序論・随想  らくな泳ぎの基本  らくな4泳法  楽しい泳法  泳ぎの理論  身体に故障がある時

らくな4泳法の概要 【目次】

A らくらくクロール

A1 八の字泳法

A2 招き猫泳法

A3 鉤腕泳法

A4 円月泳法

B らくらく背泳ぎ

B1 2ビートらくらく背泳ぎ

B2 もっとらくに泳げる煽り足

C らくらく平泳

C1 らくらく平泳ぎ

C2 らくらく円月平泳ぎ

D らくらくバタフライ

はじめに

序論で述べたことだが、水泳は、健康に良いというけれど、息が苦しい、鼻に水が入る、どうにも楽にならない、教えられるようにはうまく泳げないという方もおられよう。苦しかったらめげてしまう。

ここで紹介する泳法は、速い記録を目指す人のものではない。とりわけ還暦過ぎたら、これまでのベストタイムを維持することだけでも結構大変である。とにかく、4泳法を泳げるようになりたい。でも、もっと、楽に、静かに、まったりと泳ぎたいという方におすすめである。

私は、数年かけて、楽に、優雅に、そこそこ速く泳げるようになるためには、どのようにすればよいかを研究してきた。その結果、いろんな方法があるということが解った。単に楽なだけでなく、静かに、優雅に、楽しく泳ぐことができるようになった。

そうして、誰しも、自分の身体や思いに適した泳ぎ方があり、そうする合理的な理由があると考えるにいたったのである。

このサイトでは、私が工夫したそれらの泳ぎ方の一端を紹介し、それが、とりわけ還暦スイマーや、いろいろな身体的特徴を持った方々に、それぞれの個性に合った泳ぎ方を見つけることができるよう、何らかの参考になればと願って執筆したものである。

改造した4泳法について、このページでは、簡単にそれぞれを紹介する。もし、ご興味が湧くようであれば、それぞれのページに跳んで欲しい。きっと、あなたに合った泳ぎ方があると思う。




A らくらくクロール編


このクロール編では、プルの方法に違った特徴のある4つの泳法を紹介する。「八の字泳法」は、八の字プル、「招き猫泳法」では、直線的なプル、鉤腕泳法では、カギ型に曲げた腕を身体に巻き込むように回転させるプル、そして、円月泳法では、腕を大きく円月形に回すという、いずれもユニークな泳法である。

クロールとは、這うという意味である。腹ばいになり、肘と膝を使って前に進むときには、肩を大きく回さなければうまく進めない。前腕は目の前を一文字の形に横になって目の前を下りていくだろう。膝も前から後ろに押すことになる。クロールでも、一番力が入れやすいのは、こうして、体の前に肘を落とした姿勢で行う動きのときである。なかなか、トップスイマーがやるようなハイエルボーは、われわれ還暦スイマーには難しい。われわれは、一番、力の入れやすい形だけを考えればよい。いいとこ取りすれば良いのだ。

ここで、紹介する泳法は、そうしたことを原則に開発したものである。全く感じの違う4つの泳法を、ぜひお試しあれ。

詳しくは、それぞれの泳法解説の標題欄の右端のアイコンをクリックして、詳細ページをご覧いただきたい。



A1 八の字泳法


「楽な泳ぎの基本」の基礎練習として既に紹介したが、これを、最初に、非常に単純で、ラクな泳ぎとして推奨したい。

この泳法は、らくな泳ぎの基本原理を理解するためにはとても良い素材であると思う。この泳ぎを原型として、キックやプル、そして浮き沈みの基本を学ぶことができる。

特に、ここで紹介する他の泳法も、ここで使う散歩キックと名づけたキックを多用することになる。

もし、クロールも初めてだという人は、そして、クロールを泳げる人も、騙されたと思って、一度、泳いでみられたら良いと思っている。

八の字泳法と名づけたが、一応、クロールに分類してよい泳ぎ方であろう。特に、この泳法は、後に紹介する「招き猫泳法」の導入としても位置づけている。

  • 基本姿勢
  • この泳ぎは、ゆっくり歩くようなリズムで、散歩をしているような感覚があり、動きも、とても単純だ。ただし、散歩といっても、犬の散歩のような、四足での散歩の印象がある。だから、大きな犬かきのようで格好悪いと敬遠されると困るが、この泳法は、動きが単純で、ラクであるにもかかわらず、その速度は思うほど遅くはない。軽く壁を蹴って、25mを16ストローク、30秒くらいのペースで泳げるし、ピッチを上げれば25秒も切る。また、楽なので、小一時間で2kmは泳げる。

