イラク攻撃に反対します(その2)

トルコ新聞Yeni Safak - daily newspaper2003.03.23より
(その1) (その2) (その3) (その4) (その5)
劣化ウラン弾廃絶!(→劣化ウラン(DU)とは)
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(11) なぜ米英は、こうまでやみくもなのか

友人に楽しくないことはやめようよ、と言われました。私のこの戦争への抗議活動のことを指していたのだと思います。
私だって楽しくないことはやりたくありません。
私は人と言い争うのが大嫌いです。

今までの人生もずっと音楽で周りの人と一緒に幸せな気持ちになることを目的に生きてきました。
この人はどんな曲が好きなのかな?この曲はきっとこの人にとって思いで深い曲だろうな、などと思いながら、ピアノを弾き、聴いてくれる人たちが、幸せになってくれるのを、自分の幸せとして生きてきました。

今毎日私は極度の緊張感を持って家を出て、周りを歩くおしゃれした戦争などには無関心な人たちの渦を抜けて、アメリカ大使館に向かいます。
楽しいことではありません。
大使館前では、アメリカの行為を非難する言葉で、自分も傷つきます。
何故なら、日本も同罪なのだから。

私は政治に興味は無いのです。私はただイスラームでありたいだけなのです。
でも今回の侵略戦争は、私が一人のイスラームとして生きていくのに、政治と無関係で生きていくことはできないのだと痛感させるところまで私を追いつめています。
楽しくないことをしなくて良い権利が、私にあるとはもう思えないのです。

さて、もう少し新聞などから得られる情報を整理してみたいと思います。

【なぜ米英が、湧きあがる世論の非難や反対を押し切ってまで、こんな破廉恥な行動にでたのか。】

これは、石油の利権や、軍需産業や戦後復興の利権を獲得することが目的であることはメジャーな新聞でさえ認めていることです。
破壊したあとの復旧工事の入札も約1000億円分が早々と行われ、油井の消化作業を落札したのは米国のハリバートン社です。これはチェイニーが副大統領就任直前まで最高経営責任者を勤めていた会社です。なんともあきれ果てた話ではありませんか。
ブッシュ大統領が先日議会に提出した約9兆円の追加補正予算の8割はロッキードを始めとする軍需産業やエネルギー関連産業に注ぎ込まれます。現米政権の中枢を担うひとびとの関連会社です。
そして、彼らに支払うのは米国民や支援国民です。積極的に手をあげている日本は膨大な額の支援金を税金で支払うことになるのです。人殺しと破壊の代金とインフラなどの復興のためにです。死んだ人は帰りません。

これだけ支離滅裂な論理で世論を蹴飛ばし、やみくもに「我慢できない。時間がない。Let's Go!」と攻撃に突入したのは、今回は特に周到に準備を進めてきた仕上げの行動として予定していたからに他ならないと考えます。
湾岸戦争、9.11の同時多発テロと呼ばれた米政府の関与を疑わざるを得ない不可解な事件からアフガニスタン、イラクへと連続する行動は、まさしくブッシュ大統領をとりまくタカ派の新保守主義者(ネオコン)が目指している新社会秩序、世界支配に向けて予定した「長い戦争」の重要なステップになっているからのように見うけられます。

2003.03.30 ヤスミン植月千春

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(12) 「関心がない」こと

イラクの民間人に犠牲が出ていることに、日本政府は「これは戦争ですから。」と言って、仕方がないという顔をしています。
サダム・フセインが悪いのだと決めつけて、連日イラクの無辜の人たちを虐殺していくことを、仕方がないという一言で自分を納得させることができる人たちが、イラクの人たちを自分たちと同じ人間だと思っているとは私にはどうしても思えません。
仮に、自分の家族の一人がイラクに滞在している場合は、答えが違うのではないでしょうか。

「ミサイル3000発で一日にして原爆の効果が期待される。バクダッドに安全な場所はどこにもない。」というようなニュースが平然と流されること自体、感性や理性が麻痺し、良心がなくなってきたのだということを私達は自覚しなければなりません。

