃないですか。他人の言葉でなくトップの言葉を方針にすべきですよ」
「それじゃイギリス工場のものをいただけますか。それを参考に私どもでドラフトを作り、工場長に見てもらいましょう。気に入らなければご自分で作文してもらえば良いし、工場長が作るにしても見本があった方が良いでしょう」
なんかかなりいい加減な会社ですね。トップが承認伺いで出てきた方針に、ハンコを押すものでしょうか?
毎年新年のあいさつ、新年度の方針を総務部長に書かせているのでしょうか?
案外そうだったりして・・・
同じ頃
ベータ製作所である。
ISO事務局の事務所で、内藤と竹藤そして
小林審査員が話をしている。
「ええと、まず簡単なことから決めていきましょう。
規格の最初で品質方針を決めろとあります。これは別に新たに決めることじゃなくて、今まで御社に品質方針があれば、そのまま使うのが一番です。品質方針ありますよね?
見せていただけますか」
「品質方針・・・ありましたよね?」
「私は入社してまだふた月よ、知らないわ」
「あったと思います。ちょっとお待ちください」
内藤は総務部に電話して、品質方針があるかと尋ねる。
「品質方針はありました。ええと、電話で聞いたのをメモしたので、一字一句同じかは分かりませんが」
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ベータ製作所品質方針
19XX年 工場長〇〇 お客様のニーズを把握し製品に反映する すべての人が手順を守って仕事し、己の仕事に責任を持つ 常に問題意識を持って行動し、納期品質コストを改善する |
「どれどれ、うーん、すばらしい。制定されてから何年も経っていて歴史もある。
このままでも、良いじゃないですか」
「規格を読むと『品質に対する方針及び目標並びに品質についての責務を明確にし、かつ文書化する』とあります。これを満たしていますか?」
「一番目の方針は良いよね、2番目と3番目は品質についての責務だろう。
目標は・・・なさそうだな」
「まあ杓子定規でなくても良いとは思いますが、どんな審査員が来てもいちゃもんが付かないようにと思うなら、三行めを『常に問題意識を持ち、目標を掲げて納期品質コストを改善する』くらいにしますか」
「じゃあ、社長に方針を見直すようにお願いします」
「ちょっと、ちょっと、ISOが優先するか社長が優先するかとなれば、社長の思いが優先します。
私は現状でも良いと思いますが、内藤さんが気になるなら、そこを少し補強したいと伺いを出すべきです。あくまでも社長の意思が優先です、方針なんだから」
注:日本でISO9001認証が流行したのは1992年頃からだ。それまでの方針は「品質は何よりも優先する」「品質で社会に奉仕する」のような、方針というより理念とか標語という感じのものだった。
私の知る会社では、ほとんどそのままマニュアルで方針と提示したが、審査でいちゃもんが付いた話は聞いたことがなかった。
1994年改定で規格の方針の項番の文字数が増え、いろいろ具体的になったので、モットーではダメという風潮になり各社文章で規格要求に対応した形に代わっていった。
ところがISO14001になると様変わりした。
審査で「環境方針に規格にある汚染の予防という言葉が入っていない」「枠組みという言葉が入っていない」「製品又はサービスに適切であると書いてない」などの不適合でない不適合を出された。
そのために規格の構文そのままの、固有名詞だけ変更した方針の横並びになった。企業トップの意思は全く無視された。何のためのISO認証なのか、方針とは認証機関のためにあるのか?
