本サイトでは、方向を指す場合の右・左の記述は、自分の進行方向に対する方向を意味します。
日時 | 2016-7-30 | 場所 | 和歌山県新宮市瀧本 | 天候 | 晴れ 29℃ |
---|---|---|---|---|---|
工程 | 瀧本小学校跡→林道→筆藪の滝→猿手滝→けやき原滝→屏風滝→亀壺ノ滝→滑→降渓 | ||||
時間 | 小学校跡~亀壺の滝 4hr、亀壺の滝~比丘尼滝 1.5hr、比丘尼滝~取水堰堤 1hr | 平面距離 | 滑終点斜瀑まで5.5km、斜瀑から取水堰堤まで2km | ||
私的 分類 |
![]() ![]() ![]() ![]() |
本サイトでは、方向を指す場合の右・左の記述は、自分の進行方向に対する方向を意味します。
次々に現れる変化に富んだ滝と、絶壁の間を縫って走る侵食された滑に自然のダイナミズムをひしひしと感じます。
水は透明で清々しく、涼しい木陰と輝く水面が沢中に溢れ、時間が経つのを忘れる秘境です。
県道44号線を川を渡り、山を越え、集落をいくつか通り過ぎ、曲がりくねった狭すぎる道を延々走って瀧本集落に8:00過ぎに到着。
小学校跡に駐車させてもらって、朝のまぶしい陽の光が差し込む林道を登る。
20分ほど歩いて、庭園のような雰囲気の筆藪の滝に到着。
この滝の手前にはとてつもない崩落があって、それが滝つぼにまで侵入。滝そのものは被害を受けてなくて良かった。
右岸の崖をよじ登る。結構険しい。
筆藪の滝落ち口。木々に囲まれ木陰が涼しげな滑。滝つぼとは対照的にすごく静かな雰囲気。
ちょっと進むと巨石が連なり結構険しい。
筆藪の滝落ち口から30分ほどで段々状の滝面が印象的な猿手滝。
ルートはこの滝手前で右に曲がっている沢筋だが、その沢筋をそのまま遡行すると部屋滝に阻まれるので、この猿手滝の左岸を巻く。
猿手滝のすぐ手前の左岸の崖を滝を左に見ながらよじ登る。残置ロープあり。でも結構険しい。
猿手滝を巻き上がってふみ跡を辿って右に進むと部屋滝の落ち口。
この落ち口もやっぱり静かで綺麗。
変化に富んだ沢に清流が噴出し、真夏だというのにひんやりとした空気が谷を覆う。
が、またまた巨石が連なり結構険しい。
部屋滝の落ち口から20分くらいで到着する斜瀑というか斜面。
ほんの数メートルなのに変に登りにくくて、気が付くとお互い無言で真剣に斜面に取り組む。
斜面のすぐ上が溜湾殿滝。
底に沈んだ丸い石が綺麗に見える澄んだ滝つぼに、音も無く斜瀑が滑り込む穏やかな景色。
いい感じの滑が続いたあと、
これまでにも増して険しい巨石地帯に突入。ひー。
溜湾殿滝から30分ほどで、巨大な壁が立ちはだかり落差30mのけやき原滝が眼前に現れる。
が、その直前には壁のように積みあがった巨石。これ越えるのめっちゃきつそう、とひるむが、
よく見てみると右岸に巻きルートあり。結構険しいけど。
これを巻くと、けやき原滝の直下に出られる。
ごつごつした岩肌をした滝と、巨石が連なる滝前の景色が荒々しく、迫力のある自然の壮大さを実感する。
けやき原滝で休憩した後、左岸を巻き上がる。垂直に立った柱状節理の壁際を回りこんでけやき原滝の落ち口に出る。
けやき原滝からはこの谷のハイライトが息つく間もなく連続する。
切り立った幅の広い壁を持つ屏風滝
その前にある池の水面に写り込んだ屏風滝や周りの滑がとても綺麗。
滝つぼは小さく、滝肌まで近寄れる。近くで見ると巨大な岩肌に驚かされる。
屏風滝の落ち口に繋がる深い釜を持つ亀壺の滝。
屏風滝は左岸から合流してくる滑沢の手前から小さく巻く。
亀壺の滝のテラスからの絶景。
ここを桃源郷と言わずして、なんと言う?
こりゃいいわ・・・このまま日が暮れなきゃいいのに。
亀壺の滝を右岸から巻き上がって降り立ったところは・・・
うわ、なんだこの景観は!壁と沢床が滑らかなRで繋がる独特な地形。
緩やか傾斜をS字カーブでつなぐ。スケール感が半端無い。
絶壁を仰ぎ見る。もう表現のしようがない秘境感。
滑地帯の終点の斜瀑。透き通った釜の色が綺麗。
2016年はここで遡行終了。そのまま来た道を降渓。5時過ぎに到着した筆藪の滝を後にして林道をのんびり下る。日が暮れかけた山間の景色を眺めながら、余韻に浸るこの時間がまた格別だった。
ここから上流は2017年7月に再訪して遡行。実際には上流部から谷にアクセスし、屏風滝まで降渓して引き返しました。
巨大滑地帯終点の斜瀑の上流部は、またまた巨石地帯。昨年はこれを見て、スタコラと引き返したんだけど。
幸いにもこの巨石地帯は、30分弱くらい歩いた頃から川原地帯になる。
ゴーロと再び川原地帯を越えて、比丘尼滝。
川原に囲まれ、今までの滝とはまた趣きが違い、いい雰囲気。落差もありこれだけでも結構立派な滝。
左岸の崖を巻く。残置ロープがあるが、タルンタルンで全く意味なし。足場はあるがまぁまぁ険しい。
比丘尼滝から15分くらいで高い絶壁に阻まれ曲がりながら落ちる、最後の核心の滑滝。
取水堰堤で遡行終了。
取水堰堤の上流側の川原に谷の北側にある作業道から巡視階段が降りてきているので、それを使って谷から離脱。
南紀は遠く、県道44号線は狭すぎるが、この絶景を前にして、そんなことは大した問題じゃないと思える素晴らしい谷でした。