昨日触れたように、こういった戦争で莫大な利益を得るのは、アメリカの政権を操る一握りの軍需産業や石油産業などの一部の資本家達だけです。また、一旦戦争が始まれば、建て前すらかなぐりすてて分け前にあずかろうとする国々もあります。

そして、他の人達はみんな将棋の駒として犠牲になります。

1991年湾岸戦争の後、何人の兵士と民間人の命が奪われたかを尋ねられたコリン・パウエル将軍は、「死亡者の数は我々の関心事ではない。」と言い放ちました。
アフガニスタンやイラクなどのそこに住む人々の命は邪魔なものであったり不必要なものであったり、どうでもいいものとして、スーパー兵器ショーの格好の標的として奪われていきます。劣化ウラン弾などで、国土も放射性物質で汚染されて、長い年月にわたって人々が苦しみ、死に、産まれくる乳幼児もガンで死に、人の住めない土地になることなどは、アメリカの興味のないことか、それ自体、もしかしたら折込済みの恐ろしい計画のひとつなのかもしれないとさえ思えます。

勝者にとって気になるのは自軍の損害ですが、ちなみに、湾岸戦争で戦闘で死んだ米兵は150人弱、1991年の秋にアメリカへ帰還したとき、米兵の死傷者合計は760名でした。死者294名、負傷と病気が400名あまりです。

ところが、戦後、22万1000人の将兵が障害補償を受けました(2002年9月の復員軍人援護局報告)。これらは湾岸戦争症候群といわれ、放射線障害や重金属による疾病で、劣化ウラン弾使用がその原因です。その中、約9000人がガンなどですでに死亡したことは3月27日付けの文章でも書きました。しかし、これら都合の悪いことは米国務省の関心事ではないのです。

一方、正確な数字は出ようもないのですが、イラク側は、およそ20万人ほどのイラク兵士が退路を断たれてスーパー兵器で虐殺され、その後の劣化ウラン弾の影響や、経済制裁の影響でこれまでにおよそ150万人ほどの方が亡くなりました。 このことなど、同罪である日本政府にも「関心がない」ことなのでしょう。

あまり離れていて実感がないかもしれません。
20万人というのは、山手線の周りに並べて10周ですよ。150万人というのは、東京−大阪を2往復以上ですよ。これらの人々を事前に想定していたかどうかは知りませんが、アメリカ支援とか国際協調とかいう言葉で殺したのですよ。

そのいいかたは酷いという人がいるとすれば、日本政府が供出した約2兆円弱の応分に分けても東京−大阪の片道分の責任があるのです。

本当は数字の問題ではありません。でも、あまりに理不尽ではないですか。

大量破壊兵器をもっているかもしれない、いや、持っているに違いない。
と言って...今度は何人ころすのですか。何人まで殺してよいのですか。
それも関心事ではありませんか。

2003.03.31 ヤスミン植月千春

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(13) アメリカという「友人」

とうとう四月になってしまいました。
三月二十日にアメリカがイラクに先制攻撃を始めて十三日経ちました。
開戦の前は、何としても戦争にならないように…と、開戦後は、今日こそは戦争を止めたい…と、祈りながらの毎日です。

もう一度振り返ってみたいのですが、小泉首相が二十日の緊急記者会見で言ったことはこうです。

「イラクは国連決議を無視、軽視、愚弄し、十分誠意ある対応をしてこなかった。大量破壊兵器を危険な独裁者に渡すとどれほど大きな危険に直面するか、日本もひとごとではない。
米国は日本への攻撃を米国への攻撃と見なすと言っている唯一の国だ。これが大きな抑止力になっている。」

3日前の29日に書いたように、前半部分はイラクをアメリカに置き換えるほうがよほど適切だと思われます。どれほど国連を軽視し、愚弄したのはどちらかかは、まともな判断力のあるひとであれば明白です。

今日は、後半部分に焦点をあてたいと思います。
このような危険なアメリカの外交政策によって、どこの国も安泰ではいられなくなり、いつアメリカに先制攻撃され、迅速に徹底的に核使用も辞さず叩き潰されるかわからないという可能性があるわけです。攻撃の理由は、アメリカの意に添わず利権を譲らないことであったり、あるいは、常に戦争状態を作って軍需産業を潤すために恒常的に対立図式を作るためだったりするわけです。