2010年を過ぎてから、自由な形の方針が増えてきた。アホなことを言う審査員が死に絶えたのかもしれない。
同じ頃
ここは佐藤マシニング(有)である。
指導にやってきた
高原さん、会社側は吉永さんと山田さんである。
「大体規格の理解はできたと思います。
これからはマニュアルを作っていこうと思います。マニュアルはISO規格が『・・・する』とあることを、『当社では・・・については、何という文書で、どのようにするかを決めています』と書くのがパターンになります」
「ええと誤解のないように確認したいと思います。
例えば最初の項番の『4.1.1品質方針』では、『経営者は、品質に対する方針及び目標並びに品質についての責務を明確にし、かつ文書化する』とあります。
これに対応するものを考えると『社長は、品質に対する方針及び目標並びに品質についての責務を明確にし、かつ文書化する』とすれば良いのですか?」
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これから皆さんが作りあげるわけですが、その際には多くの従業員に読んでもらって分かりやすい文章にしてください。ISO審査のためのものではありません。末永く皆さんが付き合っていくものですから」
「なるほど、分かりました。文書にするというと会社の規則にするのですか?」
「方針をどう扱うかについては、いろいろな方法が考えられます。
まず方針は規則の体系外にあると考えてもおかしくない。社長が年月日に表明した品質方針であるというだけです。
しかしそれでは位置づけもあいまいですし、管理・・・つまり広報とか印刷物に使用するときに許可とか古いものが使われたりすると困ります。
それで方針の管理規則を作って管理するという方法も考えられます。そういう仕組みにすれば、これから環境方針とか安全衛生方針などを出す場合でも、一括管理ができますね。
あるいは品質方針そのものを規則としてしまうという手もあります。その場合は会社の規則体系の品質の章の一番目に置きたいですね」
「どうするかは、これからの話し合い次第ということですね」
「この会社には会社規則そのものがないのですよ。前回も吉永さんが就業規則くらいしかないと言ったでしょう。これは会社の文書体系を作らないと始まりませんね」
「ちょっと待って、品質方針はこれからイチから作るのですが、どうしたら良いですか?」
「品質方針というタイトルでなくても、社内報とか新年の挨拶で、社長が品質について意志を語ったものがないですか?」
「社内報というものはないです。新年の挨拶と言っても朝礼で、昨年は事故もなく無事に過ごせた、今年は欧州向けプリンタが増加すると思われるので怪我のないように頑張りましょう程度で終わりですよ」
「考え方として社長に考えてもらうというのと、事務局の皆さんが案を作って社長の決裁を受ける方法がありますが、どうします?」
「ISOについては我々に任せたと、社長の頭には銭金と生産しかないですよ」
「そうですか、まず勘違いしてないと思いますが、方針とは標語ではありません。文章になりますね。最低数行、多ければ1ページくらいあっても良いです。そこに社長の思いと規格要求を盛り込むわけです」
「他社の方針があれば、見せてもらったほうが早いですね」
「とはいえ他社の方針を10件くらい集めて、気に入ったものの固有名詞だけ書き換えても面白くないでしょう。
あくまでも参考にするだけです。大口を叩かないで、この会社に見合ったものにしてください。オゾン層保護なんて言ってもできることがありません」
注:1992年頃はオゾン層保護の対応が真っ盛りだった。法規制は1980年代から行われたが、実施はまさにこの時期で、
エアゾールスプレーのフロンガス切り替えは1993年、特定フロンの洗浄禁止は1995年頃、家電リサイクルのフロン回収は2002年頃までかかった。
オゾン層は現在はっきりと回復基調にあり、世界の大部分は2040年には1980年の状態に戻ると言われている。
本題であるが、洗浄などでフロンやトリクロロエチレンを使っているところでないと、中小企業が環境保護をテーマにしても省エネくらいしかできることはなかった。地球温暖化はまだ大騒ぎになっておらず、ダイオキシン騒ぎは7年後だ。
「資料を頂いたら、それを参考に案を作ります。次回はそれを見てもらいます」
「了解しました。では山田さんの文書体系の話に戻りましょう。
お宅には会社の文書についてのルールはありませんか?」
「正直言ってありません。
文書と言えるようなものは現場で使う、私たちが現場用図と呼んでいるものです」
「現場用図とはどんなものですか?」
吉永は棚からくたびれた紙ファイルを数冊取り出す。ファイルの周囲はすり減り、ファイルされている紙も端が折れたりしている。
「お宅から図面が送られてきます。例えばピンならA4の図面1枚で完成状態まで書いてあります。
我々はこれを作るにもいくつもの工程を通ります。今はNCの自動機が多く、ほとんど1台の機械で加工が済んでしまいます。
NC機械なら1つの機械でいくつもの加工をしますから、その加工の順序、取り付ける刃物、切り込みの深さとか速さなど、仕事の要領を書いたものが必要になります。
NC機械の担当者はそれを見れば、NCテープの番号と刃物取り付けなどの段取り、加工中や完成品のチェック項目や頻度などが分かります。それを現場用図と呼んでいます」
「なるほど、現場用の図面で現場用図ですか。同じようなものはウチでもあります。作業要領書と言ったかな?
