クソギ大滝

日時 2009-8-12 場所 鳥取県若桜町 天候 曇り(時々晴れ) 30℃
工程 「幻の滝」看板→林道→久曽木谷川遡行→クソギ大滝(復路同じ)
時間 (片道)林道徒歩 約0.5時間 渓谷遡行 約1.5 時間 平面距離 km
私的
分類
道程:うっそう系 ウキウキ系  滝:ウキウキ系 明るい 秘境

本サイトでは、方向を指す場合の右・左の記述は、自分の進行方向に対する方向を意味します。

八月になってやっと梅雨明けが宣言され、数日の炎天下があったと思ったら、またもや大雨の毎日が続く。天気予報はもはや“予報”ではなく、空模様を見ながらその場その場で天気の情報を書き換えているでしょ?絶対・・・としか思えないほど変更に次ぐ変更で、まったくあてにならない。

逆水の滝の時と同様、長雨の間隙を突いて、戸倉峠の谷を目指した。

概要

やや鬱蒼とした沢を抜けて、この滝に面と向かった時、その壮大さに完全に言葉を失ってしまった。

多くのウェブ上の記述では落差50mとなっているけど、非常に深い奥行きを持つ斜瀑で、実感としては50mなんてものではなく、遥か上方から落ちてくるように感じる。

写真では木にさえぎられていて見えないが、2段になった滝の中段より上は、下段の滝の2,3倍の滝幅があり、その壁を大量の水が流れ落ちていて、すごい迫力だ。

※水量に関しては、長雨直後に行ったため、通常よりかなり多かったという可能性あり。多くの写真をみると普段の水量はもっと少ないように思う

また、この滝の中段は巨大なテラスになっていて、下段の滝つぼには無い、開放的なとてもいい雰囲気の空間がある。
岩と草と流水が溢れるこのテラスは、時間を忘れてしまいそうになるほど楽しい。

ルート

国道29号線を兵庫県側から鳥取方面に向かい、新戸倉トンネルを抜けいくつかの急カーブを経た後、ゼブラゾーンが大きく取られた左カーブがあり、そのカーブに架かっている橋の手前を右折して林道に入る。

林道にはいくつもの別荘らしき建物があり、その建物を経て5分ほどで舗装路は終点となる。

終点には、下の写真のような奇妙な看板がある。
熊やヘビの絵が注意喚起というより、楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。

この看板の前に車を停めて、出発。時間は9:50AM。

駐車場の左手から伸びる、かなりしっかりした林道を登る。20分ほどで綺麗な林道はなくなり、右手に沢を見ながら踏み跡程度の山道を進む。
すぐに堰堤がありこれを越えると階段状の滝に到着。

この滝の手前には崩れかかった古い石積みがありその上を遊歩道跡が伸びているが、その石積みも階段状の滝の手前で崩落。この崩落部には滝の中段に向かって、丸太が二本架けてあるが、苔に覆われ相当古そう。高度も結構ある。

この朽ちかけた丸太を信用して賭けてみるには、ここはあまりにも僻地過ぎる。とっくの昔に携帯電話の電波は圏外である。

という事で、ここで渓流シューズに履き替え、入渓。

滝の右面に取り付き、中段を左手の岸に渡って、岩の階段を登る。
やはり長雨後のためか、すごい水量。かなり足をとられる。あれ?この選択もわりと危なかったかも?

この滝を越えると、それほど険しくはない沢が続く。崩落してしまってはいるが、遊歩道の跡が平行して続くため、険しい箇所は簡単に遊歩道にエスケープできる。

早朝にはまぶしいほどの晴天だったのに、すっかり曇天に変わってしまった。曇り空がその要因としてかなり大きいと思うけど、沢はじめじめしていて、鬱蒼とした雰囲気。ややテンションあがらず。

沢に入って1時間半。緩やかに右にカーブした沢筋を辿っていると、枝葉の間に巨大な白い壁が見えてくる。
この沢の滝や、他の沢の滝も含め、今まで見てきた滝とは明らかにスケールが違う。それが、枝葉を通して見えるその白い壁から一見して分かるほどの巨大な滝である。

それまでのテンションの低さは吹き飛び、一気に歩調が早くなる。

11:50AM クソギの大滝(久曽木大滝)に到達。

残念ながら、この滝も下手な自分の写真や文章では、その素晴らしさは1つも伝わらない。
ともかく、これほどの滝がひっそりと手付かずの自然のまま残されているなんて、本当にラッキーとしか言いようがない。

さらに、この滝は2段になっていて、その中段が素晴らしい。
中段部は、下から見えている景色からは想像も出来ないほどの広いテラスになっていて、滝つぼの若干狭い空間とは対照的に広大な棚になっている。

ここで遊ばなかったから、我々の沢行きの目的は嘘である。

中段のテラスから下段の滝の落ち口を見る。右真ん中あたりに、滝つぼに置いてきた赤い荷物が小さく見える。

中段のテラスから上段側の滝を見る。この辺りは全面が岩場でメチャ楽しい

今、この滝まで登ってきた人がいたら悲惨である。荘厳な滝のど真ん中ではしゃいでいる、アホな大人2人を目撃することになるのだから。

本当に残念なことに、この日は終始曇り空。せっかくの最高の遊び場も、しばらくすると寒くて居られなくなる。
この日は水量が非常に多かったが、晴天が続いた後だと、もしかしたらずっと水量が少ないかもしれない。それでも、ぜひカラッと晴れた日に再び訪れたい滝である。