当然、悪の枢軸よばわりされている北朝鮮も戦々恐々としているわけで、防衛のための努力をするのは当然のなりゆきです。
日本は、何を考えているのか、このところ反朝感情をやたらに国民に掻き立て北朝鮮は危険だ危険だと言い出しています。そこにもってきて、アメリカが護ってくれるから、いや、護ってもらわねばならないからと、アメリカを信じきって一心同体になり率先してイラク攻撃を支持したわけです。 これは極めて危険なことです。

冗談ではなく、アメリカは何をするかわからない。論理や主義主張があるのではなく、軍事帝国として何をするかわからないということが、今回の行動でひろく世界に広まったわけです。日本政府はそうは考えていないかもしれませんが、これは今回世界の常識となったわけです。百歩譲っても、間違いなく北朝鮮はそう考えています。

アメリカに護ってもらうどころか、アメリカは、いつ北朝鮮に攻撃をしかけるかわからない。少なくとも挑発したり、脅威を与えたりしているわけです。
こんな状態では、北朝鮮としては米軍基地のある日本や韓国を直接攻撃することもやむない事態がでてくる恐れがあります。
日本の年度末の道路工事のように、あたかも公共事業のようにアメリカは毎年必ず世界のどこかで軍隊を動かし、どこかを攻撃しています。
それもそのはずです。アメリカ国民の税金は、おどろくことに半分以上が軍事関係費に使われています。このため、教育や、福祉などは省みられてもいません。世界の軍事費総額に対してみれば、米国一国で実に40%近くを占めています。アメリカはこの巨額の予算で軍需産業を支え、戦争をいわば公共事業のようなものとして行なわざるを得ない状況にいるのです。

日本はこんなアメリカの不沈空母であったり基地であるのですから、使い捨ての友人であることは間違いのないところです。

本当にひとごとではなく、間違いなく私たちは戦争に巻きこまれます。友人ではなく敵を作ることに奔走しはじめた小泉首相は、大変な決断をしたのです。

日本政府は大きな間違いを起こしています。イラクにしても、北朝鮮にしても、何としても平和を目指すためにはお互いの理解と尊重が必要なのであって、解決の方法として武力に頼っては絶対にいけないのです。

2003.04.01 ヤスミン植月千春

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(14) 自爆攻撃が卑怯?

アメリカのイラク攻撃理由は、大量破壊兵器がテロリストの手に渡るのを防ぐというものですが、実際に行っていることは、平和に暮らしている人々を追い詰めて「テロリスト」に変えてしまう行為です。

人間は偽善からではなく、心から出てくる優しさには、優しさで応える美徳を持っていますが、自分が酷い状態に居るとき、もっと酷いことをされれば、そこには憎しみと疑いしか生まれません。

アメリカは自分たちを、解放軍としてイラクの人たちが迎え入れるだろうなどととんでもないことを考えていたようですが、大間違いです。イスラームの人たちは、侵略者に対しては断固闘います。偽善者を迎え入れることなどできるはずがありません。

アジズ副大統領の「我々はイラクでうまれ イラクで死ぬ。」ということばどおり、兵隊であろうが、民兵であろうが、民衆であろうが、みんなが自分たちが生まれ育った土地を守るために命がけで侵略者と戦おうとしているのです。
まわりのイスラームの国からも義勇兵が続々とイラク入りしていますが,当然のことと考えます。
イスラームは一つの身体であり、身体の一部が損傷を受ければ全体が苦しむのですから。

アメリカは、圧倒的な優位を誇っているからこそ攻撃に踏み切った卑怯な国ですが、テレビの解説者たちは、自爆攻撃は卑怯だと言います。何と言うばかげたことでしょう。すべてを奪われたひとたちの最後の抵抗手段としてなにがあるというのでしょうか。

外側から、この戦争を宗教の問題と考えるのも、宗教の問題ではないと考えるのも自由ですが、自国の利益のために他国を蹂躙するというのは人間として最低の行為であることはあきらかですし、現実として大量のイスラームの人々が一方的に攻撃されているのです。

