Greg Adams: "Cool To The Touch"

トランぺッター/アレンジャーのGreg Adamsの最新アルバム "Cool To The Touch" 20068月)をご紹介します。ぱっと見たところ大滝秀治さんが トランペットを持ってる!...という感じですが、これがまたすごい強者ミュージシャンなのです。Greg Adams といえば、パワフルなブラス・セクションとファンキーなリズムで知られる Tower Of Power の創設メンバーの一人としてリードトランペットを担当していました(1970-93年)。アレンジャーとしても大変有名で、Rod StewartElton JohnLinda Ronstadt といった面々から編曲の依頼を受けています。また、ドリームス・カム・トゥルーの吉田美和のソロ・アルバムに参加した事で日本でもその知名度があがりました。テレビ中継されたライブ映像で、村上ポンタや David T. Walker らとセッションしているのをご覧になったJ-POPファンも多いかと思います。

管楽器奏者の中では、トランペットでアレンジャーという人、結構多いような気がします。Seawind Jerry Hey もそうですし、かの御大 Quincy Jones もトランペットです。私はピアノ/鍵盤がメインですが、実は大昔にブラスバンドでトランペットを吹いていたことがあります。今でも大昔に吹き鳴らしていたラッパが物置の奥深くにあります。というわけで、ピアノ弾きのくせにブラス・セクションが大好きです。


そんな私にとって、この Greg Adams のサウンドは「ど真ん中のストライク」です。ファンキーでありながら抑え気味なリズムに乗せて流れるミュート・トランペットの音色はクールでシャープ、またバラードでは何とも哀愁があります。ブラス・セクションは小細工なしのこれぞブラス・アレンジの王道という出来映えが素晴らしい。4曲めの "Life In the Key of Blue" では、Tom Scott のテナーサックスと切れ味鋭い掛け合いを聴かせ、そのバックでは、これぞファンキーブラスというTower Of Power 時代の流れを汲むホーンセクションがバリバリ入っています。最後の "When The Party's Over" は、素晴らしいバラード。丹念にアレンジされたストリングスをバックに何とも美しい旋律を聴かせてくれます。かつての「トランペット少年」としては何とも心躍るアルバムです。

Greg Adams "Cool To The Touch" これぞ大人のリスナーのためのアルバムです。管楽器が好きな方に特にお薦めです。CDCD Babyで発売されています。また、iTMS にもアルバムページがあります。

試聴リンクはここ。アクセスするとすぐ再生が始まります。
最新アルバムが全曲最初の
130秒聴くことができます。

Greg Adams: "Cool To The Touch"
1. Felix The Cat
2. It's Only Love, Love
3. One Night In Rio
4. Life In The Key Of Blue
5. Cool To The Touch
6. Hi-Fi
7. Hermosa
8. If I Ever Lose My Faith In You
9. Bongo Baby
10. When The Party's Over
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