Brian Simpson: "It's All Good"
2006/09/08 21:27Filed in: Smooth Jazz
Brian Simpsonの "It's All Good" を紹介します。この人、ちょっと大学の物理の先生のような風貌をしていますが、素晴らしいセンスと腕前のコンポーザー・アレンジャー・ピアニストです。ノーザン・イリノイ大学ピアノ専攻を卒業後1985年にLAに出て行き Jazzクラブで名をあげはじめたのがプロの音楽家としてのキャリアの出発点だったそうです。しばらくすると、Sheena Easton, Janet Jackson といった有名ポップ・シンガーのバックバンドとして世界中のツアーに出かける多忙な日々をおくることになります。もちろん、Jazzピアニストとしての活動も続けていて、George Duke, Larry Carlton, Billy Cobham といった強者ミュージシャンのツアーメンバーとして活躍しました。Simpson は、Jazz系のミュージシャンの中ではとりわけアルトサックス奏者の Dave Koz との関係が深く、ここ8年間ずっとDave Kozの Musical Director をつとめ、Koz の内外のツアーにはすべて参加しています。Dave Koz の Tokyo Jazz 2006 (Blue Note Tokyo, 2006年9月3日) 公演にも参加して来日しています。
"It's All Good" は、2005年7月に発表されましたが、1995年のデビューアルバム "Closer Still" から実に10年ぶり2枚目のアルバムです。さて、内容は実に盛りだくさん。10年ぶりのソロアルバムということでやりたいことが沢山あったに違いありません。1曲目は タイトル曲の "It's All Good", 2006年2月にSmooth Jazz 部門で5週連続一位になったヒット曲です。軽いタッチのファンキーな8ビートがなんとも洒落てます。Dave Koz のアルトサックスも気持ちよくブロウし、ちょっとレトロな風合いを持つこの曲にしっくり馴染んでいます。現代版 "Watermelon Man" というところでしょうか。2-5曲目はいかにも手慣れた熟練アレンジャーらしいリラックスした Smooth Jazz スタイルの佳作が続きます。
さて、私が惹かれたのは6曲目以降のバラエティに富んだピアノ演奏と編曲です。 "6. Waiting" 、地を這うようなベースラインとステレオ・トレモロのかかったエレピ。今にも Barry White が超低音で歌いだすのではないかと思わせる1970年代のブラコン・バラード・タッチのアレンジが心地よいです。"7. I Remember When" は Michael Franks の "Antonio's Song" を思わせるけだるいボサノバ。Everette Harp のアルトサックスもまさにその雰囲気です。 "8. It Could Happen"、シンプルで軽やかなシャッフル・ナンバー。往年のウィル・リーのようなベースラインと低音域クラビネットの刻みのノリが懐かしの80年代フュージョンバンドのようで嬉しくなります。 "9. Blues For Scott" からはがらっと雰囲気がかわり、ピアノ・トリオで演奏が始まる小粋な Jazz Waltz です。ここまでのフュージョン系ライブハウスの流れが、NYマンハッタンのバーラウンジに移動したという感じですね。最後は "10. Au Contraire"、何と意表をつくモダンジャズスタイルのナンバー。うーん、ジャズ・コンボの超定番ブルース・コード循環ですね。
いや〜聴いていて楽しいアルバムです。Simpson が優れたピアニストであると同時に様々なスタイルを知る名アレンジャーであることがわかります。こういうミュージシャン、好きなんです。Brian Simpsonの "It's All Good"、ピアノが好きな方にお薦めです。CDはAmazonで輸入版が発売されています。また、嬉しいことに iTMS にもアルバムページがアップされています。
試聴リンクはここ。アクセスするとすぐ再生が始まります。
最新アルバム+デビューアルバムが全曲聴けます。Amazonより一曲ずつが長く聴けてお薦め。
1. It's All Good
2. Here With You
3. Saturday Cool
4. Twilight
5. And The Story Goes
6. Waiting
7. I Remember When
8. It Could Happen
9. Blues For Scott
10. Au Contraire
以上にご紹介した音楽は Smooth Vibes Radio でオンエアされたものからのピックアップです。
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Music Flash(音楽ポータルサイトです。MS IEでのみ表示可能です)
Music Trip(インディーズ音楽を応援しているサイトです)
"It's All Good" は、2005年7月に発表されましたが、1995年のデビューアルバム "Closer Still" から実に10年ぶり2枚目のアルバムです。さて、内容は実に盛りだくさん。10年ぶりのソロアルバムということでやりたいことが沢山あったに違いありません。1曲目は タイトル曲の "It's All Good", 2006年2月にSmooth Jazz 部門で5週連続一位になったヒット曲です。軽いタッチのファンキーな8ビートがなんとも洒落てます。Dave Koz のアルトサックスも気持ちよくブロウし、ちょっとレトロな風合いを持つこの曲にしっくり馴染んでいます。現代版 "Watermelon Man" というところでしょうか。2-5曲目はいかにも手慣れた熟練アレンジャーらしいリラックスした Smooth Jazz スタイルの佳作が続きます。
さて、私が惹かれたのは6曲目以降のバラエティに富んだピアノ演奏と編曲です。 "6. Waiting" 、地を這うようなベースラインとステレオ・トレモロのかかったエレピ。今にも Barry White が超低音で歌いだすのではないかと思わせる1970年代のブラコン・バラード・タッチのアレンジが心地よいです。"7. I Remember When" は Michael Franks の "Antonio's Song" を思わせるけだるいボサノバ。Everette Harp のアルトサックスもまさにその雰囲気です。 "8. It Could Happen"、シンプルで軽やかなシャッフル・ナンバー。往年のウィル・リーのようなベースラインと低音域クラビネットの刻みのノリが懐かしの80年代フュージョンバンドのようで嬉しくなります。 "9. Blues For Scott" からはがらっと雰囲気がかわり、ピアノ・トリオで演奏が始まる小粋な Jazz Waltz です。ここまでのフュージョン系ライブハウスの流れが、NYマンハッタンのバーラウンジに移動したという感じですね。最後は "10. Au Contraire"、何と意表をつくモダンジャズスタイルのナンバー。うーん、ジャズ・コンボの超定番ブルース・コード循環ですね。
いや〜聴いていて楽しいアルバムです。Simpson が優れたピアニストであると同時に様々なスタイルを知る名アレンジャーであることがわかります。こういうミュージシャン、好きなんです。Brian Simpsonの "It's All Good"、ピアノが好きな方にお薦めです。CDはAmazonで輸入版が発売されています。また、嬉しいことに iTMS にもアルバムページがアップされています。
試聴リンクはここ。アクセスするとすぐ再生が始まります。
最新アルバム+デビューアルバムが全曲聴けます。Amazonより一曲ずつが長く聴けてお薦め。
1. It's All Good
2. Here With You
3. Saturday Cool
4. Twilight
5. And The Story Goes
6. Waiting
7. I Remember When
8. It Could Happen
9. Blues For Scott
10. Au Contraire
以上にご紹介した音楽は Smooth Vibes Radio でオンエアされたものからのピックアップです。
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