Victor Fields: "Thinking of You"-とびきり上等のブラコン・サウンドはいかがでしょうか

ボーカリストのVictor Fieldsのアルバム "Thinking of You" (2006.9) を紹介します。この人、日本ではほとんど知られていないですが、知る人ぞ知る素晴らしい R&B, ジャズ・ボーカリストです。ニューヨークのブルックリン生まれ。ちょっと変わった経歴の持ち主で、1999年にデビューアルバムを発表するまでは、ずっとビジネスマンだったそうです(しかもかなり成功していた)。お母さんがジュリアード音楽院出身のボーカル/ピアニストだったことから、音楽にはずっと昔から親しんできて、若い頃はアマチュアバンドでかなり歌っていたそうですが、大学卒業後はサンフランシスコで就職し、音楽は時々ライブハウスで歌うことはあっても、あくまで趣味になっていたそうです。

それが、プロへ転向することを決めたきっかけは、自分に音楽を教えたお母さんが亡くなったことだそうです。それに、弁護士をしている奥さんにも「ぜひやりたいことをやった方が良い」と強く進められ、また、 Chris Camozzi, Jeff Lorber, Gerald Albright といった Contemporary Jazz 系の一流ミュージシャンのサポートを得てデビューすることになったのです。

この
"Thinking of You" は彼の4枚目のアルバムですが、今まででもっともストレートな音作りで、彼の持ち味のスムースな歌がたっぷりが楽しめるという評判です。確かに、ソウル系、R&B系の名曲のカバーが目白押しです。一曲目の"Lovely day" Bill WithersMichael Jackson "Butterflies"Babyface "For the Cool In You" そして "What's Going On" は言わずと知れたMarvin Gaye の超有名曲です。オリジナル曲ももちろん入っていて、タイトル曲の "Thinking of You" "It's in Your Vibe"  Jeff Lorberとの共作の書き下ろしです。

このアルバムの特徴は、全篇にわたって
1970-80年代のブラック・コンテンポラリー・ミュージックの空気が充満しているところです。さらに、私が気に入ったのは、バックの演奏がまさに当時のバンド・サウンドそのものというところ。なんとも無理のない自然な音作りと上質のアレンジと演奏が重なり合って気持ちいいんですよ〜これが。ほとんどの曲のリズム・セクションにスタジオ・ライブのようなノリがあるのが素晴らしいところです。

Victor Fieldsのアルバム"Thinking of You" ブラコンが好きな方にお薦めです。CDCD Babyで発売されています。また、iTS には3作のアルバムページがアップされています。

Victor Fields: "Thinking of You"
:試聴リンク
1. LOVELY DAY featuring Jeff Lorber
2. YEARNING FOR YOUR LOVE
3. THINKING OF YOU
4. WALKING IN RHYTHM featuring Richard Elliot
5. CREEPIN' featuring Rick Braun
6. IT'S IN YOUR VIBE
7. WHEN SOMEBODY LOVES YOU BACK
8. BUTTERFLIES
9. FOR THE COOL IN YOU
10. WHAT'S GOING ON featuring Chris Camozzi

以上にご紹介した音楽は Smooth Vibes Radio でオンエアされたものからのピックアップです。

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