アメリカでも日本でも、テロの危険性をあおっていますが、本当は戦争を正当化するための宣伝にすぎず、本当に脅えている状態ではありません。街を歩く人々は爆弾がそばで本当に爆発するなどとは考えずに歩いています。しかし、こんなことを許していれば、早晩、本当に恐怖を味わうことになると考えます。

やめるのは今です。今こそアメリカに「勇気ある撤退」を進言するよう日本政府に要求します。

2003.04.02 ヤスミン植月千春

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(15) アメリカ大使館前の人間模様

アメリカ大使館前に抗議に行くと、いろんな人に逢います。

開戦前から戦争をおこさせないために毎日抗議をしていたひとたちは、開戦となってしまった今、なんとかして戦争を止めようと以前にもまして声をあげています。

泊まりこみで抗議アピールをしている人たちもいます。
アメリカが開戦した最初の日曜日に抗議の替え歌を歌い、「楽しくやろうよ」と言った若者に私は「楽しくなんかやれない!」と言ったのでしたが、そのうち、彼らが泊まりこんでいることを知りました。
彼らは雨の日もそこにいて、カップラーメンなどを食べて道で寝ていました。

私は彼らに対してとった攻撃的な態度を詫びました。
彼らは空爆の下にこそいないけれどずっとアメリカ大使館前でたたかっているのです。
私は少なくともベッドで眠り、家の中で食事しているのです。
どちらが楽しい生活をしているかは明白でしたから。

ビキニ姿で抗議にきた女性たちもいます。
最初はピチピチと元気だった彼女たちも、日が経つにつれ、だんだん消耗してきているようにみえました。
それでも、もうすでにかすれてしまった声で、「戦争反対」の抗議の声を精一杯あげていました。
最初はビキニ姿に抵抗があった私も彼女たちが身を削ってアピールしていることが痛いほどわかってきました。
それぞれがそれぞれの方法で精一杯抗議の声をあげています。

抗議している私たちに「うるさい」とか「情けない」とすら言い捨てていく日本人もいます。

「我々には何の関係も無い」と言って、冷笑を浴びせていくアメリカ人もいます。

かと思えば、警備している警察の中にも、穏やかな目で私たちを見て、「気持ちはわかる」と言う人もいます。

殺戮が長期化する中で、いろいろな人間模様を見ながら、今戦争を止めるために何ができるんだろう、五年後、十年後じゃなくて、今!・・・と焦る気持ちと闘う毎日です。
こうしている間にも、毎日毎日人が殺されているのです。

攻撃される側にとっては、とんでもないことは言うまでもないことですが、一方、正義感に燃えて攻撃に加わって、命を落としていくのは誰でしょうか。
政府のプロパガンダにのせられて、「正義の戦争」に志願する人も中にはいるでしょう。
でも結局、前線に送られるのは、資本家の息子たちではなく、お金のない人々であり、有色人種、ヒスパニックなどを主体とした、軍需産業にとっては「使い捨て」の人々です。
劣化ウラン弾の影響など知らされもしません。
グリーンカード(米国永住権)と引き換えに、前線に行っている人もいるという話も聞いています。

戦争反対の立場からアメリカも徴兵制を復活させるべきだと言う議員も出てきています。
日本も徴兵制が復活するとしたら、今のようにアメリカに完全服従するのでしょうか。


2003.04.03 ヤスミン植月千春

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(16) ことばの意味

ブッシュ大統領は「イラクが自由になるまでは(戦いを)やめない」 と言っています。 新聞には括弧がひとつ補記してありますが、もう一つ括弧が必要でしょう。

「イラクが(アメリカの)自由になるまでは・・・」と。

このひとに自由や正義を語ってほしくありません。あまりにも言葉の意味がなくなってしまいます。
アメリカ政府に平和や民主主義を語ってほしくありません。この100年の間に毎年、100回以上の他国への軍事介入を続けてきた国ですから。

「一般市民を犠牲にしているフセインを戦犯として裁く」とも言っていますが、イラクの一般市民を犠牲にしているのはアメリカ自身ではありませんか。
アルジャジーラの報道した、頭が半分吹き飛んだ子供の写真を見た人も多いでしょう。