それは誰が作成して、誰が検印するのでしょうか?」
「手作業の汎用機で加工するものは、熟練工が書いて工場長が検印します。主力であるNC機械は、プログラムも現場用図も私が作成して、検印は工場長です」
「それじゃ新製品の立上げ時は吉永さんは大忙しですね」
「お宅の製品であるプリンタがモデルチェンジしても、中の機構も部品も大きくは変わりません。変わっても寸法が違うくらいですから、そんなに負荷はありません。むしろ検査用ジグとか専用の通箱の手配などに手間がかかります」
「なるほど、ここで気になるのは現場用図の発行管理、使用管理、廃棄方法などです。
吉永さんが現場用図を描いてそれを工場長が検認します。工場長はどんなチェックをするのでしょう?」
「工場長は昔の人ですから、NC用の加工工程毎に分解したものを見てもあまり分かりません。ですから何も見ずにサインするだけですね」
「吉永さんが信頼されているのですね。とはいえそれでは文書管理4.4.1にある『文書はその発行に先立ち、権限を与えられた者がその適切性について再確認をし、承認する』に適合していませんね」
「ええと何が悪いのでしょう?」
「『権限を与えられた者がその適切性について再確認』をしていないことですね」
「その通りです。工場長が内容をチェックしないといけませんね」
「うーん、困ったなあ。NCの段取りも加工も工場長は分かりませんよ」
「でも加工寸法とかはチェックできるでしょう」
「初回加工するとき寸法チェックしますから、それで検証できます」
「でもそれは品物がOKなだけで、現場用図がOKということではないですよね」
「そう言われると理屈はそうですね」
「生産に入ってから、現場から現場用図の加工方法を変えるとか荒削りの寸法変更などを要求されたことはありませんか?」
「それは結構あります。もちろん改善は良いことなので、私のミスや改善になることはすべて対応しています」
「それは現場用図の原紙を修正して、再発行していますか?」
「うーん、そこは弱いところなのです。
現場で私がボールペンで現場用図を修正し、NCプログラムはNC機械のキーボードから入力して終わりですね」
「ISO規格ではお宅で現場用図と呼んでいるものを、作業指示書(work instruction)と呼んでいます。まあ、名称は会社ごとに違って良いのですが、それも文書として管理せねばなりません。
それとNCプログラムもデータという呼び名で文書と同等の管理をすることになっています」
山田は高原の話を聞いて対訳本をめくり、それを吉永に渡す。
「吉永さん、工程管理の『4.9.1 一般』にあったわ。
データの管理は文書管理の『4.5.1 文書の承認及び発行』よ」
「現場で修正するのがまずかったですか?」
「いや現場で修正するのがまずいのではないです。そういう方法で修正すると決めておけば問題の一つは解決します。
問題は文書は発行したときと同じルートで改定しなければなりません」
「というと?」
「工場長の検認が必要だということです。
もう一つありますが、現場用図の原紙は現場のものと同じく修正していますか?」
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「となると原紙の修正をしていないことと、その修正の検認もたぶん漏れているのでしょうね」
「うーん、そこまでしないとダメですかね?」
「これは文書で指示する場合の鉄則ですから絶対必要なことです。
問題を整理すると、新しく現場用図を作成したときの検認が有効でないということがあります。一旦発行した後に修正していることを工場長は認識していないのではないですか?」
「全然知らないでしょうね」
「ということは工場長が検印する意味がないと言うことです。
ならば他に検印する適任者はいませんか?」
「工場長以外というと社長は全く現場を知りませんし、山田さんだって分からないでしょう」
「現場の人に見てもらった方が、効果はあるのではないですか?」
「そうですが、工場長が気を悪くするかどうか」
「そこはお宅で考えて欲しいところです。外部の者が言う話ではありませんね。
ただ過去に現場で使われた現場用図の改定が多ければ、検印の意味がないと思われます。
それと現場で修正することはダメではないけれど、それをルール化すること、現場で修正したことを原紙に反映して修正しておくこと、これは必須です」
「工場長と社長と相談します」
「忘れてましたが、NCプログラムの確認と承認はどうなっていますか?」
「うーん、私がプログラムを作って試加工して、寸法を測ってOKならおしまいです。第三者の確認はないですね」
「吉永さんでなく、完成品の検査は別の人の確認を得るくらいは決めておきたいですね」
「おっしゃる意味は分かります。考えます」
