Patti Austin: Live 『あっと驚くものまね名人芸』

Patti Ausitn "Live" をご紹介します。Patti のライブ盤というとブレッカーやウイル・リーを始めとするNYの腕利きプレーヤーが参加しているCTIレーベル時代の『ライブ・アット・ザ・ボトムライン』(1979年)が有名ですが、この "Live" はそれよりも10年以上後の19923月の録音です。会場は前作と同じNYのボトムラインで、Dave Grusin Larry Rosen の率いる GRPレーベルからリリースされています。選曲は、1980年代のPatti のヒット曲をまんべんなく揃え、さらにDave Grusinが映画「トッツィー」のために書いたバラード "It Might Be You" をしっとりと歌っています。日本では未発売ですが、Amazonで輸入盤が入手可能です。私は1998年に仕事で3ヶ月ほど滞在していたマニラの街でふらっと入ったCDショップで偶然見つけて買いました。

このアルバム、演奏ももちろんすばらしいんですが、実は "Dialogue" (しゃべりですね) がすごいんです。曲順でいうと3番目の"Dialogue"9分近くもあるんですが、なんと、Pattiは有名歌手たちの歌真似を次々とやり、これがまた名人芸なんです。導入部からして完全にネタになっていて、「次は、James Ingram とのデュエット曲 "Baby, Come to Me" を歌います。今夜は James も駆けつけてくれています!」といって会場が大喜びしているところで、いきなり Patti James Ingram の歌真似を始めます。これがもう、絶妙に似ていて会場は爆笑の渦。さらに続いて Michael Jakson, Cher, Jeinfar Holiday, Michael Macdonald !! 等、性別も人種おかまいなしに誰でもできちゃうんです。歌まねの合間の喋りも本当におもしろいこと。「James はロバがヒーハー言うのにそっくり」、「Cherはフレーズの終わりがホエホエホエ〜となって文章がおわらない」、「Michael Macdonaldはパワフルでかっこいいけどハウハウ歌うからなに言ってるかほとんど分からないでしょ!本当は『お前のカーチャんでべそ』って言っててもわからないわね(と言って実際にその歌詞で歌ってみせる!)」とか、次から次へとネタを披露してもう爆笑に次ぐ爆笑。最後の方は観客が「ひーひー」笑っちゃってる声がはいってます。iPodのランダムでこれがひょっこり出てくると通勤電車の中で笑いをこらえるのが大変です。

Patti Austin Jazz界のタモリだったんです。知ってました?

Patti Ausitn: Live
の収録曲
1. I Can Cook, Too
2. Love Is Gonna Getcha
3. It Might Be You
4. Dialogue
5. Baby, Come to Me
6. How Do You Keep the Music Playing?
7. Do You Love Me?
8. Dialogue
9. We're All in This Together
10. Dialogue
11. Through the Test of Time
12. (Don't Know) Whether to Laugh or Cry
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