爆撃で傷ついた子供が痛みに顔をゆがめながら母親に「泣かないで」といっていたということです。

こういう状況をつくったのはブッシュ大統領そのひとではありませんか。

あまりにも自分勝手で傲慢な言葉に頭が錯乱しそうになります。
これが人の心を持った人間の言うことか、やることか、と言葉もありません。

小泉首相や川口外相は、本当に彼の言葉を理解できているのでしょうか?
できているのだとすれば彼らも悪魔です。できていないとすれば、あまりに軽薄で無責任です。

ここにきて人の心を持たない人間の集団が本当に存在するのだ、ということをぞっとするような思いで受け入れざるを得ない心境になってきています。
彼らは良心というものを捨てたのだ、と。
彼らにはあたたかい血の流れる人間としての言葉は届かないのだ、と。

今の私に出来ることは、抗議をし続けることと、祈ることしかありません。
私は神の存在を信じています。
今起こっていることは、神の意志だと受け入れてもいます。
でも、今起こっていることについての判断は私たちの責任においてなされなければならないと考えます。運命を受け入れるということは、何もしなくても良いということだとは思っていません。


2003.04.04 ヤスミン植月千春

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(17) 戦争にこじつける理由

このところニュースでは、爆撃で何人の人が犠牲になったかというような報道よりは、戦後の事に比重が移っているようです。

戦後復興では日本が世界に存在感を示すチャンスだ、と言っている大学教授がいました。
アメリカ国民の税金の半分以上を軍事関係に費やしているのに加え、わざわざ9兆円の補正予算まで組んで、めちゃめちゃにした国の復興をチャンスと言ってのけるこの感覚に背筋がぞっとしたのでした。

「イラクには石油も水もあるのです。これを利用しない手はありません。」と他国の財産をまるで自分のもののようなものの言い方をしています。米政権も、イラク戦後復興に関して、人道支援は国連にまかせて、軍事作戦に参加した米英が主導すると言っています。


この戦争をアメリカはどう言って始めたか覚えているでしょうか。

「イラクは9.11のテロを支援していたのでフセイン政権を倒さねばならない。」
次に、テロとの関係づけの説明ができなくなってくると、
「イラクは核兵器を開発中で、化学兵器も持っている。大量破壊兵器を隠し持っているフセインが悪い。フセインを倒す。」
と理由を変えました。

今はどうでしょう。
もう米英軍は、「間もなくイラク全土を完全に掌握する」ので「フセイン大統領の存在は関係がない。」というのです。

最初からイラクを経済制裁や毎年の空爆などで疲弊させておく政策だったようでしたが、ついに、占領すべきという意見が強くなり、9.11事件を期にその時期を今に決めたというのが真相でしょう。理由などどうでもよかったのです。

なぜならば、前にも触れましたが、イスラエルにはたくさんあっても、イラクに大量破壊兵器がないことくらいはアメリカが一番良く知っているからです。

1998年までの査察で殆ど破壊し廃棄されて、調べ尽くされていたのです。
1991年から98年まで7年間、イラクの査察現場でもっとも有能な米国人主任査察官として活躍したスコット・リッター氏は、「ブッシュ政権は大量破壊兵器の査察よりも、フセイン政権の転覆を目的としている」と述べ、イラク側とトラブルをわざと起こし、軍事介入の口実にするような指示を米政府から受けていたと明らかにしました。
リッター氏は、米国のあまりのやり方に抗議して査察官を辞任したわけですが、米英はというと、イラクが悪いとして98年に大規模バクダッド爆撃を行っていますし、経済封鎖も空爆もずっと行い続けてきていたわけです。

イラクから亡命したフセイン大統領の義理の息子であるフセイン・カメル中将が、1995年にすでに大量破壊兵器が破棄されていた、と証言していことについて、アメリカ政府は自分の都合の良い証言だけ利用して、こういった部分を故意に無視したことを、あの体制よりのワシントン・ポストでさえも伝えています。

正義のための戦争なんてあるはずがないのです。
力ずくで自分のやりたい放題やろうとしている人たちがいるだけです。

正義といえる戦争があるとすれば、自衛する側にあります。


2003.04.05 ヤスミン植月千春

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