  • プル開始       腕は伸ばさず腋を開ける
  • 八の字泳法のストロークは、ハの字に斜めに払う。また、散歩では、意識的な大きなロールはしないが、腕のリカバリーに必要な程度の上体のロールは必要だ。また、浮き沈みを効果的に使う場合には、積極的にローリングしたほうが上手に沈みこめるだろう。キックは、こんなにと思うくらい、ストロークに合わせて一度だけ深く打つ。だから、2ビートだ。

    ともあれ、自分にとって、一番、楽ちんなやり方を見つけて欲しい。

    この泳ぎを進化させると、次に紹介する「招き猫」という泳法になる。

    詳しくは、泳法タイトル欄の右端のアイコンをクリックして、詳細ページをご覧いただきたい。



    A2 招き猫泳法


    八の字泳法を進化させて、もっと速くなる可能性をも秘めた、楽しい泳法を紹介しよう。

    その名も、招き猫泳法。あたかも、自分自身がねこになって狩りをしているような錯覚さえ持つ泳法だ。

    どの泳法でも、抵抗をなくすために身体を真っ直ぐに保つということは基本であるが、この泳法では、真っ直ぐに保つのは上体にとどめ、手足の姿勢や動きを、通常のクロールとは大きく変えた。

    基本姿勢

    通常のクロールでは、腕や身体を前後に長く伸ばすのが通例であるが、この泳法では、腕も下肢も、力を緩め、関節は伸びきらず、バネのような動きが基本である。もちろん、高速になるにつれて身体は前後に長く伸びていくことにはなる。

    この泳法では、前下方に押さえる前腕、垂直方向の半円形プル、斜め下方へのキックに身体を水面に押し上げる効果があるのが特徴であり、速く泳ぐほど身体を水面から上に押し出して、形状抵抗や摩擦抵抗を少なくすることが期待できるからである。

    私は、25mを25~30秒、13ストロークほどのピッチで泳ぐ。

    この泳ぎの動作は、最初は、四足でゆったり歩く感じ。だんだん速くしていくと、ねこが獲物を狙って次々に跳躍していくような感じになっていく。

    ともあれ、この泳法は、これまでの、伸びて伸びてといった泳ぎとは、全く感覚が異なり、バネが伸びたり縮んだりするような弾力性のある動きなので、やみつきになること請け合いだ。ぜひお試しあれ。

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    A3 鉤腕泳法


    このサイトで紹介する「らくらく泳法」は、どの泳ぎにしてもピッチを非常にゆっくり取ることができるが、とりわけ、この泳法は、ストロークの間を如何ようにでも長くできる。それゆえ、ピッチを、速くも、遅くも、自在にコントロールできるのが特徴である。

    それを可能としているのは、ローリングの角度の自在なコントロールである。

    基本姿勢

    基本姿勢は、真横を向いた、真っ平らな身体である。真っ平らな身体が、くるっくるっと反転しながら、ゆっくり進んでいく。腕を前方に長く伸ばす動作はないので、腕の疲れも殆ど無い。泳速を速くすると、ローリング幅を小さくとり、真横まで向かなくなる。

    命名の由来は、その腕の動きにある。

    肘は、常に、ほぼ直角に保って、腕相撲をするがごとくなのだ。またの名前を、鉤腕泳法とも呼んでいる。

    基本姿勢は、右の図1のとおり。身体のローリングが始まると、水底の鉤腕のようにカギ型に曲げた腕の前腕で腹の方に巻き込むようにプルを行う。いつまでも泳いでいられるので、距離向きだ。

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    A4 円月泳法


    図1 基本姿勢
    図2 円形のプル

    らくなクロールのひとつとして、円月泳法と命名したクロールを紹介する。これは、キックを全く使わなくても、苦労なく、楽に泳げることが特徴だ。

    この泳法では、壁を蹴らないで、25mを15ストローク前後で、30秒程度で泳ぐ。キックなしでは、16ストローク、35秒程度である。

    円月泳法の基本姿勢は、図1のように、腕を円形に保った形だ。

    泳ぐときの腕の動きは、図2のように左右交互に円を描く。

    円く掲げた腕は、進行方向からの水流の抵抗を生じる。水を円く掲げた腕の内外に滞留させるからである。それゆえ、泳速を上げる場合は、それに従って、この円を、縦の楕円に伸ばしていく。

    とにかく、この泳法は、実にバランスがよく、姿勢にも自由度がある。下肢がぶれることがないからである。身体を起こしたり、沈めたり、好みに応じて、いろいろな大勢がとれるのだ。

    また、足も、キックなしでも、ドルフィンでも、深くも、浅くも、内股でもいろいろな効果が楽しめる。ぜひおすすめである。

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    B らくらく背泳編


    B1 2ビートのらくらく背泳ぎ

    ここで紹介する背泳ぎは、パタパタと漕ぐイメージでなく、水の抵抗を少なくして、水の上を滑っていく感じがあり、身体の動きが止まっている時間が長いものである。したがって、余裕がもてるので、ピッチも緩急自在にコントロールできるものである。