「大分それましたが、メインは文書体系の話でしたね。ここで文書とは、ルールを定めたものです。契約書とか決算書は文書でなく記録になります。
先ほど話が出たデータも、作成時の確認、変更時の確認、第三者に扱われないような保管など文書同様の管理が求められています。
NCプログラムの保管、バックアップなども忘れないでください。
会社は最低限必要な文書があります。定款
その他にも法律はなくてもお金の扱いについてのルール、営業の権限とか図面や納期の対応についてとかたくさん文書があると思います」
「ルールと言っても規制するというより、仕事の方法のことですね?」
「規制と言っても、方法と言っても、実質的には同じです。方法を逸脱したとき罰則と考えられます」
「ISO9000で『手順を設ける』とは、ルールを文書にしろというのと同じ意味ですか?」
「実質的に同じですね。ルールを文書にするというべきか、文書でルールを定めるというべきか、イメージとしては後者でしょう」
「文書にして、初めてルールになるということですか?」
「文書に決めてないルールは恐ろしい。あるいは決めていても公開してないルールなんてあってはいけない
そのために成文法主義があり、秘密法の禁止があります。だからこそ『法に無知はこれを許さず』と言えるわけです。もっともこれは法治主義の国だけです。
中国のように秘密法とか内部規定で重要なことを決めている国では、一般人は法規制を知らないわけですから、
いつなんどき逮捕されるかもしれません。
そんな国で行政(官憲)が言う法律は嘘かもしれないし、事後法かもしれません。異常な世界です。
そう言えば事後法は韓国でもありますね。ありゃ、まっとうな国ではありません。
そういう環境では、危なくて暮らしも企業活動もできません。近代法の精神のない国家とは恐ろしいのです。
おっと、話がそれましたが、そういう理屈は法律だけでなく、文書管理でも図面管理でも共通しています。そうでなければ国でも会社でもまともに動かないからです」
「会社のルールを文書にする重要性は分かりましたが、具体的にどうしたら良いのでしょう。
従業員30人の会社で大企業と同じことはできません」
「もちろん単純で簡素な仕組みを実現しましょう」
本日ののぞみ
この昔話で書いていることは、こんなことがあったなあ~という懐古ではない。こんなことがあれば良かった、こうであったら良かったと思うことを書いている。
大企業のテーラー氏、中堅企業の小林審査員、中小企業の高原氏、ISO認証の指導に来ている人には、みなまともなことを語らせている。彼らは私の代理人だ。
現実は大きく違った。
審査のルールを説明せずに審査に入る。これはルールを説明しない方が処罰対象だ。
審査員個人による規格要求の拡大解釈、あるいは認証機関独自の要求事項追加。
品質でなく環境であったが、ISO14001で不適合を出せないときはISO14004のshouldで不適合を出すなんてこともあった。驚くことに、某認証機関の審査員研修ではそういう手口を教えていた。私は証言できる、その講師から習ったから。
我々企業側は、そういうことをされても、泣き寝入りするしかなかったのだ。
思い返すと、審査員の要求で、無駄というかアホらしい仕事もした。
審査が終わると、審査員から頼まれた資料作りをした。判定委員会で説明するとき納得させやすいから必要と言われました。気が利いた図表やさまざまな資料をまとめパワーポイントを作って便宜を図るのがお決まりコースです。
審査員が変わっても同じことを要求された。
年と共に依頼される仕事がだんだん増え、手に負えなくなりました。一日二日ならともかく、一週間もかかっては仕事が止まります。
認証機関に省力化をお願いすると、そのようなものは認証機関は知らない。不要であるとの仰せ。
一体、あれは何のためだったのでしょうか? もちろん個人的にしていたコンサルで使っていたのでしょうけど。
いろいろなことがありましたが、13年も過ぎれば熱さも忘れます。今は、恨み辛みはともかく、あのようなことが二度と起きないようにと願うのみだ。
ISO第三者認証制度の人たちは、もっと完璧な認証システムを作るべきだったと思います。仕組みを作るだけでなく、生きた運用でなければなりません。
マネジメントシステム審査に来る審査員は、他人のシステムの評価はできても、己のシステムの評価はできないのでしょうか?
ISO9000sの意図は顧客満足だ。その審査が顧客不満足を引き起こしたのでは、サスティナビリティは無理だ。
SDGsマーク
サスティナビリティを実現するには、胸にSDGsバッチを付けることではない。規格の意図である「顧客満足」を実現すべく努力することだ。いや努力だけでは意味がない、実現しなければ。
それができなければ無に還るのが定めである。
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