本サイトでは、方向を指す場合の右・左の記述は、自分の進行方向に対する方向を意味します。
日時 | 2008-7-19 | 場所 | 兵庫県神戸市・芦屋市(六甲山) | 天候 | 晴れ 32℃(神戸市) |
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工程 | 阪急芦屋川駅 → 高座の滝 → 芦屋地獄谷 → 魚屋道 → 十文字山経由・住吉川 → JR住吉駅 | ||||
時間 | 芦屋地獄谷 約1.5時間、全工程7時間 | 平面距離 | km | ||
私的 分類 |
道程:![]() |
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今まで、六甲山で沢歩きなんて考えも付かなかったけど、シーズン始めの足慣らしに、と考えて六甲山に沢はないのかなと調べると、歩ける沢がいくつかあるらしい。
その中でも、小滝で構成される割と短い遡行距離の芦屋地獄谷を歩いてみた。
この沢は、川幅は狭く、深さもそれほどない小さな渓谷で、平坦な沢を少し歩いては 3~4mの小滝を越える、というパターン。急勾配を小滝の連続でカバーしているようだ。
沢も滝も脇を歩いて越えていくこともできるけど、水深は浅いし、滝つぼも殆どないので、沢の真ん中をジャブジャブ歩いて、滝の直下からワシッと滝の壁に取り付いて直登も簡単にできる。しかも険しそうに見える壁も足を乗せたいと思うところに凹みがあり、手を懸けたいと思うところに出っ張りがある。
渓流シューズを履いてさえいれば、殆どスリップもないので本当に楽しい。
暗過ぎない木陰に覆われ、気温も低く、かといって苔むしてもいず、退屈しない程度に滝が現れ、しかも軽快に越えていく事ができる。
景色も綺麗で、沢音と鳥のさえずりが耳に響き、かなり楽しい。
9:30AMに、阪急芦屋川駅を出発。高座の滝までは舗装された道になっていて、高級住宅街を経て約30分くらいで到着。
この暑い中、おでんとタバコのニオイが立ち込める、かなりレトロな雰囲気に包まれた滝の茶屋と大谷茶屋を通り抜けて早速山に入った。
高座の滝の前を通り過ぎて、急な山道を登るとすぐに兵庫登山会の手書きの看板がある。この看板手前を左側に下っていけば芦屋地獄谷である。
まずは、古い砂防ダムの上流側にある、かなり広々とした砂場に降り立つ。土石流警報ロープをくぐれば、谷の始まり。
谷の入り口の左手側「ゲートロック」と言われる壁が崩落している。崩れようとする巨石を一本の木だけで支えている箇所がありこれって結構危険なのでは!?。異常がないか見極めてさっさと通過。
六甲山の沢なんて、水質はどうだろうと心配していたけど、思った以上に綺麗で、滝のしぶきを浴びながら、気持ちよく滝を越えていく事、20分くらいで小便滝に到達。
しかし、「小便滝」とは、なんとも品の無い名前をつけたもんだ。後日行った西山谷やその他の谷でもそうだったけど、六甲山の滝の命名にはセンスの微塵も無い、というのがとても残念。
小便滝の上流側に堰堤があり、昭文社の山と高原地図「六甲・摩耶」のルート図によれば、ここから右手の崖を登っていけば、A懸・B懸を経てピラーロックに出るらしい。しかしこの暑い中、我々はそんな事はしない。涼しい沢がこの先にまだあるのにもったいない。
という事で、小便滝右手の山道を登り始めてすぐの、写真の岩の上から左手側に伸びている踏み跡を辿って山の中に入る。
すぐに堰堤の右側を通り越す。後は適当に沢まで下って遡行再開である。
上流になるに従って、だんだんうっそうとしてくる。群生するシダ植物のトンネルをくぐり、滑床の沢をなおも進む。どこの沢でも滑床は楽しい♪
シダの群生地点を過ぎると、川幅が狭くなり水量もかなり減ってくる。そうこうしているうちにいくつかの巨石が行く手を阻む箇所が出てくる。これを越えるとすぐに2本の沢の合流地点に達する。
ここは2本の沢の左手側に進む。右手側に行けば、風吹岩直下に出る事ができるらしいが、未確認。
左手側の沢筋を進むと、左側の岸がちょっと開けた箇所が出てきて、赤テープと斜面を登っていく踏み跡が確認できる。ここで遡行終了。
我々はここで昼食。時間は11:30AM
まるで置いたかのような平らな岩が2つあって、それに座ってお昼にする。土曜日の六甲山だというのに、この谷で出会ったのはおっちゃん2人組の1組だけ。雑踏も無く、涼しく、お昼の間、時々すぐ近くまで小鳥がやってきて自然を満喫。これだから沢歩きはやめられない:D
食事後はトラックシューズに履き替えて、赤テープに従って斜面を登る。踏み跡は明瞭で時々赤テープが巻かれているので、迷うことはない。
しばらく行くと小さな尾根のような箇所に出てくるので、これを右方向、北に向かって登っていく。と、唐突に魚屋道と金鳥山・保久良神社方面との分岐点近くに藪をかき分けつつガサゴソッと出る。
後はどこなりとも好きな方に向かって行くだけ。さすが六甲山の登山道は整備されていて歩き易く、しかも真夏だというのに木陰に覆われ、とても涼しい。
それだけに、人の往来も多い。登山道に出た途端に、さっきまでの閑静が嘘のように、ひっきりなしに人とすれ違う。
この日は足慣らしのつもりが、調子に乗って金鳥山方面に向かって下っていき、金鳥山前の分岐から八幡谷を経て十文字山から住吉川に下るコースで下山した。
こんなすぐ近くに、こんな楽しい沢があるとはまったく知らなかった。電車で来て電車で帰るというのもとても楽チンでいい。帰りは足元泥だらけで膝まで濡れた状態で電車に乗るので、若干恥ずかしいが、まぁ誰も見ちゃいないだろう。
今年の夏は六甲山の沢を調査する必要がありそうだ!