    「らくらく背泳ぎ」と呼んでおくが、長距離を泳ぐ時は、25mを13ストローク、35〜40秒くらいで私はゆっくり泳ぐ。もっと速く泳ぐときは、プルに力を入れ、より遠くに手を伸ばすと30秒くらいに縮まる。もっと速くするには、プルのピッチをもう少し上げる。

    この泳ぎで一番大事なのは姿勢であり、足を浮かせることである。下肢が浮かばなければ、身体が斜めになって、モーターボートのようにキックで頑張らねばならなくなる。そうなると、疲れるし、自由なピッチコントロールもできない。しかし、あお向けになって、ぷかっと浮かんで、下肢が沈まなければ、2ビートで充分であり、キックすらなくても泳げるようになる。

  • 2ビートのらくらく背泳ぎ
  • 基本原則はクロールと同じで、重心を前にもってくることである。だが、背泳ぎでは、それなりの工夫もある。

    腕は、腕相撲に似た動きで腕のフックの形を変えずに胸の前に倒し、そのまま後方に押しこみ、最後は大腿の裏に水を軽く捨てる。肩の固さにもよるが、そのためにローリングも行う。

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    B2 もっとらくに泳げる煽り足

    「2ビートのらくらく背泳ぎ」で紹介した泳ぎで、まだ、2ビートに慣れないという方に、お奨めしたい泳ぎ方を紹介する。

    それは、「煽り足」を使うことだ。

    煽り足は、おそらく、キックとは呼ばないのだろう。前後に挟むものであるからだ。

    これを使うことにより、らくらく背泳ぎが、もっとラクになる。泳法違反ではないが、こうなると、これを背泳ぎとは呼ばない人がいるかもしれない。それゆえ、一応別の泳ぎとして、ここで説明する。しかし、これは、2ビートへの効果的な導入練習にもなるのである。らくらく背泳ぎを一旦読んでからにしていただきたい。

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    C らくらく平泳編


    C1 らくらく平泳ぎ

    この平泳ぎは、早さにこだわらず、ゆっくり泳ぎたい人や、特に、ひざや股関節、腰が痛くなる方にはお奨めである。

    ゆっくり泳いで、壁を軽く蹴って、25mを9ストローク前後、35秒くらいの泳ぎ方である。力を入れて、ピッチを上げれば25秒程度までは上げられる。

  • らくらく平泳ぎ
  • 膝から下にの脚に変な力が入らないようにするために、蹴り方を、陸の上で腰を落として飛び上がるという動作に変更した。

    上体は。バタフライの沈み込みのうねりと全く同じようにうねる。一旦胸を沈めこんでから、次に胸を張って前方に伸びる。これによって、

    容易に浮き上がることができ、息継ぎも楽になる。

    腕のプルは、身体の平衡を保ち、上体を浮かせることを重視する。

    バランスがとれているために、ストロークの回数や、速度の緩急のコントロールも容易である。

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    C2 らくらく円月平泳ぎ

    もっと、まったりした動きで、らくちんに泳げる平泳ぎを紹介しよう。

    平泳ぎは、平易であるように思えるが、スピードを出すとなると、結構大変だ。また、前節の泳ぎ方でも、そんなにラクじゃないと思う方もおられるかもしれない。

  • らくらく円月平泳ぎ
  • そんな方は、もっとまったり泳げるようにしよう。

    それゆえ、ねらいは、泳速を上げることにはない。25mを30秒くらいまでは出せるが、反対に、泳速はどんなにでも遅くできる。遅いと、身体はあまり浮かないものだが、この泳ぎでは浮く。だから、どんなに遅くてもラクに優雅に泳げること請け合いである。

    両手は、主に、上体を浮かすために使う。

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    D らくらくバタフライ編


  • スカルあり。キックはプルと同期
  • スカルあり。キックをプル前に入れ、3回目も軽く入れる
  • スカルなし。キックはプルと同期
  • 私が泳ぐバタフライは、プルのやり方2種類とキックのタイミング3種類の組み合わせで大きく分けて4種類ほどある。

    そのバタフライのピッチ及び速度は、25mを壁を蹴ってひと蹴りしてから、8ストローク、25〜30秒くらいである。

    プルは、スカルを入れる方法と入れない方法の2種。キックは、プルと同期させてキックする場合とプル前に行う方法、それから、3回キックする方法の3種である。

    バタフライの苦手な人の泳ぎでは、だんだん、上体が上がらなくなり、また、胸から落ちたりする。

    このらくらくバタフライでは、胸をしっかり沈めてから、確実に上体を浮上させ、前方に頭から飛び込むことを重視する。

    深みから浮力を利用してブリをつけなければ、われら還暦スイマーにとって、やっていけない。

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